ブラジルでのコーチの経験を活かして、 サッカー未経験の方にも分かりやすく科学的で正しい理論をご紹介します

サッカーボールの蹴り方に正解はない!ブラジルと日本の違い

【シュートとパスの蹴り方の違い】

ブラジルでは、日本のような口うるさい指導を嫌うので、あまり難しいことを言っても聞いてくれません。

だから、過度に干渉するよりも自由にプレーさせることを優先します。

そうするとシュートやパスが、創造性にあふれた自由で多彩な蹴り方を覚えるようになるのです。

(1)シュートの蹴り方

日本のシュートの基本は、インステップキックで蹴ること…と考える指導者はかなり多いと思います。

もちろん、そのようには考えていないという人もいるでしょうが、実際にはそうなっています。

例えば次の動画のように、プロのシュート練習においてもほとんどの選手がインステップを使っていますよね。

これではシュートの練習というよりも、インステップキックの技術練習が目的になっています。

ところがブラジルでのシュートの考え方は、「ボールをゴールの枠に向って蹴る」ということです。

また、キックフォームの制約がないので、インステップでもインサイドでもアウトサイドでも、どのように蹴っても良いのです。

これは、シュートの目的が点を取るため…という考え方があるからですね。

つまり点が取れれば何でも良いのです(日本では受け入れられないようですが…)。

例えば、元日本代表監督のジーコは、現役時代にカーブやアウト回転などの変化球のシュートが多かったですし、ロベルト・カルロスは弾丸シュートやアウトフロントで蹴ることが多かったです。

先ほどのオスカルは、何と言ってもトーキックですね。

こうした個性的なシュートは教えられて身に付けたものではなく、自分でいろいろと試してみて自分に合った蹴り方を覚えたのです。

実際の指導現場でも、口うるさく言いませんし、難しいことはあまり教えていません。

やはりこうしたブラジルの考え方の背景には、シュートの目的は点を取ること!という発想が根付いているからでしょうね。

ちなみに、日本ではシュートをしないと得点にならない…ということで、シュートすること自体を評価する傾向があります。

だから、少年サッカーの試合でもシュートをたくさん打ちますよね。

でも、これではシュートの大安売りです(笑)。

なぜなら、単にシュートを打つだけであって、枠に入れるとか点を取るため…という考えが根いていないわけですね。

例えば、日本代表の試合では、よくバーを超えてしまうシュートがありますが、ブラジルでは基本が出来ていないということで、とても恥ずかしいプレーとされています。

たぶん、あなたも似たようなシーンを何度も目にしたはずです。

その原因は、日本のシュート練習が単なるキックの技術練習でしかなく、ブラジルのシュート練習は点を取るための練習というように、練習の時点からお互いの国の発想が全く違うからですね。

だから、実際の試合でのシュートがなかなか入らない…ということで、得点力不足に陥るのでしょう。

要するに、日本とブラジルではシュートの考え方が根本的に違うのです。

(2)パスの例

日本のパスの基本は、インサイドキックを蹴ること…という指導が多いです。

これは先ほどのシュート=インステップキックというのと同じ考え方ですね。

そうすると、パスは単なるインサイドキックの技術練習になります。

ところが、ブラジルでのパスの基本は、「味方にボールを運ぶ」ということです。

もちろん、キックフォームなどの制約はありません。

だからインステップでもインサイドでもアウトサイドでも、どのような蹴り方でも良いのです。

この点はシュートと全く変わりません。

また、ブラジルで特徴的なのは浮き球のパスをよく使うことですね。

例えば次の動画のマルセロのように、シャペウのようにして相手の頭上を越えるパスはかなり多いです。

ところが、日本ではボールを落ち着かせるということで、グラウンダーのパスが多くなりますし、指導者自身も先ほどのマルセロのようなパスを嫌うようですね。

その理由は、パスの受け手がトラップし難いからです。

つまり、日本ではパスの受け手が優遇されるわけですね。

ところがブラジルでは、味方にボールを運べるのではあればパスは何でも良いのです。

またトラップするのは受け手の責任であって、出し手はやり難いパスを出したことについては問われません。

こうした何でもありという発想は、シュートを打つ時と全く同じですね。

だから、ブラジルのパスは多彩で創造性のある蹴り方が多くなるのです。

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さて、次は私が息子に教えたブラジル仕込のボールの蹴り方について解説します。

私がブラジルで学んだ教えも数多く含まれているので、ぜひ続きをお読みください。

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