ブラジルでのコーチの経験を活かして、 サッカー未経験の方にも分かりやすく科学的で正しい理論をご紹介します

ミドルシュートの蹴り方とシュートコースの狙い方!

ミドルシュートはペナルティーエリアの外側あたりから蹴る長い距離のシュートです。

その際、特に大切なのがシュートコースの狙い方です。

そこで今回はミドルシュートの蹴り方とシュートコースの正しい狙い方を解説します。

スポンサーリンク

1.ミドルシュートの基本

(1)ミドルシュートとは?

ミドルシュートは、特に決められた蹴り方はないのでどのように蹴っても構いません。

例えば、インステップキックであればグラウンダーでもボールを浮かせても良いですし、ボレーシュートでもループシュートでも何でも良いのです。

この場合に絶対にやってはいけないのが、ゴールの枠を越えてふかしたり届かなかったりすることです。

また枠に向ってシュートを打ったとしても、ゴールキーパーの正面近くなどシュートコースが甘いと簡単にセーブされてしまいます。

そうした意味でミドルシュートを蹴る時に大切な点が3つあります。

① キック力
② ボールコントロール
③ シュートコース

そこで、この3つについて順に解説します。

(2)ミドルシュートに必要な3つのテクニック

① キック力

ミドルシュートは長い距離を蹴るので、キック力を付けるのが絶対条件です。

またペナルティーエリアの外からのシュートを想定すると、小学校高学年は15m(低学年は10m)、中学生以降は20m以上の距離を蹴れる必要があります。

その際、助走をたくさん取っていたらシュートチャンスを逃してしまうので、次のようにぜひ一歩の踏込で蹴れるようにしましょう。

この場合、コンパクトに蹴るとかフォロースルーを大きくする…などという誤ったネット情報もありますが、それではキックの威力が半減します。

そうした意味でも、必ず一歩の助走で先ほどの距離を蹴れるようにしましょう。

またキック力の付け方をネットで検索すると「勢いよく助走、膝から下を強く振る、フォロースルーを大きく、蹴った後に上体をかぶせる、あごを引く」などのいい加減な情報が氾濫しています。

こうしたものは所詮キックフォームの微調整でしかないので、ほとんど効果はありません。

そもそもキック力を付けるためには、次の2つの仕組みをきちんと理解すべきです。

A.パワーを生み出すのは、足の重さや筋力。
B.スピードを引き出すのは、縦回転の遠心力。

そのうえで大切なのは、

A.全身を使った蹴り方を覚える。
B.その後、キックフォームの細かい点を微調整する。

また全身を使った蹴り方とは、縦回転の遠心力を大きく速くしてスイングスピードをアップすることです。

その際の練習法としては次の3つが効果的です。

A.スイングスピードを速くする
B.筋トレ
C.ストレッチ

※キック力を付けるための科学的で正しい練習法を詳しくお知りになりたい方は、ぜひ次の記事をお読みください。
サッカーのキック力をつける練習法!全身を使う蹴り方とは?

② ボールコントロール

キック力があって長い距離を蹴れたとしても、実際に蹴って見ないとゴールが決まるかどうか分からない…というのでは全く意味がありません。

とても厳しい言い方ですが、その程度では通用しない…と考えた方が良いでしょう。

その場合に必要な技術は、狙ったところに正確に蹴れるスキルです。

例えばインステップキックでミドルシュートを打つとしたら、体育会TVのキックターゲットのように、いろいろな場所に同じキックフォームで自由自在に蹴り分けられるようにしましょう。

ちなみにブラジルの子供たちは、このような長い距離のキックをよく練習していました。

ただし、バックスピンが掛かるとバーを越えてしまう恐れがあるので、必ず無回転の蹴り方を覚えてください。

もちろんインステップキックだけではなく、カーブやアウト回転などの蹴り方も覚えましょう。

※キックのボールコントロールが上手くなるための練習法を詳しくお知りになりたい方は、ぜひ次の記事をお読みください。
サッカーのキックが上手いとは?本当に上手くなる練習法!

