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ハイプレスとは?サッカー初心者でも分かりやすく解説!

ハイプレスは守備戦術の一つですが、今や小学生からプロまで取り入れている現代サッカーの基本と言っても良いでしょう。

そこで今回はハイプレスについて、サッカー初心者でも分かりやすく解説します。

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1.ハイプレスの特徴

(1)ハイプレスとは

ハイプレスをとても簡単に言うと、実際の試合でよく見られるのは次の2通りのケースに分かれます。

一つ目は、相手チームがビルドアップしている時にディフェンスラインにプレスをかけてボールを奪うケースです。

こちらの動画はハイプレスをかける様子ですが、特に試合開始直後は選手たちがフレッシュなので、かなりゴール近くまでプレスを掛けます。

この場合、次の動画のようにディフェンスラインから中盤にパス(サイドバック⇒サイドハーフ)が出たところを狙って奪うことも多いですが、基本的には相手のディフェンスラインでプレスを掛けるのを優先します。

なぜなら限りなくゴールに近いからです。そうした意味で現代サッカーはフットサル並みのスピード感が必要です。

二つ目は、相手陣内でボールが奪われた時に直ぐにプレスをかけてボールを奪い返すことです。

次の動画では相手にボールを奪われた後にしつこくハイプレスをかけていますよね。

やはり、これも出来るだけゴールに近い場所でマイボールにしようという考え方から来ています。

少年サッカーの試合でも「前から行け!」とか、「(奪われたら)奪い返せ!」とよく言われていますよね。

こうした守備は単に守るというのではなく、積極的にボールを奪って攻撃の時間を長くする…という考え方に基づいています。

この場合、攻撃時間を長くするとしたらFCバルセロナのようなポゼッションが有利ではないか?と想像する方は多いでしょう。

でもバルサが相手陣内でボールを奪われた場合も、すぐに敵を囲い込んで奪い返します。

しかもバルサの選手は10m程度の短い距離でショートパスを繋ぐので、そうした狭いエリアの攻撃スタイルが、ボールを奪われた場合でもそのまま守備の囲い込みに活かせるわけですね。

つまりバルサのポゼッションが成り立つのは、ハイプレスの守備戦術があってこそなのです。

そうした意味で、チームによってやり方の違いはありますが、基本的にはジュニアからプロまで当たり前のように使われている戦術と言えるでしょう。

(2)相手陣内でボールを奪う意味

ハイプレスで特に大切なのは、相手陣内でボールを奪うことです。

その場合、いわゆるアタッキングサードのあたりで奪うとそのまま得点チャンスになります。

これもゴールに近い場所で、一分一秒でも攻撃時間を長くするという発想から来ているわけですね。

でも実際にはそう簡単に上手く行くわけではなく、ボールを奪う勝負どころはセンターライン付近での囲い込みが多くなります。

また前線にいるFWやSHの選手たちだけが頑張ってプレスをかければ、それで良いというわけではありません。

ディフェンスラインも全体的に高い位置に押し上げる必要があります。

特にFWの選手がペナルティエリア付近でハイプレスを掛ける場合は、センターバックはセンターラインを越えて相手陣内までディフェンスラインを押し上げた方が良いでしょう。

なぜなら、そうしないとライン間の距離が間延びして選手間にスペースが出来てしまうため、そこを狙われてかえって相手に攻撃のチャンスを与えてしまうからです。

したがって、ハイプレスを掛ける時は全員が連動してラインを高く保つことが重要なのです。

いわゆるコンパクトな守備ということですね。

こうした守備はボールを奪ってから一気にゴールを狙えるという点で、弱者が強者を倒す戦術として発展しました。

これに対して、自陣のゴール前まで引いて守ってロングカウンターという戦術がありますよね。

例えば2018年のロシアワールドカップのベルギーがよく使っていたカウンターが典型的だと思います。

でも現代サッカーは限られた時間内で出来るだけチャンスを作る…という発想に変わっています。

つまり引いて守るだけではチャンスがほとんど作れませんし、良くて引き分けですから、相手に勝つためにはそれではダメというわけですね。

そうすると相手陣内でボールを持つ時間を多くした方が良い…、だから相手陣内で奪われたらすぐに奪い返すという考え方に転換したのです。

(3)全員攻撃と全員守備

ハイプレスが広まる前(20年以上前)はフォワードは点を取るのが仕事、ディフェンダーは守備だけ、ゴールキーパーはキャッチング能力が高ければ良いというようにポジションごとに役割がハッキリしていました。

