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幼児期にサッカーを始める弊害!本当に必要な練習とは何か?

投稿日:2019年4月10日 更新日:

サッカーをしている5歳児

幼児がサッカーの練習をするとしたら、何をやれば良いと思いますか?
ボールタッチ?リフティング?ドリブル?キック?
また、サッカーを始めるのなら早ければ早いほど良いと思いますか?

でもそうした考えは今すぐ止めましょう。

親として幼児期の子供がサッカーするうえで大切なことは、将来のために今は何をするべきか?という考えを持つことです。

そこで、今回は幼児とサッカーの関係について解説します。

1.幼児期からサッカーを始めること

試しにネットで「サッカー 幼児」などと検索してみてください。
そうすると幼児向けの練習メニューがいろいろと出て来ます。
また幼児向けのスクールの情報も見られますね。
そうしてサッカーを始めると楽しくなって、小学生になっても続けるでしょう。

でもそのようにして成長した幼児にとっては、実は将来いろいろな弊害があることも理解しておきましょう。

(1)幼児期のサッカーと弊害

サッカーは野球やテニスなどと同じで、特定の筋肉や関節を使い続けるスポーツです。
そもそもスポーツは専門特化したテクニックを身に付ける運動なので、成長が未熟な幼児にとっては体に過度な負担をかけます。
そうした場合は数年程度の期間をかけていろいろな運動を経験させるという、いわば準備期間が必要です。

一昔前であれば、鬼ごっこや追いかけっこ、木登りや川遊び、キャッチボールやドッヂボールなどの遊びを通じて自然と運動能力を養成したものです。
実は、こうした外遊びはSAQ(スピード、アジリティ、クイックネス)やコーディネーショントレーニングにも役立っていたのです。

鬼ごっこをする子供たち

ところが現代の幼児期の子供たちは、そうした運動経験のない状態でいきなりサッカーなどの専門的なスポーツを始めてしまうことが多いです。

そうして成長した子供たちは単にボールを蹴ることは出来ても、狙った通りに蹴れない、俊敏な動きが出来ないなど、意外と上手くならないことがあります。
これは自分の思った通りに体を動かすことが出来ないという、コーディネーション能力やSAQ能力が欠如していることを意味します。
そうした点では子供にとって、伸び悩み…という大きな問題なるわけなのです。

一方、スキャモンの成長曲線によれば、神経系の発達は概ね6歳頃で成人の90%程度になります。
これは6歳頃までに様々な運動経験を積んで脳神経を発達させてからサッカーを始めないと、運動能力がアンバランスに成長してしまうことを意味します。

スキャモンの成長曲線

また子供は足だけを使ってサッカーをすることが多いので上半身が華奢になり、鉄棒が苦手、マット運動が出来ない、小学校高学年になっても一年生並みの握力しか出せない…という偏った成長をするケースも多いです。

つまり幼児期の子供は、幼少期にいろいろな運動経験を積まないとサッカーが上手くならないのです。

もっと簡単に言えば幼児期にサッカーをさせるということは、足し算や引き算が出来ないのに高度な方程式や二次関数を勉強するようなものです。

(2)幼児とサッカースクール

最近は幼児向けのサッカースクールやクラブが多くなりました。
そうしたスクールではボールを使った遊びから始め、ドリブルやキックなども一通り教えてくれます。
親としても始めるなら早い方が良い…ということで、スクールの指導にも大いに期待するでしょう。

そうした場合、本来であれば幼児に対してボールを使わないようなコーディネーショントレーニングやSAQなどの基礎的な運動能力を高める必要があります。
また一昔前の外遊びに似たような、基礎的なフィジカルトレーニングも必要でしょう。

でもスクールやクラブは、あくまでも営業という目的があります。
限られた練習時間の中でいろいろなテクニックを指導する必要がありますし、幼児から始めた子は小学校に入学しても続けてもらえるという意図もあるでしょう。
そのため、どうしても専門的なテクニックを教えなくてはならないのです。

たくさんゲームをさせて幼児に楽しませないと飽きてしまいますし、親としても「どうしてサッカーを教えてくれないのだろう?」と疑問を抱いて辞めてしまうことを防ぐ必要があるのです。

