ブラジルでのコーチの経験を活かして、 サッカー未経験の方にも分かりやすく科学的で正しい理論をご紹介します

サッカーでミスが起きる原因と正しい解決方法とは?

サッカーはミスが多いスポーツなので、不安、悩み、恐怖などを抱く必要はありません。

むしろ大切なのは原因を明らかにして、再発しないための改善策を考えることです。

そこで今回はミスに対する2つの考え方、Jリーグの試合中に起きたミスの事例と改善策、ミスが起きた時のチームと本人の対応について解説します。

※この記事は3つのページに分かれているので、順番に読んでも良いですし、直接それぞれのページを読んでいただいても結構です。

1ページ目(このページに書いてあります)
【ミスに対する2つの考え方】

2ページ目(←クリック!)
【Jリーグのミスの事例】

3ページ目(←クリック!)
【ミスが起きた時のチームと本人の対応】
【まとめ】

スポンサーリンク

【ミスに対する2つの考え方】

サッカーの試合はミスが付き物ですが、選手に対してどのように向き合えば良いのか?という点で大きく2つに分けられます。

一つ目は、出来るだけミスを少なくする。
二つ目は、ミスが起きるのは当たり前。

そこで、次に2つの点について考えてみましょう。

(1)出来るだけミスを少なくする

ミスを出来るだけ少なくするという考えは、特にFCバルセロナの試合運びに多く見られます。

バルサと言えば、パスを繋いでいるだけのように思えますが、実はそうではなく攻撃を続けるためにボールを持ち続けるのが重要とされているのです。

そのためにやってはいけないことがミスであり、ミスの少ない方が試合に勝つと考えられています。

こうした考えはクライフの監督時代に具体化され、グアルディオラの時に完成した一種の哲学なのでしょう。

またミスを少なくする…という考えはすでに日本でも広まっていますが、「あれはダメ」「これもダメ」というネガティブ思考の強い日本人によく合っているのかも知れません。

たしかにミスを少なくするのは大切ですが、育成年代の子供にとって、それだけではミスを恐れたり不安になったりということで精神的に追い込まれてしまいます。

(2)ミスが起きるのは当たり前

サッカーはミスの多いスポーツなので、どんなに上手い選手でもノーミスということはあり得ません。

そうすると、むしろミスが起きるのは当たり前という考えもあります。

これはリバプールFC監督のユルゲン・クロップが主張するもので、どうせミスをするのだからたくさんチャレンジしてチャンスを増やそうというものです。

実際にも、彼はミスをして失点の原因を作った選手を責めるようなことはしませんし、むしろ擁護する発言が多いです。

だからクロップが指揮する選手たちはチームを移籍した後でも彼のことを悪く言ったりしませんし、それだけ彼が選手に慕われている証拠なのでしょう。

でも「ミスが起きるのは当たり前」というのは、先ほどの「出来るだけミスを少なくする」と違ってホジティブ思考なので、日本人にはなかなか受け入れ難いかも知れません。

それでは育成年代の子供にとって、ミスをどのように捉えれば良いのでしょうか?

(3)育成年代のミスに対する考え方

先ほどの「ミスを少なくする」と「ミスが起きるのは当たり前」の考えは相反するように思えますが、行きつく先は選手の成長という同じ目標があります。

なぜなら選手がミスをすること自体を容認していて、そのうえで次は起こさないようにしようという考えを持っているからです。

そうすることで選手が反省し、自分のプレーを改善して成長するわけですね。

これに対して、日本では「ミスを少なくする」という考えが行き過ぎのように思います。

なぜなら未だにミスをした子供を叱る指導者が多く、ミスは悪である…という決め付け方をしているのではないでしょうか?

その一方でミスが起きるのは選手だけの責任ではなく、ミスを防ぐためにはどうするべきか?という指導が欠けているという意味で、指導者にも根本的な問題があるのです。

そもそも子供たちは育成年代の選手であって、プロではありません。

だからたくさんミスをして良いはずですし、そうでないと成長しないのです。

そのためには自分なりに改善策や対応策を考えることが大切ですし、チームメイトとの話し合いも必要でしょう。

また指導者は、チームで自由に話し合える環境作りに配慮しくなくてはいけません。

いずれにしても、子供のミスは成長するための絶好の機会…という考えが、日本に広まることを願っています。

さて次はJリーグの試合中に起きたミスの事例と、それに対する改善策をどのように考えれば良いのか?という点について、具体例を挙げながら解説します。

※特に、プロでも小学生のようなミスは意外と多いという点に注目してください。