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ステップオーバ―(サッカー)のコツとオコチャダンス!

投稿日:2018年6月10日 更新日:

オコチャのステップオーバー
日本人のステップオーバーはシザースと同じように足を振り回すだけのやり方になっています。
足の力に頼った方法ではフェイント動作が小さくスピードも遅いです。
だから子供たちも試合ではあまり使いません。

そこでお手本にしたいのがオコチャダンスで有名な元ナイジェリア代表のジェイジェイ・オコチャのステップオーバーです。
実はオコチャのテクニックにはステップオーバーのコツが隠されています。

そこで今回は正しいステップオーバ―のやり方とコツを詳しく解説します。

1.日本人とオコチャのステップオーバーの違い

(1)日本人のステップオーバー

ほとんどの日本人のステップオーバーは足を外から内にまたぐだけです(膝から下をチョコチョコ動かすだけ)
次の動画の実演者の背中を見るとSTAFFという文字がハッキリ分かりますよね。
これは何を意味するのかというと上半身をほとんど使ってないということです。
もしも上半身の背骨のバネや筋肉を使っているのであれば、背中の文字が読めないくらいにジャージがしわくちゃになるはずです。

これでは棒立ちの状態でプレーするのと同じですし、上半身が重りのようになってしまいます。
ヒトの上半身と下半身の体重比は6対4なので、体重が60㎏の人だったら36㎏の荷物(上半身)を背負って一一生懸命ステップオーバーをするのと同じです。
そうすると下半身にはかなりの負担になるのでスピーディーに動けません。

こちらの動画の実演者は先ほどの動画の人よりもさらに重たそうな動きをしています。
単に足を動かしているだけ…というのが分かると思います。
このように足だけを動かしているのでは何のフェイントにもなりません。

このようにフェイントが小さいという特徴は子供たちにも見られます。
次の動画はどこかのクラブか少年団の子供の練習の様子です。
これほどまたぐステップが小さいと、やはり上半身は使っていないのではないか?と想像が付きますね。

それでは、次にジェイジェイ・オコチャの動きを見てみましょう。

(2)オコチャのステップオーバー

次の動画はオコチャダンスと言われるステップオーバーを変形させた独特のフェイントです。
ここで着目していただきたいのが背番号の10の文字です。
ユニフォームがしわくちゃになっているのでかなり見づらくなっていますが、これは上半身の背骨のバネや筋肉をたくさん使っている証拠です。
黒人特有のくにゃくにゃした動きも見られます。

黒人はよく身体能力が高いと言われますが、これは上半身の背骨のバネ作用や体幹を効果的に使っているからです。
つまり全身を使ってプレーしているのです。
そうすると全身を使った動きを参考にすれば、ステップオーバーのフェイント動作も大きくなってスピードも速くなるというわけです。

そこで次にオコチャのステップオーバーを参考にして2つのコツを解説します。

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2.ステップオーバーの2つのコツ

ステップオーバーのコツは2つだけです。
一つ目は体幹ひねり(筋肉の伸張反射)。
二つ目はワップダウンとワップアップ(背骨のバネ作用)。
こうした筋肉の伸張反射と背骨のバネ作用を使うと運動パフォーマンスがアップします。
また、この2つの動作を覚えるとフェイントが大きくなってスピーディーに動けます。
これはスポーツ科学の最新理論なのでぜひ覚えましょう。

そこでこの2つのコツを順次解説しましょう。

(1)ステップオーバーのまたぎ動作と体幹ひねり

次の動画は私の息子「とも」の実演です。
前半のシーンのまたぐ動作は体幹ひねりを使っています。
その理由はフェイント動作が大きくなるからです。
まるでやる気がないようにも見えますが、上半身の体幹を効果的に使うためにはこのような全身のリラックスが大切です。
こうすることでボールをまたぐ動作が大きくなってフェイントが効果的に使えるようになるのです。

体幹ひねりは次の動画の体操を参考にしてください。
上半身と下半身を逆にひねるだけなのでとても簡単です。

(2)ステップオーバーのフェイント

先ほどの動画の後半のシーンに出て来るステップオーバーのまたぎからアウトサイドで抜くまでの一連の動きを詳しく説明します。
先ほどの体幹ひねりと合わせて背骨のバネ作用(ワップダウンとワップアップ)にも注目してください。

先ずアウトのドリブルで前進します。
アウトのドリブルで前進する様子

最初に一回目の体幹ひねりです。
上半身と下半身を回転させることで腹斜筋、腸腰筋、大腿四頭筋などをひねっています。
そのためこれらの筋肉が急激に伸びています。
一回目の体幹ひねりの説明画像

