ブラジルでのコーチの経験を活かして、 サッカー未経験の方にも分かりやすく科学的で正しい理論をご紹介します

カーブの蹴り方と練習方法!【実演動画と画像で詳しく解説】

カーブを蹴ってフリーキックを決めるためには、ボールが曲る仕組みをきちんと理解して、正しい蹴り方を覚えましょう。

そこで今回は、1.ボールが曲がる仕組み、2.蹴り方、3.練習方法など、あなたがカーブを蹴れるようになるために知っておくべき全てを詳しく解説します。

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目次

1.ボールが曲がる仕組み

カーブの蹴り方はかなり難しいので、先ずはボールが曲がる仕組みをきちんと理解しましょう。

そのうえで、今回の記事の後半で解説する正しい蹴り方を覚えてください。

そこで、先ずはボールが曲がる仕組みとして、次の3つを解説します。

(1)ボールが曲がるメカニズム
(2)スイングの仕組み
(3)カーブの弾道とGKの反応

(1)ボールが曲がるメカニズム

① マグナス効果

カーブを蹴った時にボールが曲がるのは、マグナス効果によるもので、これはボールが回転しながら飛ぶ時に左右の気圧が変化するため、気圧の低い方に引っ張られて曲がる…という仕組みです。

そこで、このメカニズムを図で詳しく解説しましょう。

右利きの選手を例にすると、最初はボールに反時計回りの回転が掛かりながら真っ直ぐ飛びます。

その際、ボールの右側と左側では空気の流れの違いによって気圧が変化します。

右側の空気は進行方向に逆らって流れるので、空気が停滞して壁(空気の層)が発生し、流れが遅くなって気圧が高くなります。

その反対に、左側の空気は進行方向とは逆向きに流れるので、流れが速くなって気圧が低くなります。

その結果、気圧の高い方から低い方に向かってボールが引っ張られるように曲がるというわけですね。

またボールのスピードが速いほど、左右の気圧差も大きくなるため、GKの手前で突然曲がるような鋭いカーブになります(鋭く曲がる)。

この場合、昔のカーブは大きく曲がった方が良いと言われましたが、現代は速く鋭く曲げる蹴り方が主流となり、またインパクトの際のパワーも必要です。

詳しくは、(3)カーブの弾道とGKの反応…の箇所で後述します。

こうした原理はインフロントキックでボールを飛ばす仕組みと同じです。

インフロントキックを蹴る時にボールを擦り下げると、下側の気圧が高く、上側は低くなって、気圧差が生じてボールが浮きます。

また、その時のインパクトのパワーが大きいほど、気圧差も大きくなって高く遠くに飛ぶわけです。

ところで昔の蹴り方では、大きく曲げるためにボールの回転数を多くする…という考え方がありました。

たしかに物理学的にはそのとおりなのですが、回転数が多すぎると別の問題が起きます。

そこで、次にボールの回転数について解説します。

② ボールの回転数

カーブを蹴る時は、ボールを擦り上げて回転させる…と言われ、回転数が多いほどよく曲がる…とも思われがちです。

また、アマチュアよりもプロが蹴ったボールの方が回転数が多いのではないか?という疑問もあるでしょう。

この場合、時速100㎞で蹴ったボールの回転数は毎秒7~8回転なので、だいたい3~4m程度曲がります。

そうするとボールの回転数だけをもっと多くすれば、たしかに大きく曲げることは可能です。

ところが回転数を多くすると、ボールのスピードが落ちてしまい、GKにセーブされやすくなります。

こうした現象は、エネルギー保存の法則によって説明出来ます。

例えば、ボールが真っ直ぐ進むエネルギーを8として、回転のエネルギーを2とすると、その合計は10になりますよね。

