ブラジルでのコーチの経験を活かして、 サッカー未経験の方にも分かりやすく科学的で正しい理論をご紹介します

足が速くなる練習方法!小学二年生が三ヶ月で学年トップ?

小学生はみんな足が速くなりたい、運動会のヒーローになりたいと思っています。

でも、足が遅い…と悩む子供は、体育の時間が大嫌い、どうしたら速くなるのだろう?そんなことばかり考えているのでしょう。

私の息子の「とも」は小学一年生からサッカーを始めましたが、足が遅いことが悩みでした。

そこで足が速くなるため、二年生の三学期からいろいろな練習に取り組んだ結果、三年生になった体力テストで学年トップクラスになり、半年後には運動会のリレーの選手にまで成長したのです。

これはネット上でよくありがちな机上の空論ではなく、親子二人三脚で実践した体験記です。

そこで、今回は「とも」の足が速くなるために、どのような練習をしたのか?について詳しく解説します。

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1.足の遅い小学二年生の三学期

足が速くなるための練習に取り組む前に、先ずは「とも」の足が遅い原因を考えました。

そのうえで効果的なメニューを検討したのです。

(1)足が遅かった原因

「とも」の足が遅かった原因は、大きく分けて二つありました。

①短距離走に向いた走り方ではない。
②身体能力が低い(スピード、敏捷性、俊敏性が欠けている)。

次の動画は小二の三学期のころの走る様子です。

「とも」の左側を走る子供と比べると、上体が立っているので前傾姿勢ではありません。

どちらかと言うと長距離走のような走り方です。

これでは、頑張っているけど足が遅い…、そうした走り方になっていたのです

(2)練習メニューの検討

足が速くなるために、3つのポイントに着目して練習メニューを組みました。

①スタートダッシュ

サッカーの試合では10m程度の短距離ダッシュを繰り返します。

そのためにはスタートダッシュを速くする必要があります。

また短距離走においても、スタート直後にスピードに乗って速くなれば、後は中間走とフィニッシュだけです。

そうした意味で、スタートダッシュは足が速くなるための最初の関門だと思います。

一方、サッカーでも短距離走でも使えるスタートダッシュの方法とは何か?
そのための正しい走り方は何か?

こうした点を模索しながら、足が速くなるための練習メニューを検討しました。

②身体能力の改善とナンバ走法・フラット接地で足を速くする

サッカーはピッチ走法が主流ですが、単に走るだけでは試合の後半でスタミナ切れを起こします。

また短距離走でも後半に疲れて追い抜かれてしまいます。

そうすると、いくらスタートダッシュを速くしても、途中で遅くなってしまってはダメなのです。

こうした問題はナンバ走法とフラット接地という、体力の消耗を抑える走り方を身に付けることで解決できます。

そこで身体能力を改善しつつ、ナンバ走法とフラット接地の習得を目指しました。

③目標を決める

実際の練習にあたっては、子供ながらに毎日やることがたくさんあります。

そこで無理をさせないように、目標を短期と長期に分けました。

・短期的な目標(三ヶ月)
小三の一学期の体力テストで学年トップになる。

・長期的な目標(六か月)
二学期の運動会でリレーの選手になる。

先ずは三ヶ月程度の短期目標の達成に向けて、トレーニングを開始しました。

そこで、次からは、「とも」が実践した具体的な練習方法について解説します。

2.スタートダッシュの改善

スタートダッシュの改善のため、次の4つの練習に取り組みました。

(1)スタートダッシュを身に付ける

スタートダッシュは正しいフォームを身に付けることが大切です。

そこでアメリカンフットボールでよくやるスタートダッシュの加速トレーニングを参考にして、同じような練習を続けました。

ポイントは3つあります。
①極端な前傾姿勢を維持する(空気抵抗を減らす)。
②ヒザを交互に真っ直ぐ突き出す(ヒザ蹴りのように)。
③足裏の拇指球を使って地面を蹴る(地面反力を得る)。

