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ドリブルが本当に上手くなる3つの練習法とは?即効・対人メニュー!

ドリブルが上手くなるために最も大切なことは、相手にボールが取られないためのテクニックを身に付けることです。

なぜならサッカーは点を取ることも大切ですが、ボールを守らないと攻撃が出来ないからです。

そこで今回はドリブルが本当に上手くなるための3つの練習法を紹介します。

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【ドリブル練習の注意点】

これから紹介する3つの練習メニューは、サッカーの試合中に必要とされるボールを守るためのドリブルの要素が全て詰まっています。

また、この練習は特に対人プレッシャーの中でドリブルすることを重視しているので、子供にとっては極限の状況で、攻撃を続けながらボールを守るという意識付けにも役立ちます。

そこでトレーニングにあたっては、必ず2人1組としてください。

また、このメニューの対象年齢は小学校低学年から可能なので、ぜひ普段の自主練にも取り入れてみてください。

1.一対一ゲーム

この練習は、攻撃側と守備側を限定したうえで、ひたすら1対1のマッチアップを繰り返すものです。

また、このトレーニングの最大の目的は、狭い場所の接近戦でボールを奪われない技術を身に付けることです。

私の息子「とも」は、この練習を小二から続けましたが、ドリブル練習では最も効果が出たメニューです(動画の収録当時は中学一年生です)。

特に、クラブや少年団などでよくやる一回のマッチアップで終わってしまうような一対一の練習と比べると、試合の想定度合い、難易度、学習効果が全く違うものとお考えください。

(1)練習の基本ルール

試合中の狭いスペースを想定して、トレーニングします。

・グリッドの広さ→子どもの身長×2(「とも」は170㎝なので約3m四方)
・一セット→約1分間(必要以上にやり過ぎても意味がありません)

① 攻撃側

相手のヒザの動きを見ながら、間合いを維持しつつ、抜いたらすぐに前を向いて攻撃を再開します。

また、攻撃をする時にいちいち止まっていたら、すぐにボールを奪われるので、とにかく動き続けることが大切です(守備側を振り回すくらいに動き回る)。

② 守備側

足を出したりユニフォームを掴んだりなどのフィジカルコンタクトはOKですが、積極的にボールを奪うことまではしないで適度に加減してください。

イメージとしては、動くカラーコーンになったつもりの方が良いでしょう。

この程度なら、お父さんやお母さんでも相手をしてあげられると思います。

(2)練習のポイント

この練習の目的は、狭い場所の接近戦でボールを取られない技術を身に付けることですが、その際に大切なポイントがいくつかあるので、順に解説します。

① 膝下でのコントロール

ドリブル練習で足からボールが離れないことは、相手に取られないという意味で基本中の基本です。

そのために相手を抜く時などでボールを大きく動かす以外は、常にヒザ下でコントロールしましょう。

ちなみに「とも」は、足の指の感覚だけでコントロールしているので、膝下のボールはほとんど見ていません。

また、ボールの置き場を常に利き足の小指辺りに決めているので、相手のヒザだけではなく、相手の背後にいるカバーリングやスペースなどにも視野を向けることが出来ます。

ア.ドリブル姿勢の矯正

子供に「ドリブルの時はヒザ下に…!」と、どんなに言い続けても、実際のところ習慣付けは難しいので、次のようなドリブル姿勢の矯正をしましょう。

矯正の仕方は、全身をリラックスして、つま先と拇指球でグリップすると自然に膝が曲がりますが、この姿勢を常に意識させるだけです。

これにより、ドリブルに必要な体の後ろ側の筋肉が自然と鍛えられますし、前傾姿勢を維持することが出来ます。

また、足首を脱力すると筋肉の伸張反射が使えるので、タッチがソフトになって足からボールが離れにくくなります。

「とも」は小学校二年生から続けましたが、中学生になった今では当たり前のようなドリブル姿勢になっています。

※筋肉の伸張反射とドリブル姿勢の練習法を詳しくお知りになりたい方は、次の記事をお読みください。
伸張反射でサッカーのプレーが劇的に改善!最新理論で解明
サッカーのドリブル練習法!小学校低学年向け基本8選
イ.足からボールが離れすぎた場合