これはスクールやクラブ側の問題かもしれません。
でも親自身が、コーディネーショントレーニング、SAQ、一昔前の外遊びの重要性を理解していないことにも原因があります。

私は30年前にブラジルサンパウロのサッカークラブでジュニアとジュニアユースのアシスタントコーチをしていました。
その頃、子供たちが街中の至る所でストリートサッカーをしていたのをよく見かけました。
また、サッカーばかりではありません。
木登りや川遊び、日本の追いかけっこのような遊びもありました。
そうした、いろいろな運動経験を経てクラブに入団して成長したのです。

そうした意味では、現代の日本で幼児期からスクールやクラブに入会することは、基礎的な運動経験の機会を逸してしまうという点にも注意が必要なのです。

(3)幼児期のサッカーと多様な運動経験

幼児期からサッカーを始めた子供たちは、小中高と続けながら順調に成長する一方で、途中で止めてしまう場合も多いです。

この場合、幼児期の子供は筋肉や骨格が未熟なため、サッカー特有の「蹴る」「走る」などの繰り返し動作によりケガの発症率が大人よりも高くなります。
また、そうした問題を抱えながら成長するので慢性的な障害が多発しやすくなります。
実際にも小学生年代から膝や足首が痛いなどと訴える子供は多いはずです。

一方、早期からサッカーを始めるということは幼児期の多様な運動経験が乏しいことにもなるため、いくら頑張って練習してもなかなか上手くならないという現象も起こります。

気持ちが落ち込む子供

これに対して、どうせなら早く始めた方が良い…。頑張って練習を続ければ必ず上手くなる…。などの誤った考えも蔓延しています。

これは、ひとえに幼少期からサッカーを始めてしまうという、スポーツの早期専門化から来る問題です。

もちろん、水泳、体操、フィギュアスケートのように、選手としてのピークが早いスポーツは早期に始めた方が良いでしょう。

でもサッカーは18歳のユース年代までは育成期間です。
そうするとサッカー選手として長期的な視点に立って育てるという考えが必要です。
このように考えると、幼児期からサッカーに特化した練習を始めることは子供の成長にとって極めてナンセンスです。

私が思うにスポーツの早期専門化ではなく、早期多様化を考えた方が良いと考えます。

実際にも元日本代表の本田圭佑は幼少期に水泳、バスケットボール、野球、卓球などを経験しています。
元なでしこジャパンの澤穂希は3歳~12歳まで水泳を習っていました。
変わったところでは元フランス代表のジダンが柔道をしていたことも有名です。

要するに幼児期から多様な運動経験を積ませた方が、子供の後々のサッカー人生には必ずメリットになるのは間違いないのです。

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2.幼児期に必要なサッカーに役立つ運動メニュー

幼児がサッカーを始めるとしたら、キック、ドリブル、トラップ、リフティングなどの専門的なテクニックの練習は必要ありません。
これまで何度も解説したように、小学生以降に本格的なサッカーの練習を始めるための大切な準備期間と捉えてください。
また幼児期に多様な運動経験をさせるという点で、サッカー以外のいろいろなスポーツにもチャレンジすると良いでしょう。

そこで次にいくつかの例をあげるので、幼児期の子供をお持ちの親御さんはぜひ参考にしてください。

(1)体つくり運動

小学校の体育の授業で行ういろいろな運動は、幼児期の子供にも効果があります。
次の動画は大分県教育庁が制作したものですが、コーディネーショントレーニングと同じ効果が期待できます。
この動画は役所が作った割にはよくポイントを捉えていると思います。
ぜひ参考にして、お父さんやお母さんが子供と一緒に遊び感覚でトライしてみましょう。

(2)コーディネーショントレーニング

コーディネーショントレーニングとは、体の運動機能を調整する能力を向上させる練習法です。
こうした調整能力は自分の思い通りに体を動かせるようになるという点で、サッカーの上達には欠かせないスキルです。
また、コーディネーション能力は、定位能力、変換能力、リズム能力、反応能力、バランス能力、連結能力、識別能力の7つに分類されます。

実際のトレーニングの方法はYoutubeで検索すればいろいろ出て来るので、そうしたものを参考にしてみてください。
くれぐれも書籍やDVDを購入したり、スポーツクラブに通う必要はありません。

