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サッカーの基本

天才サッカー少年とは?努力は才能を超える!

投稿日:2019年4月25日 更新日:

中学三年生当時の久保建英

日本には天才サッカー少年と呼ばれる子供たちがたくさんいます。
でも、これはメディアが勝手に作り出した幻想かも知れません。
その理由は少年時代にもてはやされた選手ほど大人になってから伸びないからです。
そこで、今回は天才サッカー少年とは何か?才能と努力の意味について解説します。

1.日本の天才サッカー少年

(1)日本は天才サッカー少年の宝庫?

日本のサッカー界で天才少年と言えば、久保建英くん、中井卓大くん、石井久継くんの3人が有名です。
このうち久保くんはFCバルセロナ(後にFC東京)、中井くんはレアル・マドリード、石井くんはJリーグの下部組織に入団しています。

15歳当時の中井卓大

日本の子供たちにとってこの3人は最近まで自分と同じ小学生だったこともであり、「努力すればひょっとして…」ということでジュニア年代の身近な目標になっているようです。
一方、親御さんも「うちの子も、もしかして…」というふうに考えているかも知れません。

そうすると3人に続け!とばかりに親御さんも一生懸命になるので、次々と天才サッカー少年が登場するのでしょう。

この他にも、ネットで「天才サッカー少年」と検索するといろいろな子供が出て来ます。
例えば、Youtubeの「BLAZE A NEW PATH」には、総勢50人近くの少年たちが紹介されています。

この子たちが本当に天才だとすると、日本のサッカー界の未来は頼もしいばかりです。
日本がワールドカップで優勝するのも、そう遠くはないかも知れません(笑)。

でもこうしたことは、マスメディアがいたずらにあなたの好奇心を掻き立てているだけではないじょうか?

(2)マスメディアと天才少年

マスメディアは自社の記事やテレビ、ラジオ、ネットなどの視聴率が上がることだけを考えています。
これは普通の会社と同じで世間に広まれば利益になるからです。
そうすると「天才サッカー少年、現る!」などと私たちをあおります。
メディアは騒ぎ過ぎのように思えますが、むしろ騒ぎ好きと言えるでしょう。

要するに、メディアとしては自社の情報が売れれば良いだけなのです。

さらに子供の頃に天才サッカー少年と言われた子供たちが、大人になって挫折したとしましょう。
そうするとメディアが飛び付いて記事のネタにしたり、あの人は今?などと話題にするのです。

例えば帝京高校の1年生から10番を付けていた磯貝洋光は東海大学、ガンバ大阪で活躍して日本代表に選出するまでになりましたが、ケガが原因で引退しています。
その後、ゴルファーになったり、大工仕事やスポーツコンサルタントに転身しています。

磯貝洋光の今昔を説明する画像

国見高校出身で全国高校サッカー選手権で活躍した平山相太は、オランダのヘラクレス・アルメロ、FC東京、ベガルタ仙台に在籍しましたが、引退後は指導者を目指して仙台大学に入学しています。

和製フリットと呼ばれた石塚啓次は、ヴェルディ川崎で活躍後、川崎フロンターレ、名古屋グランパスエイトと渡り歩き、引退後はスペインに移住してうどん店を開業しています。

その他にも、じん帯断裂のケガに悩まされた財前宣之、10年に一人の逸材とされた阿部祐大朗など天才サッカー少年と謳われた選手たちがたくさんいます。

こうした選手たちは少年時代から天才と言われ続けましたが、今では一人の人間です。
すでに表舞台から去って、自分の人生を歩んでいるのです。
彼らのことをメディアが面白おかしく取り上げるのは、「天才」という言葉をネタにしているだけにしか思えません。

一方、こうした天才少年たちの生き様に対し、好奇心を駆り立てられる人は多いようです。
少年時代は天才ともてはやされ、挫折を味わって、大人になったらふつうの人…。
正にジェットコースターのように浮き沈みの激しい人生です。
テレビを見ている方は興味津々ですし、人の不幸は蜜の味…ということかも知れません。

でもこうした選手たちは少年時代に念願だったプロの道を歩んだわけですし、ある意味では希望は叶ったとも言えるのでしょう。

もちろん天才サッカー少年と言われる多くの子供たちもプロを目指しているのでしょうが、現実には厳しい道のりが待っています。

(3)天才少年の成長と人生

天才サッカー少年と言えどもプロになれる確率は1%もありません。
これは野球でも、その他のプロスポーツでも同じようなものです。

またサッカー選手の寿命はプロになってから、平均して2~3年で引退します。
そうすると高卒でプロになっても、20歳過ぎにはふつうの人になるわけです。
もちろん日本代表になったり、海外に移籍するような選手は長いサッカー人生が続きます。

