ブラジルでのコーチの経験を活かして、 サッカー未経験の方にも分かりやすく科学的で正しい理論をご紹介します

サッカーでミスが起きる原因と正しい解決方法とは?

【ミスが起きた時のチームと本人の対応】

(1)指導者はミスの結果だけを捉えがち

日本のほとんどの指導者は、子供が試合でミスをすると大声で叱ります。

「おい!シュートを外すなよ!」「そんないい加減なパスをするなよ!」「なんだよ!さっきのプレーは!」

このように怒るというのは、起きた出来事の一部分を切り取って伝えるだけなので、サッカーを知らない人でも言えますし、指導者が本来言うべきことではありません。

また、自分のせいで問題が起きたことは、子供自身が分かっていることなので、起きた結果を叱るだけでは何の進歩もありません。

ふつう子供がミスを起こした時に伝えるべきことは、大きく分けて次の3点です。

・どうして起きたのかという原因や理由。
・起きる前の状況判断が正しかったのかどうか。
・今後、同じようなことを起こさないためにはどうすれば良いのか。

また、こうしたことを出来るだけ分かりやすく教えないと、子供には理解できません。

そのためには、時間をかけて粘り強く伝えなくてはダメなのです。

単に叱るだけでは、子供に対して愚痴をこぼすのと同じです。

こうした指導を続けると、子供たちは、ミスを起こすと叱られる…。だから、叱られないように言われた通りのことだけをしよう…。という思考停止状態になるだけです。

またミスを恐れてプレーする選手は上手くなりませんし、成長も期待できません。

一方、指導者は学校の教員とは違って教育的な指導が苦手ですし、とても説明が下手なので、目の前に起きた出来事に対して感情的になるだけしか出来ないのかも知れません。

そうした点では、指導者の教育も必要だと思います。

(2)チームメイトのミスと指導者の真似

「子は親の鏡」と言います。

チームの指導者は、子供にとっては親と同じです。

だから、叱ってばかりの指導者のチームの子供は、ミスをした子に対し「なにやってんだよ!」「ふざけるなよ!」などと真似をします。

そうすると、チームの雰囲気はピリピリして良くありません。

これでは、ミスをした本人はやる気が失せますし、「またやったら、どうしよう…」という不安が募るだけです。

また、ミスが悪いもの…という恐怖感に囚われる結果、メンタルが落ち込んで何度も同じミスを繰り返すことになるでしょう。

ところが、良い指導者のいるチームの子供たちは違います。

そもそも良い指導者は、選手のミスよりも良かったところを探して褒めようとします。

何が起きても「気にするな!」「次があるよ!」など、子供たちに積極的なチャレンジを促すように声掛けします。

またミスした子供には、原因や問題点、解決策などを時間をかけて理解できるまで何度も説明します。

そうすると子供たちは「起きたことは仕方がない。次は気を付けよう。」というように、ミスは直せばよいものと考えるようになります。

またチームメイトは指導者の真似をするので、お互いにポジティブな声掛けをして励まし合うようになります。

だから、チームの雰囲気はとても明るくなるのです。

結局、子供にとっては、チームメイトも指導者しだいなのでしょう。

つまり、ミスを悪いものとして捉えるのか、直せばよいものとして考えるのかという大きな違いとなって現れるのです。

だからこそ、ミスに対する指導者の姿勢はとても大切なのです。

(3)ミスした本人が立ち直る方法

日本の指導者は、結果だけに着目して叱ることが多いため、子供がミスを繰り返すうちに、不安が大きくなってプレーも消極的になって落ち込むケースが多くなります。

この場合、チームメイトの励ましも期待できますが、最終的に立ち直るのは自分自身です。

そこで、ミスの不安、恐怖、悩みから立ち直る方法を考えてみましょう。

ヒトが物事に対して不安や恐怖を感じるのは、その正体が分からないからです。

例えば、お化け屋敷は何が出て来るのか分からないから怖いのです。

でも、最初から登場人物や出現する場所が分かっていれば、どうと言うことはないはずです。

このように、ミスの正体を全て明らかにしてしまうことが、解決のための第一歩です。

そこで、これまでの過去のプレーで思い出せることを全てノートに書き出してみましょう。

単に箇条書きではなく、次の点を中心に頭の中でリアルに思い浮かべてください。

・どうして起きたのかという原因や理由。
・起きる前の状況判断が正しかったのかどうか。
・今後、同じようなことを起こさないためにはどうすれば良いのか。

たぶん、大学ノート一冊分くらいになるかも知れませんが、とにかく、どんなことでも詳しく書き出しましょう。

その後、出来上がったノートを見て、ミスのパターンをいくつかに分類してください。

そうすると、問題を引き起こしやすいプレーがかなり絞られます。

そのうえで、試合の時は数種類の目標を立ててみてください。

例えば、ミスのパターンが5つあったら、1つでも良いから起こさないようにしてみよう…、というような具合です。

また試合だけではなく、チーム練習の時にも実践してみましょう。

試合前や練習の時にイメージトレーニングをしても効果的です(もちろん個々の技術の未熟さに問題がある場合は、自主練が必要です)。

その際、全く上手く行かなかったとしても大丈夫です。

改善するチャンスはいくらでもあるので、次の機会にチャレンジしましょう。

こうしたやり方は、カウンセリングやメンタルトレーニングの手法の一つです。

要するに、不安、悩み、恐怖の正体を明かしてしまうことで、徐々に克服してしまうというわけですね。

ミスの改善方法として高い効果があるので、ぜひ参考にしてください。

【まとめ】

サッカーの試合中は、Jリーグの選手でも小中学生のようなミスが多いので、どんなにサッカーが上手い選手でも必ずミスを起こすものと考えましょう。

その場合、結果だけに目を向けて怒るだけでは何の解決策にもなりません。

個々のプレーの背景を突き詰めて、原因や再発を起こさないための具体策も考えて行きましょう。

また指導者は子供たちにポジティブな声掛けをしつつ、チーム全員で話し合える環境作りも必要です。

そうすれば、チームの子供たち全員の意識が変わります。

その一方で、ミスした本人が立ち直る方法については、その正体を全て明らかにしてしまうことです。

カウンセリングやメンタルトレーニングの手法の一つなので、ぜひ実践してください。

子供たちにはミスを恐れることなく直せるものとして、ぜひ前向きに捉えて成長してほしいと願っています。

【画像引用:Youtube.com