ブラジルでのコーチの経験を活かして、 サッカー未経験の方にも分かりやすく科学的で正しい理論をご紹介します

ヘディングシュートの4つのコツ!クリロナのテクニックを徹底解説

【ボールコントロールのコツ】

ヘディングシュートのボールコントロールは、大きく分けて、左右(水平方向)と、上下(垂直方向)の2つあります。

この場合、上方向のヘディングシュートは、頭の生え際にボールを当てて、ゴールキーパーの頭上を超えれば良いだけ(誰でも出来る)なので、ここでの解説は割愛します。

そこで次に、左右のコントロール、下方向に叩きつけるコントロールを順に解説します。

(1)左右のコントロール

ヘディングシュートを左右に打ち分ける方法は、3通りあります。

① 同サイドへの真っ直ぐのシュート
② 左サイドへのシュート
③ 右サイドへのシュート

また、額のどの部分に当てるのか?顔は左右のどちらに向けるのか?という点も大切です。

それでは、順に解説して行きましょう。

①同サイドへ真っ直ぐ

次の画像では、クリスチアーノ・ロナウドが左サイドのクロスに対して、半身の姿勢で額の右側からこめかみ寄りでインパクトしています。

そうすることで、同サイドへの真っ直ぐのシュートが打てるのです。

ちなみに、右サイドのクロスの場合は、顔と体の向きを、この反対にすれば良いだけです。

②左サイドへ

次の画像では、左サイドのクロスに対して、額の中心から左寄りでインパクトしています。

そうすることで、左サイド(画像ではニアサイド)へのシュートになります。

ちなみに、右サイドのクロスの場合は、この反対にすれば良いだけです。

③右サイドへ

この場合のボールコントロールのイメージは、顔と体の向きが、先ほどの②左サイドへのヘディングシュートと同じですが、当てる場所が違います。

先ほどの②左サイドへのヘディングシュートは額の中心から「左寄り」でしたが、右サイドを狙う場合は額の中心から「右寄り」になります。

ここでのボールコントロールは、2018ロシアワールドカップの日本対コロンビア戦の大迫選手のヘディングシュートが参考になります。

クリロナの例ではありませんが、GKとの駆け引きの様子も見られて、とても分かりやすいので参考にしてください。

この試合での状況としては、
・左サイドからのコーナーキックが、カーブ回転をかけて飛んで来ます。
・その時、大迫選手の顔と体は左側を向いています。
・その後、額の中心から右寄りでインパクトしています。
・インパクトしたボールは、アウト回転が掛かりながらゴールの右側に落ちました。

この間の状況を画像で詳しく見てみましょう。

先ずは、大迫選手のインパクト直前の様子です。

本田選手のカーブは左利きなので大迫選手に向かって来るボールになりますが、この時の大迫選手の顔と体は左側を向いています。

この姿勢で額の中心から右寄りでインパクトすると、先ほどのイメージ図のように、カーブのかかったボールが額の中心→右眉毛→右こめかみへと横方向に流れるので、そのままの回転が掛かった状態でゴールに飛んでいきます。

つまり、顔と体は左を向いていても、ボールは右方向に飛んで行くわけですね。

一方、コロンビアのGKは大迫選手が左を向いているので、左に来る!と読んだのでしょう。

右ヒザに重心が掛かっている様子からも、よく分かりますよね。

次に大迫選手のインパクトの瞬間です。

ここでコロンビアのGKは、重心が右ヒザだけではなく、体全体が右寄りになったことから、読み通りにヘディングシュートが来る!と思ったのでしょう。

GKの体勢を、上の画像と比較してみてください。

最後はゴールの瞬間ですが、コロンビアのGKはほとんど反応できません。

やはり、大迫選手の左向きの体勢を見て、読みが外れてしまったのでしょう。

ゴール前では、こうした駆け引きが頻繁に起きているので、選手たちの顔や体の向きを見るだけでもヘディングシュートの参考になりますね。

さて次は、下に叩きつける時のボールコントロールについて解説します。

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