ACミラン在籍当時の本田圭佑

プロ野球の場合、高卒ルーキーは2~3年ほど二軍で鍛えてから一軍に昇格…という流れを考えると、サッカー選手は想像以上に厳しい世界です。

そうして考えると天才と言われたサッカー少年たちも、実は短命の可能性があるわけです。

こうした主な原因は日本人の成長のピークが中学三年生~高校生年代にあることです。
子供たちにとってはこの時期からの試合が多くなるため、体を酷使してしまいます。

そうした場合、高校生であれば夏のインターハイ、秋の国体、冬の全国選手権がありますし、高円宮杯U-18サッカーリーグや地域の大会も目白押しです。
高校生がクラブユースに所属していたとしても、たくさんの試合を経験します。

そればかりではありません。

そもそも天才少年と言われた子供たちは、すでに小学生年代から数多くの試合を重ねています。
そうすると育成とは名ばかりの、試合に勝つために体を酷使するという、厳しい生存競争を勝ち抜いた少年だけがプロになれるわけです。

別の言い方をすれば、子供たちは心身ともに疲弊しきった状態でプロになります。
そう考えれば、プロに入って2~3年で引退しても不思議ではありません。

そもそも世界的に見た場合、サッカーはユース年代までが育成期間です。
また海外では個を育成するので、対外試合の比重はあまり高くありません。
特に天才少年と評された選手たちは大切に育成されます。
なぜならトップチームに入って活躍すれば、クラブ側に多大な利益をもたらすからです。
だからユース年代を終えてもさらに成長の余地があるのです。

つまり少年時代から体を酷使して成長した日本の子供と、きちんと個を育成された海外の選手たちとでは、元々大きな違いがあるのです。

そうした点を考えると、日本の育成指導は天才サッカー少年たちを潰してしまうのではないでしょうか?

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2.そもそも天才とは何か?

(1)天才の特徴

そもそも天才とは何を指すのでしょう?
ふつうは天賦の才がある、持って生まれた才能がある、誰も持っていないものがある…などとよく言われます。
こうした場合、天才の特徴や類型はいろいろとありますが、大きく2つに分けられます。

一つ目は新しいものを生み出す、二つ目は努力することです。

① 新しいものを生み出す

新しいものを生み出すというと、アインシュタインとかエジソンのように科学的な発明を想像しがちですが、必ずしもそうではありません。

少年時代から好奇心や探究心が旺盛で、誰もが思いも付かなかったアイディアが湧いて出てくるという意味です。
そうした特徴に対して、オリジナリティがある!独創的だ!などと評価されるのです。

でも天才たちは全く何もない「0」の状態から、新しいものを生み出したわけではありません。
ほとんどの場合「1」というものが先にあって、そこから新しい何かを生み出しています。

例えばアインシュタインは相対性理論で有名ですが、この研究は突然出て来たものではありません。
それまで常識と考えられていたニュートンの絶対時空(時間と空間は変わらない)を基にして、時間と空間は変化すると研究したのです。
つまりニュートンが研究した「1」に基づいて、新たな成果を生み出したわけです。

これをサッカーの世界に置き換えて見ましょう。

サッカー界では、ペレ、マラドーナ、メッシが天才と言われますが、いずれも先人たちの成績を超えたところに偉大さがあります。

ドリブルするペレ

これまで3人とも数多くのサッカー選手がなし得なかった、たくさんのタイトルを取り個人でも優秀な成績を収めています。

こうしたことを理論的に考えてみましょう。

そうすると先人たちの功績を超えるだけで天才と呼ばれるのであれば、実は誰でも可能性があるということです。
※サッカーの上手い下手に関わらず、これはあくまでも理論的な考え方です。

そうして考えれば、人は誰でも天才になれる可能性があるのです。

② 努力する

天才たちは陰で人並み外れた努力を積み重ねます。
また努力の必要性を強調しています。

例えばアインシュタインは「天才とは努力する凡才のことである」という言葉は有名です。
ニュートンは「もし私が価値ある発見をしたのであれば、それは才能ではなく忍耐強く注意を払っていたことによるものだ。」という名言を残しています。
これら二人の格言は才能を否定することを意味します。

