ブラジルでのコーチの経験を活かして、 サッカー未経験の方にも分かりやすく科学的で正しい理論をご紹介します

団子サッカーはどうしたら卒業できる?日本とブラジルの違い!

【団子サッカーからの卒業(息子の場合)】

私の息子は小学校1年生の冬休みに地元のクラブに入団しました。

その時のチーム選びは、いろいろな学年と一緒に練習できる環境があるかどうか?ミニゲームをたくさんやるかどうか?などを考慮しました。

このクラブは加入人員が多いため、地域の支部ごとに分けてコーチが付くという運営方式でしたが、息子が所属した支部は5~6名と少ないのでほぼ毎回3対3のミニゲームをやりました。

ちょうどブラジルのストリートサッカーと同じですね。

ここには高学年の子もいましたし、ガキ大将のようにいろいろと面倒を見てくれる子もいました。

そうした中で、3対3は三角形が大切だということを覚えて行きました。

例えば、次の動画の青いビブスの15番(赤い手袋)を付けたのが息子です。

最初の方のシーンでは味方と横並びになっていたところ、左サイドからパスが出たのを見て受けようとしましたが、自分の右側にいた子がフリーだったのを見て下がっています。

これは自分で三角形を意識して、チームにとって有利な状況を選択してポジションを修正したということですね。

また次の動画では左サイドでボールを奪った後に、そのままドリブルしたところ、いつの間にか三角形が出来ています(他の2人は5年生なので理解している)。

だから、安心して味方にパスを出したのです。

それまでの息子はどうしてもボールばかり意識していたので、右に行ったり左に行ったりして味方と重なったりなどいろいろな問題がありました。

でも、この日を境にして変わっています。

ちなみにこの日の練習の後で、私は息子に「同い年の団子サッカーではパスなんか来ないよね?だったらどうしたら良い?」と問いかけました。

でも答えらなかったので「パスは待つものだろ?パスの代わりに団子からボールが出て来る時はないのかな?」と聞いてみました。

そうすると「あっ!時々あるよ!待っていれば良いんだね」

実は、これが息子が団子サッカーを卒業した瞬間です。

ちなみに団子サッカーの攻略法は、ボールが出て来るのをひたすら外にいて待つことです。

またボールが密集からこぼれて出て来る場合もありますし、相手が1人でドリブルで抜け出ることもあります。

そこを狙ってボールを奪ってゴールに向えば良いのです。

こうした状況は、一時的な団子状態からパスやドリブルで抜け出すということで、11人制のサッカーでもたまに見られます(一瞬のことなので分かりにくいですが)。

いずれにしても団子サッカーを卒業するためには、3対3のミニゲームをたくさんやるのがとても効果的です。

その後に4対4に移行して、大人のサッカーを目指せば良いのです。

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【まとめ】

これまで団子サッカーについて、いろいろと解説しました。

この場合、小学校低学年の子が団子サッカーになってしまう理由は2つあります。

一つ目はサッカーをよく知らないこと、二つ目はこの時期の子供の特徴です。

これに対してブラジルの子たちに団子サッカーが見られない理由は、一つ目はサッカーをよく知っていること、二つ目は団子にならない仕組みがあることです。

特に3対3のミニゲームをたくさんしてから4対4に移行しますが、これは11人制の大人のサッカーの入り口です。

そうした経験を経ずに大人数の試合をやらせて、「開け!広がれ!固まるな!」と言っても、子供たちには分かるはずがありません。

もちろん団子サッカーは幼児のオムツやおねしょと同じようなもので、いつかは卒業するでしょう。

でも本質的な点を考えれば3対3のミニゲームを活用してから4対4に移行することで、幼少期の子供たちにも正しいサッカーが理解できるようになるのです。

これはブラジルだけではなく、ヨーロッパのサッカー強豪国もほぼ同じ考えです。

これに対して団子サッカーはドリブルが上手くなる!という意見もありますが、これはサッカーの本質を理解していない浅はかな考えです。

そうした点では、ぜひ多くのサッカー指導者が、この点を理解して子供に正しいサッカーを指導してほしいと願っています。