ブラジルでのコーチの経験を活かして、 サッカー未経験の方にも分かりやすく科学的で正しい理論をご紹介します

サッカーのキックが上手いとは?本当に上手くなる練習法!

サッカーのキックが上手いとは狙った場所に自由自在に蹴れることです。

この辺に蹴れば…などという適当な考えは今すぐ止めましょう。

そこで今回はキックの上手さ、育成年代の指導の問題点、上手くなるための練習法を解説します。

スポンサーリンク

1.キックが上手いとは?

(1)キックが蹴れるのと上手いのは違う

サッカーのキックは、いろいろな蹴り方がありますよね。

小学生であれば、インサイドキック、インステップキック、インフロントキックの順に覚えるでしょう。

子供なりに、たくさん練習して蹴れるようなった。だからキックが上手くなった…。

もしもそのように思っていたとしたら、大きな勘違いです。

これは単に蹴り方を覚えただけであって、決して上手くなったわけではありません。

つまり「蹴れる」と「上手い」は、全く別物なのです。

たしかに練習していろいろな蹴り方を覚えれば、試合でも使えるようになるでしょう。

だからと言って、それで満足していてはダメです。

これを野球のピッチャーに例えて考えてみましょう。

子供がピッチング練習をして、速いボールが投げられたとします。

でも、正確にコントロール出来ないとバッターを打ち取れません。

実は、速く投げられるだけでは、ボールがどこに行くのか分からない…という意味もあるのです。

これでは、監督やコーチは安心して任せられませんよね。

だから、インコースやアウトコース、高めや低めにコントロール出来るように練習します。また変化球も覚えて、いろいろなコースに投げ分けられるようになって初めて試合で通用するのです。

これをサッカーのキックの話しに戻しましょう。

そうすると、インサイドキック、インステップ、インフロントが蹴れるようになったからと言って、果たして試合で使いこなせるのでしょうか?

野球のピッチャーで言えば、真っ直ぐ投げられるだけ…と同じですよね。

つまり、サッカーのキックでいろいろな蹴り方を覚えたとしても、それだけでは実際に蹴ってみないと、ボールがどこに飛ぶのか分からないわけです。

パス一つ取ってみても、きちんと蹴ることが出来ないかも知れません。

でも、取り合えず蹴れるようになれば、試合に出場する子供たちは多いでしょう。そうした意味では、サッカーは実におおらかなスポーツだと思います(笑)。

たぶんほとんどの子供たちは、いろいろな蹴り方を覚えて小中高と成長すれば、それなりのボールコントロールが出来るようになるとは思います。

でも、それだけでは本当の意味で上手くなった…とは考えない方が良いでしょう。

それではキックが本当に上手い…というのは、どういう意味なのでしょう?

(2)キックが本当に上手いとは

元日本代表監督のオシムは、「サッカーが上手くなりたかったら、狙ったところに正確にキックが蹴れるようになりなさい」という格言を残しています。

正にその通りだと思います。私は息子の「とも」に、この格言を小1の頃からずっと繰り返し言い続けていました。

要するに、どのようなキックでも狙ったところにピンポイントで蹴れるのが、本当の意味で上手い!と言うことなのです。

次の動画の1:50からのシーンを見てください。

元ブラジル代表のロナウジーニョが、リフティングからボレーを蹴ってゴールのバーに何度も当てていますよね。

つまり、これがキックが上手いということなのです。

Youtubeの投稿欄を見ると「このキックはCGではないか?」などと言うコメントも多いですが、決してそうではありません。

私は30年前にブラジルサンパウロのクラブで、ジュニアとジュニアユースのアシスタントコーチをしていました。

その頃、トップチームの練習を見学したこともありますが、選手たちはウォーミングアップでボールを蹴ってバー当てをすることがありましたが、平然と何度も当てるので、さすがに上手いな…と驚いたものです。

つまり、海外では、こんなことが出来るのはロナウジーニョだけではないのです。

ところがジュニアやジュニアユースの選手たちの中にも、同じようなキックが蹴れる子供は多かったです。日本ではどうなのでしょうか?

ところで、次の動画の日本代表の選手たちのキックの様子を見て、あなたはどう思いますか?