私が思うにサッカーも含めた全ての物事に対しては、才能があるとかないとかはあまり関係ないと考えています。
また才能があるかどうかは、常人(凡人)では判断できないはずです。

そうした判断が出来るのは、人間の領域を超えた存在(もしも神が存在すれば「神」)でない限り無理だと思います。
つまりヒトが人に対して才能云々を評価することは出来ないのです。

もっと言えば、才能という言葉は人が勝手に作り出した単なる幻想だとさえ考えています。

そもそも私たちは生物学的には単なるヒトです。
生れてから成長するまでの個体差はあっても、羽根や角が生えていたり、しっぽがあったり、などという特異な差はありません。
また生育環境による個体差が生じたとしても、生物学的には同じ条件で成長する可能性があるのです。

そうするとある程度の環境が整っていれば、いろいろな分野で自分の能力が発揮出来るはずです。

そうした場合に大切なことは、自分の適性がその分野に合っているのかどうかです。

フリーキックする前のマラドーナ

つまりサッカーで天才と呼ばれた人たちは、自分の適性が偶然合っていただけに過ぎないのです。

そうした場合に大切なことは、自分を磨くための努力です。
なぜなら、努力なしに天才になった人は存在しないからです。

(2)天才になるためには努力が必要

ペレ、マラドーナ、メッシは、誰もが天才と呼びますが、3人とも努力を欠かしません。
これは彼らの格言にもよく表れています。

ペレ「成功は決して偶然ではない。勤勉、忍耐、知識、学び、犠牲、そして何よりも自分が取り組んでいることへの愛情が必要だ。」

マラドーナ「私がしたドーピングは努力だけだ。」

メッシ「僕は生まれながらの天才ではない。努力の人間なんだ。努力すれば報われる?そうじゃないだろ。報われるまで努力するんだ。」

たいていの人は、こうした天才たちを見ると「才能」があるから…と一言で片付けてしまいます。
でも彼らは目に見えない所で、たくさんの努力を積み重ねていたことは確かです。

ゴールを決めた直後のメッシ

1960年代に活躍した大相撲の横綱・大鵬は、ある週刊誌の取材に対して次のように述べています。

「マスコミは天才という言葉を簡単に使うが、言われた当人たちは虚しくなる。」
「それではまるで才能だけで勝っているみたいだ。」
「私は才能だけで横綱になったわけではない。」
「みんなが知らないところで、人の何倍もの努力をしてきたんだ。」
「だから、天才の2文字で片付けてほしくない。」

大鵬の話しは天才と言う言葉の本当の意味を表したものだと思います。

つまり努力こそが天才になれる道筋ということです。

そうした点では天才と言われたイチローも名言を残しています。

「そりゃ、僕だって勉強や野球の練習は嫌いですよ。」
「誰だってそうじゃないですか。」
「辛いし、大抵はつまらないことの繰り返しだし。」
「でも僕は子供のころから、目標を持って努力するのが好きです。」
「だってその努力が結果として出るのは、うれしいじゃないですか。」

このように努力は誰でも続けられます。

そうすると努力を続ければ、誰でも天才になれる可能性があるのです。

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3.天才サッカー少年の育て方

サッカーの適性があれば子供は誰でも努力しだいで天才になれます。
そうした際の子育てについて考えて見ましょう。

天才少年と言われる久保くん、中井くん、石井くんの3人に共通するのは、親が何らかの形でサッカーに関わっていたことでしょう。
だから3人ともそれなりのレベルに成長したのだと思います。

その場合によくありがちなのが、サッカー未経験の親でも天才少年に育てられるのか?という疑問です。

でも、そうした点はあまり関係ありません。
なぜなら努力するのは子供自身だからです。

一人で練習するサッカー少年

そうした場合、親として大切なことは子供をサポートすることです。

そのためには親自身がきちんとサッカーを勉強しなくてはいけません。
決して他人任せではダメです。
またサッカーの〇〇のコツなどという聖杯や秘宝を求めても無駄です。
そもそもサッカーにはそうしたものはないからです。

むしろ大切なことは子供の適性をきちんと見極めて、正しい努力をするように促すことです。
だからサッカーの役に立たないことはすぐに止めさせましょう。

もしも親がサッカーの勉強をする時間がないのであれば、子供と向き合う時間を作りましょう。
あなたが家に帰れば子供もいるはずなので、きちんと会話をしましょう。
褒めるべきところはきちんと褒めて、叱るところは叱りましょう。
もちろん感情的になってはダメです。

一方、サポートが必要と言っても、過保護になってはいけません。
これは日常生活から考え直してください。

子供たちが毎朝登校する時に、早く起きなさい!忘れ物はない?遅刻するよ!などと口うるさく言っていませんか?
帰って来た時に、宿題は?風呂に入りなさい!早く食べなさい!早く寝なさい!などと言っていませんか?

