ブラジルでのコーチの経験を活かして、 サッカー未経験の方にも分かりやすく科学的で正しい理論をご紹介します

ステップオーバ―の2つのコツ!日本と海外の違いとは?

日本人のステップオーバーは足でボールをまたぐやり方が多いですが、それだけではフェイントになりません。

そこで今回は間違ったステップオーバーと正しいやり方、2つのコツ、 練習法など、あなたの知りたい全てのことを詳しく解説します。

※この記事は4つのページに分かれているので、順番に読んでも良いですし、直接それぞれのページを読んでいただいても結構です。

1ページ目(このページに書いてあります)
【間違ったステップオーバー】

2ページ目(←クリック!)
【正しいステップオーバーとコツ】
(1)ステップオーバーの1つ目のコツ

3ページ目(←クリック!)
(2)ステップオーバーの2つ目のコツ
【ステップオーバーの練習法】

4ページ目(←クリック!)
【ステップオーバーの応用】
【まとめ】

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【間違ったステップオーバー】

(1)膝から下を小さく動かす

日本人のステップオーバーは、次のように膝から下を小さく動かすだけ…というのがとても多いですね。

なぜ、このようなやり方になるのか?というと、ステップオーバーが、またぎフェイント=またぐだけのフェイント…と考えられているからです。

そもそもフェイントは上半身の動き(ボディフェイク)が必要なので、足を「ちょこちょこ」動かした程度では何の意味もありません。

特に、動画の実演者の背中にある「STAFF」という文字がハッキリと分かりますよね。

これは、上半身をほとんど動かしていない=ボディフェイクをしていない…ということです。

もしも、上半身を使っていたら、ジャージの背中の文字が読めないくらいに、しわくちゃになるはずです。

でも、足でまたぐだけなので単なる棒立ちですし、典型的な体重移動にもなっています(下半身で重たい上半身を運ぶという動きの遅い動作)。

特にヒトの上半身と下半身の体重比は6対4なので、体重が60㎏の人だったら36㎏の荷物(上半身)を背負って、一生懸命ステップオーバーをするのと同じですね。

そうすると、下半身はかなりの負担になるので、スピーディーな動きは出来ません。

また先ほどの動画の0:41からのシーンを見ると、いったん姿勢を低くしてからアウトのタッチで動き出していますが、本来ならまたぐ時に低くなるべきです。

そもそもヒトが走り出す時は、低い姿勢からスタートしますよね(スタンディングスタートを想像してみてください)。

そうすると動画の0:41からのシーンにあるように、姿勢を低くするのはムダな動きであって、その分だけ動き出しが遅くなるのです。

ということは、最初からまたぐ時に姿勢を低くすれば動き出しが速くなると思いませんか?

足でまたぐだけのステップオーバーには、こうした細かいところにも問題があるのです。

なお先ほどの動画では、ディフェンス役の人がわざとらしく反応していますが、やはりフェイントの効果が全くなく、動き出しも遅いので、実際の試合では使えないでしょう。

このような足でまたぐだけのステップオーバーは、多くの子供たちにも見られます。

(2)またぎフェイントの考え方

次の動画はどこかのクラブか少年団の子供の練習のようですが、これを見ると、なぜ日本人は足でまたぐだけになってしまうのか?という理由が分かります。

それはボールを地面において動かさない状態で、またぐ練習を繰り返すからです。

たぶん最初の動画の実演者も幼少期にこのような練習をたくさんしたので、足でまたぐだけになってしまったのでしょう。

これに対してブラジルの指導は違います。

ブラジルでは、最初はボールを地面に置いて動かさない状態でまたぎ方を教えます(ここまでは日本と同じ)が、その後はボールを前に動かしながらステップオーバーをやるように練習させます。

つまりステップオーバーはボールを動かした状態で使うフェイント…というのを徹底させるわけですね。

さらにブラジルには「ジンガ」という考え方があります。

これはフェイントはボディフェイク(体を左右に揺らすような動き)を使わないと意味がない…という発想です。

例えば、ネイマール、ロナウジーニョ、ロビーニョなどは全身を「くにゃくにゃ」と揺らすようにフェイントをしますよね。

そうすると「この選手はジンガを持っている…」と称賛されるわけです。

したがって、日本人のような足だけでまたいで、ボディフェイクを使わないステップオーバーはフェイントとはみなされないのです。

もっと言えば、足でまたぐだけではフェイントにはならないわけですね。

これはシザースを教える時も同じですよ。

日本ではボールを地面に置いて動かさない状態で、またぐ動作を繰り返しますよね。

だから足を振り回すようなシザースになってしまうのです(ブラジルではボールを動かしながら練習させる)。

つまり、何度もくどいようですが足だけの動きではフェイントにはなりません。

上半身を使ってこそ本当のフェイント(ボディフェイク⇒上半身も使う)になるのです。

だからこそ、ブラジル人はシザースやステップオーバーはもちろんですが、あらゆるフェイントが上手くなるわけですね。

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いずれにしても、日本でのステップオーバーのやり方では単にまたぐだけでフェイントになっていなかったり、動き出しが遅いという問題点があります。

要するに、日本人のステップオーバーは間違いだらけ…ということです。

あなたもそうならないために、ぜひ正しいステップオーバーを覚えましょう。

さて、それでは次に海外の正しいステップオーバーのやり方を解説しましょう。

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