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ヘディング

ヘディングシュートの5つのコツ!クリロナのテクニックを徹底解説

投稿日:2018年8月10日 更新日:

クリスチアーノ・ロナウドのジャンピングヘッド
ヘディングシュートと言えば、やはりクリスチアーノ・ロナウドですね。
打点の高いジャンピングヘッドや、飛び込むようなダイビングヘッドは正に圧巻のテクニックです。

でもこうしたヘディングシュートは身体能力が高いからこそ出来る…というわけでもありません。

実は彼のヘディングシュートは日本のサッカー選手とは違ったコツがあります。
しかも科学的に考えた場合、誰でも出来る可能性があるのです。
そうした意味では彼のヘディングシュートのコツを身に付けることは意外と簡単です。

そこで今回はクリスチアーノ・ロナウドのテクニックを分析して、ヘディングシュートのコツを徹底解説します。

1.ヘディングシュートの5つのコツ

日本の育成年代のヘディングシュートの指導はたくさんの間違いがあります。
例えば額の生え際でインパクトする、向かって来るボールのスピードに関わらず首を振って叩きつける、膝のバネを使ってジャンプする…などです。

これに対してクリスチアーノ・ロナウドのヘディングシュートは全く違います。
サッカーの基本に忠実で科学的に考えても極めて合理的です。

そして彼のヘディングシュートを分析すると、育成年代の子供たちにぜひ覚えてほしい5つのコツが見られます。
(1)ミートする
(2)首を振らないで固定する
(3)半身になる
(4)当てる場所と感覚
(5)全身のバネを使う

そこで次からはこうしたヘディングシュートの5つのコツを順に解説します。

(1)ミートする

ヘディングシュートでミートする意味を簡単に言えば飛んでくるボールに頭を当てるだけです。
そうすることで後はボールが勝手に飛んでくれます。
クリスチアーノ・ロナウドのジャンピングヘッドを見てもミートするだけで頭はほとんど動きません。

クリスチアーノ・ロナウドのジャンピングヘッドの連続写真

これに対して日本の指導では向かって来るボールが速くても遅くても、頭と首を使って(動かして)叩きつけることで、ヘディングシュートの威力をパワーアップするという迷信があります。
たぶんヘディングシュートは足でボールを蹴る動作と同じ…という誤解に基づく考え方なのでしょう。
実はキックの場合、ボレーシュートを除けばボールは止まっているかわずかに動いている程度です。
そうすると足のパワーを使わない限りボールは飛びません。

ところがヘディングシュートの場合、コーナーキックやサイドからのクロスのスピードはプロのレベルであれば時速100㎞以上になります。
こうした状況で頭と首を動かして叩きつけようとすると、かえってボールスピードに負けてしまいます。
なぜなら首を動かそうとするとかえって頭と首がクッションのようになって、ミートした時と比べると威力が落ちてしまうからです(もちろん遅いボールなら頭と首を動かすシュートも可能)。

そもそもヘディングシュートでミートするのはバレーボールのブロックと同じで、飛んでくるボールの勢いを利用して跳ね返すのが正解です。

バレーボールのブロック

またバレーボールのブロックを科学的に考えた場合、特に重要なのが指先から肩までの腕全体の角度です。
つまり腕と肩を一定の角度で固定することにより、頑丈な壁を作ってボールを跳ね返すことが出来るのです。

バレーボールのブロックの説明画像

この原理をヘディングシュートに置き換えた場合、頭頂部から首までの頭全体の角度を一定に保つ(固定する)ということになります。
そうすることで向かって来るボールのスピードをほとんど落とさずにシュートすることが出来るのです。
もちろんクリスチアーノ・ロナウドのヘディングシュートも同じ原理ですね。
したがってヘディングシュートはミートするだけで十分な威力を発揮するのです。
クリスチアーノ・ロナウドのヘディングシュート

(2)首を振らないで固定する

日本のヘディングシュートの指導は頭と首を振って、飛んでくるボールを叩きつける!という発想があります。
例えば次の動画のような練習は、大人に限らず少年サッカーの指導現場でもよく見られます。
このチームの全員が頭と首を振って叩きつけていますよね。
でも、あなたはこの練習を見て疑問に感じませんか?