冒頭のシーンでは、元日本代表の本田が2~3回ほどバーに当てていますよね。

でも、ロナウジーニョのようにリフティングをしながらフルスイングで正確にキックしているわけではありません。

ボールを地面に置いた状態から、時間をかけて「そっと」蹴っているのです。

また本田の周囲の選手たちはシュート練習をしていますが、ゴールを外すシーンが多いですよね。しかも無人のゴールに対してですよ(笑)。

実際の試合であれば相手のプレッシャーもありますし、もっと難易度が上がります。

たぶん、この動画は練習前のウォーミングアップかクールダウンを収録したものなのでしょう。

もしそうであれば心身ともにリフレッシュしているので、いとも簡単に百発百中のキックが蹴れてもおかしくないはずです。

しかも彼らは日本代表の選手ですから、誰よりもキックが上手いのが当たり前なはずです。

あなたは、彼らが本当に上手いと思いますか?

巷では日本の選手は決定力が不足している…とよく言われますよね。

でも練習の時にこの程度のキックしか蹴れないのだから、決定力の不足ではなく、むしろキックそのものが下手…と考えた方が良いと思います。

このような選手たちの何気ない練習を見るだけでも、日本人のキックのレベルの低さがよくお分かりになるでしょう。

一般的に国の代表選手のレベルは、その国の育成年代の指導の結果とか集大成と見なされています。つまり、どのような指導を受けて育ったのか?という結果を、選手という形として表現しているわけですね。

やはり、日本代表の選手たちのキックが必ずしも上手いとは言えない現状は、育成年代の指導に問題があると思います。

そこで次に、育成年代のキックの指導について考えてみましょう。

2.育成年代のキックの指導の問題点

(1)ジュニアの指導

元日本代表監督の岡田武史さんが、かなり前にFOOT×BRAINという番組に出演しましたが、その中で次のようにコメントしています。

彼がコーチ研修として海外のクラブにいた頃、二人の小学生が向かい合ってキックの練習をしていた時のことです。

お互いが15m程度の距離に離れて、強くて正確なキックをまるでクラッカーのように蹴り合っていたところ、その様子を見て「海外の子供たちはこんなに上手いのか!」と驚いたそうです。

また「日本のジュニアの育成指導は、キックの重要性を見直すべきではないか…」とも話していました。

これに対してジュニア年代では、練習に占めるドリブルの割合がかなり多いと思います。小学生はドリブルを優先すべき…という指導者さえも多いですね。

たしかに大切なテクニックなので、練習量が多いのは分かります。

でもドリブルは、そのほとんどがグラウンダーのボールですし、難しくて出来きないテクニックであっても練習すれば何とかなります。

だから、クーパーコーチングのように、いろいろな技術を詰め込まなくても良いのではないでしょうか?そうでなくとも、両足リフティングなどと言うムダな練習も多いですからね。

そうした一方で、試合になるとパスを優先します。

そうすると、あれだけ練習したドリブルはムダになるわけですね。

また試合中にドリブルをして相手にボールを取られると、怒り出す監督やコーチたちも多いはずです。

そうすると、子供たちはせっかく覚えたドリブルを自然とやらなくなります。

そればかりではありません。

試合中にパスミスやシュートミスがあれば、烈火のごとく怒鳴り散らす始末です。

私が思うに、こうした指導者の姿勢は滑稽にさえ感じます。

なぜなら観客に向かって「私のキックの指導が悪い!」と、公言しているようなものだからです(笑)。

そもそもキック練習の比重が低いのだから、子供がミスをしても全く不思議ではありません。

たぶん育成の本質が分かっていないのでしょう。

そう考えると、ジュニア年代では、もっとキックの練習の割合を増やして、子供たちを上手くさせるべきではないでしょうか?

でもこうした状況は、ジュニアユースになるとさらに違った問題が現れます。

(2)ジュニアユースの指導(日本と海外の違い)

日本の子供が、ジュニアユースのセレクションを受けたとします。

その場合、インステップキックはバックスピンがかかってしまう…。インフロントキックは遠くに蹴るだけ…。インサイドキックはピンポイントでパスを蹴れない…。

このようなレベルでも、合格する子は意外と多いと思います。

その理由は、戦術の理解度、オフザボールの動きの質、状況判断の的確さ、プレースタイルなど、試合で勝つために必要な選手を合格させるからです。

実はこうした選手選考の判断基準は、プロが移籍したり、育成からトップチームに昇格する時(チームに必要かどうか)と同じで、その根底にあるのは、すでに育成を終えたことが前提になっています。

