ブラジルでのコーチの経験を活かして、 サッカー未経験の方にも分かりやすく科学的で正しい理論をご紹介します

サッカー少年と新型コロナ!病気の特徴をきちんと理解しよう

新型コロナは2020年6月現在でいくつかの有効な治療薬が見付かったものの、根本的には未だにワクチンが作られていないという問題があります。
特に育成年代のサッカー少年をお持ちの親御さんは、子供が感染したらどうしよう…という心配が尽きないでしょう。
でも新型コロナに対して恐れるだけではなく、この病気の特徴を正しく理解して、家庭でもどのように対処すれば良いのかを改めて考えてみましょう。
そこで今回は新型コロナを正しく理解するという点について、免疫やウィルス学の観点から詳しく解説します。

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【新型コロナと免疫】

(1)新型コロナはインフルエンザの一種

新型コロナはインフルエンザの一種で呼吸器系の病気です。
特に問題なのは毎年流行するふつうのインフルエンザと違って、ほぼすべての人が抵抗力(または抗体)を持っていないという点です。
これに対して日本ではほとんどの人が感染しても軽症か無症状の場合が多く、重症化するリスクが高いのは持病がある人、妊婦、幼児、高齢者とされています。
例えばタレントの志村けんさんは飲酒などによる肝機能の低下、岡江久美子さんはガン闘病中という免疫機能が低下する中で亡くなった…というのが現状です。
つまり免疫機能の低い人が新型コロナに感染すると重症化しやすいというわけですね。

そうするとサッカー少年に限らずお父さんやお母さんでも、ふだんの免疫機能が高ければ感染しても重症化しにくいと考えられます。

そこで冷静に落ち着いて考えてみてください。
これって日常生活で風邪を引くかどうか…、そのための予防はどうしたら良いのか…という発想と似ていませんか?

ここで大切なのは新型コロナに対して過剰な恐怖感を持つのではなく、病気の予防という根本的な考え方を理解することではないでしょうか?

参考記事:厚生労働省「新型インフルエンザ入門」

(2)サッカー選手は免疫機能が低い?

イングランドプレミアリーグのチェルシーの元チームドクターであったカルネイロ氏によれば、サッカー選手は免疫機能が低く新型コロナに感染しやすいとして、次のように語っています。

「プロ選手は定期的に免疫力低下になることが証明されています。血液検査、上気道感染症などの感染症の罹患率によって実証されており、それが今回のようにウイルスに感染する要因です。それらはスポーツの運動量にもよります。72時間ごとにある試合、プロレベルでの肉体的活動、そして練習も同様に体に負担をかけます」

これはたしかに一理あると思いますが、あくまでも病気と運動の強度との関係を説いたものです。
ところが免疫機能を改善すれば病気にかかりにくいという免疫学の視点が欠けています。

つまり過度な運動をするのであれば、それに応じた免疫力アップの対策が必要なのです。

そうした意味でサッカー選手だから免疫機能が低い…とだけ決め付けるのではなく、免疫力アップの方法を考えるべきでしょう。
くれぐれも新型コロナの恐怖感だけに煽られるのではなく正しい知識を持つべきです。

参考記事: サッカー選手、なぜ新型コロナ感染が多い?

【感染予防と感染経路】

新型コロナの感染を防ぐためには3密を避ける、手洗い、うがい、マスク着用等はかなり徹底されていると思います。

この場合、先ほど解説したとおり新型コロナはインフルエンザの一種なので、その感染経路は主に2つです。

一つ目は飛沫感染です。
これは感染した人のくしゃみや咳(せき)吸い込むことによる感染で、特に感染者から2m以内にいる人は危険性が高いことから、いわゆるソーシャルディスタンスが出て来るわけですね。

2つ目は接触感染です。
これは単に感染した人に接触しただけで直ちに感染するのではなく、例えば手にウィルスが付着して、その手で目(結膜)、鼻、口を触った場合を指します。
つまり自分の手に新型コロナウィルスが付着しても、目(結膜)、鼻、口を触らずに手洗いをするか、消毒すれば感染を防げるということになるわけです。

それでは空気感染はどうなのか?というと、現在のウイルス学で空気感染する病気は結核、麻しん、水痘などに限られています(ほとんどの日本人は幼児期に予防接種をしている)。

したがって新型コロナは飛沫感染や接触感染に注意すれば、かなりの割合で感染を予防できるとされているのです。
この点は意外と勘違いされている方が多いので注意した方が良いですね。

でも、これってやっぱり風邪の予防に似ていませんか?