次に二回目の体幹ひねりです。
このシーンはボールをまたぎ始めるところですが、先ほど伸ばした筋肉群が急激に縮まっています。
このような筋肉の伸び縮みを伸張反射と言い、まるでゴムのような使い方が出来るのです。
こうした筋肉の伸張反射を上手に利用すると大きくて速いフェイントが出来るわけです。
参考記事:伸張反射はサッカーのプレーを劇的に改善!最新理論を紹介
二回目の体幹ひねりの説明画像

このシーンでも先ほどの二回目の体幹ひねりが続いています。
またここでは新たにワップダウンの動きが加わりました。
ワップダウンとは背骨のバネ作用を使うための準備動作です。
簡単に言えば背骨を板バネのように縮める動きですね。
二回目の体幹ひねりとワップダウンの説明画像
背骨のバネ作用は、次の記事を参考にしてください。
バネ作用でサッカーがレベルアップ!ドリブルやキックに効果抜群

ここではワップダウンの動きがピークになっています。
つまり背骨のバネが最も縮んだので、ここから大きな反発を生むのです。
ワップダウンの動きがピークになった時の説明画像

このような低い姿勢はネコ科の動物が獲物を狙う時の体勢と同じです。
ネコは猫背で姿勢が悪いとよく言われますが、実はそうではありません。
背中を丸めるのは背骨のバネを縮めた反発力を使って素早く動くためなのです。
猫が獲物を狙う時の姿勢

さて、ここでは三回目の体幹ひねりになります。
やはり上半身と下半身を回転させることで腹斜筋や腸腰筋などを急激に伸ばしています。
また合わせて短距離走のクラウチングスタートのような低い姿勢で飛び出そうとしています。
この動きはネコが獲物に飛び掛かかるのと同じでとても素早い動作になります。
三回目の体幹ひねりの説明画像

このような低い姿勢からの飛び出しは次の動画の練習をすれば誰でも身に付きます。

最後は2つの動きを利用して相手を抜き去ります。
・筋肉の伸張反射(三回目の体幹ひねりで伸ばした筋肉が急激に縮む)
・背骨のバネ作用(ワップダウンで縮めたバネをワップアップで急激に伸ばす)
筋肉の伸張反射と背骨のバネ作用を利用して相手を抜き去る様子の説明画像

以上のように、体幹ひねりとワップダウン・ワップアップ(背骨のバネ作用)を使うことで大きて速いフェイント動作が出来るのです。
また先ほど解説したジェイジェイ・オコチャもこの2つのの動作を効果的に使っています。
日本の子供たちには足のまたぎだけに頼った動作ではなく、オコチャのような全身を使ったステップオーバーをぜひ覚えてほしいです。

さて次はステップオーバーの応用編として、とても関連性の高い3つのテクニックを紹介します。

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3.ステップオーバーの応用

(1)シザース

シザースとステップオーバーは両方ともまたぎフェイントですが、日本では外から内にまたぐのか?内から外にまたぐのか?だけの違いと考えがちです。
でもこの考えは大きな誤解で、両方の体の使い方は全く違います。

この場合、シザースの特徴は次のとおり2つあります。
・肩甲骨の回旋運動を使う。
・筋肉の伸張反射を使う。
参考記事:サッカーの高速・連続シザースの2つのコツ!練習法も公開

こうしたシザースを利用したステップオーバーの応用動作として、ぜひ子供たちに覚えてほしいのがコンビネーションです。

この2つの組み合わせはとてもシンプルなので実際の試合でも使えますし、コーディネーショントレーニングの一つとしても活かせます。

特にコーディネーショントレーニングとしては、変換能力(状況に応じて動作を切り替える)や連結能力(全身を円滑に動かす)の養成に役立ちます。
先ほどのジェイジェイ・オコチャのような動きを見に付けるためにも、ぜひトレーニングに取り入れてください。

(2)リベリーノターン

リベリーノターンはボールキープで相手を背負った状態から反転するテクニックです。

日本人の場合は、ここでも足だけを使っているのでフェイントや反転の動作が遅いです。
特に次の動画の実演者は足だけに頼った典型的な例です。

やはりスピーディーで大きなフェイントをするためにはジェイジェイ・オコチャのような全身を使った動作が必要です。
ステップオーバーは体幹ひねり(筋肉の伸張反射)とワップダウン・ワップアップ(背骨のバネ作用)を使いますが、リベリーノターンも全く同じ動き方をします。