そもそも試合中のヘディングシュートで真正面からこんなに遅いボールが飛んで来ることはほとんどないはずです。
ゴールキーパーがシュートを弾いたりクロスバーに当たって跳ね返ってこない限り、あり得ないことでしょう。
しかもヘディングシュートは、コーナーキックやクロスのように横方向から飛んで来るボールをインパクトするのが多いはずです。
そうするといくら真正面からのヘディングシュートを練習してもあまり意味がないのです。

さらに問題なのが「ヘディングシュートは頭と首を振って叩きつけるのが常識!」と選手たちが勘違いすることです。

先ほども解説しましたが、ヘディングシュートの時に向かって来るボールのスピードはプロであれば時速100㎞以上になります。
クリスチアーノ・ロナウドのヘディングシュートを見ても、よほど遅いボールでない限り頭と首を振って叩きつけることはありません。

次の画像のように頭と首を振っているように見えるシーンもありますが、実はフォロースルーでしかないのです。
こうしたシーンだけを見ると、どんなボールに対してもヘディングシュートは頭と首を振る!と勘違いを起こしやすいですね。

頭と首を振っているように見えるシーン

やはりヘディングシュートはよほど遅いボールでない限り、首を固定してインパクトすることが大切です。
そうすることでバレーボールのブロックのような反発力を利用することが出来るのです。

(3)半身になる

ヘディングシュートで半身になるというのは、次の画像に見られるクリスチアーノ・ロナウドのような姿勢を維持することです。

次の画像のシーンは左サイドからのクロスへの対応ですが、ゴールに向かって右腕を向けていることからも半身の様子が分かります(画像の左端がゴール方向)。

半身のシュートの連続写真

この反対に半身でない場合は体が開いていることを意味します。

次の画像は先ほどご覧になった動画の一シーンですが、真正面からのヘディングシュートを練習しているせいか体が開いています。
体の開きは棒立ちの状態と同じなのでスポーツにとっては不適切な姿勢です。
真正面からのヘディングシュートを練習すればするほど、体の開きを助長する結果になるので気を付けましょう。

真正面からのヘディングシュートの練習の連続写真

クリスチアーノ・ロナウドのような半身の姿勢を取る時の最大のメリットは、力を一点に集中できる点です。
そうすることで強いヘディングシュートが打てるわけです。

半身の姿勢と体が開いた姿勢の比較画像

これに対して体が開く(棒立ちの状態)というのは、力が分散するという欠点があります。
これはスポーツにとって不適正な姿勢なのです。

そもそもヒトの両足は体の側面にあるため、ふつうに立っている状態で体が開いています。

人が立った状態の両足

やはりヘディングシュートで半身の姿勢を意識することは、とても大切なことなのです。

(4)当てる場所と感覚

①ボールを当てる場所

日本ではヘディングシュートの際、ボールを生え際に当てる…と教えられることがあります。
でも生え際に当てると、ボールが上に行くのでシュートには使えません。
どちらかと言えば大きくはね返すためのクリアーに使います。

生え際にボールを当てている画像

それでは、なぜヘディングシュートで生え際に当てる…という考え方があると思いますか?
それはサッカーを知らない指導者たちがヘディングシュートと一般的なヘディングを区別しないで、単に頭でボールを跳ね返すだけの同じプレーと考えているからでしょう。

実はヘディングシュートとヘディングは頭にボールを当てるという点は同じでも、その役割は全く違います。

ヘディングシュートは得点するためのプレーであって、ヘディングはパス(クリアーも含む)やトラップするためのプレーという違いがあるのです。
つまりヘディングシュートとヘディングは見た目は同じでも、プレーとしては全く違うわけですね。

この場合、ヘディングシュートはキックと同様にボールを強く前に飛ばす必要があります。
そうすると当てる場所はボールを前に飛ばしやすい部分…、つまり額のうち眉毛の上~生え際の下、こめかみなどになります。
眉毛の上~生え際の下、こめかみ

眉毛の上~生え際の下、こめかみなどが当てる場所として最適な理由は、頭を真上から見るとよく分かります。

ヒトの頭を真上から見ると顔~後頭部にかけて長方形になっています。
長方形で強度が高いのは角やその近辺です。
そうすると眉毛の上~生え際の下とこめかみは角の近辺にあるので、この場所にボールを当てるとインパクトが強くなるわけです。
一方、額の中心部分は長方形の辺に当たる部分なので、先ほどの眉毛の上~生え際の下とこめかみなどと比べるとやや強度が落ちます。

