ブラジルでのコーチの経験を活かして、 サッカー未経験の方にも分かりやすく科学的で正しい理論をご紹介します

ヘッドストールのやり方!サッカーで体幹を使いこなす意味

ヘッドストールは頭にボールを乗せてバランスを取るリフティングの一種です。
その場合、子供たちはサッカーの試合にはあまり役に立たないと思ってほとんどやりません。
でも体幹を正しく使えるようになるという点では、とても効果的な練習です。
そこで今回は、ヘッドストールのやり方とコツ、体幹が使えるようになる意味を解説します。

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1.ヘッドストールとは

(1)ヘッドストールのやり方

ヘッドストールとは、次の動画のようにボールを頭に乗せてバランスを取る練習です。
たぶんほとんどの子供は、クラブや少年団の練習で一度はやったことがあるのではないでしょうか?

私の息子「とも」は小学四年生の時に練習して、だいたい2日間で出来るようになりました。

動画の後半ではヒップホップのウェーブをやっていますが、頭に乗せているのは木製の菓子皿です。
特に新聞、雑誌、段ボールの切れ端など、何を使って練習しても良いと思います。

最近はほとんどやりませんが、たぶん今でも1~2分くらいは出来ると思います。

(2)ヘッドストールと体幹

ヘッドストールはコツを掴めば簡単ですが、出来る子と出来ない子がハッキリ分かれます。
実際にやろうとしても、出来ない子は1秒も持ちこたえられません。
リフティングだったら何とかなるでしょうが、さすがにヘッドストールだけは難しいようですね。

実は出来る子と出来ない子の大きな違いは、体幹が動かせるかどうかということです。
この場合の体幹は、動かせない子は一本の棒のようになっていて、動かせる子は蛇腹のようにクネクネしているとイメージしてください。

特に出来ない子の多くは、体幹がほとんど動かせません(使えない)。
そうすると股関節から下の部分…、つまり足だけでバランスを取ろうとします。
だからボールを落としてしまうのです。

ところが、出来る子は体幹を使ってバランスを取るため、ボールを落とさないのです。

先ほどの「とも」の実演動画の後半でも紹介しましたが、ヘッドストールは、ヒップホップダンスのウェーブの動きを真似すれば出来るようになります。

次の動画の女性の体幹(胴体)に注目すると、クネクネと動かしていますよね。
この女性も体幹を動かすことでダンスの滑らかな動きが出来るわけです。

このように、ヘッドストールは体幹を使ってバランスを取らないと上手く出来ません。

でもヘッドストールはサッカーの試合で使うわけではないので、必要性を感じないと思います。

ところが、そうではありません。

特に大切なことは体幹を動かすことで、サッカーのプレーのパフォーマンスに活かせるかどうかということです。

そこで次に、サッカーで体幹を使う意味について解説します。

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2.サッカーで体幹を使う意味

(1)体幹が使えるとは

体幹を自在に動かして使えるようになると、サッカーのプレーのパフォーマンスが格段に上がります。

その場合、次のような一本歯下駄トレーニングが最適ですね。

このようなツイスト系のトレーニングは、体幹部の柔軟な動作を身に付けるものです。
体幹の柔軟さとは、体幹をクネクネと自由自在に動かしてバランスを取るために必要です。

このトレーニングを続けると、だいたい3ヶ月程度で女子のようなしなやかな動きになり、バランス感覚がかなり身に付きます。

一本歯下駄トレーニングをもっと詳しくお知りになりたい方は、次の記事をお読みください。

一本歯下駄トレーニング!サッカー向け練習メニュー22選
一本歯下駄の効果!身体能力アップに役立つ5つの理由!

こうしたトレーニングによって、体幹を動かして使えるようになると、自然な筋トレ効果が起こります。

これは何かというと、ヒトは体の特定の部位をよく使うとその部分の筋肉が発達します。
例えば腕を使うと腕の筋肉が太くなりますし、足を使うと足の筋肉が太くなります。

ところがヒトの体幹は、日常生活では意外と使われていません。
そうすると体幹が発達しないので、運動している時にバランスを崩して転んだりします。

ところが体幹を動かして使えるようになると、体幹が自然と太くなってバランスが安定するので倒れにくくなります。
つまり体幹を動かすということは、よく使う…ということですよね。

これが自然な筋トレ効果ということです。

私のブログの読者さんで、子供に一本歯下駄トレーニングをやらせている親御さんからよくメッセージをいただきます。
その中で「チームの練習であまり転ばなくなった」とか「コーチから体幹が強くなったと言われた」と言う、うれしいお話しを聞くことが多いです。