そうした意味では相性の良いテクニックなので、子供たちにはぜひ覚えてほしいですね。

先ず相手を背負った状態から、体幹ひねりとワップダウンを使ってフェイントをします。
体幹ひねりとワップダウンを使ったフェイントの連続写真

次に体幹ひねりとワップアップを使って反転します。
体幹ひねりとワップアップを使った連続写真

ステップオーバーの動きに慣れるとリベリーノターンは簡単に出来るのでぜひ練習してみてください。

(3)オコチャダンス

ジェイジェイ・オコチャのオコチャダンスは、ステップオーバーの応用としてよく知られています。
Youtubeなどでも次のような動画がよく見られますね。

実はこのテクニックには意外な問題があります。

それはフェイントの効果はほとんどない…ということです。

その理由について先ほどご覧になったジェイジェイ・オコチャの動画の動きを順に解説します。
特にオコチャの前にいる相手DFの動きに注目してください。

先ずオコチャは右足でボールを横に転がします。
この時、相手はオコチャの動きを見ています。
オコチャが右足でボールを横に転がす様子

次に左足でボールをまたごうとしています。
ここでも相手は変わらず見ています。
オコチャが左足でボールをまたぐ様子

ここでボールをまたぎ終えて左側(ゴール方向)を向こうとします。
ところが相手もすでにオコチャの動きに反応しようとしています。
ボールをまたぎ終えたオコチャが左側(ゴール方向)を向こうとする様子

最後に相手を抜き去ろうとします。
でも相手も同じ方向に付いて行きます。
オコチャが抜き去る様子

たぶんお気付きだと思いますが、オコチャダンスのフェイントの動きは相手に丸見えになっています。
これはどういうことかと言うと、相手の目の前でボールをさらすので軌道が分かってしまうのです。

オコチャダンスのフェイントの動きは相手に丸見えになっている意味の説明画像

このように相手の目の前でボールをさらす動作は、フェイントを使わないで相手を抜こうとするドリブルと同じです。

それでも相手を抜いてしまうのは、実はオコチャの身体能力が高いからです。
オコチャダンスは使えるフェイント…などとよく言われますが、これは大きな間違いです。
オコチャだからこそ使えるテクニックなのです。

やはり子供たちには、先ほど「とも」が実演したように、ステップオーバーとアウトサイドのシンプルな組み合わせを覚えた方が良いでしょう。

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4.まとめ

これまで解説したステップオーバーのコツは、次の2つです。
一つ目は体幹ひねり(筋肉の伸張反射)。
二つ目はワップダウンとワップアップ(背骨のバネ作用)。
これに対して日本人は足だけを使ったまたぎ動作になるので、フェイントが小さく動きが遅いので注意しましょう。

一方、ステップオーバーはシザースとのコンビネーションやリベリーノターンにも応用できるので本当に使えるテクニックです。
ただしオコチャダンスは意外とフェイントの効果がないので注意してください。

ステップオーバーは正しく使えばとても効果的なフェイントです。
アウトサイドの組み合わせたシンプルなやり方でも十分に威力を発揮します。

ぜひ日本の子供たちには、こうしたシンプルなテクニックを覚えてほしいと願っています。

【画像引用:Youtube.com

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-ドリブル

執筆者:


  1. 大塚友和 より:

    ともパパさん はじめまして。
    少年団サッカーに入っている
    小学生五年生の親父です。

    いつも楽しみに練習内容記事
    見せて頂いてます。

    息子はリフティング30回程度しか出来ず
    足技する時も少し猫背気味で
    スピード感がないレベルで悩んでます。

    そこで、お願いがあってコメント
    させて頂いたのですが、
    子供が毎日これだけはしなさい!
    と言う練習方法の記事
    あげて頂けませんか?

    どうしても私の帰る時間が遅く、
    毎日しているのは、
    一本下駄での散歩
    体感トレーニング
    足裏グーパー
    アメフトダッシュ等のトレーニング
    だけになってしまいます。

    子供だけで出来る簡単な
    トレーニングありましたら
    教えて貰えれば凄く嬉しいです。

    コメントまってますので、
    ご検討おねがいします。

    • ともパパ より:

      子供が一人でできる、毎日これだけはやる、というのであれば、利き足リフティングです。

      こちらの記事はキックをテーマにしたものですが、記事の後半で3種類のリフティング練習を紹介しています。
      http://football-junior-training.com/soccer-kick-trunk-shaft

      ちょんちょんリフティング
      インステップリフティング
      コンビネーション

      いずれも、1000回を目指してください。
      利き足のテクニックが安定し、体の開きが抑えられ、体幹と軸が強くなります。
      そうすると、トラップ、キック、ドリブルの全てのテクニックが安定します。

      とても大変な練習ですが、これをやらないと何をやっても意味がありません。

      私の息子「とも」は、3~4年生の自主練で集中的に毎日続けました。
      今でも、練習時間の半分はリフティングをしています。

      • 大塚友和 より:

        早速のコメント
        ありがとうございます。

        記事をよく見てみます。

        リフティング練習
        中々進んでやらないんですが、
        言い聞かせて
        頑張ってやって貰います。

        これからも
        よろしくお願いします。

      • ともパパ より:

        どういたしまして。

        これからも頑張ってください。