つまり、日本のジュニアユースのセレクションの選考基準は、もう育成はやらない…、試合に勝てれば良い…と言っているようなものですね。

お分かりですか?育成とは、プロのようにチームを強くすることではなく、個々の選手を育てることなのです。

だからジュニアユースの指導では、キックはもちろん、いろいろなテクニックの基礎基本を徹底的に習得させるべきなのです。

ところが実際の練習では、戦術、オフザボール、状況判断などの試合で勝つことを想定した練習が主体ですよね。

そうすると、本来ジュニアユースで育成するべきキックなどの指導に対し、3年間の空白期間が生じてしまうわけです。

先ほどの動画で、日本代表の選手たちのシュート練習の様子を見ましたよね。彼らがジュニアユースの時に、果たしてどのような指導を受けたのかが何となく想像できるのではないでしょうか?

これではキックが上手くなるはずがありません。

また、日本人は、事実上ユースに上がった頃に体の成長が止まるので、その上のカテゴリー(プロ、社会人、大学など)に進んでもテクニックはあまり大きく伸びません。だから、大人になってからキックの練習をしても遅いのです。

これに対して、海外の選手たちはジュニアユースの3年間に、キックを初めとした基礎基本を徹底的に指導されます。

また、本格的な戦術の指導はユースになってからなので、その時期になって初めて試合を重視するのです。

つまり、ジュニアユースで試合ばかりやっている日本と、キックの基礎基本を徹底的に指導する海外の育成を比較すると、3年間という大きな差が付いてしまうわけですね。

そうするとユースから先の時点では、海外の選手たちは日本の子供たちを追い抜いてしまうのです。

簡単に言えば「ウサギとカメ」と同じで、日本の子供たちが試合ばかりするウサギで、海外の子供たちはキックの基礎基本を地道に練習するカメなわけですね。

どちらが将来大きく成長すると思いますか?

要するに、キックの指導一つとっても、日本と海外ではこれだけ違うのです。

(3)キックが上手くならない現実

サッカーのキックは、とても奥が深く、種類もいろいろありますし、蹴り分けの技術なども必要です。

ところが、もしも苦手なキックがあったとしたら、それ以上は成長しないので、一生懸命練習して克服しなくてはいけません。

もちろん、オシムの格言である「キックは狙ったところに正確に蹴れる…」ようにしないと、一流選手にはなれないでしょう。

だから、ジュニアやジュニアユースの子供たちには、キックをたくさん練習させた方が良いのです。

でも、そうした大切な時期に試合形式の練習ばかりやらせていたら、いつまで経ってもキックは上手くなりません。

そうして大人になると厳しい現実が待っています。

あなたは日本代表やJリーガーの試合で、選手たちのキックがきちんと狙ったところに蹴れていると思いますか?

選手たちは正確に蹴っているはずだ!と言う意見もあるでしょうが、私が見る限りそうは思えません。

例えば、コパアメリカ2019で、中島選手がペナルティーエリア付近で相手に囲まれながらシュートを打って失敗するシーンがよくありました。たぶんフリーの状況であれば、シュートを決められたのでしょう。

あなたがそうしたシーンを見て「惜しいなあ…」と感じていたら、それは違うと思います。

なぜなら、プロはどのような状況でも決めなくてはならないからです。

キックが本当に上手い選手は、相手に囲まれても、どんなにプレッシャーが厳しくても狙ったところに蹴っています。

また、こうした技術は、子どもの頃から時間をかけて練習させないと身に付きません。

やはり、日本の選手がピンポイントでキックを蹴れないのは、ジュニアやジュニアユースなどの育成年代できちんと練習させなかった証拠です。

子供がユースや高校までの育成年代を終えた時点で正確なキックが蹴れなかったら、どこに行っても使い物にはなりません。ましてや海外に挑戦…などというのは、夢のまた夢です。

厳しい言い方ですが、これが現実だと思います。

元日本代表監督の岡田さんも話していたように、やはり日本の育成年代の指導ではキックの練習の重要性を見直すべきではないかと思います。

そうすることで、本当にキックが上手くなる子供が増えるのではないでしょうか?