この時に回転数が多くなって、そのエネルギーが2⇒5程度に増えたとすると、ボールが真っ直ぐ進むエネルギーは8⇒5に減ってしまいます。

なぜならエネルギー保存の法則によって、合計10の数値は変化しないので、この範囲内でエネルギーのやり取りをするからです。

つまり、ボールのスピードと回転数は反比例するので、回転数を多くするとスピードのエネルギーが使われてしまうわけですね。

そうした意味で、ボールの回転数はあまり関係なく、むしろ回転をかけ過ぎない方が良いのです。

それでは、効率的に曲げるためにはどのように蹴れば良いのか?ということで、次に(2)スイングの仕組みについて解説します。

(2)スイングの仕組み

カーブのスイングの仕組みを考えるうえで、フェイスベクトルとスイングベクトルという物理の原理を使います(出来るだけ簡単に説明します)。

ベクトルとは重さや力の「向き」を指します。

フェイスベクトルのフェイスとは、蹴り足の「面(カーブの場合はインフロント)」のことで、蹴り足の面がどの方向に向くのか?という意味になります。

スイングベクトルは蹴り足のスイングの向きを指します。

以上の知識を踏まえて、次にカーブのスイング、横回転と縦回転、擦り上げについて順番に解説します。

① スイングベクトルと蹴り方

次の図は、右利きの選手がインパクトする時の蹴り足とボールの関係を真上から見たものです。

ボールを真っ直ぐ蹴る時(インステップキック、インフロントキック、インサイドキックなど)は、フェイスベクトル(蹴り足の面)とスイングベクトル(蹴る方向)が一致しています。

これに対してカーブを蹴る時は、フェイスベクトル(蹴り足の面=インフロント)をやや内側に向けて、スイングベクトルは真っ直ぐのままとします。

この時、特に注意していただきたいのが、インステップキックのようにボールを真っ直ぐ蹴る場合でも、カーブを蹴る場合でも、スイングベクトルは真っ直ぐ前に向かうということです(真っ直ぐ前に蹴る)。

このようにしてカーブを蹴るとボールが回転しながら真っ直ぐ飛んで、マグナス効果によってボールの左右に気圧差が生じて曲がるというわけですね。

だから、

カーブは真っ直ぐ蹴る!
ボールが曲がるのは気圧の差!

この二つは特に大切なので、ぜひ覚えてください。

② 横回転と縦回転

カーブの横回転と縦回転を蹴り分けるためには、ほんの少しだけ工夫が必要です。

フリーキックを蹴る時は、ディフェンスの壁を超える高い弾道が必要なので、横回転も縦回転も斜め上に蹴り上げることが必要です。

その際にご注意いただきたいのが、ボールの中心から何㎝下を蹴れば良いのか?足の角度はどのくらいが良いのか?縦回転と横回転ではどのように蹴り分けるのか?などは、ある程度の目安はあるものの一概に言えないという点です。

その理由は、人によって足の形が違うからです。

インフロントの面が広い人もいれば、狭い人もいるでしょうし、また足の大きさにも関係します。

実はカーブの蹴り方で最も難しい部分がこの点ですが、たくさん練習して自分なりのスイングとインパクトポイントを掴むしかないと思います。

※詳しい蹴り方については、後ほど詳しく解説します。

③ 擦り上げ

フリーキックでカーブを蹴る時は、擦り上げが大切という人が多いですが、これは昔の話です。

いわゆる擦り上げとは、インパクトの瞬間にボールに当たる時の蹴り足の感覚だと思います。

カーブの場合はフェイスベクトル(インフロント)がやや内側で、スイングベクトルは真っ直ぐでしたよね。

その際、インパクトの瞬間からボールの回転が始まるので、蹴り足のインフロント面の2~3㎝程度の範囲で、ボールが回転する感覚が起きます(ボールが擦れる感覚)。

現代では、この感覚が擦り上げと呼ばれているのではないでしょうか?

