ブラジルでのコーチの経験を活かして、 サッカー未経験の方にも分かりやすく科学的で正しい理論をご紹介します

サッカーのキックが上手いとは?本当に上手くなる練習法!

3.キックが上手くなるための練習法

(1)インサイドキック

インサイドキックは主にグラウンダーのパスに使います。
狙ったところに蹴れるようになるための効果的な練習は、マト当てです。
この練習はとても単調ですが、パスの精度を高くするためには最も効果的です。
動画でご覧になったロナウジーニョのキックも、目標に当てる練習を繰り返したからバー当てが出来るようになったはずです。
キックの上手い選手は、こうした地味な練習をコツコツ続けています。
ぜひ続けてみてください。

インサイドキックのマト当て

① 軌道のイメージと距離

地面に見えない線をイメージして、ボールの軌道を正確に掴んでください。
距離は小学校低学年であれば3~5m。高学年は10m。中学生は15m以上。
ボール一つのズレもなく、ピンポイントで蹴れるようにしてください。

② 力加減を覚える

軌道のイメージと目標までの距離が蹴れるようになったら、今度は強く蹴るようにしてください。
慣れて来たら、弱く蹴ったり強く蹴ったりしてキックの微妙な力加減を覚えましょう。

③ 心拍数を上げて蹴る

①軌道のイメージと距離、②力加減を覚えるの二つが出来るようになったら、心拍数を上げた状態で練習してください。

試合中は心拍数が上がった状態でキックを蹴ります。
先ほどの動画の日本代表選手のシュート練習は、リラックスした状態で蹴っています。
これでは、いくら練習しても本当の上手さは身に付きません。

そこで蹴る前に、ドリブルでもリフティングでも走っても、何でも良いので心拍数を上げてからキック練習をしてください。

心拍数の目安は150~160/分くらいです。
測り方は自分の胸に手を当てて10秒間の心拍数を数えましょう。
数えた数字の6倍が心拍数です。
例えば25回なら6を掛けて150になります。

※日本ではいまだにパター型の間違ったインサイドキックを指導するケースが蔓延しています。
そこで自分の蹴り方が正しいかどうかも含めて、次の記事をお読になってください。

インサイドキックの正しい蹴り方と練習法!

(2)インステップキック

インステップキックは、体育会TVのキックターゲットの要領で練習してください。
画像では9カ所にしてありますが、もっと小刻みに区分しても良いでしょう。

キックターゲットの練習

ただしミドルシュートの距離から練習してください。
中学生は20mで、小学校高学年は15m(低学年は10m)が目安です。
ミドルシュートに慣れると短い距離は簡単にコントロール出来るようになります。
ブラジルの子供たちは、このように長い距離のキックをよく練習していました。

ミドルシュートの距離

また同じ位置から蹴るのではなく、左サイド、真ん中、右サイドと蹴る場所を分けてください。

ミドルシュートで蹴る場所を分ける

なお、このキックに慣れて来たら、心拍数を上げてから蹴るようにしましょう。

※インステップキックで無回転を蹴れない場合は、次の記事をお読みになってください。
きちんと練習すれば、小学校低学年でも無回転が蹴れるようになります。

インステップキックの蹴り方のコツと正しい練習方法!【動画解説】

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(3)インフロントキック

インフロントキックは、最高到達点を基準に距離感を掴んでください。

キックを蹴る時は「ボールの軌道をイメージする…」とよく言われますが、実はこういうことなのです。

ボールの軌道をイメージする

インフロントキックで蹴ったボールは、バックスピンが掛かりながら前に向かうエネルギーが加わるので高く上がります。
その後、最高到達点に来ると重力の影響で落下します。
ただし最高到達点に達しても、前に向かうエネルギーが少しだけ残っているので、垂直に落ちるのではなく1~2m先に進みながら落下します。
そこで、こうしたイメージを持って距離感を掴んでください。
そうすることで狙ったところに蹴れるようになります。

イメージと距離感

ただし画像の青い放物線の軌道は、大砲のような鋭角的な物体の弾道です。
ボールを蹴った場合の軌道としては物理的にはあり得ません。
意外と勘違いしやすいのでご注意ください。

なおこのキックに慣れて来たら、やはり心拍数を上げてから蹴るようにしましょう。

※インフロントキックが蹴れない場合は、次の記事をお読みになってください。
きちんと練習すれば、小学校低学年でも蹴れるようになります。

インフロントキックの正しい蹴リ方と練習法!【動画解説付き】

(4)カーブ

カーブは、曲がり始めるまでを基準に距離感を掴んでください。
この距離感が分かれば、あとはどのくらい曲がるのか?という、蹴ってから目標までのボールの軌道のイメージが簡単に身に付きます。
また、この感覚はアウトフロントキック、インフロントキックのカーブ回転・アウト回転の蹴り方にも応用できます。

曲がり始めと距離感

※カーブを蹴れない場合は、次の記事をお読みになってください。
また中学生の場合は必ず蹴れるようにしましょう。
中学生になっても変化球が蹴れないようでは、キックが上手いとは言えません。

カーブの蹴り方と練習方法!【実演動画と画像で詳しく解説】

(5)蹴り分け

キックの蹴り分けとは、全く同じフォームで真っ直ぐ蹴ったりカーブやアウト回転をかけることです。
そうすることで相手に蹴る方向が読まれ難く「裏をかく、騙す」というマリーシアにも似た心理技術が身に付きます。

私の息子「とも」のキックの軸足は、インステップ、インフロント、カーブなど、ほとんどのキックがボールの真横に位置しています。
しかもバックスイング~インパクトまでのキックフォームがほぼ同じです。

キックの軸足の比較(インステップ、インフロント、カーブ)

これはパスにしてもシュートにしても、相手にとっては実際に蹴るまで球種が判らないということです。

狙ったところに自由自在に蹴るという意味では重要なテクニックなので、ぜひ覚えてください。

※キックの蹴り分けをもっと詳しくお知りになりたい方は、次の記事をお読みください。

キックの蹴り分けの意味と正しい使い方とは?

(6)軸足と体幹の強化

キックの上手い選手は軸足と体幹が強いので、バックスイング~フォロースルーまでのキックフォームが安定しています。
ところが軸足と体幹の弱い選手はキックフォームが安定しないので上手く蹴ることが出来ません。
特にキックは全身に強い遠心力がかかります。
そのため、軸足と体幹を強化して遠心力を克服しましょう。

軸足・体幹と遠心力の関係

日本では体幹トレーニングはしても、軸足を鍛えるという発想がほとんどないので日本代表選手でも軸が弱い選手が多いです。
こうした問題はキック力だけでなく、ボールコントロールが下手な原因ですね。

そこで、次の動画のように「ちょんちょんリフティング」を練習しましょう。
このリフティングはキック力をつけるうえでは、単なる筋トレよりも極めて効果的です。

参考記事
ちょんちょんリフティングがサッカーに役立つ驚きの効果
キックは軸足を鍛えれば上手くなる!トレーニング法も解説

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4.まとめ

これまで、キックが上手いと言う意味、育成年代の指導の問題点、上手くなるための練習法を解説しました。

元日本代表監督のオシムは「サッカーが上手くなりたかったら、狙ったところに正確にキックが蹴れるようになりなさい」という格言を残しています。

また、同じく元日本代表監督の岡田武史さんは「日本の育成年代の指導は、キックの重要性を見直すべきではないか…」と説いています。

やはり、日本の選手たちのキックが上手くならないのは、育成年代できちんと練習させなかったのが原因です。

ぜひ多くの子供たちがたくさん練習して、キックが上手くなるように願っています。

【画像引用:Youtube.com