ブラジルでのコーチの経験を活かして、 サッカー未経験の方にも分かりやすく科学的で正しい理論をご紹介します

サッカーで視野を広げる方法と練習法!何をどう見れば良い?

3.視野を広げる練習法

(1)周りを見る練習

ジュニア年代でボールばかり見てしまう子供は、先ずは周りを見る練習から始めましょう。

特にオフザボールで全くプレーに関わっていない時(例えばボールから遠く離れている場合)は、特に意識して周りを見るようにしましょう。

※周りを見るためのその他の練習法は、次の記事もお読みください。
サッカーで周りを見るための意外な練習法とは?小学生におススメ!

なお、この記事の中で試合を見る方法を紹介していますが、これとは別に実際のゲームを参考にするのも良いと思います。

例えば実際の試合会場の周辺から、コート側の選手の視点に立って、個々の選手の動きを見てみましょう。その場合、ゴール裏、右サイド、左サイド、相手ゴール裏の4箇所に移動しながら見ると良いです。

例えば右サイドから見ていたとしたら、右サイドハーフの選手が何をどのように見ているのか?という点に注目してください。

※選手の顔を見ていれば、彼らが何を見ているのかがすぐに分かります。

またサイドラインに背を向けることが多いので、ポジションごとの体の向きも分かるようになります。

この場合、同年代の強豪チームで一つ上のカテゴリーの試合を見てください。例えばU10であればU12、U12であればジュニアユースの試合を見ると、かなり参考になると思います。

(2)複数のポジションを経験

これは、先ほどの実際のゲーム(一つ上のカテゴリーの試合)を見る…と深く関係します。

簡単に言えば、実際に見た選手の視野を真似して試合で試そうということですね。

たぶんジュニア年代であれば、どこのチームでも試合形式の練習をすると思います。そうした際に毎回いろいろなポジションを経験しながら、ポジションごとの視野を学んでください。

8人制の場合で難易度の順に言えば、最初にセンターバック、次が左右のサイドハーフ、次がフォワード、最後にボランチになります。

センターバックは左右のワイドな視野、サイドハーフはサイドラインを背にして前後と中への視野を意識します。フォワードはいつも後ろ向きになりますが、センターバックと同じように左右のワイドな視野を持ちます。

最後がボランチですが、フォメーションの真ん中に位置するので360度の視野が必要です。また敵のプレッシャーが多く、かなり難易度が高いのですが、最終的にはボランチまで経験するとかなり視野が広くなるでしょう。

その際、全てのポジションにおいて、一つ上のカテゴリーの試合を見た成果を活かすようにしましょう。「あの選手はこんなふうに視野を確保していたな…」と思い出す程度でも十分です。こうした意識がきちんと持てるかどうかは、一流選手になれるかどうかの分かれ目だとお考えください。

(3)ミニゲームの活用

ミニゲームはコートが狭いので、敵と味方の位置関係が視野に入りやすいので、視野を広くするためには、とても良い練習法です。

その際は3対3のゲームで良いですし、ゴールキーパーは必要ありません。

特に大切なのは、攻撃ではトライアングルを意識して数的優位を作り出すことです。また守備の時は2人で一緒にプレスに行くのではなく、プレスとカバーリングに分かれたり、前後から挟むようなポジション取りを意識すると良いでしょう。

そうすることで、自分はどのように動いたら良いのか?そのためには何をどのように見たらよいのか?という考えが自然と身に付きます。

そうした過程を経ながら、自然と視野が広くなるわけですね。

※数的優位の考え方を詳しくお知りになりたい方は、次の記事をお読みください。

数的優位はサッカーの基本!戦術パターンを覚えよう

ちなみに実際の試合中のプレーエリアは3対3や4対4で入り乱れていることが多いので、ミニゲームで学んだことはそのまま実際の試合にも活かせます。

また8人制から11人制に移行したとしても、基本的な点はほとんど変わりません。そうした点でジュニア年代では、なるべく多くのミニゲームを練習した方が良いのです。

(4)俯瞰のイメージ作り

元日本代表の中田英寿や遠藤保仁のように、ピッチを俯瞰したり、ヘリコプタービューのような視野を持つためには、試合中の状況を頭の中でイメージ化する能力が必要です。

この場合、試合後に帰宅してから作戦ボードなどを使って、試合の様子を再現しながら復習するのが最も効果的です(1000円程度の安価な物で十分です)。

こうすることによって、なぜ相手チームはこのように攻めたのか?という試合のイメージが出来ます。

その他にも、味方は、きちんと動いていたのだろか?中盤やディフェンスラインは、きちんと守備をしていたのだろうか?というように、チーム全体の動きを振り返ることも大切です。

そうすると、平面上のピッチを真上から見下ろすようなイメージを作ることが出来るわけですね。

もしも試合の様子が思い出せなかったとしたら、周りを全然見ていなかった…ということです。そうした場合は、まだ自分の視野は狭い…と考えて反省しましょう。

次の試合では、必ず広い視野を持つようにする!という意識も必要です。

ちなみに、プロの将棋の対局で勝敗が決まった後は「感想戦」というのがあります。簡単に言えば、対局が終わった後で歓談しながらお互いの差し手を振り返る…ということですね。