頭を真上から見た説明画像

ところが、額の中心部分であっても生え際の部分は角なので強度は高くなります。
そうすると生え際にボールを当てると大きく跳ね返すことが出来るのです。

頭を真横から見た説明画像

ただし大きく跳ね返すことは出来ても弧を描くような弾道になるのでヘディングシュートには向きません。

②ボールに当てる感覚を身に付ける

ヘディングシュートをする時、インパクトの瞬間に「最後までボールを見ろ!」とか「目を離すな!」などと指導されることが多いと思います。
この場合、最も良いのがインパクトの時に目をつぶらないことでしょう。

でも私の息子の「とも」はヘディングシュートの時に目を閉じています。

目を閉じたヘディングシュート

こうした目をつぶるという動作は、ヒトの反射神経の作用によるものであって無意識に起こるものです。
そうするとプロボクサーでもない限り簡単には反射神経を克服できないのです。

それではヘディングシュートの練習で「最後までボールを見ろ!」とか「目を離すな!」という指導をどのように理解すれば良いと思いますか?

私が思うに、見えても見えなくても目をつぶってもつぶらなくても、どうでも良いことだと考えています。

むしろ目をつぶることによって見えなくなる部分はイメージ化して補う…という、つまり感覚を研ぎ澄ますことの方が大切です。

その理由はリフティングやキックなどを例にすればよく分かります。

リフティングをするときは足の甲をボールの真下に当てますが、本当に足の甲が当たっているのか?どうか?は目で見ることは出来ません。
実は見えない部分は足の感覚で判断しているのです。

リフティングの画像

キックの場合でも足がボールのどの辺に当たっているのか?などというのは実際に見ることが出来ません。
これも足の感覚に頼っているのです。

キックのインパクトの瞬間

こうしたことはサッカー以外の球技でもよくあることです。
例えば野球でボールがバットに当たる瞬間、バレーボールでスパイクする瞬間、テニスでスマッシュを打つ瞬間などです。
こうした状況では、ヒトの大脳は見えない部分をイメージ化することが出来ます。
そうすると見えない部分をイメージ化する…、つまり感覚に頼ったプレーをすることになるのです。
例えば野球のバッティングでバットの芯でボールを叩いた…などの感覚です。

実は、クリスチアーノ・ロナウドであっても、ヘディングシュートの時は目をつぶっています。
やはりボールに当てる感覚を極限までイメージ化しているのでしょう。
もっと言えばたくさんヘディングシュートを練習して、ボールを見なくても正確なインパクトが出来るという繊細な感覚を身に付けたのだと思います。
だから決して身体能力が高いとか天性の才能があるから…というわけではないのです。

クリスチアーノ・ロナウドの目をつぶったディングシュート

要するにヘディングシュートの時は「最後までボールを見ろ!」とか「目を離すな!」ということにこだわる必要はありません。
インパクトの時は目をつぶっても良いのです。
むしろ大切なのはクリスチアーノ・ロナウドのようにヘディングシュートの練習を重ねて、繊細な感覚を身に付けることなのです。

(5)全身のバネを使う

①全身のバネ作用とは

ヘディングシュートで「全身を使う!」ことの大切さはどのような指導者でも教えるはずです。
でも全身を使うことの本当の意味を理解している指導者はほとんどいません。

正しくは全身を使うというよりも、全身の「バネ」を使うということです。

ヒトの体には大きく分けて二つのバネがあります。
一つ目は鳩尾(みぞおち)を中心とした上半身のバネです(特に背骨の部分)。
二つ目は股関節を中心とした全身のバネです(背骨と足腰の部分)。
この二つのバネは鳩尾と股関節の脱力によってパワーを発揮します。

二つのバネ作用の説明画像

この二つのバネはそれぞれS字カーブになっていて、鳩尾(みぞおち)と股関節が中心になって上下に伸び縮みすることが出来ます。

二つのバネの伸び縮みの説明画像

この場合、ほとんどの日本人選手は足だけを使ってサッカーをする傾向があります。
そうするとヒトの体重比は6対4で上半身の方が重たいので、重たい上半身が下半身への負担を大きくします。
ヘディングシュートの場合では、一生懸命ヒザを使って重たい上半身を持ち上げることになります。
まるで上半身の重りを背負ってプレーするようなものです。

ところが海外のトップ選手たちは、こうした全身のバネ作用をヘディングシュートだけではなくドリブルやキックにも応用しています。
そうすることで爆発的なパワーとスピードを発揮できるのです。