ドリブルで足からボールが二個分以上離れたら、守備側はそこを狙って蹴り出してください。

そうすることで、子供ながらに反省して、自然とタッチの強弱を学ぶことが出来ます。

少し厳しいようですが、子供の将来を考えた場合はとても大切なので、この点は徹底してください。

② 間合いの取り方

ドリブルでの間合いの取り方は諸説ありますが、基本的には「相手が足を出したくなる距離」と考えてください。

また、この間合いは相手を抜くために、可能な限り接近することが大切です。

そうすると相手は足を出してくるので、その瞬間を狙って抜くことが出来るようになります。

足が出るかどうかは、相手のヒザの動きを見逃さないようにしましょう。

なぜなら、ヒトが足を動かす時は最初にヒザが動くからです。

子供にとっては最初のうちは慣れないでしょうが、何度も繰り返すことで間合いの距離感が身に付きます。

特に大切なことは、失敗を繰り返しながら学習させることなので、こうした点は大切にしてください。

なお、巷では「ドリブルの間合いは相手が足を出しても絶対に届かない距離にボールを置く…」と言う意味不明な考えもありますが、こうした発想は実際の試合では何の役にも立たないので注意しましょう。

③ 相手を抜いた後のタッチ

相手を抜く時に強くタッチしてボールを大きく出すのは、例えばサイドハーフが相手のサイドバックと一対一で抜いた時など、前方に広いスペースがある時だけです。

ところが狭い場所では、一人を抜いても次から次へとディフェンスがプレスに来ます。

そこで、相手を抜いたら、なるべく早くタッチするようにさせてください。

ドリブルで抜くということはボールを手離すことですし、別の相手に取られる可能性もあります。

そうした場合、早くタッチをすることでボールを守ることが出来るという意識付けを持たせましょう。

また、利き足側に抜く時は、利き足→軸足→利き足という2歩で追い付くことになりますが、この間の距離はボールを危険にさらしているという認識も合わせて覚えさせてください。

さて次は、ターンの使い方、ボディコンタクト、懐のドリブル、シンプルな抜き技、コーチングについて、解説します。

④ ターンの使い方

一対一ゲームのトレーニングをしていると、子供が後ろ向きになってしまうことがよくありますが、そうした場合は、ターンを覚えるための絶好の機会です。

動画の中でも、「とも」はアウトサイドやインサイドを使ったターンをたくさん使っていますよね。

特に接近戦でターンを使うことは、動き続けること(守備側を振り回すくらいに動き回る)を意味します。

そうすると連続した攻撃態勢が取れるので、複数の相手に対しても、次々と抜けるようになります。

ア.アウトサイドのターン

背後からボディコンタクトを受けた場合、背中や肩で押すか、手で跳ねのけるようにアウトサイドでターンをすると、ピンチを切り抜けることが出来ます。

また、アウトサイドのターンは小回りが利くので、相手と密着した状況であっても簡単に間合いを作り出すことが出来ます。

ちなみに、メッシもこうしたアウトサイドのターンをよく使います。

イ.インサイドのターン

利き足側にドリブルする時(左利きなら左方向)は、インサイドのターンを使うのも効果的です。

元FCバルセロナのシャビも、インサイドのターンをよく使います。

ちなみに、元日本代表の中村俊輔は、2009年シーズンにエスパニョールに所属していましたが、その当時対戦したバルサのシャビ、イニエスタ、メッシなどが良く使うターンの動きに振り回された挙句に戦意が喪失したそうです。