③ シュートコース

キック力が付いてボールコントロールが良くなったとしても、実際に蹴る時はシュートコースをきちんと見極める必要があります。

この場合、ゴールに近い場所から蹴るのであれば、多少シュートコースが甘くても入ることはよくありますよね。

その理由はそもそもゴールに近いので、いくら反応の良いゴールキーパーでもセーブするのが遅れるからです。

これに対してミドルシュートは遠い距離から蹴るので、ゴールに届くまでの時間がやや遅れます。

例えばペナルティーエリア内で10mの短い距離を時速100㎞のキックで蹴った場合のボールの速度は0.36秒ですが、20mの長い距離のミドルシュートであれば倍の時間がかかります(0.72秒)。

その一方でキッカーが正確に蹴ったとしても、ゴールキーパーにとってはシュートコースが見やすいので、よほど強いキックを蹴らない限りキーパーにセーブされてしまうのです。

つまり何の工夫もなく蹴るだけでは、キーパーにとってはシュートコースが分かりやすいわけですね。

そうした時に大切なのが、シュートコースをどのように狙えば良いのか?という点です。

そこで次に、この点を詳しく解説します。

スポンサーリンク

2.シュートコースの狙い方

ここではシュートコースの狙い方について、難易度順に次の2つの蹴り方を解説します。

(1)ブラインドを狙ったグラウンダーのシュート
(2)ゴールの上の両角を狙った浮き球

(1)ブラインドを狙ったグラウンダーのシュート

① ブラインドのシュートとは

ミドルシュートはゴールまでの距離が遠く、その分だけゴールキーパーがシュートコースを見抜きやすいので、何の工夫もなしに蹴ると簡単にセーブされてしまいます。

そもそもGKがシュートコースを判断する時は、キッカーの体や軸足の向きを見つつインパクトの瞬間に最終的に方向を見極めるので、そうした意味ではなるべくシュートモーションが見えない蹴り方が望ましいです。

その一方で育成年代の子供たちはプロのようにキック力が強くないですし、ボールコントロールも今一つです。

そこで、先ずは比較的難易度の低いブラインドを狙ったシュートを覚えましょう(インステップキックで無回転のボールが蹴れれば大丈夫です)。

ブラインドとは、キーパーから見て相手ディフェンダーなどが壁のようになってしまい、シュートコースが見え難くなる状態です。

例えば次のような状態でキーパーがシュートコースを判断できるのは、ボールがブラインドを通過した時です。

そうすると蹴った場所が遠くても、キーパーにとってはゴール近く(ボールがブラインドを通過した地点で初めてボールが見える)から蹴ったのと同じ状態になるわけですね。

これはフリーキックを蹴った時のように、キーパーにとってはボールが壁の頭上を越えた時に始めてシュートコースが分かるのと同じです。

そこで、次にブラインドを利用したミドルシュートの具体例をあげながら、シュートコースの狙い方を詳しく解説します。

② シュートコースの狙い方

ブラインドを狙う時は次の2つの点に注意してください。

A.ゴール正面から蹴る

ゴール正面から蹴る理由は、右サイドや左サイドからでは距離が遠くなるため、キックがゴロになった場合にゴール手前で失速してしまうからです。

B.グラウンダーか腰の高さくらい(どんなに高くても頭よりも下)の低いシュートで蹴る。

低いシュートを蹴る理由は、頭上を越えるような高弾道ではキーパーにシュートコースが見えてしまうので、ブラインドの意味がなくなるからです。

そこで、こうした2つの点に注意しつつ、次のようにニアサイドとファーサイドに蹴り分けられるようにしましょう。

動画の冒頭でコウチーニョのミドルシュートのシーンがありますが、これはゴロのボールではなくピッチから10~20㎝程度浮いた無回転のシュートです。

こうしたボールは下振れしやすくゴールラインの手前で大きくバウンドするため、GKはセーブし難くいのです。

またここでもブラインドを利用して蹴っていますが、キーパーが反応したのはボールがブラインドを通過してからなので、セーブしようとしても間に合いません。

さらに相手のディフェンスラインがペナルティーエリアまで下がると、ゴール正面のペナルティーアーク(ペナルティーエリアの正面の半円形の場所)の付近は、ノーマークになりやすいです。

