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キック

サッカーのキックの助走は何歩で?

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あなたの、サッカーのキックの助走は、何歩くらいで蹴っていますか?
キックの種類によってもいろいろ違いますが、ロングキックなら2~3歩、短い距離なら1~2歩の助走で十分蹴れるはずです。

また、サッカーが上手い人なら、誰でも助走は短くて済むはずです。

そうは言っても、助走のタイミングが掴めない…、足が合わせられない…、短い歩数ではなかなか飛ばない…、そうした悩みを持つ方は多いと思います。

こうした場合、キックの助走はバックスイングの大きさと深く関係します。
そうすると、実は助走の歩数は少ない方が良いのです。

そこで、今回はキックの助走について、初心者の方でも分かりやすく詳しく解説します。

1.助走をたくさん取るのは間違い

キックを遠くに飛ばしたい、強く蹴りたい、そう考える子供たちは多いです。
そうすると、たくさん助走を取って勢いを付けて蹴れば良い…と考える子も多いでしょう。
でも、それは大きな間違いです。

(1)助走をたくさん取ったキックの例

次の動画は、小学生の親子でしょうか?
助走をたくさん取った、シュート練習をしています。
本当なら2~3歩で良いのですが、助走が多すぎるので、かえってキックのタイミングが合っていません。

この蹴り方は、助走が多すぎるということはもちろんですが、その他にもいろいろな間違いがあります。

それは、
・同じ歩幅(同じリズム)で蹴っている。
・バックスイングが小さい。

キックの助走は、インパクト直前の最後の一歩がいちばん大きくなります。
三歩の助走で蹴るとしたら、三歩目に軸足がボールの横に来ます(カーブの場合は少しだけ違う)。
この時、蹴り足がバックスイングに入ります。

つまり、開始⇒軸足。一歩目⇒蹴り足。二歩目⇒軸足というような蹴り方が良いでしょう(開始⇒軸足を一歩目としたら最後は三歩目になる)。

次の動画は、私の息子「とも」が小学1年生の頃のキックの様子です。

「とも」の助走は、最初の1~2歩が歩くような小さな歩幅ですが、やはりインパクト直前の最後の一歩がいちばん大きくなっています。

実は、助走で最も大切なのはインパクト直前の最後の一歩です。

これを大きく取れるか?どうか?で、キックの飛距離や強さが違ってくるのです。

でも、プロがフリーキックを蹴る場合は、助走の歩数をたくさん取ることがあります。
これはいったいどのように考えれば良いと思いますか?

そこで、次に助走をたくさん取ることで有名?な、ロベルト・カルロスのプレーを解説しましょう。

(2)ロベルト・カルロス

ロベルト・カルロスの名前を一躍有名にしたのが、ブラジル対フランスのアウトフロントキックですね。

果たして、何歩の助走を取っているのでしょうか?
でも、よく見ると助走の最初に見られる小刻みなステップは、シュートとは関係ありません。
また、彼のキックは、インパクト直前の最後の一歩がいちばん大きくなっています。

たぶんお分かりだと思いますが、このような長い助走はパフォーマンスです。

その証拠に、次動画の0:26からのシーンでミドルシュートを蹴っていますが、この時の助走は2~3歩程度で、インパクト直前の最後の一歩がいちばん大きくなっています。

以上のように、キックの助走の歩数は、飛距離や強さとは関係ないのです。

そもそも、試合中は、フリーキック、コーナーキック、ゴールキックなどの限られたプレー以外は、それほど助走は取れないはずです。
だから、助走は短い方が良いのです。

また、大切なことは、インパクト直前の最後の一歩をいちばん大きくすることです。
そうすることで、バックスイングも大きくなって、飛距離や強さを発揮できるのです。

それでは、バックスイングを大きくすると、なぜキックの飛距離や強さがアップするのでしょうか?
そこで、次に、この点を解説します。

2.バックスイングを大きくすることの意味

先ほど、助走は、開始⇒軸足。一歩目⇒蹴り足。二歩目⇒軸足という、二歩の蹴り方が良いと解説しました。
これは、二歩目のインパクト直前の最後の一歩が、バックスイングとして、キックモーションの一部を構成しているということです。