(3)ブラジル体操

ブラジル体操は、ジュニア年代の少年団やクラブチームのウォーミングアップでもおなじみです。
この体操は動的ストレッチの一種で、全身の関節の可動域を広げる効果があります。

ちなみにブラジル体操の有料アプリもあるようですが、お金をかけなくてもYoutubeで検索すればいろいろ出て来るので、そちらを参考にすると良いでしょう。

(4)一本歯下駄トレーニング

一本歯下駄トレーニングは全身の潜在的なバネ作用を呼び覚まし、身体能力をアップさせる効果があります。
こうしたバネ作用は、走る、跳ねる、飛ぶという動作に必要なパワーの動力源で、本来、誰にでも生まれ付き備わっています。

このトレーニングは小学校入学前の幼児が行っても問題はありません。
多様な運動経験という点でもおススメです。

実際の練習メニューは次の参考記事をご覧になってください。
一本歯下駄の効果!身体能力アップに役立つ5つの理由!
一本歯下駄トレーニング!サッカー向け練習メニュー22選

(5)ヒップホップダンス

ヒップホップダンスはリズム感とバランス感覚の養成に、とても高い効果があります。
また身体の能力もアップするのでおススメです。
特にダンス教室に通わなくても、Youtubeで検索すればいろいろ出て来るので、そちらを参考にしてください。
インストラクターの動きを単に真似するだけでも十分に効果が上がります。
ちなみに、先ほどの一本歯下駄トレーニングの練習メニューにある「ワップアップ」と「ワップダウン」は、ヒップホップダンスの動きを参考にしたものです。

(6)ドッヂボール

ドッヂボールは単なる遊びではありません。
全身を使ってボールを投げるため、意外に思われるかも知れませんがとても高い運動効果があります。
またサッカーは足だけでやるものではなく、海外のトップ選手たちは上半身を上手く使ってパワーとスピードを発揮します。
そうした点では、幼児期のうちにぜひ「ボールを投げる」という全身を使った運動体験をたくさんさせてみてください。

特にルールにこだわる必要はありません。
ボールは100均のゴムまりを使えばよいですし、お父さんやお母さんが相手をしてあげれば良いでしょう。

(7)ボール蹴り

幼児期にサッカーの専門的なテクニックを練習する必要はありませんが、ボールを蹴る運動は必要です。

ボールを蹴ろうとしている幼児

そこで次の要領で練習してください。

① 裸足になって蹴る

足の指や足裏は「触覚」という大切な感覚器官です。
そこで幼児期のうちに足の指や足裏を使って、ボールを蹴るという繊細な感覚を身に付けましょう。

ドリブルやキックなどの専門スキルではなく、くれぐれもボールを蹴るという運動です。

ブラジルの選手たちがサッカーが上手いのは、幼少期から裸足でボールを蹴っていたからです。
日本では幼少期からクツを履いてサッカーをしますが、これでは繊細なボール感覚は身に付きません。

親指から小指、足の裏、カカトなどのいろいろなところを使ってボールを蹴りましょう。
こうした経験は、後々になって必ず活きて来ます。

また蹴り方はどうでも構いません。
なぜなら裸足⇒足の感覚を繊細にすることが目的だからです。
むしろ遊び感覚で続けた方が将来にとって役立ちます。

② ボールはゴムまりが良い

ボールは100均のゴムまりで良く、大きさは3号球程度としてください。
ゴムまりは弾力性があるので、足の指にフィットしやすく痛みもありません。
またボールに当たる皮膚感覚も経験出来るので、繊細なボール感覚に繋がります。

③ 手でボールを持っても構わない

サッカーをしているわけではないので、幼児がボールを手で持って動き回っても構いません。
そうした場合は、ラグビーのように追いかけ回しましょう。
そうすることで、自然とSAQの能力を身に付けることが出来ます。

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3.まとめ

幼児期の子供がサッカーするうえで大切なことは、将来のために今は何をするべきか?という考えを親自身が理解することです。
そのためには幼児期からサッカーをすることの弊害をきちんと学びましょう。

また幼児期から多様な運動経験を積ませた方が、子供の後々のサッカー人生にとって必ずメリットになります。

そこで幼児期は、小学生以降に本格的なサッカーの練習を始めるための大切な準備期間と捉え、いろいろな運動をさせましょう。

【画像引用:Youtube.com

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