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キック

キックで足首を固定するのは間違い?その蹴り方はケガの元!

投稿日:2019年6月3日 更新日:

日本ではキックをする時に足首を固定するように言いますが、ブラジルではそうした指導はありません。
その理由は元々ブラジルの子供たちの足首が強いので、あまり意識する必要がないからです。

ところが日本の子供たちは足回りの筋力が弱いので、日ごろからトレーニングをしないとケガの元です。
今は大丈夫でも、ある日突然痛くなる…ということも多いですね。

そこで、今回はキックで足首を固定する意味、ブラジルの子供たちの様子、足首のトレーニング法などについて解説します。

1.日本のキックの指導と子供の足首

(1)キックの衝撃と足首

キックをする時に「足首を固定しろ!」と言われる理由は、インパクトの瞬間にぐらぐらしてミートポイントを外すのを防ぐためです。

こうした指導は、小学生から高校生までの全ての育成年代で全く変わりません。
たしかにボールを蹴る時は、インパクトゾーンをきちんと捉えることが大切です。
そうすると当たり前のように思えるので、こうした指導に対して何の疑問を持たない方は多いはずです。

ところが、これは大きな問題が秘められています。

例えばインステップキックでは、足首を伸ばして固定するように教わります。
でも、このようにすると足首の関節に大きな負担がかかるのです。

そもそも足首を固定するということは、じん帯に過度な緊張状態を及ぼします。
そうした状態でキックをすると、インパンクトの衝撃をまともに受けることになるのです。

この場合、足周りの筋力が強い子供であれば何の問題もないでしょう。
なぜならインパンクトの衝撃に耐えられるだけの筋肉があるため、じん帯への衝撃を緩和できるからです。

でも、サッカーをする子供たち全員の筋力が強いわけではありません。

この場合に問題となるのは、筋力が弱い子供たちの足回りがどこまで耐えられるのか?ということです。
しかも長期間こうした蹴り方を続けると、捻挫などのケガの危険性が高くなります。

そこで次にこうした点について、詳しく考えてみましょう

(2)足首のケガの原因と補強

足首の弱い子供がキックによってケガをすることが多いのは靱帯の損傷で、いわゆる「捻挫」のことです。

こうした場合、じん帯そのものを鍛えて捻挫を防ぐことは出来ません。
なぜなら、じん帯は筋肉と違って簡単には補強することが出来ないからです。

でも、足回りの筋肉を補強することは可能であり、これによってじん帯への過度な負担を軽減できるのです。

ところが育成年代の指導では足周りの筋肉を鍛えるような練習はほとんどありません。
また単に走っている程度では、直接鍛えるような効果もあまり期待できません。
だから、子供たちはいつでもケガの危険性をはらんでいると言えるのです。

そうした意味で、筋力の強い子も弱い子も一律に足首を固定するというのは望ましくありません。

むしろ、子供が本格的なキックの練習を始める前に、あらかじめ足回りの筋力強化をすることが必要なのです。

ちなみに、サッカー大国のブラジルで育った子供たちの足周りの筋力はかなり発達しています。

それではどうして日本の子供たちの足首は弱いのでしょう?

そこで次に、日本とブラジルの子供たちの違いを解説します。

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2.日本とブラジルの子供たちの違い

(1)ブラジルの指導

ブラジルのキックの指導は子供たちの主体性を尊重しているので、蹴り方もいろいろで日本のように決まった形はありません。
また、よほどおかしな蹴り方をしていない限りは細かい事には口出しをしません。

だから、日本でよくありがちな「キックする時は足首を固定する…」という指導はないのです。

これは子供たちの主体性を尊している…、という意味ではありません。

ブラジルの子供たちはもともと足回りの筋力が強いので、キックの時に固定するように指導する必要がないからです。

これは何を意味するのか?と言うと、例えばあなたが2~3㎏の物を持ってヒジを水平に伸ばして固定するとよく分かります。

腕の筋力がある人ならそのままでも10分くらいは何ともないでしょうが、華奢な人であれば2~3分も耐えられません。
これはひとえに筋力があるかどうかの問題です。

実は、キックする時に足首を固定する…というのも、これと同じことです。

ブラジルの子供たちの足首が強いのは筋力が発達しているからです。
そうすると、こちらが何の指導をしなくても無意識のうちに足首を固定して蹴っています。
しかもキックの衝撃にも耐えられるので、捻挫などのケガをすることもほとんどないのです。

