【ループシュートとチップキックの違い】
(1)チップキックとは
チップキックは、次のようにゴールキーパーの直前でボールを浮かしてゴールを決める蹴り方です。
この場合、ループシュートと比べると同じようなキックに見えますが、蹴り方やシュートのタイミングなどは全く違います。
またチップキックの方がはるかに難易度が高いため、ループシュートは蹴れてもチップキックは蹴れないという子は多いです。
そもそもループシュート(Loop-shot)の語源は「輪」とか「回る」というもので、「(虹のように弧を描いて)大きく回る…」というようなイメージがあります。
これに対してチップキック(chip-kick)の語源は「小さい物」とか「かけら」というもので、「ちょこん!」というようなイメージがあります。
つまり2つの蹴り方は、海外では別の物として扱われているわけですね。
そうした意味ではきちんと区別した方が良いでしょう。
それでは、次にループシュートとチップキックの違いを解説します。
(2)2つのシュートの違い
①ボールの軌道とゴールキーパーとの位置関係
2つのシュートの最も大きな違いは、ボールの軌道とゴールキーパーとの位置関係です。
ループシュートはペナルティーエリアの外などの遠い場所から蹴るため、インフロントキックのように飛距離が長くなり、ボールが弧を描く軌道になります。
この場合、どうしてもキックモーションが大きくなるので、いったん止まるかまたはドリブルスピードを落としてから蹴ります。
そうするとチップキックのように、トップスピードのドリブルから蹴ってゴールキーパーの目の前で突然ボールが浮く…というのは、ほぼ不可能です。
これに対して、チップキックはトップスピードのドリブルから、そのままシュートを打てるという特徴があります。
また蹴った直後にボールが急激に浮きますが、ドライブ回転を掛けるので飛距離は短くすぐに落ちて来ます。
その理由は蹴る場所がゴールのすぐ近くであることから、クロスバーを越えないためです。
②チップキックに必要なスキル
チップキックはループシュートと違って、膝抜きと足の指のバネという2つの特殊なスキルが必要です。
膝抜き
チップキックを蹴る時は、膝抜きを使ってボールを高く浮かせます。
この膝抜きは古武術のテクニックですが、その特徴は膝と股関節の脱力です。
このテクニックはシャペウなどにも応用できますが、そもそもこの膝抜きが出来ない限りチップキックは蹴れません。
足指のバネ
チップキックでボールを跳ね上げる時は、先ほどの膝抜きと合わせて足の指のバネも必要です。
そこで、次の動画のように足の指を鍛えましょう。
チップキックの3つのコツ!メッシのように蹴る方法とは?
ちなみにループシュートは、こうした2つのスキルがなくても蹴ることが出来ます。
そうした意味で、チップキックに比べると難易度はかなり低いでしょう。
ぜひ練習して上手くなってください。
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【まとめ】
これまでループシュートのコツ、蹴り方、チップキックとの違いについて、いろいろと解説してきました。
その際、ループシュートを決めるコツは、先ずはゴールキーパーの立ち位置とシュートコースをきちんと確認することです。
また蹴り方としては、すくい上げるように蹴ったり、インフロントキックのように蹴ったりするのが比較的簡単です。
これらが出来るようになれば、小学校低学年でも十分試合で使えます。
でもジュニアユース年代になったら、Jリーガーのようにカーブ回転やアウト回転を掛ける蹴り方を覚えましょう。
これに対してチップキックはループシュートと同じようなキックに見えますが、蹴り方やシュートのタイミングなどは全く違います。
そこで2つの蹴り方の違いを理解しつつ、たくさん練習して上手くなりましょう。
ぜひ多くの子供たちがループシュートを上手く蹴れるようになるのを願っています。