実はクリスチアーノ・ロナウドもこうした全身のバネ作用を活かしていることから、打点の高いヘディングシュートが可能になるのです。
こうした全身のバネはヒトに本来備わっている能力です。
だから彼の身体能力がずば抜けて高いから…といわけではなく、全身のバネ作用を正しく使えば誰でもクリロナのようなヘディングシュートが出来るのです。

そこで次にクリスチアーノ・ロナウドが全身のバネ作用をどのように使ってヘディングシュートをしているのか?という点について詳しく解説します。

②クリスチアーノ・ロナウドの全身のバネ

クリスチアーノ・ロナウドのヘディングシュートのバネ作用で特徴的なことは、全身を板バネのように使うということです。

【スタンディングヘッド】

スタンディングヘッドは全身を板バネのように弓なりにしならせる点が特徴的です。

全身を板バネのように使う説明画像

次の画像はインパクト直前の弓なりの動作です。

インパクト直前の弓なりの動作

次の画像は反らしたバネが反発する動作です。

反らしたバネが反発する動作

スタンディングヘッドは弓なりに反らした板バネを反発させるだけです。
それほど難しくはないので簡単に覚えられるでしょう。

【ダイビングヘッド】

ダイビングヘッドはやや難しそうに感じるはずです。
水泳の飛び込みのようで危険だ!と考える方も多いでしょう。

でもダイビングヘッドは、スタンディングヘッドと同様に全身を板バネのように利用するだけです。
そして倒れ込むようにヘディングシュートをすれば誰でも簡単に覚えられます。
まるで「ハエ叩き」みたいな動きですね。

倒れ込むようにインパクトする説明画像

次の画像はインパクト直前の弓なりの動作です。

インパクト直前の弓なりの動作

次の二つの画像は反らしたバネが反発する動作です。

反らしたバネが反発する動作(インパクトの瞬間)
反らしたバネが反発する動作(インパクト直後)

最後の画像は倒れ込んでいるだけです。

倒れ込む様子

ダイビングヘッドとスタンディングヘッドの違いは、立ったままでインパクトするのか?倒れ込むようにインパクトするのか?だけです。
またダイビングヘッドを水泳の飛び込みのように考える必要はありません。
むしろ倒れ込むようにインパクトすると覚えた方が簡単ですし、子供たちにとってはケガも少ないと思います。

【ジャンピングヘッド】

ジャンピングヘッドは先ほどのダイビングヘッドやスタンディングヘッドと比べると、全身のバネの使い方が全く違います。
でも、ジャンプのコツを覚えればそれほど難しくはありません。

特にクリスチアーノ・ロナウドのジャンプはヒザの力に頼らず、全身のバネ作用と腕の重さを使うという特徴があります。

またジャンプのメカニズムは5段階に分けられます。

① 後方に大きく腕を振る。
② 振った腕を前方に戻す途中で逆C字型を作る。
③ ジャンプ直前に鳩尾と股関節を一気に脱力する。
④ 腕の重さを利用しつつ前方に振ってジャンプしながらC字型を作る。
⑤ ボールにインパクトする。

ジャンプのメカニズムの説明画像

特に大切なのはC字型のバネ作用です。
ジャンプ直前で逆C字型を作り、空中姿勢でC字型になります。
そうするとヒザの力に頼る必要はなくなるので、全身のバネが効果的に使えるのです。

C字型のバネ作用の説明画像

次に実際のプレーを見てみましょう。

最初にボールの落下点を確認しながら①後方に大きく腕を振ります。

後方に大きく腕を振る

次に②振った腕を前方に戻す途中で逆C字型を作っています。
このようなジャンプはクリスチアーノ・ロナウド独特のテクニックですが、バネ作用を活かすという点ではとても合理的です。
逆C字型を作る

次に③ジャンプ直前で鳩尾と股関節を一気に脱力します。
ここで注目していただきたいのがヒザを深く曲げていない点です。
これはヒザの力に頼ったジャンプではないという意味です。
もしもヒザに頼っていたとしたら、もっと深く曲げているはずでしょう。
ジャンプ直前で鳩尾と股関節を一気に脱力

次に④腕の重さを使って前方に振りながらジャンプします。
空中姿勢でC字型になっています。

空中姿勢でC字型

ここで、ジャンプの際に腕の重さを使う意味を考えてみましょう。

ヒトの腕の重さは体重の6~7%とされています。
そうすると体重が60㎏の場合、片腕で約4㎏、両腕では約8㎏になります。

腕の重さを使う場合は、肩関節を支点として後ろから前に勢いよく振り出します。
この場合、腕の重さに対して遠心力も働きます。
水を入れたバケツをグルグルと振り回すようなイメージですね。
こうした腕の重さ+遠心力は最終的に上方向のエネルギーに変換されます。
そうするとジャンプ直前に縮めたバネを一気に伸ばす動きに利用できるのです。

