ブラジルでのコーチの経験を活かして、 サッカー未経験の方にも分かりやすく科学的で正しい理論をご紹介します

天才サッカー少年とは?努力は才能を超える!

日本には天才サッカー少年と呼ばれる子供たちがたくさんいます。
でも、これはメディアが勝手に作り出した幻想かも知れません。
その理由は少年時代にもてはやされた選手ほど大人になってから伸びないからです。
そこで、今回は天才サッカー少年とは何か?才能と努力の意味について解説します。

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1.日本の天才サッカー少年

(1)日本は天才サッカー少年の宝庫?

日本のサッカー界で天才少年と言えば、久保建英くん、中井卓大くん、石井久継くんの3人が有名です。
このうち久保くんはFCバルセロナ(後にFC東京)、中井くんはレアル・マドリード、石井くんはJリーグの下部組織に入団しています。

15歳当時の中井卓大

日本の子供たちにとってこの3人は最近まで自分と同じ小学生だったこともであり、「努力すればひょっとして…」ということでジュニア年代の身近な目標になっているようです。
一方、親御さんも「うちの子も、もしかして…」というふうに考えているかも知れません。

そうすると3人に続け!とばかりに親御さんも一生懸命になるので、次々と天才サッカー少年が登場するのでしょう。

この他にも、ネットで「天才サッカー少年」と検索するといろいろな子供が出て来ます。
例えば、Youtubeの「BLAZE A NEW PATH」には、総勢50人近くの少年たちが紹介されています。

この子たちが本当に天才だとすると、日本のサッカー界の未来は頼もしいばかりです。
日本がワールドカップで優勝するのも、そう遠くはないかも知れません(笑)。

でもこうしたことは、マスメディアがいたずらにあなたの好奇心を掻き立てているだけではないじょうか?

(2)マスメディアと天才少年

マスメディアは自社の記事やテレビ、ラジオ、ネットなどの視聴率が上がることだけを考えています。
これは普通の会社と同じで世間に広まれば利益になるからです。
そうすると「天才サッカー少年、現る!」などと私たちをあおります。
メディアは騒ぎ過ぎのように思えますが、むしろ騒ぎ好きと言えるでしょう。

要するに、メディアとしては自社の情報が売れれば良いだけなのです。

さらに子供の頃に天才サッカー少年と言われた子供たちが、大人になって挫折したとしましょう。
そうするとメディアが飛び付いて記事のネタにしたり、あの人は今?などと話題にするのです。

例えば帝京高校の1年生から10番を付けていた磯貝洋光は東海大学、ガンバ大阪で活躍して日本代表に選出するまでになりましたが、ケガが原因で引退しています。
その後、ゴルファーになったり、大工仕事やスポーツコンサルタントに転身しています。

磯貝洋光の今昔を説明する画像

国見高校出身で全国高校サッカー選手権で活躍した平山相太は、オランダのヘラクレス・アルメロ、FC東京、ベガルタ仙台に在籍しましたが、引退後は指導者を目指して仙台大学に入学しています。

和製フリットと呼ばれた石塚啓次は、ヴェルディ川崎で活躍後、川崎フロンターレ、名古屋グランパスエイトと渡り歩き、引退後はスペインに移住してうどん店を開業しています。

その他にも、じん帯断裂のケガに悩まされた財前宣之、10年に一人の逸材とされた阿部祐大朗など天才サッカー少年と謳われた選手たちがたくさんいます。

こうした選手たちは少年時代から天才と言われ続けましたが、今では一人の人間です。
すでに表舞台から去って、自分の人生を歩んでいるのです。
彼らのことをメディアが面白おかしく取り上げるのは、「天才」という言葉をネタにしているだけにしか思えません。

一方、こうした天才少年たちの生き様に対し、好奇心を駆り立てられる人は多いようです。
少年時代は天才ともてはやされ、挫折を味わって、大人になったらふつうの人…。
正にジェットコースターのように浮き沈みの激しい人生です。
テレビを見ている方は興味津々ですし、人の不幸は蜜の味…ということかも知れません。

でもこうした選手たちは少年時代に念願だったプロの道を歩んだわけですし、ある意味では希望は叶ったとも言えるのでしょう。

もちろん天才サッカー少年と言われる多くの子供たちもプロを目指しているのでしょうが、現実には厳しい道のりが待っています。

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(3)天才少年の成長と人生

天才サッカー少年と言えどもプロになれる確率は1%もありません。
これは野球でも、その他のプロスポーツでも同じようなものです。

またサッカー選手の寿命はプロになってから、平均して2~3年で引退します。
そうすると高卒でプロになっても、20歳過ぎにはふつうの人になるわけです。
もちろん日本代表になったり、海外に移籍するような選手は長いサッカー人生が続きます。

ACミラン在籍当時の本田圭佑

プロ野球の場合、高卒ルーキーは2~3年ほど二軍で鍛えてから一軍に昇格…という流れを考えると、サッカー選手は想像以上に厳しい世界です。

そうして考えると天才と言われたサッカー少年たちも、実は短命の可能性があるわけです。

こうした主な原因は日本人の成長のピークが中学三年生~高校生年代にあることです。
子供たちにとってはこの時期からの試合が多くなるため、体を酷使してしまいます。

そうした場合、高校生であれば夏のインターハイ、秋の国体、冬の全国選手権がありますし、高円宮杯U-18サッカーリーグや地域の大会も目白押しです。
高校生がクラブユースに所属していたとしても、たくさんの試合を経験します。

そればかりではありません。

そもそも天才少年と言われた子供たちは、すでに小学生年代から数多くの試合を重ねています。
そうすると育成とは名ばかりの、試合に勝つために体を酷使するという、厳しい生存競争を勝ち抜いた少年だけがプロになれるわけです。

別の言い方をすれば、子供たちは心身ともに疲弊しきった状態でプロになります。
そう考えれば、プロに入って2~3年で引退しても不思議ではありません。

そもそも世界的に見た場合、サッカーはユース年代までが育成期間です。
また海外では個を育成するので、対外試合の比重はあまり高くありません。
特に天才少年と評された選手たちは大切に育成されます。
なぜならトップチームに入って活躍すれば、クラブ側に多大な利益をもたらすからです。
だからユース年代を終えてもさらに成長の余地があるのです。

つまり少年時代から体を酷使して成長した日本の子供と、きちんと個を育成された海外の選手たちとでは、元々大きな違いがあるのです。

そうした点を考えると、日本の育成指導は天才サッカー少年たちを潰してしまうのではないでしょうか?

さて次は、そもそも天才とは何か?という点について解説します。
ぜひお読みください!

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