そのくらいのことは放っておきましょう。
忘れ物をしそうなら、させれば良いのです。
遅刻をしそうなら、させれば良いのです。
どちらも子供にとっては恥ずかしいことなので、自分なりに考え直します。

こうすることで子どもの自立を促すのです。

私は妻の反対を押し切って、このようにして息子の「とも」を育てました。

つまり子供に努力を促し、そのためのサポートはするが、合わせて自立させることも大切なのです。

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4.まとめ

これまで天才サッカー少年というテーマで、努力の大切さについて解説しました。

ヒトが人である限り、天才は才能とは関係ありません。

私が思うに天才という言葉は意外と身近なもののように考えています。

サッカーの適正があって努力が続けられるのなら、誰でも天才になれるのです。
また努力なしに天才になった人は、この世にはいません。
さらに結果が出るまであきらめないことです。

子供たちには、ぜひ努力を続けてサッカーの天才と呼ばれるようになってほしいと願っています。

【画像引用:Youtube.com

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-サッカーの基本

執筆者:


  1. けい父 より:

    ありがとうございます。

    やっぱりそうですよね。。。

    週2でオフも入れてたんですが、どっちにしても公園にサッカーをしに行くもので。。。。。

    少し気をつけて見ておきます!

  2. けい父 より:

    はじめてコメントさせていただきます。

    いつも参考にさせていただいてます。
    現在、うちの子の希望で、週に6日スクール&チームでトレーニングしています
    自主練や公園で友達とサッカーで遊ぶ事をを含めると週に24時間程度になります。

    オーバーワーク等の見極め方などはあるのでしょうか?

    不躾な質問で申し訳ありません。

    • ともパパ より:

      次の点についてお教えください。

      1.学年と年齢。
      2.スクール&チームでトレーニングの1日あたりの練習時間。
      3.これまでに大きなケガがあったかどうか、あった場合はその時期。
      4.膝、足首、股関節等に慢性的な痛みがあるかどうか。

      • けい父 より:

        お返事ありがとうございます。

        10歳で学年は4年生です

        [チーム練習1週間]2時間・2時間・3時間

        [スクール1週間]1.5時間・2時間・2時間・3時間

        [自主練]毎朝0.5時間・学校から帰宅後に1時間

        と、いったスケジュールです。

        打撲以外の怪我は一切なく、慢性的な痛みも今までありません。

        簡単ではありますが、よろしくおねがい致します。

      • ともパパ より:

        現時点の率直な感想としてはオーバーワークの可能性があります。
        一般的なオーバーワークの見極めは、体に不調があってから気が付くケースが多いですが、その時点では遅いです。

        そうした場合、サッカー選手は野球のピッチャーと同じで体を酷使するため、消耗品のようなものとお考えください。
        少年野球のピッチャーは投球制限や変化球禁止などがありますが、そうした理由に基づいています。
        これは将来のことを考えているわけですね。
        つまり、10年先のことを考えて長持ちさせる(選手寿命を延ばす)という発想が必要なのです。

        出来るのであれば、今は練習の比重を落とし(週3回くらい)、それによって空いた分をサッカー以外のスポーツに充てることをおススメします。
        これは遊び程度のもので良く、例えばバスケットボール、ドッヂボール、なわとびなど全身を使うスポーツが良いです。
        そうした方が、必ず将来に役に立ちます。

        今、無理をして花を咲かせても短命に終わります。
        でも、大切に育てれば丈夫で立派な巨木になります。

        よろしかったら参考にしてください。

  3. ごつ より:

    興味深い内容でした。ありがとうございます。なんで伸び悩む人がいるのかと思ったら、そういう背景があったんですね。

    約25年前くらいの日本代表の動画見つけました。懐かしいです。
    https://www.youtube.com/watch?v=KmMZ3SvX8BA

    • ともパパ より:

      日本のサッカーのピークは高校生年代までですね。
      そこから先を見据えた育成指導の考えはないようです。
      ここを改めない限り、選手寿命は伸びないでしょう。