ブラジルでのコーチの経験を活かして、 サッカー未経験の方にも分かりやすく科学的で正しい理論をご紹介します

ステップオーバ―(サッカー)の2つのコツとオコチャダンス!

日本人のステップオーバーは、シザースと同じように足を振り回すだけのやり方になっています。
足の力に頼った方法では、フェイント動作が小さくスピードも遅いです。
だから子供たちも試合では、あまり使いません。

そこでお手本にしたいのが、オコチャダンスで有名な元ナイジェリア代表のジェイジェイ・オコチャのステップオーバーです。
実はオコチャのテクニックには、ステップオーバーのコツが隠されています。

そこで今回は、正しいステップオーバ―のやり方とコツを詳しく解説します。

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1.日本人とオコチャのステップオーバーの違い

(1)日本人のステップオーバー

ほとんどの日本人のステップオーバーは、足を外から内にまたぐだけです(膝から下をチョコチョコ動かすだけ)
次の動画の実演者の背中を見ると、STAFFという文字がハッキリ分かりますよね。
これは何を意味するのかというと、上半身をほとんど使ってないということです。
もしも上半身の背骨のバネや筋肉を使っているのであれば、背中の文字が読めないくらいにジャージがしわくちゃになるはずです。

これでは棒立ちの状態でプレーするのと同じですし、上半身が重りのようになってしまいます。
ヒトの上半身と下半身の体重比は6対4なので、体重が60㎏の人だったら36㎏の荷物(上半身)を背負って、一生懸命ステップオーバーをするのと同じです。
そうすると、下半身にはかなりの負担になるのでスピーディーに動けません。

こちらの動画の実演者は、先ほどの動画の人よりもさらに重たそうな動きをしています。
単に足を動かしているだけ…、というのが分かると思います。
このように足だけを動かしていだけでは、何のフェイントにもなりません。

このようにフェイントが小さいという特徴は、子供たちにも見られます。
次の動画は、どこかのクラブか少年団の子供の練習の様子です。
これほどまたぐステップが小さいと、やはり上半身は使っていないのではないか?と想像が付きますね。

それでは、次にジェイジェイ・オコチャの動きを見てみましょう。

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(2)オコチャのステップオーバー

次の動画は、オコチャダンスと言われるステップオーバーを変形させた独特のフェイントです。
ここで着目していただきたいのが、背番号の10の文字です。
ユニフォームがしわくちゃになっているので、かなり見づらくなっていますが、これは上半身の背骨のバネや筋肉をたくさん使っている証拠です。
黒人特有の、しなやかで柔らかい動きが見られますね。

黒人はよく身体能力が高いと言われますが、これは上半身の背骨のバネ作用や体幹を効果的に使っているからです。
つまり、全身を使ってプレーしているのです。
そうすると全身を使った動きを参考にすれば、ステップオーバーのフェイント動作も大きくなってスピードも速くなるというわけです。

そこで次に、オコチャのステップオーバーを参考にして2つのコツを解説します。

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2.ステップオーバーの2つのコツ

ステップオーバーのコツは、2つだけです。
一つ目は体幹ひねり(筋肉の伸張反射)。
二つ目はワップダウンとワップアップ(背骨のバネ作用)。
こうした筋肉の伸張反射と背骨のバネ作用を使うと、プレーのパフォーマンスがアップします。
また、この2つの動作を覚えると、フェイントが大きくなってスピーディーに動けます。
これはスポーツ科学の最新理論なので、ぜひ覚えましょう。

※伸張反射とバネ作用を詳しくお知りになりたい方は、次の記事をお読みください。
伸張反射でサッカーのプレーが劇的に改善!最新理論で解明
体のバネ作用でサッカーがレベルアップ!【最新理論で解明】

そこでこの2つのコツを順次解説しましょう。

(1)ステップオーバーのまたぎ動作と体幹ひねり

次の動画は、私の息子「とも」の実演です。
前半のシーンのまたぐ動作は、体幹ひねりを使っています。
その理由は、フェイント動作が大きくなるからです。
まるでやる気がないようにも見えますが、上半身の体幹を効果的に使うためには、このような全身のリラックスが大切です。
こうすることでボールをまたぐ動作が大きくなって、フェイントが効果的に使えるようになるのです。

体幹ひねりは、次の動画の体操を参考にしてください。
上半身と下半身を逆にひねるだけなのでとても簡単です。

(2)ステップオーバーのフェイント

先ほどの動画の後半のシーンに出て来る、ステップオーバーのまたぎからアウトサイドで抜くまでの一連の動きを詳しく説明します。
先ほどの体幹ひねりと合わせて、背骨のバネ作用(ワップダウンとワップアップ)にも注目してください。

先ずアウトのドリブルで前進します。

アウトのドリブルで前進

最初に一回目の体幹ひねりです。
上半身と下半身を回転させることで、腹斜筋、腸腰筋、大腿四頭筋などをひねっています。
そのためこれらの筋肉が急激に伸びています。

一回目の体幹ひねり

次に二回目の体幹ひねりです。
このシーンはボールをまたぎ始めるところですが、先ほど伸ばした筋肉群が急激に縮まっています。
このような筋肉の伸び縮みを伸張反射と言い、まるでゴムのような使い方が出来るのです。
こうした筋肉の伸張反射を上手に利用すると、動きが大きくなって速いフェイントが出来るわけです。

二回目の体幹ひねり

このシーンでも、先ほどの二回目の体幹ひねりが続いています。
またここでは、新たにワップダウンの動きが加わりました。
ワップダウンとは、背骨のバネ作用を使うための準備動作です。
簡単に言えば、背骨を板バネのように縮める動きですね。

二回目の体幹ひねりの継続とワップダウン

ここではワップダウンの動きがピークになっています。
つまり背骨のバネが最も縮んだので、ここから大きな反発を生むのです。

ワップダウンの動きがピーク

このような低い姿勢は、ネコ科の動物が獲物を狙う時の体勢と同じです。
ネコは猫背で姿勢が悪いとよく言われますが、実はそうではありません。
背中を丸めるのは、背骨のバネを縮めた反発力を利用して素早く動くためなのです。

猫が獲物を狙う様子

さて、ここでは三回目の体幹ひねりになります。
やはり上半身と下半身を回転させることで、腹斜筋や腸腰筋などを急激に伸ばしています。
また合わせて、短距離走のクラウチングスタートのような低い姿勢で飛び出そうとしています。
この動きはネコが獲物に飛び掛かかるのと同じで、とても素早い動作になります。

三回目の体幹ひねりとクラウチングスタート

このような低い姿勢からの飛び出しは、次の動画の練習をすれば誰でも身に付きます。

最後は2つの動きを利用して、相手を抜き去ります。
・筋肉の伸張反射(三回目の体幹ひねりで伸ばした筋肉が急激に縮む)
・背骨のバネ作用(ワップダウンで縮めたバネをワップアップで急激に伸ばす)

筋肉の伸張反射と背骨のバネ作用を利用して相手を抜き去る様子

以上のように、体幹ひねりとワップダウン・ワップアップ(背骨のバネ作用)を使うことで、動きが大きく、速いフェイント動作が出来るのです。
また先ほど解説したジェイジェイ・オコチャも、この2つのの動作を効果的に使っています。
日本の子供たちには足のまたぎだけに頼った動作ではなく、オコチャのような全身を使ったステップオーバーをぜひ覚えてほしいです。

さて次は、ステップオーバーの応用編として、とても関連性の高い3つのテクニックを紹介します。
大切な内容なので、ぜひお読みください!

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