そうした場合、実は、開始⇒軸足。一歩目⇒蹴り足。というのは、キックにとってたいして重要ではありません。
なぜなら、キックモーションではないからです。
せいぜい足を合わせる程度の意味しかありません。

つまり、バックスイング、インパクト直前の最後の一歩、キックモーションは、三位一体の関係があるのです。

ということは、バックスイングも、インパクト直前の最後の一歩も、両方とも大きくしないと、キックモーションが大きくなりませんし、そうしないとキックの飛距離や強さがアップしないということです。

だからこそ、バックスイングを大きくする必要があるのです。

そこで、バックスイングを大きくするために意識することを、次に解説します。

(1)インパクト直前の最後の一歩で水平方向に大きく飛ぶ

最後の一歩で、左足で地面を蹴って水平方向に大きく飛ぶことで、バックスイングを大きくすることが出来ます。

バックスイングが大きくなると、2つのメリットがあります。

① ワップアップとワップダウンがスムーズになって、身体のバネ作用や筋肉の伸張反射を使って蹴ることが出来ます。
そうすると、威力のあるボールを蹴ることが出来ます。
参考記事
バネ作用でサッカーがレベルアップ!ドリブルやキックに効果抜群
伸張反射はサッカーのプレーを劇的に改善!最新理論を紹介

② 蹴り足の振り幅が大きくなって、足の重さや遠心力を使って蹴ることが出来る。
これも、キックの飛距離や強さに関係してきます。
参考記事:サッカーの正しい蹴り方!ヒザを強く速く振るのは間違い?

(2)ボールの真横に軸足を正確に置く

これは、バックスイングを大きくすることとは、一見して無関係に思われがちです。
でも、バックスイングを大きくすると軸足がぶれやすくなります。
これは、どういうことかというと、ボールに対して正確な位置に軸足が踏み込み難いということです。

特に、ボールと軸足との位置関係はとても大切です。

なぜなら、軸足がボールの真横から前後左右に1㎝でもズレると、正確にインパクト出来ないからです。
もちろん人それぞれなので、ボールの真横ではなく少し後ろとか…自分なりの決まった位置関係があるでしょう。
でも、キックが正確な人は、何度蹴ってもボールと軸足の位置関係が一定しています。

そのためには、軸足の強化が必要ですが、この点に関しては後ほど解説します。

さて、以上のようなバックスイングとは別に、次に短い助走でどのように蹴るのか?という点を解説します。

3.練習での助走は2歩以内で蹴る

フリーキック以外のキックを練習する時は、なるべく2歩以内で蹴るようにしましょう。
そうすることで、試合中の状況を意識した蹴り方を習得できます。

(1)インサイドキック

ここでは、2歩以内で蹴っています。

次の画像を見ると、開始⇒軸足。一歩目⇒蹴り足。二歩目⇒軸足というような蹴り方になっています。

でも、開始の軸足はシューズ一足分の歩幅なので、実際のところは、一歩で蹴っているようなものです。
特に、インサイドキックはパスに使いますし、狭い場所ではなかなか助走すら取れないこともあります。

だから、出来るだけ一歩で蹴れるようにした方が良いでしょう。
リズム感としては「1、2」ですね。

(2)インフロントキック

ここでも、2歩以内で蹴っています。

次の画像を見ると、やはり、開始⇒軸足。一歩目⇒蹴り足。二歩目⇒軸足というような蹴り方になっています。

こうしたロングキック系の蹴り方は、開始⇒軸足。一歩目⇒蹴り足。二歩目⇒軸足という、「1、2、3」というリズムが大切です。

ちなみに、メッシのキックも「1、2、3」のリズムで蹴っています。

キックの助走を以上のように考えると、
・開始⇒軸足。
・一歩目⇒蹴り足。
・二歩目⇒軸足
ということで、軸足から助走をスタートする!と決めるとスムーズに蹴ることが出来ます。