この場合、昔のボールであれば縫い目があったので擦り上げが比較的簡単でしたが、今は、野球のボールと違って縫い目が隠れているので、この部分を利用するのは無理でしょう(野球のボールに縫い目があるのは、ピッチャーが指を引っ掛けて変化球を投げるから)

いずれにしても、今のカーブはマグナス効果を起こすために、フェイスベクトルとスイングベクトルを意識したうえで、速いインパクトスピードで気圧差を起こして曲げるわけですね。

そうした意味で「擦り上げ」という表現は、現代では紛らわしく、多くの子供たちに勘違いをもたらす原因かも知れません。

ところが、実際の指導現場、書籍、ネットの世界では、カーブを蹴る時は擦り上げる…などと未だに言われています。

そうした意味では、一人でも多くの方がきちんと学ぶべきだと思います。

さて、次は(3)カーブの弾道とGKの反応について解説します。

(3)カーブの弾道とGKの反応

カーブを蹴る時は、弾道の変化によって、ゴールキ―パーがどのように反応するのか?という点を正しく理解しましょう。

次の図は、AとBの二種類の弾道を比較したものです。

Aは3~5mくらい大きく曲がるが、スピードは遅い(ボールの回転数が多い)。

Bは2~3m程度小さく曲がるが、スピードは速い(回転数はやや少なめ)。

そうするとキーパーは次のように判断します。

Aの場合⇒「このままファーサイドに大きく曲がるだろう!」

Bの場合⇒「真っ直ぐ向かって来るが、いつ曲がるのだろう?」

つまりGKがシュートコースを判断するのは、ボールが壁を超えて曲がり始めた時点なのです。

逆の言い方をすると、ボールが曲がり始めない限り真っ直ぐ来ると予測するしかないわけですね。

こうした場合、Aはすでに曲がり始めているのでGKにとっては弾道が分かりやすいです。

ところが、Bのようにいつまでも曲がらないと、GKとしてはそのまま真っ直ぐ来るのではないか?と躊躇します。

そうした時に、いきなり曲がるとキーパーの反応は遅れてしまい、しかもボールが壁を超えた時点のスピードが速ければ速いほど判断に迷うのです。

実は現在のカーブの蹴り方で世界的に主流なのはBの方で、Gkの直前まで真っ直ぐ来てから突然曲がるボールです。

そうした場合、例え1~2mくらいしか曲がらなくてもゴールが決まってしまいます。

ちなみにこうした考え方は、無回転シュートのぶれ球と同じです(ボールが真っ直ぐ向かって来て突然変化するため、GKは反応出来ない)。

あなたがプロの試合を見ていて「この選手のカーブはそれほど曲がらないのに、なぜGKは取れないのだろう?」と感じたことはありませんか?

実は、こうした仕組みに基づいて蹴っているのです。

これに対して、昔はベッカムのような大きく曲がるカーブの方が良いとされた時期もありました。

ところが、この蹴り方をふつうの人が真似すると、エネルギー保存の法則の関係でボールの回転エネルギーを浪費するため、どうしてもスピードが遅くなり、GKにセーブされやすくなるのです。

要するに、いくらベッカムの真似をしても、本人にしかこの蹴り方は出来ないと考えた方が良いでしょう。

そうした点で育成年代の子供たちには、曲がり方はそれほど大きくなくても良いので、GKの判断を迷わせるような速くて鋭いカーブ(真っ直ぐ飛んでいきなり曲がる)を覚えましょう。

さて、これまで解説したカーブが曲がる仕組みを踏まえて、いよいよ次からは、フリーキックのカーブの蹴り方について詳しく解説します。

2.カーブの蹴り方(フリーキック)

ここでは日本の子供たちに合ったカーブの蹴り方として、次の5つの点を順に解説します。

(1)日本人に合った蹴り方
(2)キックフォーム
(3)横回転と縦回転の蹴り方の違い
(4)ボールと足の当てる場所
(5)助走と軸足

(1)日本人に合った蹴り方

① メッシのカーブ

海外のトップ選手たちのフリーキックのカーブで現在主流なのは、壁を超えてGkの直前まで真っ直ぐ来てから突然曲がる蹴り方でしたよね。

そこで、私が育成年代の子供たちにおススメしたい蹴り方は、メッシのカーブです。

私がおススメする理由は、三つあります。

一つ目は、メッシのカーブが現在世界的に主流な蹴り方だからです。

また、日本代表の久保建英選手も同じような蹴り方をしていますが、たぶんFCバルセロナのカンテラ時代に、メッシを手本にしてたくさん練習して身に付けたのでしょう。

そうした意味では、日本人に合ったキックということですね。

二つ目は、胴長短足で低身長という日本人の体型に合っている点です。

メッシの身長は169㎝で、ロシアWカップの日本代表の平均身長は177.9㎝ですが(久保建英選手は175㎝)、その差は約9㎝程度あるものの、胴長短足という体型そのものは変わりません。