縮めたバネを一気に伸ばす動きの説明画像

先ほどご覧になったバネ作用の伸び縮みですが、ジャンプの際に腕の重さ+遠心力を合わせることで打点の高いヘディングシュートが可能になるのです。

バネ作用の伸び縮みの説明画像

以上のように、クリスチアーノ・ロナウドがどのように全身のバネ作用を使ってヘディングシュートをしているのか?という点を考えると、とても合理的なのがよく分かります。
しかも身体能力に頼っているわけではありません。
ということは、誰でも練習すればクリスチアーノ・ロナウドに近づくことは可能なのです。

さてこうしたヘディングシュートのコツを踏まえて、次に実際の試合ではどのようにボールコントロールをするのか?というコツを考えてみましょう。

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2.ボールコントロールのコツ

ヘディングシュートのボールコントロールは大きく分けて2つあります。
左右(水平方向)と上下(垂直方向)に打ち分けるということです。

この場合、上方向のヘディングシュートは前方に飛び出して来たゴールキーパーの頭上を超えれば良く、ボールを頭の生え際に当てるだけなので簡単です。
ですからこの場合のヘディングシュートの解説は割愛します。

そこで次に左右のコントロール、下方向に叩きつけるコントロールを順に解説します。

(1)左右のコントロール

ヘディングシュートを左右に打ち分けるのは3通りあります。
① 同サイドへの真っ直ぐのヘディングシュート
② 左サイドへのヘディングシュート
③ 右サイドへのヘディングシュート
また額のどの部分に当てるのか?顔は左右のどちらに向けるのか?という点も大切です。
左右にコントロールする説明画像

①同サイドへの真っ直ぐのヘディングシュート

次の画像ではクリスチアーノ・ロナウドが左サイドのクロスに対して、半身の姿勢で額の右側からこめかみ寄りでインパクトしています。
そうすることで同サイドへの真っ直ぐなヘディングシュートになります。

同サイドへの真っ直ぐなヘディングシュートの連続写真

②左サイドへのヘディングシュート

次の画像ではクリスチアーノ・ロナウドが左サイドのクロスに対して、半身の姿勢で額の左側から中心寄りでインパクトしています。
そうすることで左サイド(画像ではニアサイド)へのヘディングシュートになります。

左サイドへのヘディングシュートの連続写真

③右サイドへのヘディングシュート

ここでのボールコントロールは2018ロシアワールドカップの日本対コロンビア戦の大迫選手のヘディングシュートが参考になります。

この試合の状況としては、
・左サイドからのコーナーキックがカーブ回転をかけて飛んできます。
・大迫選手の顔は左サイドを向きつつもそれほど半身の姿勢は取っていません。
・その後額の中心から右寄りでインパクトしています。
・インパクトしたボールはアウト回転が掛かりながらゴールの右サイドに落ちました。

右サイドへのヘディングシュートの説明画像

この間の状況を画像で詳しく見てみましょう。

先ずは大迫選手のインパクト直前の様子です。
本田選手のカーブは左利きなので大迫選手に向かって来るボールになります。
この時、大迫選手の体は左サイドを向いていますが半身の姿勢と言うよりもやや体が開いた状態です。
また顔は左サイドを向いていますが、クリスチアーノ・ロナウドが同サイドへ真っ直ぐのヘディングシュートを打った時のように極端に左を向いているわけではありません。
大迫選手のインパクト直前の様子

こうした状態で額の中心から右寄りでインパクトすると、カーブのかかったボールが額の横方向へと擦れるので、そのままの回転が掛かった状態のヘディングシュートになります。
(コーナーキックを蹴った本田選手は左利きのカーブ回転で大迫選手のヘディングシュートも同じ回転ですが、大迫選手は右利きなのでアウト回転と表記します)

一方、コロンビアのGKは大迫選手の体が左サイドを向いているので左サイドを警戒しています(GKにとっては右サイド)。
右ヒザに重心が掛かっている様子からもよく分かると思います。