このメニューは、一日に10~20回程度でゆっくりやれば十分です。

なぜなら、スタートダッシュのフォームを身に付けるのが目的だからです。

だから速くする必要はありませんし、ゆっくりでも構いません。

このトレーニングの効果を高めるため、次の(2)~(4)までのフォローアップ的な練習も行いました。

(2)骨盤前傾トレーニング

「とも」は姿勢の悪い猫背(骨盤後傾)だったので、スポーツ選手に必要な骨盤前傾に改善しました。

練習期間は三ヶ月程度ですが、一度この姿勢が身に付けば継続する必要はありません。

骨盤前傾は、海外のサッカー選手や陸上選手の特徴的な姿勢です。

特に黒人系のアスリートは、例外なく骨盤前傾です。

これに対して、ほとんどの日本人の骨盤は前傾していません。

そうした意味で骨盤前傾トレーニングは、足が速くなる方法として、とても効果的なメニューです。

(3)速く走るための筋トレ

速く走るための筋肉で最も大切なのは、背中、お尻、ハムストリングス、ふくらはぎ(体の後ろ側の筋肉)です。

もちろん大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)も重要ですが、日本人は骨盤が直立しやすいことからこの筋肉が自然と発達します。

そこで大腿四頭筋以外の4つの筋肉に対して、でサッカーの練習の時に、常に次の姿勢を意識させました。

つまりサッカーの練習そのものを、足が速くなるためのトレーニングとして利用したわけですね。

もちろんサッカーをしていない子は、体を動かす時にこの姿勢を意識すると良いでしょう。

このトレーニングは、筋トレと同じような効果があります。

一般的な筋トレと言えばハードな練習をイメージしますが、そうした方法に頼る必要はありません。

実は体の筋肉は、特定の部位(先ほどの、背中、お尻、ハムストリングス、ふくらはぎなど)に意識を集中して動かすだけでもトレーニング効果があります。

例えば、2016年に発表されたデンマーク国立労働環境研究センターとオールボー大学などの研究チームの「プログレッシブレジスタンストレーニング中の意識と筋肉のつながりの重要性」という研究結果によれば、筋トレの際に筋肉の部位を意識すると高い効果が得られたそうです。

また2018年に発表されたアメリカ・ノースウェスタン大学とアリゾナ州立大学などの研究チームの「長期レジスタンストレーニング中の意識集中による異なる効果」という研究結果によっても、同じような効果が得られています

これは現在の筋トレの理論で一般化した、いわゆるマインドマッスルコネクション(MMC)と同じ意味にもなります。

そうした意味では可家具的な検証も得られているので、練習に当たってはぜひ意識しましょう。

ちなみに姿勢の悪い人が背筋をピン!と伸ばすというのは、これと全く同じことです。

つまり背筋が緊張状態になるので、自然な筋トレになるというわけですね。

別の見方をすれば、猫背は姿勢が悪いから…というよりも、背中の筋肉が緊張していない⇒筋力が弱い⇒自然な筋トレをしていないのが原因なのです。

またこの筋トレは、先ほどの骨盤前傾と合わせて取り組んだので速く走る筋肉を鍛えるという点では、かなり効果があったと思います。

ウサイン・ボルトなどの黒人アスリートを見れば分かると思いますが、彼らは速く走るための理想的な体形をしています。

①背中、お尻、ハムストリングス、ふくらはぎが発達している。
②極端な骨盤前傾である。

つまり、筋トレと骨盤前傾はとても関係が深いのです。

ちなみに、この筋トレの練習期間などは特に定めていません。

サッカーでドリブルをする時に「姿勢を低く…」というように声掛けすれば、自然と前傾姿勢が身に付きますし、この姿勢を維持する限り速く走る筋肉も同時に鍛えられる…。ということで一石二鳥なのです。