特に小学校3~4年になるとフィジカルコンタクトを覚えるので、激しいプレーが多くなります。

そうすると先ほどのようなヘッドストールの出来ない子は足だけを使うので、体幹を動かすことが出来ません。
だから、ショルダータックルなどの強い衝撃が肩、腰、股関節などに集中するので倒れやすくなります。
しかも、ケガの危険性が高いです。

ところが体幹を動かして使えるようになると、激しいコンタクトを受けても、衝撃を分散(または吸収)できるので倒れにくくなります。

まるで体がこんにゃくのように動くので、ケガをし難くなるわけですね。

ちなみにケガの防止のためにストレッチが必要とよく言われます。
ところが、これは自分の筋肉を急激に伸縮させることによる筋断裂や捻挫などを防止するためです。
したがってフィジカルコンタクトのような、外的な衝撃から身を守ることはあまり期待できません。

そうした意味でも体幹を動かして使えるかどうかは、とても大きな意味を持つのです。

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(2)体幹トレーニングとの違い

ここしばらくのうちに育成年代のサッカー選手の練習として、体幹トレーニングが普及しています。
この場合、特に多いのが一定のポーズで体を静止させる静的トレーニングです。

このトレーニングは体幹を太くするためには効果的です。
ところが、筋肉は太くなっても自在に動かせるようになるわけではありません。

これは何を意味するのかと言うと、体幹を太くすることと、動かせるようになるのは、全く別のことなのです。

例えば先ほどの一本歯下駄トレーニングはツイスト系以外にも、ランニング系、タッチ系、体幹バネ系などの種目があります。
そうした複数の種目のトレーニングを通じて、全身の骨格と筋肉を自在に動かして使えるようにするのが主な目的です。
そうすることによって、サッカーのいろいろなプレーで足だけを使うのではなく、全身のパワーとスピードを引き出せるようになるわけです。

そうした場合、先ほどのように激しいコンタクトを受けても、こんにゃくのように衝撃を分散出来るというのは、いくら体幹を太くしても難しいでしょう。

その理由は、衝撃をまともに受けるだけだからです。

たしかに衝撃から身を守るためには、体の筋肉を太くして強固にするのは有効な考え方です。

でも、自動車の衝突による衝撃から、運転手や同乗者の身を守ることを例にすると考え方は少し違ってきます。

特に日本では昭和30~40年代に急速に自家用車が普及しましたが、同時に自動車事故による運転手の死傷が増えました。
そこで車体を強固にすることによって衝突による故障は少なくったものの、かえって運転手に対する衝撃が大きくなったのです。
その結果、現在の自動車のように、衝突による衝撃はバンパーなどで吸収することで運転手の身を守ろうという考え方に変わったわけです。

これに対して現在のスポーツ科学は未だに、衝撃から身を守るためには体を鍛えるべき!という考え方が定説になっています。
そうするとケガの危険からは逃れられません。

ここで、あなたの子供さんが赤ちゃんだったころを思い出してください。

赤ちゃんの体はとても柔軟ですよね。
その理由は転倒などの衝撃から身を守るためです。

でも、成長とともに柔軟性が失われてしまいます。
その理由は日常生活であれば倒れそうな時に手を突くなど、自分で身を守ることが出来るようになるからです。

でも、サッカーは非日常的な体の動きを必要とします。
また転んだり相手とぶつかったりと言う接触プレーも多いです。

そうであるならば、子供が赤ちゃんだったころのような柔軟性を取り戻すべきではないかと思います。

そうすると、体幹を動かして使えるように改善して、こんにゃくのように衝撃から身を守ることも必要ではないかと考えるのです。

そうした意味では、現在のスポーツ科学の課題ではないでしょうか?

ちなみに久保建英選手はFC東京でJリーガーになりましたが、フィジカルが弱かったので体幹を鍛えたそうです。
たぶん一般的な体幹トレーニングかも知れません。
たしかにフィジカルは強くなったようですが、このままではケガの危険からは逃れられないでしょう。
そうした点は心配ですね。

いずれにしても体幹を動かして使えるようになることと、体幹を鍛えて強くする(筋肉を太くする)というのは、全く意味が違うことなのです。

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3.まとめ

これまでヘッドストールのやり方とコツ、体幹を動かして使えるようになる意味を解説しました。

ヘッドストールはフリースタイルの選手がよくやるので、サッカーの試合では役に立たないと思われがちですが、大切なのはそうしたことではありません。

体幹が使えるかどうかが重要なのです。

ぜひ多くの子供たちがヘッドストールを覚えて、体幹が使えるようになるのを願っています。

【画像引用:Youtube.com