特に見習うべき点は、日本人よりも小柄ながら抜群のキック力があるという点です。

三つ目は、先ほどの身長差とも関係しますが、全身を使った蹴り方であるという点です。

これは小柄なメッシが、なぜあれほどまでに強いキックが蹴れるのか?という点を考えると分かると思います。

もしも、カーブを蹴る時に足だけを使っていたとしたら、このようなスピードは出ないはずです。

そうすると、全身の筋肉とバネ作用を効果的に使っているのではないか?と想像出来ます。

こうした三つの点を踏まえると、ぜひ育成年代の子供たちの手本にしていただきたいと思います。

もちろん、ベッカム、クリスチアーノ・ロナウド、ネイマールのような蹴り方をしたいという人も多いでしょう。

でも、彼らと我々では足の長さや身長などの体格差がありますし、憧れるのは結構ですが、無理をしてまで真似する必要もありません。

やはり現実に目を向けるべきですし、世界的に主流なカーブの蹴り方を覚えましょう。

② メッシのカーブの特徴

メッシのカーブの蹴り方の特徴は、バックスイングが大きく、フォロースルーが小さいという点です。

バックスイングが大きい理由は、インパクトのパワーを最大化するためです。

そうすることでボールスピードが速くなり、マグナス効果が生じてボールが曲がるのです。

その際、メッシのカーブは球速が速いため、壁を超えてもなかなか曲がらず、キーパーの直前まで真っ直ぐ来てから突然曲がります。

先ほどの動画のシーンでも、ほぼゴールライン付近で曲がっています。

また、フォロースルーが小さい理由は、バックスイングが大きいことと関係しますが、その理由は、ボールインパクトを大きく速くするためでしたよね。

そうするとフォロースルーに頼る必要がないということで、とてもシンプルな考え方だと思います。

ちなみにインステップキックやインフロントキックもバックスイングを大きくすると、フォロースルーは小さくなります。

もっと言えば、フォロースルーはバックスイングの反動でしかなく、一種の「おまけ」のようなものなのです。

日本ではフォロースルーを大きく!と指導されがちですが、これは足の長い人(ベッカムのように)にだけ有効であって、短足傾向の日本人には向かいな蹴り方です。

そうした意味では、メッシのカーブはバックスイングの大きさが全てと言っても過言ではないでしょう。

物理の原則に合った理想的な蹴り方ですし、だからこそ速いボールが鋭く曲がるのでしょう。

ところで、私の息子「とも」のカーブはメッシの蹴り方を真似したものです。

そこで、次からは私の息子「とも」の実演動画を利用しながら、(2)キックフォームについて解説します。

(2)キックフォーム

「とも」のカーブもメッシと同じように、バックスイングを大きくフォロースルーは小さくです。

次の動画ではフルパワーの半分の力で蹴っているので。ほぼ力感のないリラックスしたフォームだと思います。

また、すでに解説したとおり、インパクトの時は蹴り足のフェイスベクトルを内側に向け、スイングベクトルに向かって真っ直ぐ蹴るようにしてください。

このように蹴るとインパクトの瞬間に窮屈になりますが、股関節を脱力するとそうした点は解消されるので、股関節のストレッチは必ずやりましょう。

ただし、こうした蹴り方は内転筋に大きな負荷がかかるので、蹴り過ぎるとケガの原因になります。

大人であれば筋トレで補強すると効果的ですが、ジュニア年代の内は適宜休みをとりながら練習しましょう。

ちなみに「とも」が身体をリラックした蹴り方をする理由は、①筋肉の伸張反射、②上半身のバネ作用、③足の重さと遠心力を使うということで、全身のパワーを引き出すためです。