その理由は、ディフェンダーがペナルティーエリア付近にいるFWやSHなどをマークしようとするからです。

そうした意味で小中学生の育成年代の子供たちは、この付近にポジションを取って、先ずはブラインドを狙ったグラウンダー(または腰の高さくらい)のミドルシュートを覚えた方が良いでしょう。

ちなみに、ブラジルの子供たちのミドルシュートも、先ず最初にこうした蹴り方を覚えます(GKの嫌がる蹴り方を覚える)。

さて次は、(2)ゴールの上の両角を狙った浮き球について解説しします。

ゴールの上の両角のシュートコース狙ったミドルシュートはかなり難易度が高く、プロの蹴り方を見てもカーブやアウト回転、無回転などのシュートが多いです。

特徴的なのがキーパーの立ち位置を見て、ファーサイドを狙うことですね。

例えば、右利きの選手が左サイド寄りからファーサイドを狙う場合はカーブ回転を掛け、その反対に右サイド寄りから蹴る場合はアウト回転を掛けます。

また真っ直ぐ蹴る場合はファーサイドに無回転のブレ玉を蹴ることが多く、その理由はキーパーがシュートコースに反応出来たとしてもブレ玉はセーブし難いです。

もちろんニアサイドを狙って蹴ることもありますが、その場合はキーパーがセーブしやすいので、かなりのキックスピードが必要になります。

そうした点で育成年代の子供たちのキック力を現実的に考えた場合、やはりファーサイドを狙った方が良いでしょう。

こうした蹴り方はたしかに難易度が高いですが、次の動画のようにインステップキックの蹴り方を少し工夫すれば、カーブやアウト回転、無回転のキックが蹴れるようになります。

この場合、ふつうのインステップキックであればボールの中心軸に向って真っ直ぐスイングすれば無回転のキックになりますよね。

ところが、スイング方向を左右にずらすとカーブやアウト回転を簡単に掛けることが出来ます。

ただしアウト回転はなかなか回転が掛かり難いので、フィニッシュで体を回転させるようにしてください(スネの筋力の補強も必要)。

こうしたカーブやアウト回転はフリーキックのように大きく曲げる必要はないので、20~25m程度の距離であればだいたい70~80㎝程度は曲がります(ただし急速が遅いと曲がらない)。

そこで実際に蹴る時はゴールポストに当てるつもりで狙うと、ちょうど良く曲がってゴールに入りやすいです。

もちろんカーブやアウトフロントキックが蹴れる場合は、ボールをもっと大きく曲げられるので、それに越したことはありません。

なお、ボレーシュートやループシュートも浮き球なので、これまで解説したとおりのシュートコースを狙った方が良いでしょう。

以上のように「ブラインドを狙ったグラウンダー」と「ゴールの上の両角を狙った浮き球」の2つの蹴り方を覚えればミドルシュートが自分の武器になります(ただしニアサイドを狙った蹴り方は、キック力を付けてからの方が良いでしょう)。

ぜひたくさん練習して上手くなってください。

3.まとめ

これまでミドルシュートの蹴り方について、いろいろと解説しました。

特にミドルシュートを蹴る時に大切な点は次の3つです。

① キック力
② ボールコントロール
③ シュートコース

このうちの「シュートコース」は、次の狙い方を順番に覚えましょう。

・ブラインドを狙ったグラウンダーのシュート
・ゴールの上の両角を狙った浮き球のシュート

(ニアサイドを狙った蹴り方は、プロ並みのキック力を付けてからにしましょう)

こうしたシュートは一見して難易度が高そうですが、練習すれば必ず蹴れるようになります。

ぜひ多くの子供たちがミドルシュートが上手くなるよう願っています。

【画像引用:Youtube.com