ところが、そうした時代はもう終わっています。

この場合、FWにはハイプレスを続けるための持久的な守備能力が必要とされ、CBやGKには相手のハイプレスからボールを守るために足元の技術が要求されます。

また、以前はビルドアップの時にディフェンダーからボランチにパスをして攻撃の起点になることが多かったです。

ところがハイプレス戦術が登場してからは、ディフェンスラインからボランチへのパスが入り難くなりました。

そうするとディフェンダーやゴールキーパーが直接攻撃の起点になるケースが多くなったのです。

例えば、ロングパスを使って直接前線にボールを放り込むパターンですね(ハリルジャパンの頃にも時々やっていた)。

そうした意味で、サッカーの全てのポジションにおいて攻撃と守備を分けるとか、ポジションごとに役割を分担するという発想がなくなっています。

つまり現代サッカーはハイプレス戦術が登場したことによって、全員攻撃・全員守備の時代になったわけですね。

こうしたハイプレスの特徴を改めてまとめると、次の2つになります。

(1)高い位置でボールを奪う
(2)前線でボールを奪われたらすぐにプレス

そこで次に、この2つの具体的な守備方法を解説します。

2.具体的な守備戦術

(1)高い位置でボールを奪う

この場合は2段階に分けて考えましょう。

① ディフェンスラインでプレス

この時に大切なのは二列目(特にボランチ)に簡単に縦パスを出させないこと、横パスやバックパスを出させるというものです(前にパスを出さない限り攻撃が出来ない)。

これによって相手の攻撃の選択肢を減らせるので、そのためには先ずパスコースを切るのが大切です。

もちろん相手から直接ボールを奪えれば良いのですが、近年のディフェンダーは足元の技術が高いので簡単にかわされます。

そこでボールを奪うことも大切ですが、先ずはパスコースを切って相手をじわじわと追いつめた方が良いでしょう。

具体的には、先ず相手のビルドアップ(ディフェンスラインでパスを回す)の時にFWやSHがパスコースを切りながらプレスをかけて、ボランチ(攻撃の起点)への縦パスを阻止します。

次のようなプレスを掛けるとパスコースは右サイドだけですよね。

そうするとプレスを掛けた方のマンチェスターシティ(水色のユニフォーム)のディフェスライン(センターラインあたりにいるので画像では見えません)は全体的に相手の右サイド方向にシフトします。

そしてセンターバックから右サイドバックに横パスを出させ、そこから右サイドハーフに縦パスを入れたところを囲い込んで奪うわけですね。

もちろん右サイドックからボランチ(中にいる選手)にパスを出したとしても奪えるはずです。

なぜならマンチェスターシティのディフェンスラインが、すぐにプレスを掛けられるような位置にいるからです(もちろんチェルシーの右サイドバックがすぐにサイドチェンジのロングパスをするのであれば別です)。

先ほど解説した攻撃の選択肢を減らすというのは、こういうことです。

実際の試合ではこのような方法で守備をするのが多いですね。

② ロングボールを蹴らせる

先ほど相手のディフェンスラインで横パスやバックパスを出させる…と解説しましたよね。

そうした状況は相手が手詰まり状態なので、そうするとディフェンスラインの裏を狙ってロングボールを蹴って来ることがあります。

そこで今度は味方のセンターバックやサイドバックが相手FWとの空中戦になるので、ヘディングした後のセカンドボールを確実に拾うことで攻撃に移ることが可能になります。

次の動画の0:13からシーンでは黒チームのハイプレスに対して、白チームがゴールキーパーにバックパスをしてロングポールを蹴っています。

その後、黒チームのセンターバックがヘディングで味方にパスしています。

これは黒チーム側がわざとロングキックを蹴らせてマイボールにしたわけですね(キーパーの苦し紛れのロングキック)。

このように考えれば相手にロングボールを蹴らせるのは、こちらが攻撃に移れるチャンスと考えるべきでしょう。

もちろんディフェンスラインを上げてコンパクトにするのも必要ですよ。

相手に中盤のスペースを使われてしまいますからね。

その一方で相手チームのセンターバックが、最初から二列目を飛ばしてサイドの選手にロングパスをするケースもあるので、そうした点には注意が必要です(例えば左サイドバックから右サイドハーフへのロングパス)。