(4)土踏まずと足指グリップの強化

速く走るうえで意外と見落とされがちなのが、土踏まずと足指のグリップの強化です。

特に「とも」は、偏平足だったので、このトレーニングは効果的でした。

土踏まずのアーチが高くなって偏平足が改善すると、この部分を板バネのように使うことが出来ます。

そうすると、まるで飛び跳ねるように速く走ることが出来るのです。

また足指のグリップは、足首の強化にもなります。

走る時は、足首で全体重を支える必要がありますが、もしも足首が弱いと地面を蹴る力さえも発揮できません。

とても地味なトレーニングですが、足が速くなるためには大切な練習です。

一日あたり5分程度、3ヶ月~半年くらい続ければ十分です。

また自宅内を裸足で過ごす場合は、その後の練習は必要ありません。

さて次は、「身体能力の改善するための練習法」と「ナンバ走法・フラット接地」について解説します。

3.身体能力の改善とナンバ走法・フラット接地

足を速くするための身体能力の改善という点で、次の3つのトレーニングを続けました。

(1)一本歯下駄トレーニングで体のバネを覚醒する

これは、タイツ先生こと吉澤雅之さんが推奨する練習法です。

この練習を続けることで、体のバネ作用が覚醒し、飛ぶ、跳ねる、走るという身体能力がアップします。

足が速くなるためには、体のバネ作用が絶対に必要です。

また、ヒトはこうした体のバネを生まれ付き持っているので、誰でも足が速くなる可能性があるということですね。

一方、このトレーニングは全身をリラックスして行うので、筋トレのような辛いものではありません。

この練習は、小学二年生の三学期から五年生まで続けました。

今では、サッカー向けの練習メニューを組んで、ときどきトレーニングする程度です。

※一本歯下駄トレーニングをもっと詳しくお知りになりたい方は、次の記事をお読みください。

(2)ナンバ走法とフラット接地

速く走れるのに疲労は少ない…、つまりパワーロスが少ないという点で、次の二つの走り方に着目しました。

①ナンバ走法
②フラット接地

※ナンバ走法とフラット接地を詳しくお知りになりたい方は、次の記事をお読みください。

ナンバ走法とフラット接地は一本歯下駄トレーニングを続けることで、自然と身に付きます。

ただし、フラット接地は腸腰筋を鍛える必要があるので腸腰筋トレーニングもやりました。

(3)腸腰筋トレーニング

このトレーニングの目的はも足の筋肉(大腿四頭筋)と腸腰筋を連動させることです。

そうすると、腸腰筋をまるで足の一部のように使うことが出来ます。
つまり、足が長くなったように自然とストライドが伸びるのです。

ただし、このトレーニングの負荷はかなり高いです。

「とも」は小学三年生の一学期から始めましたが、出来るだけ小学校高学年から開始した方が良いでしょう。

ちなみに、このトレーニングは今でも続けています。

※動画中では「大腰筋」と表示してありますが、腸腰筋と読み替えてください

このトレーニングによって、足の筋肉(大腿四頭筋)と腸腰筋が連動するようになります。

そうすると、足の筋肉と腸腰筋の伸長収縮反射が起こります。

次の画像をごらんいただくと良く分かると思います。

①地面を蹴った時→足の筋肉と腸腰筋が伸びる。
②伸びた筋肉と腸腰筋が縮む時に自然と足が前に出る。

これは、必死に頑張って走る!という、従来の走り方とは全く違います。

むしろ走る時はほとんど力を入れず、足の筋肉と腸腰筋の伸び縮みだけで自然と足を前に出すわけですね。

先ほど解説したフラット接地が、まさにこのことです。

この点については、次の動画の7:15から、タイツ先生が詳しく解説しています。

※腸腰筋トレーニングを詳しくお知りになりたい方は、次の記事をお読みください。

実は、これまで常識とされていた頑張って速く走る!という発想は、陸上競技の世界ではもはや時代遅れです。

むしろ、最新の科学を勉強した方が足が速くなるわけですね。

さて、これまで足が速くなるための練習方法として、スタートダッシュの改善、身体能力の改善、ナンバ走法・フラット接地についてご紹介しました。

そこで次に、この練習を続けてどのような成果があったのか?を解説します。

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4.足が速くなる練習の成果

小学二年生の三学期から続けた練習で、最初に効果が見られたのは、三年生の一学期の新体力テストです。

さっそく、短距離走、シャトルラン、立ち幅跳びで学年トップになりました。

ちなみに、立ち幅跳びは、六年生の全国平均を上回る170㎝以上を飛んでいました。

つまり走るスピードだけではなく、跳躍力も加わったわけですね。