さて次は、キックが上手くなるための練習法を解説します。

スポンサーリンク

3.キックが上手くなるための練習法

ここでは(1)試合中によく使うキックと(2)基礎基本の2つの練習に分けて解説します。

(1)試合中によく使うキック
① インサイドキック
② インステップキック
③ インフロントキック
④ カーブ
(2)基礎基本
① 蹴り分け
② 軸足と体幹の強化

(1)試合中によく使うキック

① インサイドキック

インサイドキックは主にグラウンダーのパスに使いますが、狙ったところにピンポイントで蹴れるようにしましょう。

特に効果的な練習はマト当てです。この練習はとても単調ですが、パスの精度を高くするためには最も効果的です。

動画でご覧になったロナウジーニョのキックも、目標に当てる練習を繰り返したからバー当てが出来るようになったはずです。

キックの上手い選手は、こうした地味な練習をコツコツ続けているので、ぜひ練習してください。

A.軌道のイメージと距離

地面に見えない線をイメージして、ボールの軌道を正確に掴んでください。ボール一つのズレもなく、ピンポイントで蹴れるようにしましょう。

距離は小学校低学年であれば3~5m。高学年は10m。中学生は15m以上を目安にしてください。

B.力加減を覚える

軌道のイメージと目標までの距離が蹴れるようになったら、今度は強く蹴るようにしてください。

慣れて来たら、弱く蹴ったり強く蹴ったりしてキックの微妙な力加減を覚えましょう。

C.心拍数を上げて蹴る

A.軌道のイメージと距離、B.力加減を覚えるの二つが出来るようになったら、心拍数を上げた状態で練習してください(試合中は心拍数が上がった状態で蹴り)。

先ほどの動画の日本代表選手のシュート練習は、リラックスした状態で蹴っていますよね。これでは、いくら練習しても本当の上手さは身に付きません。

そこで蹴る前に、ドリブルでもリフティングでも走っても、何でも良いので心拍数を上げてからキック練習をしてください。

心拍数の目安は150~160/分くらいです。

測り方は自分の胸に手を当てて10秒間の心拍数を数えましょう。数えた数字の6倍が心拍数です。例えば25回なら6を掛けて150になります。

※なお、日本ではいまだにパター型の間違ったインサイドキックを指導するケースが蔓延しています。

そこで自分の蹴り方が正しいかどうかも含めて、次の記事をお読になってください。

② インステップキック

インステップキックは主にシュートに使うので、ゴールの枠の中のいろいろな場所に蹴り分けられるようにしましょう。

その場合、体育会TVのキックターゲットの要領で練習してください。画像では9カ所にしてありますが、もっと小刻みに区分けしても良いでしょう。

ただし、バックスピンが掛かったりしていては正確に狙えないので、必ず無回転の蹴り方を覚えてから練習してください。

※インステップキックで無回転を蹴れない場合は、次の記事をお読みになってください。

きちんと練習すれば、小学校低学年でも無回転が蹴れるようになります。

この練習をする時は、必ずミドルシュートの距離で蹴ってください。

その理由は、この距離に慣れると、短い距離は簡単にコントロール出来るようになるからです。

中学生は20mで、小学校高学年は15m(低学年は10m)を目安にしてください。

ちなみにブラジルの子供たちは、このように長い距離のキックをよく練習していました。

また同じ位置から蹴るのではなく、左サイド、真ん中、右サイドと蹴る場所を分けてください。

このキックに慣れて来たら、先ほどの①インサイドキックの練習と同じように、心拍数を上げてから蹴るようにしましょう。

③ インフロントキック

インフロントキックは距離感を掴むことが大切です。15、20、30mなどの距離を蹴り分けられるようにしましょう。

距離感の掴み方は、蹴った後のボールの最高到達点を基準に考えてください。

インフロントキックで蹴ったボールは、バックスピンが掛かりながら前に向かうエネルギーが加わるので高く上がります。

その後、最高到達点に来ると重力の影響で落下します。

ただし最高到達点に達しても、前に向かうエネルギーが少しだけ残っているので、垂直に落ちるのではなく1~2m先に進みながら落下します。

そこで、こうしたイメージを持って距離感を掴んでください。そうすることで狙った距離に蹴れるようになります。

キックを蹴る時は「ボールの軌道をイメージする…」とよく言われますが、実はこういうことなのです。

ただし上の画像の青い放物線の軌道は、大砲のような鋭角的な物体の弾道です。ボールを蹴った場合の軌道としては物理的にはあり得ません。意外と勘違いしやすいのでご注意ください。