① 筋肉の伸張反射

筋肉の伸張反射とは、筋肉をゴムのように伸ばすと反射的に縮もうとするという作用です。

これは反射神経と同様に、例えば熱い物を触った時に手を引っ込める…というのと同じ動作なので、反応速度がとても速くなります。

またカーブを蹴る時のバックスイングでは、上腕筋、大胸筋、腹斜筋、腸腰筋、大腿四頭筋などの筋肉を急激に伸ばします。

そして、これらの筋肉がフォロースルーにかけて素早く縮むのです。

したがって、こうした伸張反射を使うことで、インパクトのスピードとパワーが大きくなります。

一般的に筋肉に力を入れてパワーを出すのは、ウェイトリフティングのような静的な競技に限られます。

サッカーのような動的スポーツは筋肉に力を入れるのではなく、伸張反射を使ってパフォーマンスを高くするのが正しいのです。

こうした点は多くの方が誤解しているので、ぜひご注意ください。

② 上半身のバネ作用

上半身の背骨のバネ作用を上手に使うと、体に板バネのような反発作用が起きます。

・バックスイングで体を反らすとバネ(背骨)が伸びる。
・フォロースルーにかけて急激な巻き戻しが起きるので、バネ(背骨)が縮む。

こうすることでインパクトのパワーが大きくなるのです。

つまり、背骨(板バネ)の反発力をキックのパワーに利用するということですね(この時、筋肉の伸張反射も同時に起こる)。

しかもバネの反発作用は、筋肉の伸張反射のように無意識で起こすことが出来ます。

またカーブを蹴る時以外にも、インステップやインフロントキックなどの全ての蹴り方に利用できるので、ぜひ試してください。

③ 足の重さと遠心力を使う

カーブを蹴る時に足の重さと遠心力を使うと、インパクトのスピードとパワーが大きくなります。

足の重さを使うのは、ヒトの片足の重さが体重の18~20%なので、65㎏の体重の人であれば約12㎏分の重量をハンマー投げの重りのように利用するということですね。

また遠心力は、足の縦回転運動のエネルギーをパワーとして利用するという意味です。

この場合、足の力を抜いて蹴った方が、足の重さと遠心力が発揮しやすくなります。

なぜなら力を入れてしまうと筋肉が硬直するため、かえって動きが悪くなるからです。

もちろん、筋肉の伸張反射(大腿四頭筋など)や背骨のバネ作用も同時に起こるので、さらにパワーアップします。

さて、次は(3)横回転と縦回転の蹴り方の違いについて解説します。

(3)横回転と縦回転の蹴り方の違い

横回転と縦回転の2種類のカーブを覚えると、ニアサイドでもファーサイドでも自由自在に蹴り分けることが出来るので、ぜひ身に付けてください。

そこで、先ずは横回転から解説しましょう。

これまで解説したとおり、スイングベクトルに沿って真っ直ぐ蹴るつもりでスイングし、フェイスベクトルは、やや内側に向けてください。

次の動画では真ん中からやや右サイド寄りで蹴ることを想定していますが、真っ直ぐインパクトしているので、だいたい3m程度曲がっています。

次に縦回転です。

この蹴り方は1m程度曲がりますが、正確には斜め回転ですね。

どちらかと言うと、ドライブシュートに近いと思います。

次の動画ではポストの外側に向かって真っ直ぐスイングして、ゴール手前で急激に曲がって落ちて来ます。

横回転も縦回転もキックフォームはほぼ同じですが、インパクトの時のボールの当てる場所や足首の角度がそれぞれ違います。

さて次は(4)ボールと足の当てる場所について解説します。

(4)ボールと足の当てる場所

① ボールの当てる場所

ボールの当てる場所は、中心から半径1~1.5㎝の範囲内ですが、この範囲を大きく超えると回転数が多くなるので、真っ直ぐ飛ぶエネルギーが減ってしまいます。

また足首の角度は、横回転の場合は横向きから少し斜め、縦回転の場合は少し縦にします。

※「とも」は左利きなので、右利きの方は下図の逆をイメージしてください。