それくらい、ドリブルにとってのターンは効果的なのです。

アウトサイドやインサイドのターンは、クライフターンやリベリーノターンに比べてとてもシンプルですが、ボールが取られないという点ではとても効果的なテクニックです。

また、シンプルだからこそ、いつの時代でも使えるテクニックと言えるなので、ぜひ覚えてください。

⑤ ボディコンタクト

ドリブルでボディコンタクトを受けた時は、手を使って応戦させてください。

その際、相手が必要以上に出てこられないように、間合いを作ってボールを守りましょう。

⑥ 懐のドリブル

巷では、懐のドリブルという考え方があります。

これは利き足と軸足で三角形を作り、その間にボールを置いて守ろうというテクニックです。

たしかに世界的なドリブラーは、このような体勢を取りますが、一対一ゲームを練習すれば自然とこのようにしてボールを守るようになります。

また懐のドリブル以外にも、フィジカルコンタクトでの手の使い方も合わせて身に付きます。

だから、あえてこうしたマニアックな知識を持つ必要はなく、実戦練習を続ければ自然と覚えてしまうので気にする必要はありません。

⑦ 抜き技はシンプルに

狭い場所の接近戦は複雑で大げさなフェイントを使うよりも、シンプルなドリブルで相手を抜くべきです。

例えば、相手が足を出したところをアウトサイドで抜くことなどですね。

こうした場合、メッシが2~3人を連続して抜く時は、とてもシンプルな抜き技が多いです(例えば、アウトやインだけなど)。

そうすると時間をかけずに密集から抜け出せますし、ボールを危険にさらす時間も短くなります。

⑧ コーチング

守備側は次のような声掛けでコーチングすると、攻撃側はいろいろな動きのタイミングを覚えられます。

「ボールが足から離れるのは一個分まで!」
「足から離れてるぞ!」

「ヒザを見ろ!」
「ヒザを見て動きを予測しろ!」。

「間合いを考えろ!」
「今だ!抜け!」
「迷うな!」

「(抜いたら)もう一回!」
「(攻撃側が後ろを向いたら…)早く前を向け!」
「後ろを向いていたら抜けないぞ!」
「早くターンしろ」

このように、適宜、良い声掛けをしてあげてください。

最初のうちは後ろを向いてしまうことが多いので、3秒以内にターンする…などのルールを作っても良いでしょう。

さて次は足裏を使った練習メニューをご紹介します。

2.足裏ゲーム

この練習は、先ほど解説した一対一ゲームとほぼ似ていますが、先ほどよりもさらに狭い場所を想定した接近戦のトレーニングです。

ただし足裏を使い過ぎると、それが癖になってしまい実際のサッカーの試合でスピーディーなゲーム展開が出来なくなるので注意してください。

(1)練習の基本ルール

一対一ゲームとの違いは、グリッドを少しだけ狭くすることと足裏を使うことだけです。

グリッドを狭くする理由は、実際の試合で足裏を使うエリアがかなり狭い場所(密集地帯)ですし、ボールをあまり大きく動かせないからです。

そうすると、足裏ゲームのトレーニングでは、一対一ゲームよりも狭さとボールを守ることに、いっそう慎重にさせる意図があります。

また全てのタッチを足裏にするのではなく、総タッチ数の半分程度(3~4割くらいでも良い)は足裏を使う…というルールで良いでしょう。

これは子供の足裏のテクニックの上達度合いにもよるので、柔軟に対応してください。

※足裏ドリブルの練習法を詳しくお知りになりたい方は、次の記事をお読みください。
足裏ドリブル練習メニュー!小学校低学年向け10選

(2)練習のポイント

一対一ゲームとの違いは特にありませんが、足裏でドリブルする時に知っておいていただきたい特徴があります。

① 膝下でのコントロール

足裏のドリブルは、常に膝下にボールを置くことになります。

そうすると、狭い場所でボールを扱う時の習慣付けになります。

② 間合い

足裏でドリブルすると、相手は我慢出来ずに足を出すか飛び込んで来ることが多くなります。

その理由はボールの動きが遅いため、「簡単に奪えそう…」という心理が働くからです。

そうすると相手が間合いを詰めることが多くなるので、慌てずに落ち着いて動きを見ながら抜くことが大切です。

さて次は一対一ゲームや足裏ゲームを補強するための練習メニューをご紹介します。

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3.後出しじゃんけんゲーム

この練習は、先ほど解説した一対一ゲームや足裏ゲームを補強するトレーニングです。

最も大切なことは、ドリブルの時に相手のヒザの動きを認知させることです。

相手の動きを見てから、自分が動けば良い…。

そうした意味で、後出しジャンケンになるわけです。

小学校低学年の子供ならゲーム感覚で練習しても楽しいと思います。

(1)練習のポイント

① 練習の手順

(ア)相手と向き合う。
(イ)相手の膝の動きを確認する。
(ウ)ボールを動かす。

この時は、なるべく利き足側に抜くようにしましょう。

※ドリブルで利き足側に抜く理由を詳しくお知りになりたい方は、次の記事をお読みください。
ドリブルで利き足側に抜くことの3つの意味!

