(2)プレスからの蹴り分け
インサイドキックの蹴り分けが出来るようになったら、今度は2人1組になって相手のプレスを想定してみましょう。
蹴り分ける要領は、利き足側も軸足側も、先ほどの蹴り分けと同じです。
ただしプレスを受けると慌てやすいので、最初のうちはツータッチ(止めてから蹴る)でも良いですが、慣れて来たらワンタッチにしましょう。
蹴り方のポイントは、次の3つです。
① 軸足(立ち足)をリラックスする。
そうすることで、トラップと蹴り分けがスムーズになります。
② プレスに来る相手を出来るだけ引き付ける。
相手との間合いを取りながら慌てないようにしましょう。ドリブルの時にフェイントを使って相手を抜くようなイメージと同じです。
③ ボディコンタクトの直前で身体の向きを作る
体の向きを作るときはタイミングが大切です。
最初から蹴る方向を向いていると、相手にパスコースが見破られてしまうので、相手がコンタクトする直前で体の向きを作ってください。
なお、この時にパスをしないでドリブルを仕掛けることも出来ます。
パスからドリブルの切り替えは、コーディネーション能力(変換能力)の一つです。遊び感覚で子供にやらせると、こうした切り替えが簡単に身に付きます。
そうは言っても、最初のうちはプレスを受けて慌てるので、なかなか上手く出来ません。
そういう時は間接視野を使って、ボール、相手、蹴る方向を見るようにしましょう。
慣れてくれば、意外と簡単に出来るようになりますよ。
ちなみに、この練習は二人でやる鳥カゴみたいなものです。
ぜひ参考にしてください。
(3)マト当て
この練習は、インサイドキックで、狙ったところに正確に蹴れるようになるのが目的です。
試合中でもパスの精度は重要ですし、インサイドを使ってシュートすることも多いです。
その場合、最初のうちはゆっくり蹴っても良いので先ずは正確さを重視して練習してください。
慣れて来たら、徐々に蹴るスピードをアップすれば良いだけです。
この時に大切なのが、ボールの軌道を正確にイメージすることです。
例えば、地面に見えない線をイメージするだけでも、かなり効果的です。
U13やU12であれば、10m程度の距離はピンポイントで当てましょう。小学校低学年であれば、3~5mくらいで十分です。
「とも」は、小1のころに3メートルの距離から始めました。
幼稚園や保育園、小学校低学年までは遊び感覚でやっても良いでしょう。例えば、ペットボトルをボウリングのピンの代わりに並べて、当てたりするのも面白いですね。
夢中になって遊ぶうちに、インサイドキックのコントロールを覚えるのも良いと思います。
ちなみに、ブラジルの子供たちも似たようなことをしていました。
また、単にマト当てするだけではなく、試合を想定したイメージ練習も可能です。
例えば、次の図のようにCとDにマーカーやコーンをおいて、AからBにパスを出すという練習も良いでしょう。
この時に大切なのが、人ではなく「スペースにパスを出す」という意識です。
テレビなどで見た試合中のパスのシーンを思い出しながら、マーカーやコーンの位置を変えて練習をすると、もっと効果的なトレーニングが出来ると思います。
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4.まとめ
日本では、Jリーガーでも日本代表でも、いまだにパター型の間違ったインサイドキックを蹴る選手が多いです。
これは、子供の頃に教えられた指導が原因です。
パター型の特徴は、
①軸足を蹴る方向に向ける。
②股関節を使って蹴る。
③パス&ゴーがやり難い。
これでは、いつまで経っても海外のサッカーに追い付きません。
正しいインサイドキックの特徴は、
①軸足をやや内側に向ける。
②体幹ひねりを使って蹴る。
③パス&ゴーがスムーズ。
海外の選手の多くは、このような蹴り方をしています。
日本はサッカー後進国なので、ぜひ海外のサッカー選手の蹴り方を見習って、正しいインサイドキックを覚えましょう。
一方、インサイドキックの練習法は3つのメニューを紹介しましたが、私が30年前に過ごしたブラジルでも基本的なトレーニングばかりでした。
ブラジルは日本と比べるとサッカー強豪国ですが、基礎と基本はどの年代でもきちんと練習します。
基本を大切にするからこそ、サッカーが上手くなるのです。
ぜひ、こうした基本の練習を大切にしてください。
そうすることで、インサイドキックが上手くなるのです。