フォロースルーを見ると、横回転はつま先が横向き、縦回転は縦向きになっているので、この違いが良く分かりますね。

ただし先ほども解説しましたが、ボールの中心から何㎝下を蹴れば良いのか?とか、足首の角度はどれくらいが良いのか?とは一概には言えません。

やはり、人によって足の形や大きさが違うからです。

たぶん、この点は多くの人がカーブの蹴り方を覚えるうえで、最も悩むところだと思いますが、たくさん練習して自分なりの蹴るポイントを掴むしかありません。

② 足の当てる場所

足の当てる場所はインフロントが最適です。

インサイドやインステップを使って蹴る人もいますが、足の形や大きさが人それぞれなので、自分に合うのであればどこで蹴っても良いでしょう。

その際に注意するのは、フェイスベクトルとスイングベクトルの向きだけなので、真っ直ぐ蹴るのであれば、どこに当たっても構わないのです。

ちなみに「とも」の場合は、横回転はややインサイド寄りのインフロント(境目)、縦回転は親指の付け根辺りを使います。

足首の角度も微妙に変えますが、これは何度も蹴って自分の感覚を掴んでこの角度にしたようです。

この場合、土踏まずが未熟な状態では甲の部分が低いので、インフロントの面も狭いはずです。

そうした場合は少し偏平足の可能性があるので、次の動画のように足指グーパーと足指スリスリで土踏まずを鍛えましよう。

土踏まずがしっかりすると甲高になってインフロントの面が広くなり、ボールインパクトの面も大きくなるので、カーブが蹴りやすくなります。

さて、次は(5)助走と軸足について解説します。

(5)助走と軸足

助走と軸足は密接な関係があるので、ここでは2つの点を交えながら解説します。

① 助走の大きさと歩数

助走そのものは何歩取っても構いませんが、蹴る直前の一歩を最も大きくしてください。

その理由は、バックスイングを大きくしてインパクトのパワーを最大化するためです。

これは全てのキックに共通した考え方なので、ぜひ覚えてください。

② 助走の角度

助走の角度は真横でも斜めでも、自分の蹴りやすい角度で構いません。

ただし「助走の角度」と「軸足を踏み込む角度」はスイングベクトルを基準にするという点が、特に大切です。

カーブの助走角度は、インステップやインフロントキックを蹴る時と全く同じですが、唯一違う点は軸足を踏み込む時の角度です。

・インステップキックやインフロントキックは、スイングベクトルと平行にする(軸足を着地する時に角度を変える)。

・カーブは、助走の角度と平行にする(軸足を着地する時に角度を変えない)。

また、軸足の踏込みの角度を斜めにするのは、蹴り足のフェイスベクトルを内側に向けやすくするためです。

③ 軸足の位置

軸足の位置はどこでも構いませんが、出来ることならインステップキックやインフロントキックなどと同じ場所にしてください。

「とも」の場合は、全てボールの真横に置いています。

これは、GKに対して実際に蹴るまで球種を見破られないという意味があります。

こうした蹴り分けの技術は、日本の指導ではあまり見られません。

キックが上手くなりたいのであれば、こうしたテクニックは身に付けた方が良いですね。

さて次は、3.練習方法について解説します。

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3.練習方法

カーブの蹴りかたを覚えるためには、単に蹴っていれば上手くなるわけではありません。

そこで、速いボールが蹴れて、鋭く曲がる蹴り方を習得するために、次の7つの点を解説します。

(1)利き足リフティング
(2)スイングの素振り
(3)腸腰筋トレーニング
(4)インステップキックとインフロントキック
(5)カーブの感覚を掴む
(6)一本歯下駄トレーニング
(7)内転筋トレーニング