これは対局の流れを一から復習して、お互いの技術を向上させる目的があります。またチェスでも似たようなものがあり、やはりお互いのレベルアップに活かすわけです。

私の息子「とも」は、小二の頃から試合が終わった後にゲームボードを使って俯瞰のイメージ作りをしていました。そうした地道な努力によって、試合中の視野を広く取れるようになったことは言うまでもありません。

ちなみに将棋も強かったですね。私とよく勝負しましたが、「とも」は何手か先を読めていたようです。だから、いつも私が負けていました(笑)。

いずれにしても、必ず効果が出るのでぜひ試してください。

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(5)テクニックの上達

① トラップ

パスを受ける時のトラップは意外とミスが起こりやすく、ボールが奪われやすいです。そうするとパスを受ける時は不安になって、ボールばかり見てしまいます。

そこでトラップのテクニックを磨いてください。

グラウンダーでのボールであれば、強めの壁打ちが良いでしょう。

最初のうちはボールを見ながらトラップしても良いので、きちんと足元で止められようにしてください。屋内でも屋外でもどこでも出来ると思います。

どうしても場所がなければ、次の動画のような手製の器具を作れば、省スペースでも練習できます。

ここは、ぜひお父さんの日曜大工で頑張ってください!

なお、浮き球のトラップは、次のようなコンビネーションリフティングを練習すると自然と上手くなるので、特別なトレーニングをしなくても大丈夫です。

グラウンダーと浮き球のトラップに慣れて来たら、トラップ直前にほんのわずかでも良いので周りを見ることも意識してください。

また眼球を動かして、敵をイメージしながら周りをチラ見するのも大切です。

② ドリブル

間接視野を広げるためのトレーニングとして、次のように四角形のグリッド作って、運ぶドリブルと突破のドリブルを交互に練習してください。

また、常に間接視野を使ってボールと前方3~4m先を視野に入れるようにしましょう。

運ぶドリブルの時は、首を振って周りを見てください。突破のドリブルの時は、ボールに集中して構いません。

なおドリブルの際は、常にヒザ下にボールを置くようにしてください。ボールの置き場が決まっていれば、足からボールが離れなくなります。

そうするとボールコントロールに自信が付くので、顔を上げて周りを見れるようになります。

③ キック

キックの飛距離と視野の範囲は比例します。

これはキックの飛距離が10mなら、そのエリアがパスの範囲になるので、それ以上の視野を持つことが出来ない…という意味です。

つまり、キックの弾道イメージ=視野のイメージと言っても良いでしょう。

これは小学校低学年の子供が、浮き球に対しての空間認識力が低いため、ヘディングや浮き球のトラップが苦手…というのと同じことです。

もちろん試合中に10mずつ2人の選手でパスを繋げば、20mの飛距離になるでしょう。でも、そうした場合は視野を広く取る必要がありますし、キックの飛距離と切り離して正確な視野のイメージを身に付けるのはなかなか難しいと思います。

そこで、先ずはキックの飛距離をアップするようにしてください。

私の息子「とも」の場合は、小三の時にインフロントキックを覚え、その後、飛距離が伸びるのにしたがって、だんだんと視野が広くなりました。

飛距離を出すためのいろいろなキックの蹴り方は、次の記事を参考にしてください。

サッカーのキック力をつける練習法!全身を使う蹴り方とは?
インフロントキックの正しい蹴リ方と練習法!【動画解説付き】
インステップキックの蹴り方のコツと正しい練習方法!【動画解説】
インサイドキックの正しい蹴り方と練習法!

(6)動体視力の強化

動体視力を強化すると、プレー中の視野が拡大します。

その理由は眼球を動かすことで、試合中のいろいろな情報を瞬時に見分けることが出来るからです。

そうした点で、ぜひ動体視力を鍛えましょう。

なお動体視力と視野の関係や強化法を詳しくお知りになりたい方は、次の記事をお読みください。

動体視力と周辺視野がアップ!サッカーが速読で上手くなる?

4.まとめ

これまで試合中の視野の広さの意味として、状況判断、オフザボールとプレー中の視野、中心視野・周辺視野と動体視力の関係、俯瞰すること、試合中は何をどう見れば良いのか、視野を広げる練習法について解説しました。

特に日本の育成年代では「周りを見ろ!」「首を振れ!」「顔を上げろ!」と言うだけで、何をどう見れば良いのか?どうすれば視野が広がるのか?という具体的な指導はありません。

その原因は、指導者自身がよく分かっていないからだと思います。

そうした点では、先ずは自分自身で周りが見れるようになり、テクニックをレベルアップして、いろいろな試合を見つつ、たくさんのポジションを経験しながら視野を広げるようになりましょう。

ぜひ多くの子供たちが、サッカーで広い視野を持てるように願っています。

【画像引用:Youtube.com