ただしこの場合でもサイドであれば、すぐにはピンチにならないのでパスが通ったとしても、味方の戻りを待つためのディレイ戦術で、相手の攻撃を遅らせましょう(詳細は後述します)。

(2)前線でボールを奪われた場合

この場合も2段階に分けて考えましょう。

① ボールを奪われた直後

相手陣内でボールを奪われた時、すぐにプレスをかけて奪い返すことで攻撃が続けられます。

そこでボールを奪われたら、奪われた選手と近くの選手が協力して相手を囲い込むなど、なるべく早くプレスを掛けましょう。

次の動画は先ほどご覧になったものですが、マンチェスターシティの選手たちがしつこくハイプレスをしていますよね。

この場合、ボールを奪われたのに立ち止まって追いかけなかったり、そのまま見過ごしてしまうのは絶対にダメです。

なぜならボールを奪った相手はパスを出して広いスペースに展開するか、そのままドリブルして前進するかなどによって、その場からボールを移動させることを真っ先に考えるからです。

上の動画でもセンターバックのダビドルイスが前に蹴り出そうとしていましたよね(タッチラインを割ってしまいましたが…)。

つまり放っておくと、どんどん時間が経ってボールを奪い返す機会を逃してしまうわけですね。

こういうシーンは少年サッカーの試合でもよくありがちですよ。

そうならないためにも、ボールが奪われたエリアの中でかつ短時間で、味方と協力してボールを奪い返しましょう。

この場合、マンチェスターシティであれば5秒ルール、FCバルセロナであれば7秒ルールなどがあるので、選手たちは短時間で必死になってプレスを掛けようとします。

そうしたシーンは試合中も、よく見られるのでぜひ参考にしてください。

② 守備ブロックを作るタイミング

相手陣内でボールを奪い返せなかった場合、または奪い返せそうもないと判断した場合は、直ちに守備ブロック(2列のディフェンスライン=ゾーンディフェンス)を作り直す必要があります(例えば4-4-2など)。