でも、もう一つ上のレベルにチャレンジするという意味で、助走を一歩で蹴れるようにしましょう。

そこで、次に、助走を一歩で蹴る方法について解説します。

4.試合中の助走は1歩で蹴る

キックの助走を一歩で蹴る場合は、
・開始⇒蹴り足。
・一歩目⇒軸足。
というようになります。

先ほどのような2歩で蹴る方法と比べると、助走の時に先に動かすのは、軸足なのか?蹴り足なのか?という違いだけです。

※右利きの方は、この反対に考えてください。

実際には、習得までに時間がかかりますが、これをマスターすることで試合中のプレーがレベルアップします。

(1)インステップキック

次の動画では、開始⇒蹴り足。一歩目⇒軸足。
というように、一歩の助走で蹴っています。

インステップキックは、シュートの時に使う蹴り方ですが、ゴール前で2歩も3歩も助走を取っていたら、あっという間にシュートコースが塞がれます。

そのためには、出来るだけ一歩の助走で蹴れるようにしましょう。

(2)インフロントキック

次の動画でも、開始⇒蹴り足。一歩目⇒軸足。
というように、一歩の助走で蹴っています。

インフロントキックは、ロングキックとして使う蹴り方です。
自陣からカウンターを狙ってFWにロングボールを蹴ったり、サイドチェンジに使ったりします。

例えば、サイドチェンジは狭い場所から広い場所へのキックですが、そもそも蹴る場所自体が密集していて狭いエリアです。

蹴る場所自体が狭いということは、2歩も3歩も助走を取ることは難しいでしょう。
最悪の場合は、相手のDFのプレスがかかって、ボールが奪われてしまいます。

だからこそ、子供たちには、一歩の助走で蹴れるようになっていただきたいのです。

さて、こうした少ない助走で蹴るための練習法について、次に解説します。

5.練習法

少ない助走でキックを蹴るためには、軸足の強化と正しい蹴り方を覚えることが大切です。

特に重要なのが、軸足を鍛えることです。
強くて、飛距離のあるキックを蹴るということは、蹴り足の遠心力を克服する必要があるからです。
参考記事:サッカーのキックと体幹・軸足の強化!効果的な練習法

特におすすめなのが、ちょんちょんリフティングです。
最低でも1000回は出来るようにしましょう。

次に、テニスボールやスーパーボールも使ってみましょう。
やはり目標は1000回です。

なお、その他にも、
・筋肉の伸張反射
・上半身のバネ作用
・腸腰筋トレーニング
などが必要ですが、先ずは、蹴り足の遠心力に負けないだけの軸足を養成してみてください。

6.まとめ

次の動画は、「とも」が小三の頃に毎日やっていたインフロントキックの練習です。
動画では、バックスピンの感覚を掴むため…と解説していますが、「インパクト直前の最後の一歩」をきちんと意識して蹴っています。

右足(軸足)の踏込だけで蹴っている様子がお分かりだと思います。

とても単純な練習ですが、キックの助走にとっては大切な基本ですし、幼少期から習慣づけることが重要なことなのです。

私は「とも」が小学校低学年の頃から、次のように繰り返し言い続けました。

「キックの助走で、最も大切なのは『インパクト直前の最後の一歩』だ!」
「強くて遠くに飛ぶボールを蹴りたいのなら、『インパクト直前の最後の一歩』を大きくしろ!」

「インパクト直前の最後の一歩」って、キックの助走の中で最も重要です。

また、軸足を鍛えるだけでも、キックの助走の正確さが身に付きます。

ぜひ参考にしてください。

-キック

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