またアウトサイドだけではなく、インサイドや足裏を使うなどいろいろと動かしてみましょう。

特に大切なのは、相手の動きを見てからボールを動かして守るという点です。

② 人の動作特性を理解させる

ドリブルの時は、相手がどのように動くのか?というヒトの動作特性を理解することも必要です。

こうした場合、ヒトが足を動かす時は必ず最初に膝が動くので、相手の左右の膝のうち、どちらが先に動くのか?に集中してください。

また片方の足が動いたら、もう一方の足は動かせません。

だから、どちらかの足が動いたら、その足の動きに集中してください。

③ 間合いと間接視野

間合いを判断するために、ボールと相手の膝の両方を間接視野で見るようにしましょう。

そうすることで、
・足を出す時のヒザの動きをいち早く察知できます。
・足を出したくなる間合いの距離が判断できるようになります。

つまり、相手の動きを手玉に取ることが出来るようになるわけです。

(2)ドリブルの予測、認知、判断

後出しじゃんけんゲームは、ドリブルでの相手の動きの予測、認知、判断に役立ちます。

そこで次に、一対一ゲームを例にして、「とも」がどのように考えながらドリブルしているのかについて解説します。

ア.相手が向かって来る場合

①「間合いの中に入る直前、左右どちらのヒザが動くのか様子を見よう!」

②「相手の左ヒザが動いたので、左→右の順で足を出すはずだ!」

③「予想どおり左足を出した…。次は右足を出すはずだ!」

※この時点で先読みしてアウト抜きを始めます。

④「やっぱり右足を出した!」

この時、相手の背中のスペースを見て次の勝負に備えます。

イ.相手がほぼ止まっている場合

①「右足を出している…。次は左→右の順で足を出すはずだ!」

②「予想どおり左足が動いた…。次は右足を出すはずだ!」

③「やっぱり右足を出した!次の相手との勝負に備えよう…。」

以上のように、3つの練習メニューを紹介しました。

これらの練習は、実際のサッカーの試合中に必要とされるドリブルの要素が全て詰まっています。

子供にとっては、攻撃を続けながらボールを守るという意識付けが身に付くとともに、基礎基本のテクニックの習得にも役立つので、ぜひ参考にしてください。

3.まとめ

今回はサッカーの試合に本当に役立つドリブル練習として、3つのメニューを紹介しました。

(1)一対一ゲーム
(2)足裏ゲーム
(3)後出しじゃんけんゲーム

特に日本のサッカー界は、いつまで経っても本格的なドリブラーが育ちませんが、これは現在の育成におけるドリブル練習の大きな問題点です。

これまでと同じような練習をどんなに積み重ねても、子供たちのレベルアップはあり得ないでしょう。

こうした場合、特に必要なのはドリブルの対人練習の改善です。

そうしたトレーニングを通じて、相手を抜くことよりもボールが取られないことを徹底的に意識させるべきです。

一方、今回ご紹介した3つの練習法の最も大きな効果は、ボールを守りながら攻撃をするというドリブルにとって、最も大切なテクニックが自然と身に付くことです。

これらのトレーニングを続けることで、実際の試合では複数の相手を連続で抜くことも出来るようになります。

なぜなら、相手を抜いたら次…、抜いたら次…というように攻撃側と守備側が何度も向き合って攻撃を再開するからです。

つまり、試合中のドリブルを想定した反復練習そのものなのです。

でも、日本のドリブル練習は、こうした反復するような対人トレーニングがありません。

やはり、反復することによって初めて学習効果が高くなるのです。

そうした意味で、日本がサッカー大国となるためにも、これまでのドリブル練習を改善して、世界に通用するドリブラーがたくさん育ってほしいと願っています。

【画像引用:Youtube.com