またボールを持った相手と対峙した選手は、相手の攻撃を出来るだけ遅らせましょう。

ここでの優先順位はとにかく相手の攻撃を遅らせることなので、間違っても簡単に突破されないことが重要です。

そうすることで味方が守備ラインを作る時間を稼げますからね。

こちらの動画では相手陣内でボールを奪い返せなかった場合のハイプレスからゾーンディフェンスへの切り替えの様子が解説されています。

この動画の例では相手にボールを奪われた時点で数的不利の状況になったため、ハイプレスをあきらめてゾーンディフェンスに変わって行く様子が分かると思います。

なお相手から奪い返せそうもないと判断する基準は、動画でご覧になったように相手との関係が数的不利になっているなど、明らかに相手の攻撃が有利に展開しそうな場合です。

これはチーム内での決め事にも関わってくるので一概には言えませんが、試合経験を積んだうえで身に付けて行く高度な状況判断になります。

その場合、まだ奪い返せそうなのにハイプレスをあきらめて守備ブロックを作ろうとすると、せっかくの攻撃チャンスを逃してしまいます。

その反対に、いつまでもハイプレスにこだわっていたら、かえってピンチになってしまうでしょう。

私が思うに、この点はプロでも判断ミスを起こしやすく、ハイプレス戦術の最も難しい部分だと思います。

ちなみにこうした判断の参考になるのは、2019年現在ではマンチェスターシティ、リバプールFC、アトレティコ・マドリードの守備だと考えています。

そうした意味では、この3つのチームの試合はぜひご覧になった方が良いでしょう。

さて次はハイプレスを掛ける場合の選手の体力的な問題について解説します。

3.体力の問題

(1)体力の無駄遣い

ハイプレス戦術を続けるうえで必要とされる選手の適性は3つあり、それはインテンシティー(強度)、アジリティー(敏捷性)、持久力です。

もちろん一定レベルのテクニックが必要なのは言うまでもありません。

このように言葉では簡単に言えますが、やはりハイプレスを一試合通して続けるのは選手にとってかなり過酷のように思えますよね。

実際にもプロの試合では前半を頑張っても、後半になると足が止まってプレスが続かない…というシーンがよく見られます。

いわゆる体力の問題ですね。

これに対して、日本の育成年代の指導では「90分間走り切る…」とか「マラソンのような持久力が必要…」などの安易な発想が蔓延しています。

また試合で体力を出し切る(走り切る)という発想はあるものの、試合中に体力の消耗を防いだり温存する…という、マラソンのペース配分のような考え方はありません。

この場合、トレーニングによって身に付けた体力を実際の試合で使う際に大切なのは、いかにして無駄遣いによる浪費を防ぐのか?という点です。

簡単に言えば、ここ一番!の時に使える体力を温存しようという考え方ですね。

特にジュニアやジュニアユースの年代では状況判断の能力が低いので、どうしても無駄な走りが多すぎると思います。

またこれに輪をかけて監督やコーチたちが「走れ!」と繰り返しますからね。

そうした点でブラジル代表の試合運びは参考になります。

(2)体力の温存と判断力

日本代表はブラジル代表と試合するといつも負けますが、これは単にテクニックや戦術だけの問題ではありません。

最も大きな違いは、試合運びの上手さと体力の使い方です。

例えば試合開始直後の15分くらいで猛攻を仕掛けることが多く、そこで点が取れれば、いったんパスを回して休みます。

もしもそこで点が取れなかったら、今度は相手にボールを持たせてパスを回させます。

そして相手のミスを狙ってカウンターを仕掛けるため、ひたすらチャンスを待つのです。

また、このようにボールを相手に持たせる時間帯は、あまり積極的に奪いに来ません。

その理由はムダな体力を使わないためです。

とにかく相手のミスを待って一気に攻撃するわけですね。

そうすると基本的には短時間で攻撃して、あとは休んでいるだけなのです。

いわばふだんゴロゴロしている猫が、獲物を捕まえる時に豹変するのと同じですね。

こうした試合運びにとって重要なのは判断力です。

これに対して日本の子供たちは、試合の最初から最後までひたすら走り続けますよね。

しかも、こうした傾向は小学生~高校生はもちろん、Jリーガーでさえもほとんど変わりません。

テクニックや戦術はだいぶ進歩しましたが、体力勝負という考え方は今も昔も変わらないようです。

こうした原因の多くは、試合展開を読むだけの判断力とか試合の流れを把握するだけの能力(つまり状況判断)が選手にも指導者にも欠けているということです。

たしかにハイプレス戦術に必要なのは、体力であることは間違いありません。

だからと言って体力を温存することも必要です。

別の見方をすると体力を温存することで、チャンスを待つという思考能力がフル回転するのではないでしょうか?

そもそも疲れ切っていたら頭は働かないですよね。

したがって日本の指導者たちは、単に「走れ!」と言うだけではなく、体力を温存する方法も教えつつ、試合展開を見極めるための正しい判断力を身に付けさせるべきだと思います。

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4.ハイプレスへの対策とポゼッションの使い分け

(1)ハイプレスへの対策

ハイプレスはディフェンスラインを高くするので、相手が裏を狙ってロングキックを蹴る場合があります。

この時にもしも裏を取られた場合は、一気にピンチになるケースがあるでしょう。

これが一般的に考えられている、ハイプレスへの対策です。

たしかにハイプレスは裏を取りやすい…と考える方も多いでしょうが、それは小中学生でよくありがちな足の遅い選手がセンターバックをやっている場合です。

ふつうハイプレスを取り入れているチームのセンターバックは、フォワードと同じくらいの身体能力や足元のスキルを持つ選手が務めるポジションです。

またこのポジションは、オフサイドトラップを指示するなどの状況判断能力も兼ね備えている選手を配置しています。

さらにゴールキーパーにも優秀な存在が求められます。

もしも足が遅かったりテクニックに見劣りがあったり判断能力の低い選手をセンターバックやゴールキーパーにさせていたとしたら、そのチームの監督やコーチたちの資質が疑われます。

つまりハイプレスへの対抗策(相手のロングキック)を回避するためには、優秀なセンターバックやゴールキーパーの存在が不可欠であって、これが最大の対策と言っても良いでしょう。

実際にも2018年シーズンのチャンピオンズリーグと2019年のクラブワールドカップで優勝したリバプールFCの躍進の決め手は、センターバックのファンダイクとゴールキーパーのアリソンの加入によるところが大きかったです。