参考記事: 子どもたちの健康のために

【新型コロナの本当の終息とは?】

新型コロナは未だに万全な治療法やワクチンが作られていないという厄介な病気ですが、果たして本当の意味で終息するのでしょうか? 非常事態宣言が終わったからと言っても終息したわけではありませんよ。

そこで、こうした点をウィルス学と集団免疫の点から考えてみましょう。

この場合、特定のウィルスが数年以上の長期間に亘って蔓延するとしだいに抵抗力を持った人が増えて、病原性の力が相対的に弱くなるという傾向があります。
例えば第1次大戦中に世界中で蔓延したスペイン風邪が代表例ですね。この当時は有効な治療薬がなかったものの抵抗力を持った人が増えたため、その他の人が感染した場合でも軽症で済むケースが多くなり、やがては終息して行ったわけです(つまりウィルスの弱毒化)。

ウィルス学の考え方によれば、ヒトは古来からいろいろなウィルスに感染しながら抵抗力を付けて病気を克服して来ました。
つまり大昔にはワクチンや薬がなかったので、抵抗力を付けるしか対処法がなかったわけですね。
もしもヒトが特定のウィルスとの戦いに負けていたとしたら、人類は大昔に絶滅していたはずです。

テレビでおなじみの池上さんなどは「 スペイン風邪は、いつの間にか終息した…」となどと大雑把な意見を言っていましたが、これはウィルス学の基本を理解していれば、終息した理由がきちんと分かるはずだと思います。
簡単に言えば、ウィルス自体がやがて大人しくなってしまうということですね。

つまり、これが集団免疫の考えであり、こうした理論を徹底したのがスウェーデンの新型コロナ対策です。
これに対してスウェーデンは多数の死亡者を出したということで失敗だったのではないか?という批判がありますよね。

でも、先ほど解説したとおりヒトとウィルスとの歴史に基づけば、実は集団免疫の獲得の考え方には、例えば免疫力の低い高齢者などの死亡リスクの可能性は防ぎきれないものとされているのです。
残酷な言い方ですが、これがウィルス学の理論なのです。

もちろん死亡リスクを可能な限り抑えるのは言うまでもありませんが、むしろヒトとウィルスとの文字通り命を賭けた戦いの歴史によってウィルス学が発展 (つまり医学全体が発展) したとも言えるでしょう。

そうした点で話を整理すると、新型コロナウイルスを終息させる本来的な手段は2つの方法が考えられます。

一つ目は集団免疫を獲得することです。
二つ目はワクチンを開発することです。

この2つの方法によって本当の意味で新型コロナが終息するわけですね。

でも日本の緊急事態宣言による外出自粛の措置は医療崩壊を防ぐための感染防止を優先したことから、未だ集団免疫を獲得したとは言えません。そうすると終息までにはワクチンの開発を待たなくてはいけないでしょう。

したがって、これから日本政府がスウェーデンのような集団免疫を獲得する政策をやらない限り(たぶんやらないと思います)、新型コロナの終息はどんなに早くてもワクチンが開発される年末か来年になるのではないでしょうか?

参考記事:新型コロナウイルス感染症対策

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【まとめ】

新型コロナは2020年6月現在で未だにワクチンが作られていないことから、 終息までにはどんなに早くてもワクチンが開発される年末か来年になるでしょう。
特に育成年代のサッカー少年をお持ちの親御さんの心配は尽きないと思います。

でもいたずらに恐怖感だけを持つのではなく、この病気の特徴を正しく理解して、家庭でもどのように対処すれば良いのかを改めて考えてみませんか?自分たちでやれることは、いろいろとあるはずですよ。

さて次回は、昨年から我が家で実践している新型コロナへの対処法として、意外と簡単な免疫力アップの方法について解説します。