ブラジルでのコーチの経験を活かして、 サッカー未経験の方にも分かりやすく科学的で正しい理論をご紹介します

サッカーで視野を広げる方法と練習法!何をどう見れば良い?

(4)俯瞰するとは

元日本代表の中田英寿や遠藤保仁は、視野が広い選手として有名です。またピッチを俯瞰したり、ヘリコプタービューのような視野を持っているとも言われます。

ところがサッカーのピッチは、縦と横の平面上の世界です。

もちろんこの世は三次元なので高さもありますが、それはせいぜい選手たちの身長の2mまでの範囲です(パントキックを蹴っても10~15m程度の高さ)。

これに対してピッチの縦と横は、国際ルールで100~110m×64~75mと決められています。

つまり高さに比べて縦横の比率がはるかに大きいので、試合中はどうしても平面をイメージするわけですね。

そうした条件のもとで、果たしてピッチを俯瞰することや、ヘリコプタービューのような視野を持つことは可能なのでしょうか?

ふつうに考えたら、スタンドからピッチを見たりテレビ中継を見たりしない限り、こうした視野を確保できないはずです。

したがってピッチを俯瞰することは物理的には無理でしょうが、唯一考えられるとしたら俯瞰の「イメージ」を持つことではないか?と思います。

そもそも中田英寿や遠藤保仁はボランチやトップ下の選手で、先ほど解説した久保選手はトップ下やサイドハーフ(ポジションチェンジで中に入ることが多い)の選手です。

したがって試合中はいつもピッチの中央付近に位置することが多いので、360度の視野が必要になるわけですね。そうするとピッチを見渡すような広い視野を確保するため、首を振って周りをよく見ているはずです。

またプロの試合は戦術としての攻守の約束事があるため、味方がどのように動くのかも心得ています。だから、そうした考えが頭の中に入っているので、作戦ボードを真上から見下ろすようなイメージを持っているのでしょう。

こうしたイメージは、味方との連携や相手の動きを先読みすると言う点で、将棋やチェスに似ています。もちろん、将棋やチェスも平面上の世界ですよね。

そうするとピッチを俯瞰したりヘリコプタービューのような視野を持つことは、選手自身のイメージによって作られていくものだと思います。

こうした俯瞰のイメージは、豊富な試合経験によって身に付けられるものです。

でも、ジュニアやジュニアユース年代においても、ほんのわずかな練習によって俯瞰のイメージ作りは可能です(詳細は後述します)。

それでは、次にサッカーの試合中の視野として、何をどう見れば良いのか?という点を解説します。

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2.何をどう見れば良いのか

(1)何をどう見るのかの例示

サッカーの試合中に視野を広くするため、「周りを見ろ!」と監督やコーチたちがよく言いますが、何をどう見たらよいのか?という点までは詳しく指導しないようです。

そこで、プレー中に何をどう見たらよいのか?という点を考えてみましょう。

結論から説明すると二つの点を意識することが重要です。

① 味方と攻守で連携する。
② 敵を回避する。

こうした点を、あなたがマイカーで旅行をする場合を例にしてみましょう。

先ずは自宅から出発です(あなたのマイカーはサッカーであればボールになります)。

その際、目的地までの道のりで、観光のために2~3箇所立ち寄ることがあるでしょう。

また、ガス欠をしないようにガソリンスタンドの場所を把握しておく必要もあります。昼時になればレストラン、サービスエリアを探さなくてはいけません。高速道路を使ったり、一般道に乗り換えるなどのいろいろなルートを考えることも大切です。

そうした、いろいろな行程を経て目的地に到着するわけです。サッカーであれば、ボールを守り続けることで初めてゴールするのと同じですね。

実は、ここまでが先ほどの「①味方と攻守で連携する」ということになります。

この場合、観光で立ち寄った場所、ガソリンスタンド、レストラン、サービスエリア、道路などは全てあなたの味方になります。だから旅行をする場合でもサッカーの試合でも、常に味方との連携が必要になるのです。

しかも自動車はボールですから、旅行で目的地に到着するのは味方がボールを繋いでゴールすることになります。

これに対して「②敵を回避する」というのは、渋滞、悪路、降雨や降雪など、あなたの旅行の妨げになる出来事を避けようというものです。

この場合、渋滞や悪路は交通情報で分かりますし、降雨や降雪は気象情報で調べることが可能です。そうすることで安全な道のりを行くことが出来るはずです。

サッカーで言えば、如何に敵を回避してボールを守るのか?ということになるわけですね。

一方、旅行の出発地は自宅だけですが、サッカーではいろいろと変わります。

つまり、サッカーの場合はマイボールになった瞬間が出発地なのです。

これはプレー中に相手からボールを奪った時、スローイン、ゴールキック、コーナーキック、フリーキックなど、いろいろありますよね。

そうすると中盤で激しくボールを奪い合えば、マイボールになったり相手のボールになったりと試合展開がよく変わります。

だから、その都度ゴールまでの出発地が変わるわけです。

こうした点は、旅行とサッカーの大きな違いですね。

何となく分かりましたか?

私のブログを読まれる方の多くはサッカー経験がない方ですが、そうした方にも分かるように説明したいと思います。

これから先もさらに詳しく説明するので、今のところは何となく分かれば大丈夫ですよ。

いずれにしても、何をどう見るのか?という点は、①味方と攻守で連携する。②敵を回避する。という二つの点を前提として意識しましょう。

それでは実際の試合で、具体的に何をどう見るのか?という点を次に解説します。

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