(1)利き足リフティング

カーブを蹴る時は体に強い遠心力がかかるので、軸足と体幹を鍛えて克服する必要があります。

その場合、海外の選手たちの軸足と体幹は強固ですが、日本の選手は貧弱なのでキックフォームが安定しません。

そこで、次の動画のような利き足リフティングをたくさんやって鍛えましょう。

① ちょんちょんリフティング

ちょんちょんリフティングは、いつでも連続して3000回以上続けられるようにしましょう。

カーブはサッカーのキックの中で、アウトフロントキックや無回転シュートと並んで体の負担が大きい蹴り方の一つです。

このリフティングが100~500回程度しか出来ない内に、いくらカーブの練習をしても上手くなることはありません。

妥協はしないで、ぜひ続けてみてください。

② インフロント

カーブを蹴るのはインフロントなので、ボールを当てる感覚を掴むためにぜひやりましょう。

ボールを回転させるように蹴ると感覚が掴みやすくなります。

特に回数の指定はありませんが、あくまでもインフロントの感覚を養成するという点を大切にしてください。

③ テニスボールとスーパーボール

これは先ほどの①ちょんちょんリフティングの上級編ですが、このリフティングで1000回以上出来る場合は、ぜひ3000回以上を目指してください。

④ インステップ

こちらも、ぜひ3000回以上を目指してください。

⑤ コンビネーション

こちらのリフティングは特に体幹を鍛えられるので、巷でおなじみの体幹トレーニングと同じような効果があります。

やはり、カーブを蹴る時の遠心力を克服するためにも、ぜひ3000回以上を目指してください。

(2)スイングの素振り

次の動画を参考にしてカーブを蹴る時の素振りをしてください。

その際は、バックスイングを大きくしましょう。

※このブログをお読みになっている方の多くは、右利きの方だと思います。
そこで、参考のために「とも」のカーブの右利きver.を作成しました。ぜひ何度もご覧いただき、イメージトレーニングなどに活用してください。

ちなみに、スイングの素振りをする時は全身をリラックスしてください。

そうすると、次の3つが身に付くのでインパクトのパワーが格段にアップします。

・筋肉の伸張反射
・背骨のバネ作用
・足の重さと遠心力

こうした練習法は野球のバッティングの素振りや、シャドーピッチングと同じ効果があります。

実際にボールを蹴る前にこうした基本の練習も大切にしましょう。

(3)腸腰筋トレーニング

メッシは、胴長短足で低身長にも関わらず速いカーブが蹴れますが、その理由として意外と見落とされがちなのが、腸腰筋の使い方だと思います。

そこで、ここでは腸腰筋を利用するためのトレーニングについて解説します。

腸腰筋とは、みぞおちから骨盤の両端を通って股関節まで続く筋肉群(小腰筋、大腰筋、腸骨筋)の総称です。

腸腰筋が発達すると、股関節から下の大腿四頭筋などと連動します。

そうすると、腸腰筋+大腿四頭筋が連動して、まるで足が長くなったような蹴り方が出来るのです(筋肉が繋がって長い足のようになるのと同じ)。

そこで、次の動画を参考にして、ぜひトレーニングをしてください(動画中の大腰筋⇒腸腰筋と読み替えてください)。

ただし、この練習は体への負担が大きいので、10歳以上か小学校3年生から始めましょう。

(4)インステップキックとインフロントキック

これまで解説したカーブの蹴り方は、速いボールがGKの直前で鋭く曲がるというものですが、こうした蹴り方は誰でも可能なわけではなく、キックのスピードやパワーに一定以上の水準が必要です。

