サッカーは足だけを使う競技ではありません。
上半身もきちんと使うことでプレーのパフォーマンスが上がるのです。
そこで、ぜひ上半身の正しい使い方を覚えましょう。
そこで、今回はドリブル、キック、トラップ、走る、重心移動を例にして、なぜ足だけではダメなのか?また野球などの他の球技の例についても解説します。
※この記事は2つのページに分かれているので、順番に読んでも良いですし、直接それぞれのページを読んでいただいても結構です。
1ページ目(このページに書いてあります)
【なぜ足だけではダメなのか?】
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【他のスポーツの例】
【まとめ】
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【なぜ足だけではダメなのか?】
ここでは上半身を使うことで、どのようにパフォーマンスが上がるのか?という点について具体例をあげながら解説します。
(1)ドリブル
ドリブルが上手くなるためには、いくら足技を練習しても意味がありません。
いろいろな足技を覚える前に、先ずは「浮身」が出来るかどうかが大切です。
浮身(うきみ)とは、次の動画のように体がほんわずかに空中に浮く動作です。
これにより一種の無重力状態になるので、プレー中の動作の切り替えが素早くなります。
ただし浮身は足を踏ん張ってジャンプしているわけではなく、自然と体が浮いてしまう状態です(ほんの1~2mm)。
こうした浮身を身に付けるためには、上半身のバネ作用や体幹の筋肉などを自由自在に使いこなす必要があります。
したがってドリブルが上手くなるためには、いくら足で頑張ってもダメなのです。
(2)キック
キックでボールを強く遠くに飛ばすためには、上半身のバネ作用などを使いましょう。
特にバックスイングでの身体を反らす姿勢からフォロースルーでの元に戻す動きの中で、強力なバネ作用が働きます(背骨が板バネのようになる)。
つまり、こうしたバネ作用を使うことでインパクトのスピードとパワーが発揮出来るのです。
もちろん、足の力だけではパワー不足になるのは言うまでもありません。
(3)トラップ
トラップでボールを止める時は、ボールの高さに応じて使う場所を分けましょう。
この場合、ボールが頭上から来ればヘディングや肩、顔の高さに来れば胸、背後から来れば背中、ショートバウンドをしたらお腹を使っても良いでしょう。
もちろん上半身を一切使わずに足だけでもトラップ出来ますが、そうすると相手にボールを奪われやすくなります。
なぜなら、相手はボールが地面に落ちた瞬間を狙ってプレスをかけるからです。
これに対して元オランダ代表のベルカンプはほぼ足だけでトラップするので、別に足だけでも良いのではないか?という意見もありますよね。
ところが彼は足元でトラップすると同時に、ディフェンダーをかわすスキルが抜群なのでボールが奪われ難いのです。
したがって足元のテクニックが下手な日本人がいくら彼の真似をしても無理なので、腕以外の全ての場所でトラップできるように練習しましょう。
(4)走る
走る動作で大切なのは、一生懸命に頑張って足で地面を蹴るのではなく、全身を使って走ることです。
次の動画は私の息子(白の14番)の小5の運動会での様子ですが、ふつうなら頭が上下動するはずなのに全く動きませんよね。
しかも軽く走っているのに、他の子をぐんぐん引き離しています。
これは膝抜きとナンバ走法を使っているからです。
膝抜きは地面を蹴るのではなく、重心移動と重力落下を利用して走ります。
またナンバ走法は、腕の振りに連れて足を前に出して走るのです。
この2つのスキルに共通するのは、自分の筋力とはほぼ関係なくスピードとパワーを発揮出来ることです。
しかもほとんど疲れませんからね。
そうするとサッカーの試合の後半で足が止まる…、なんてことはほとんどなくなるのです。
そこで、ぜひ膝抜きとナンバ走法を覚えましょう。
(5)重心移動
日本人は海外の人と比べて胴長短足であって、また骨盤直立で大腿四頭筋が発達しやすいです。
そのため、幼少期から下半身(特に大腿四頭筋)を使って上半身を支えながら体を動かすことに慣れてしまっています。
この場合、ヒトの上半身と下半身の体重比は6対4で上半身の方が重たいので、どうしても足を使った体重移動になりやすいのです。
これは日常生活でもスポーツでも変わりません。
さらに顕著なのが、日本人は「がに股」の人が多いということです。
これは重たい荷物(つまり上半身)を持とうとする姿勢や、相撲の「そんきょ」を続けるのと同じで、常にどっしりとした低重心で生活しているからです。
つまり日本人は、いつも下半身を使いながら頑張って生活しているわけですね。
こうした体の使い方でサッカーを続ける限り、何年経っても欧米人には追い付けません。
そこで重心移動を覚えて、足の動きに頼りがちなプレー(つまり体重移動)を改善しましょう。
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