彼らがいたからこそ、3トップのサラー、マネ、フィルミーノが思う存分攻撃に専念できたのです(もちろんハイプレスも積極的にやりました)。

私が思うにハイプレス戦術を使うチームでセンターバックやゴールキーパーを選ぶ場合は、体格にもよりますがチーム内で最も優秀な選手がそれぞれ務めても良いくらいだと考えています。

その一方で相手のロングキックに備えて、もしもディフェンスラインを下げてしまうと、今度は守備ブロックが間延びしてしまうので相手に中盤を支配されてしまいますよね。

こうしたシーンは日本代表の試合でもよく見られます。

そうならないためにも、むしろ相手がロングボールを蹴って来たらそのボールを回収して攻撃に移れるくらいのテクニックの指導を徹底するべきだと思います。

それに、そもそもサッカーにはオフサイドというルールもあるので、相手のロングキックに右往左往するべきではありませんよね。

(2)ポゼッションの使い分け

ハイプレスは相手陣内でボールを奪って攻撃時間を長くすると言う特徴がありますが、特に相性が良いのがショートカウンターです。

なぜなら相手陣内でボールを奪うということは数的優位になりやすく、速い攻撃=ショートカウンターを仕掛けた方が得点しやすいからです。

例えば次の動画のようにビルドアップでボールを奪った時に、味方と連携すればシュートまで持ち込めますよね。

こうして考えるとハイプレス+ショートカウンターは効果抜群なので、もはやポゼッションは時代遅れという意見さえも見られます。

でも本当にそうでしょうか?

この場合、実際の試合ではビルドアップでのハイプレスを回避して中盤にボールが来たら、どこのチームでもポゼッションをしながらゴールを目指してパスを繋ぎます。

なぜなら元々どのチームでもお互いにディフェンスラインを高くしているので、中盤では敵と味方が入り乱れて密集地帯(つまりコンパクトになっている)になっていることから、そう簡単には早い攻撃が出来ないからです。

そうした意味で中盤では相手にボールを奪われないために、先ずは確実なポゼッションが必要になるわけですね。

これに対してショートカウンターが成功する条件は、敵が少なくて数的優位が作りやすい場合に限られます。

先ほどの動画でも、ボールを奪った直後に簡単に数的優位になりましたよね。

そうした意味でハイプレスからショートカウンターを狙う場合は、相手のビルドアップやそれに近い状況の時のように、数的優位が作りやすい局面を狙った方が成功しやすいのです。

どちらかと言えば、ワンチャンスを狙うようなものですね。

だから中盤で相手チームがポゼッションをしている時にボールを奪ったからと言っても、例えば目の前にいるのはセンターバックの2人だけというような場合を除き、すぐにショートカウンターを仕掛けるよりは、先ずは確実なポゼッションが必要になるわけですね。

しかもハイプレスはただでさえも体力が消耗するので、さらに輪を掛けるようにショートカウンターを繰り返していたら選手たちのスタミナがあっという間に切れてしまいます。

そうした意味で、ハイプレス、ショートカウンター、ポゼッションは局面に応じて使い分けるべきであって、決してポゼッションが時代遅れということはないのです。

それに今でもバルサはポゼッションを使いますし、ハイプレスもやりますからね。

5.まとめ

これまでハイプレスの守備戦術について、いろいろと解説しました。

このうちハイプレスをとても簡単に言うと、次の2通りに分けられます。

一つ目は、相手チームがビルドアップしている時にディフェンスラインにプレスをかけてボールを奪う。

二つ目は、相手陣内でボールが奪われた時に直ぐにプレスをかけてボールを奪い返す。

またハイプレスは体力の消耗が激しいので、日本の指導者たちは単に「走れ!」と言うだけではなく、体力を温存する方法も教えつつ試合展開を見極めるための正しい判断力を身に付けさせるべきだと思います。

さらにハイプレスの対抗策としてロングキックが考えられますが、その場合は優秀なセンターバックとゴールキーパーを配置しつつ、むしろ相手がロングボールを蹴って来たらそのボールを回収して攻撃に移れるくらいのテクニックの指導を徹底するべきです。

その一方で、ポゼッションが時代遅れという意見もありますが、実はそうではなく、ハイプレス、ショートカウンター、ポゼッションを局面に応じて使い分けましょう。

いずれにしても、ハイプレスは小学生からプロまでが取り入れている現代サッカーの基本的な守備戦術なので、ぜひ覚えてください。

【画像引用:Youtube.com