次に大迫選手のインパクトの瞬間の様子です。
ここでコロンビアのGKは左サイドへのヘディングシュートが来る!と読んだのでしょう。
重心が右ヒザだけではなく体全体が右寄りになっています。
先ほどの画像と比較するとよく分かります。
大迫選手のインパクトの瞬間の様子

最後は、ゴールの様子です。
コロンビアのGKはほとんど反応できません。
やはり、大迫選手の左向きの体勢を見た、読みが外れてしまったのでしょう。
ゴールした時のGKの反応

ゴール前ではこうした駆け引きが頻繁に起きています。
選手たちの顔や体の向きを見るだけでもヘディングシュートの参考になりますね。

(2)下方向に叩きつけるコントロール

ヘディングシュートで下方向に叩きつけるのは必ずしも首を振っているわけではありません。
首を振るのは基本的に遅いボールの時だけです。

またクリスチアーノ・ロナウドはボールが速くても遅くても、叩きつける場合は「く」の字型の空中姿勢を取っています。

「く」の字型の空中姿勢の説明画像

これは出来るだけボールの上側をインパクトするためです。
そうすることで速いボールでも叩きつけることが出来るのです(ただし低いボールのみ)。

そこで次に遅いボールと速いボールをそれぞれ叩きつける方法をそれぞれ解説します。

①叩きつけるのは遅いボール

ヘディングシュートで頭と首を振って叩くのは遅いボールの時だけです。
先ほども解説しましたが速いボールを首を振って叩きつけるのは理論的にも難しいので止めましょう。

この場合、コーナーキックやクロスはヘディングシュートがしやすいようにカーブ回転を掛けることが多いです。
このようにボールに回転を掛けると曲がる時に失速します。
そうするとインパクト直前ではボールのスピードが遅くなるので、頭と首を振って叩きつけることが出来るのです。

次の画像はクリスチアーノ・ロナウドが、右サイドからのカーブ回転がかかったクロスをヘディングシュートしようとするシーンです。

クリスチアーノ・ロナウドの右サイドからのカーブ回転がかかったクロスへの対応

ここではカーブ回転が掛かって失速するとともにボールが落ちて来ました。
そこで少しだけジャンプして「く」の字型の姿勢で叩きつけています。

「く」の字型の姿勢で叩きつける

最後はゴールライン上でバウンドしています。

ゴール直後

②速くても低ければボールの上を叩ける

先ほど速いボールに対して首を振って叩きつけるのは理論的には難しいことを解説しました。
ところが低いボールであれば、「く」の字型の姿勢を取ることで叩きつけることが出来ます(この場合でも首を振るのは止めましょう)。

次の画像はクリスチアーノ・ロナウドが右サイドからのクロスをヘディングシュートしようとするシーンです。

クリスチアーノ・ロナウドの右サイドからのクロスへの対応

低いボールが向かってきたのでジャンプはほんの僅かだけです。

ほんの僅かなジャンプ

ここで「く」の字型の姿勢でボールをインパクトします。
こうした速くて低いボールを叩く時は次の二点が大切です。
・アゴを引いてまゆ毛の近くに当てる。
・ボールの中心よりも上側を叩く。

「く」の字型の姿勢でインパクト

いずれにしてもボールが速くても遅くても叩きつける場合は、先ずはクリスチアーノ・ロナウドのように「く」の字型の空中姿勢を取ることが大切です。

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3.まとめ

これまで、クリスチアーノ・ロナウドのテクニックを参考にしてヘディングシュートのコツやボールコントロールのコツを解説しました。

ヘディングシュートのコツは次の5つです。
(1)ミートする
(2)首を振らないで固定する
(3)半身になる
(4)当てる場所と感覚
(5)全身のバネを使う

ボールコントロールのコツは次の2つです。
(1)左右のコントロール
(2)下方向に叩きつけるコントロール

クリスチアーノ・ロナウドのヘディングシュートはサッカーの基本に忠実で、科学的に考えても極めて合理的です。
また彼の身体能力が高いから出来る…、というわけでもなく、練習すれば誰でも出来るようになるのです。

ところが日本の育成年代の指導は、例えば額の生え際でインパクトする、首を振って叩きつける、膝のバネを使ってジャンプする…など間違ったことがかなり多いです。
実は日本の常識は世界では非常識とされていることがとても多いのです。

やはり世界的な名選手であるクリスチアーノ・ロナウドのヘディングシュートを参考にして、ぜひ日本中の多くの子どもたちに学んでほしいと願っています。

【画像引用:Youtube.com

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