ドリブルシュートでバーを越えたり、左右に大きく外したり、キーパーの正面に飛んでしまう…という失敗は意外と多いですよね。
そうならないためにも正しいシュートの蹴り方を覚えましょう。
そこで今回は正しいドリブルシュートと、日本で多い間違った蹴り方などを解説します。
※この記事は3つのページに分かれているので、順番に読んでも良いですし、直接それぞれのページを読んでいただいても結構です。
1ページ目(このページに書いてあります)
【ドリブルシュートとは】
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【正しいドリブルシュート】
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【ドリブルシュートの練習法】
【まとめ】
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ドリブルシュートとは
(1)正しい考えと日本人の間違い
①メッシのドリブルシュート
ドリブルシュートは強く蹴った方が良い…、その方がゴールキーパーに取られ難い…というのは、日本の育成年代の指導者によくありがちな考えです。
だから子供たちは、ドリブルシュートをインステップキックで強く蹴ってしまうのが多いと思います。
そうすると勢い余って、ゴールを外してしまう…というのはよくありますよね。
でもそうではなく、点を取れるのであればシュートは何でも良いのです。
そもそもシュートの目的は点を取ることですからね。
その例として、世界的なドリブラーのメッシの5人抜きを見てください。
この時のメッシは最後にゴールキーパーを抜いて、インサイド(または親指)でシュートしていますよね。
これはメッシにとってシュートを打つ前までのドリブルが重要であって、後はゴールに流し込むだけ…なのです。
つまりシュートは、いわばオマケのようなものなのであって、もっと言えばゴールにパスをするのと同じというわけですね。
そうするとインステップキックで強く蹴る必要はありませんし、インサイド、インフロント、トーキック、チップキックなど、その状況で最適なシュートを選択すれば何でも良いのです。
こうした考え方は、元日本代表監督のジーコが残した格言としても有名です。
②ジーコの格言
元日本代表監督のジーコは1989年にブラジルのフラメンゴで引退しましたが、この年は私がブラジル・サンパウロのサッカークラブでアシスタントコーチを始めた年です。
当時のジーコは、ブラジルで「白いペレ」とか「白人のペレ」と称えられました。
その後、1991年に来日して住友金属と鹿島アントラーズで現役復帰しましたが、ジーコは次の格言を残しています。
「ゴールの空いているところにパスを通すこと。それがシュートというものだ。」
私がこの格言を初めて聞いたのは、ブラジルで見たテレビ番組のインタビューでした。
日本では、この言葉の意味を「シュートはゴールキーパーの取れない場所(例えばゴールの四隅)に蹴ること…」と考える人が多いですが、実はそれだけではありません。
本当の意味はシュートを特別なものとして考えるのではなく、ゴールに入れるのであれば何でも良いということです。
例えば次の動画の最初の方のシーンで、ジーコのドリブルシュートがあります。
いずれもインサイドやインフロントなどでゴールに流し込むように(パスをするように)蹴っていますよね。
これに対して日本のシュート練習はインステップで蹴りますが、実際の試合ではインサイドやインフロントなどの方がコントロールしやすいです。
しかもインサイドキックは、インステップキックのように軸足を踏み込まなくても簡単に蹴れますからね。
この場合、日本ではドリブルシュートを蹴る時はボールが前に動いているので大きく軸足を踏み込んで蹴るとか、ボールが止まっている時と同じように蹴る…などという間違った情報が蔓延しています。
これはインステップキックを使ったシュートを想定しているわけですね。
そもそも先ほどのジーコの動画のように、ドリブルシュートでプロがインステップキックを蹴ることはほとんどありません。
もしも使うとしたらミドルシュートの時くらいです。
そうした意味で、どんな時でもインステップキックで蹴るというのは日本に多い間違いの一つですね。
なお日本ではこの他に、もう一つの間違った考えがあります。
(2)日本の間違った蹴り方
①間違った例
日本ではドリブルシュートとは言っても、実際にはドリブルとシュートを分けています。
例えば次の動画ではペナルティーエリアの前にディフェンダーを想定したマーカーを置いて、これをドリブルで抜いてシュートをしています。
ジュニアやジュニアユースでも似たような練習をよくやりますよね。
でも、これはドリブルシュートではありません。
なぜなら、ほとんど全員が最初はドリブルをしていますが、その後いったん蹴りやすいところに(1~2m前に)ボールを出して、そのボールを追いかけながら蹴っています。
いわばドリブルとシュートという二つのプレーに分かれているのです。
そもそもドリブルシュートは、ペナルティエリアの中で密集しているディフェンダーを抜きながら蹴りますよね。
だからドリブルとシュートの関係は一体的に練習するべきなので、例えばディフェンダーをペナルティーエリアの中に立たせて抜いてからシュートするなどの工夫が必要なのです。
これに対して試合中のペナルティエリア付近で、ディフェンダーを抜いてGKと一対一になる…という状況はほとんどありません。
しかもGKと一対一であれば、こんな遠くから蹴るよりも、なるべくゴールに近づいた方がシュートが決まりやすいですよね。
そうするとこの動画の練習は、ドリブルとインステップキックという単なる技術練習を分けただけでしかないのです。
特にジュニア年代の子によくありがちなシュートを蹴ってバーを越えたり、左右に大きく外してしまうのは、こうした練習を繰り返したことが原因だと思います。
そうした意味では、次の動画の練習もほぼ同じです。
この練習ではゴール前にディフェンダーに見立てたマーカーやカラーコーンを置いて、ドリブルシュートを打っています。
しかも、ほとんどの子はマーカーやカラーコーンが置かれた場所をドリブルで抜けて、フリーになってからシュートしていますよね。
そうするとマーカーやカラーコーンが置かれた場所を抜けるまでがドリブルで、抜けるとシュートというように、やはりドリブルとシュートという二つに分かれているのです。
でも試合を想定するのであれば、マーカーやカラーコーンが置かれた場所に入った時点でシュートコースを見付けて蹴るべきです。
そもそもフリーになってからシュートしていたのでは、決定力なんて身に付きませんからね。
要するに日本のドリブルシュートは、ドリブルとシュートを分けて考えてしまう…という問題もあるわけですね。
②間違った蹴り方のまとめ
ここで日本によくありがちな、ドリブルシュートの間違いと正しい考えをまとめておきましょう。
インステップキックだけで蹴ろうとする
これはジーコの格言にもある通り、インステップキックで強く蹴る必要はなく、インサイド、インフロント、トーキック、チップキックなど、その状況で最適なシュートの方法を選択すれば何でも良いのです。
ドリブルとシュートを分けている
ドリブルシュートの練習の時はディフェンダーを立たせたり、マーカーやカラーコーンを置いた場所から即座に蹴ることで、実際の試合でも慌てずにシュートを決められるようになります。
さて次は世界的なドリブラーであるメッシのプレーを動画で見ながら、正しいドリブルシュートについて解説します。
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