足が速くなる練習を開始してから三ヶ月程度ですが、先ずは短期目標の達成です。

「とも」は誰よりも足が速い!という自信を持つようになりました。

その後、夏から秋にかけてさらに足が速くなりました。

(1)スタートダッシュが速い

小三の夏休みのサッカー大会で、「スタートダッシュの改善」の成果が見られました。

次の動画では、右足のトラップ直後の左足のワンタッチから、素早いスタートダッシュで、相手チームの六年生を振り切った様子が分かり分かります。

ここでは、2つの特徴的な動きが見られます。

① 両手をバランサーに使う

肩甲骨を脱力して、両手がやじろべえのようなバランサーになっています。

このバランサーとは、両手を広げて前後に大きく振って、腕の重さを腕振りの遠心力のパワーとして利用することです。

そうすることで、リラックスした自然な腕振りが出来るようになります。

また自然な腕振りは、速く走るためには必要なことです。

なぜなら、一生懸命に腕振りをするとムダな力が入ってしまい、速く走るためのパワーがロスしてしまうからです。

足が速くなるためには頑張り過ぎるのではなく、むしろリラックスが必要なのです。

ちなみにこうしたバランサーの動きは全身の骨格と筋肉の連動によるもので、一本歯下駄トレーニングの効果が高かったと言えます。

② 前傾姿勢でスタートダッシュ

体を前に倒しながら、低い前傾姿勢でスタートダッシュしています。

一本の棒のような姿勢でスタートしている様子を見ると、地面反力をきちんと利用していることが分かります。

最初の一~二歩で爆発的な加速をして、トップスピードに乗ってしまうという走り方をマスターしました。

まさに短距離走の走り方であり、サッカーで必要なピッチ走法(小刻みなステップから直ぐにトップスピードに乗る)も身に付いたのです。

(2)ナンバ走法とフラット接地の習得

小学三年生の運動会で、リレーの選手に選ばれました。

また、この時点でナンバ走法とフラット接地の習得という成果も見られました。

次の動画でオレンジの3番が「とも」です。

0:59からのシーンを見ると、前を走る子供に比べて頭の上下動がなく上体もぶれていません。

この走り方はナンバ走法と言い、ムダな体力を消耗しないので疲れにくく、後半になってもスピードが落ちないという特徴があります。

一本歯下駄トレーニングを続けると、このような省エネ型の走法が身に付きます。

だから、短距離走の後半でもスピードが落ちないのです。

実は20年以上前の日本の陸上選手の走り方は、後半にスピードが落ちてしまうのが大きな問題でした。

ところが現在では、ナンバ走法とフラット接地を取り入れる選手が多くなりました。

その結果、
①速く走れて、後半もスピードが落ちない。
②疲れないので、後半も加速できる。

あなたは未だ「気合いを入れて歯を食いしばり、一生懸命に頑張れば速くなる…」なんて根性論を信じているのでしょうか?

そんな時代遅れの考えは、もう止めましょう!

(3)ナンバ走法とフラット接地の進化

小学五年生の運動会のリレーの時は、ナンバ走法とフラット接地が進化して、さらに速くなりました。

次の動画で白いゼッケンの14番が「とも」です。

先ほどの三年生の頃の走り方と比べると、さらにリラックスしていて、力感が全くありません。

まるで、ジョギングのような走り方です。

それなのに、後ろから追いかけて来る、赤の18番の生徒をぐいぐいと引き離します。

まさに足が速くなった!のを実感した瞬間ですね。

5.まとめ

これまでの解説を一通りまとめると、次のとおりです。

最初に2つの点に着目して、練習に取り組みました。
(1)スタートダッシュの改善。
(2)身体能力を改善してナンバ走法・フラット接地を身に付ける

また、練習メニューで、特に大切にしたのは次の二つです。
(1)辛い走り込みは絶対にやらない。
(2)正しい走り方を徹底的に覚える。

足が速くなるためには、最短でも三ヶ月くらいの時間が必要です。

でも、「とも」は必ず足が速くなる…と私を信じて一生懸命に練習しました。

その結果がきちんと出たことは、私は親として嬉しく感じています。

そもそもスポーツには、素質、才能、年齢などは一切関係ありません。

身体能力が高いとか低いとか、運動神経が良いとか悪いとか、そうしたことで悩む必要はないのです。

子供は無限の可能性を持っていますし、その可能性を引き出すのは親の役目です。

正しいトレーニングと努力をすれば、いつ始めても必ず足が速くなります。

さらに大切なことはただ一つ!

やるかやらないか!だけです。

あれだけ鈍足だった「とも」が、これほどまでに足が速くなったのです。

他の子供に出来ないはずはありません。

ぜひ、あなたの子供さんの足を速くしてあげてください!

【画像引用:Youtube.com