ブラジルでのコーチの経験を活かして、 サッカー未経験の方にも分かりやすく科学的で正しい理論をご紹介します

ブラインドシュートの蹴り方!サッカーで決定力を上げよう

日本ではブラインドシュートはあまり使わない

(1)日本人のシュートに対する考え方

日本では、実はブラインドを利用してシュートするという考えがほとんどありません。

その理由は幼少期から「フリーでシュートするのが正しい…」とされているからです。

この場合、ペナルティエリアに侵入して目の前にディフェンダーがいたら、ほぼ確実にフリーの選手にパスをするはずです。

もしもブラインドを狙わずに強引にシュートしたら、ディフェンダーにボールが当たってしまいますよね。

それに今の日本は、20年前に世界の主流であったパスサッカーの全盛期です(笑)。

だからどんな時でもパスありき…になってしまうと思います。

そればかりではありません。

ペナルティエリアの中にディフェンダーがたくさんいると、ほとんどの選手は浮き球のシュートを蹴ろうとしますよね。

そうするとシュートをふかしてバーを超えてしまう…というシーンをよく見ませんか?

これはブラインドを利用して蹴る…という考えがないため、ディフェンダーの頭上を狙って蹴るしかなくなるわけです。

こうした発想はU23以下の年代別代表の試合を見ても明らかですし、ジュニアからプロまで変わらないと思います。

さらにシュート練習の時は、ディフェンスを置かずにフリーで蹴ることが多いですよね。

つまり日本人は「シュートはフリーで蹴るもの…」という考えを幼少期から染み込ませているわけです。

そうした意味で日本のサッカーは決定力不足!と言われても仕方がないと思いますよ。

そもそも試合中に、フリーで簡単にシュートできるという状況は滅多にありませんからね。

(2)フットサルとハンドボール

フットサルやハンドボールは、ブラインドシュートをよく使います。

なぜならコートが狭いので、ふつうに攻撃をしてもゴール前でシュートコースが作れないからです。

この場合、フットサル経験の多い子供はブラインドシュートの仕組みが分かっているので、サッカーの試合でも上手く使います。

例えば、ネイマールは幼少期にフットサルをよくやっていましたが、今でもブラインドシュートは上手いです(特に股抜きシュート)。

こうしたシュートセンスは、狭い中でプレーする経験を持たないと身に付きません。

日本では子供がフットサルをやるとサッカーに活かせるという意見がありますが、その反対に役に立たないという考えもあります。

私は30年前にブラジル・サンパウロでジュニアとジュニアユースのアシスタントコーチをしていましたが、当時の子供たちはフットサルもよくやりました。

そうした経験を経た子供たちの中から、ネイマールのような選手が育ったのです。

日本においても、ジュニア年代から出来るだけこうした経験を積ませるべきだと思います。

そうすることによって、ブラインドシュートを始めたとした様々なテクニックを覚え、やがて成長して日本の得点力不足の解消に役立つのではないかと考えています。

そうした点はぜひ日本の指導者に考えてほしいものですね。

さて次はブラインドシュートの練習法について解説します。

ブラインドシュートの練習法

(1)練習の基本

ここではブラインドシュートの練習法を解説しますが、シュートでよく使うインステップキックやインサイドキックがきちんと蹴れることが前提です。

もしも上手く蹴れない場合は、次の関連記事を読んで蹴り方を覚えてください

(2)イメージ作り

ブラインドシュートの練習は、イメージ作りが大切です。

この場合、最初のページでブラインドシュートには2つのパターンがあると解説しましたよね。

簡単に言えばブラインドが1人なのか?2人なのか?ということですが、これを順に解説します。

① ブラインドが1人の場合

この場合は次のようにシュートコースがABCの三か所になりますが、このうちAとBはブラインドの左右を狙って蹴るだけなので分かりやすいと思います。

実際の練習では、お父さんやお母さんが2~3m程度離れた場所に立って子供にシュートを蹴らせるようにしてください。

もちろんコントロールが悪いと体に当ってしまいますが、その場合はもう少し近くに寄ってみて、徐々に距離を離すようにしても良いでしょう。

これに対してCは股抜きシュートになるので難易度が高くなりますが、ドリブルの股抜きのコツさえ掴めばシュートは簡単です。

そこで先ずはドリブルの股抜きから練習を始めてください。

② ブラインドが2人の場合

この場合はお父さんとお母さんが協力して、2人の間を狙ってシュートさせると良いと思います。

そうは言ってもお互いの時間が合わない時は、どちらか1人だけで良いので、棒などを使って2人の間を抜く…というイメージで練習しましょう。

(2)ブラインドシュートの応用

先ほどのイメージ作りが出来たら、今度はドリブルからシュートしたり、右サイドや左サイドからカットインをしながらシュートしたりというように、いろいろと練習方法をアレンジしてください。

またブラインドを狙ったミドルシュートもきちんと練習しましょう。

そうすることで、いろいろな局面でブラインドシュートが蹴れるようになります。

ぜひたくさん練習して上手くなってください。

スポンサーリンク

まとめ

これまでブラインドシュートの蹴り方などについて、いろいろと解説しました。

この場合、ブラインドを狙うとゴールキーパーの特性として二つの問題が起きます。

A.シュートモーションが見えない。
B.シュートコースが判断し難い。

そうした意味でキーパーの嫌がるシュートを覚えましょう。

またブラインドシュートには大きく分けて2つパターンがありましたよね。

A.ブラインドが1人の場合
B.ブラインドが2人の場合

こうしたイメージ作りをきちんと練習することで、上手く使えるようになります。

その一方で、日本ではブラインドシュートはあまり使われません。

日本サッカーの決定力不足解消のためにも、ぜひジュニア年代から指導するべきだと思います。

ぜひ多くの子供たちが、ブラインドシュートが上手くなることを願っています。

【画像引用:Youtube.com