なおこのキックに慣れて来たら、やはり心拍数を上げてから蹴るようにしましょう。

※インフロントキックが蹴れない場合は、次の記事をお読みになってください。

きちんと練習すれば、小学校低学年でも蹴れるようになります。

④ カーブ

カーブもインフロントキックと同様に距離感を掴むようにしましょう。

特に曲がり始めを基準に距離感を掴んでください。

この距離感が分かれば、あとはどのくらい曲がるのか?という、蹴ってから目標までのボールの軌道のイメージが簡単に身に付きます。

また、この感覚はアウトフロントキック、インフロントキックのカーブ回転・アウト回転、無回転シュート(ボールが落ち始める距離)の蹴り方にも応用できます。

※カーブ、アウトフロントキック、無回転シュートを蹴れない場合は、次の記事をお読みになってください。特に中学生の場合は必ず蹴れるようにしましょう。中学生になっても変化球が蹴れないようではキックが上手いとは言えません。

(2)基礎基本

① キックの繊細な感覚を掴む

狙ったところに自由自在に蹴るためには、キックの繊細な感覚がとても大切です。そこで、裸足になって練習をしましょう。

キックの繊細な感覚とは、インパクトの瞬間のいわゆる「肌感覚」のことです。

例えばインステップキックなら「ボールの中心が凹む…」、インフロントキックなら「ボールが足の上に乗って転がる…」というようなものですね。

家の中であれば、次の動画のように3m程度の距離を蹴れば良いですし、芝生の上であれば、もっと長い距離を蹴っても良いでしょう(動画はインフロンキックですが、インステップやインサイドも練習してください)。

こうしたキックの繊細な感覚は裸足で練習しない限り、絶対に身に付きません。

ブラジルの子供たちが上手くなるのは、裸足でサッカーをして、自然と肌感覚を磨くからです。

ところが、日本のジュニア世代ではドリブルはたくさん練習するので、ドリブルの感覚は発達しますが、キックはそれほど練習しません。

もちろん裸足の練習もないので、これではいつまで経ってもキックの繊細な感覚は身に付かないでしょう。

とにかく、裸足でたくさんキックして繊細なボール感覚を身に付けましょう。

② 軸足と体幹の強化

キックの上手い選手は軸足と体幹が強いので、バックスイング~フォロースルーまでのキックフォームが安定しています。

特にキックは全身に強い遠心力がかかるので、軸足と体幹を強化して遠心力を克服しましょう。

日本では体幹トレーニングはしても、軸足を鍛えるという発想がほとんどないので日本代表選手でも軸が弱い選手が多いですね。

こうした問題はキック力だけでなく、ボールコントロールが下手な原因にもなります。

そこで、次の動画のように「ちょんちょんリフティング」をたくさん練習しましょう。

このリフティングは体幹と軸足が同時にトレーニング出来ますし、単なる筋トレよりも極めて効果的です。

③ 蹴り分け

キックの蹴り分けとは、全く同じフォームで真っ直ぐ蹴ったりカーブやアウト回転をかけることです。

そうすることで相手に蹴る方向が読まれ難く「裏をかく、騙す」というマリーシアにも似た心理技術が身に付きます。

私の息子「とも」のキックの軸足は、インステップ、インフロント、カーブなど、ほとんどのキックがボールの真横に位置しています。しかもバックスイング~インパクトまでのキックフォームがほぼ同じです。

これはパスにしてもシュートにしても、相手にとっては実際に蹴るまで球種が判らないということです。

狙ったところに自由自在に蹴るという意味では欠かせないテクニックの一つなので、ぜひ覚えてください。

※キックの蹴り分けをもっと詳しくお知りになりたい方は、次の記事をお読みください。
キックの蹴り分けの意味と正しい使い方とは?

4.まとめ

これまで、キックが上手いと言う意味、育成年代の指導の問題点、上手くなるための練習法を解説しました。

元日本代表監督のオシムは「サッカーが上手くなりたかったら、狙ったところに正確にキックが蹴れるようになりなさい」という格言を残しています。

また、同じく元日本代表監督の岡田武史さんは「日本のジュニアの育成指導は、キックの重要性を見直すべきではないか…」と説いています。

さらに、ジュニアユースになると試合形式のトレーニングばかりで、キックの練習はほとんどありません。

ところが、海外ではこの時期にキックの基礎基本を徹底的に練習させるので、ユース以降の年代では、日本の選手たちのレベルを大きく追い抜いてしまうのです。

やはり、日本の選手たちのキックが上手くならないのは、育成年代できちんと練習させていないのが原因です。

ぜひ多くの日本の指導者がこの現状に気付き、指導方法を改善して、たくさんの子供たちのキックが上手くなるように願っています。

【画像引用:Youtube.com