そうした蹴り方が可能な目安として、インステップキックとインフロントキックを、次のレベルになるまで徹底的に練習してください。

① インステップキック

インステップキックは、フルパワーの半分で無回転のシュートが蹴れるようにしてください。

無回転を蹴るためにはスイングスピードの速さが必要です。

そうしてカーブを蹴る時もスイングが速くなって、インパクトのパワーも大きくなるため、マグナス効果が起きて鋭く曲がるのです。

つまりカーブを蹴って鋭く曲げるためには、無回転のインステップキックが蹴れるようなスイングスピードが必要だということですね。

② インフロントキック

インフロントキックはフルパワーの半分で35m以上蹴れること、蹴ったボールが2~3m飛んだ地点で自分の身長を超える高さまで浮くことが必要です。

こうした点は、インステップキックと同じようにインパクトのスピードとパワーに関わってきます。

したがってインステップキックやインフロントキックの蹴り方のレベルが低いうちは、いくらカーブを練習しても、まともに蹴ることは出来ない…とお考えください。

(5)カーブの感覚を掴む

カーブの感覚を掴むつもりで、フェイスベクトルとスイングベクトルに注意しながら、実際に蹴ってみましょう。

もちろん、助走、軸足の位置や角度、ボールと足の当てる場所、足首の角度など、いろいろな点に注意してください。

その際、横回転と縦回転を一緒に覚えるのは難しいので、先ずは横回転のカーブから練習しましょう。

先ず、目標(出来れば壁のような場所)から9m程度(小学生は7m)離れた距離から蹴って、正しい回転が掛かっているかどうか確認してください。

次に、同じ距離で2.2m程度の高さ(小学生は2m)に向かって蹴ってください。

このようにして真っ直ぐ蹴れるようになったら、少しずつ距離を伸ばしましょう。

最終的に30m程度の距離から蹴れるようになれば、試合でのフリーキックとして使えます(小学生は20m)。

ちなみに、9mの距離と2.2mの高さはフリーキックの壁と関係があります。

この場合、フリーキックの壁は9.15m離れ、その時にディフェンスがジャンプ出来る高さは2.2m程度までと想定しています(小学生の場合は7mの距離と2mの高さ)。

つまり、最初からフリーキックの壁を超えるような練習をしようということですね。

ちなみにキッカーが蹴った瞬間に、ディフェンスが2.2mの高さにジャンプしてボールを跳ね返すのは事実上不可能です。

こうした点については物理学と脳科学的な根拠がありますが、説明が膨大な量になるので申し訳ありませんが割愛します。

ところで、だいたいの目安としてインステップキックとインフロントキックが一定のレベル(前述の(4))で蹴れるようになった場合、練習量にもよりますが概ね1~2ヶ月程度で横回転のカーブが習得できます。

これが蹴れるようになったら、引き続いて縦回転にチャレンジすると良いでしょう。

また横回転が蹴れるようになれば、縦回転は足首の角度やボールの当てる場所を変えるだけなので、比較的短期間に習得できるはずです。

(6)一本歯下駄トレーニング

一本歯下駄トレーニングは、体のバネ作用、筋肉の伸張反射、足の重さと遠心力を使った蹴り方の3つを覚えるための最も効果的な練習法です。

その理由は、このトレーニングがリラックスして行うからです。

このトレーニングによって身に付いたリラックス感が、そのままリラックしたプレースタイルを引き出します。

それによって、キックの時だけではなく、ドリブルやトラップなどの全てのプレーにおいて3つの作用を起こすわけです。

カーブの蹴り方で特に必要な練習種目は、ワップアップとワップダウンです。

次の動画の0:59からのシーンを参考にしてください。

なお、このトレーニングは下駄を履かずに動きを真似るだけでも一定の効果があります。

ぜひチャレンジしてみてください。

(7)内転筋トレーニング

カーブを蹴る時は、太ももの内側にある内転筋を使います(インステップやインフロントキックではほとんど使わない)。

この部位は太ももの前後の筋肉と比べると、日常生活ではほとんど使わないのであまり発達していません。

そうすると、カーブを練習した時に炎症を起こすなどして故障の原因になることがあります。

そこで、おススメなのが次の動画のような内転筋トレーニングです。

特に回数等の目安はありませんが、中学生以上であれば1セット20回で毎日10~15セット程度で良いでしょう。

※このトレーニングは小学校高学年になってから始めるようにしましょう(1日5セットくらいから)。

動画では100均で購入したゴムボールを使っていますが、別に何を使っても構いません。

4.まとめ

これまで、1.カーブが曲がる仕組み、 2.カーブの蹴り方(フリーキック)、3.練習方法を解説したので、ぜひ練習してください。

また、海外のトップ選手の蹴り方で現在主流なのは、メッシのようにボールスピードが速くて鋭く曲がるカーブでしたよね。

その際、カーブを蹴って大きく曲げたいという子供は多いでしょうが、やはり次の3つの点でメッシの蹴り方を覚えた方が良いでしょう。

1.メッシのカーブが世界的に主流な蹴り方。
2.胴長短足で低身長という日本人の体型に合った蹴り方。
3.全身を使った蹴り方。

ぜひ、こうした蹴り方を覚えて、自分の武器にしてください。

【画像引用:Youtube.com