つまりキックの時に足首を固定するのはわざわざ意識させるべきものではなく、無意識のうちに出来るようにするべきなのです。

ブラジルの子供たちがこうした状態でキックが出来る理由は、日常の生活習慣による要因が大きいと思います。

(2)ブラジルと日本の子供たち

ブラジルの子供たちは日常生活を裸足で過ごします。
外に出かける時は、通学でさえもサンダルを履くことが多いです。
もちろんストリートサッカーなどでも裸足で遊んだりします。

そうすると自然に足の指のグリップ力が強くなり、足底筋膜が鍛えられるので土踏まずが発達します。
そればかりではなく、ふくらはぎやスネの筋肉も発達しています。
その結果、足首が強くなるのです。

つまり、ブラジルの子供たちは自然と足首が鍛えられるような日常生活を過ごしているようなものなのです。
そうした点では、日本の子供たちのような貧弱さという概念がないのかも知れません。

それに比べて日本の子供たちは、日常生活の中で裸足になる機会がほとんどありません。

家の中では靴下を履いて過ごし、外出する時はクツを履きます。
また、サッカーをする時はスパイクやトレーニングシューズを履いて練習します。

そうなるとブラジルの子供たちの様に足首は強くなりません。
しかも、モデル並みに「キュッ」と締まっています。

見た目はカッコ良いでしょうが、まるで蚊トンボのようで貧弱なのでキックをする時の衝撃には耐えられません。
要するに、日本の子供たちは日常生活の中で足首を鍛えるような習慣がないのです。

そうした点でも、キックの時に足首を固定する…と言う以前にケガを防ぐための必要最低限の筋トレが必要ではないか?と思います。

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3.足首のトレーニングと効果

(1)足首は鍛えるもの

私の息子「とも」は小学校一年生のころに何度も捻挫しました。
特に足首を内側に捻ってしまうことが多く、いわゆる「足をくじく」というものです。
また典型的な偏平足だったので、足底筋膜炎やカカトの痛みもありました。

そうした中でサッカーを続けましたが、二年生の頃には足首の炎症を起こしたため何度も休むことになりました。

やはりブラジルの子供と比べると足回りの筋力が劣っていたのでしょう。
また当時は裸足で過ごす習慣はなかったので、起こるべくして起こったケガであるとも言えます。

でも、後述するトレーニングを続けたところ今では何ともありません。

一般的に成長期の子供には筋トレは必要ないと言いますが、サッカー、野球、テニスなどの専門的なスポーツをする場合は必要最低限の筋力が必要です。

そうした意味ではサッカーでキックをする時の衝撃に対して、あらかじめ足首を鍛えるのは当たり前のことなのです。

別の言い方をすれば、姿勢の悪い子に「背筋をピンと伸ばして姿勢を良くしなさい!」というのは背中の筋トレをしているようなものです。
そうした意味では、子供にとっては必要最低限の筋トレは必ずやっておくべきなのです。

そこで、足首のトレーニング方法としてどのようなものが最適なのか?と言う点について、次に解説します。

(2)足首のトレーニング法

① 筋肉の連動性

足首を鍛えるうえで大切なことは筋肉の連動性を意識することです。
筋肉の連動性とは、特定の部位を動かすとそれに関係する筋肉が無意識に反応するということです。

例えば、足の指を上下に動かしてみてください。
そうすると足回りの筋肉がピクピクと反応して同時に鍛えられます。

この反対に足首を上下に何度も動かすだけのトレーニングでは、局所的な筋トレ効果しかありません。

つまり足首だけを鍛えるのではなく、周辺の全ての筋肉を同時にトレーニングするという考え方が必要なのです。

こうした点を踏まえて、次に具体的なメニューを解説します。

② 足首のトレーニングメニュー

足指グーパー、足指すりすり

このトレーニングは次の動画で実演しているように、足指グーパーは指を大きく動かす、足指すりすりは指で床面を掻くように歩くだけです。

この時の筋肉の連動性として大切なことは、指と一緒にリスフラン関節を動かすことです。
リスフラン関節は足の甲(インステップ)の辺りにある関節です。

この部分を動かすことで、前脛骨筋(すね)、下腿三頭筋(ふくらはぎ)、長指伸筋(指の筋肉)、足底筋膜(土踏まず)などが連動するので、同時に鍛えることが出来ます。

前傾姿勢トレーニング

このトレーニングは、ドリブルをする時に次の画像の姿勢を意識するだけです。

前傾姿勢トレーニングの画像

ポイントは3つあります。
・軽くヒザを曲げて腰を落とす。
・足の指でグリップする(カカトは上げない)。
・背骨、背筋、お尻、ハムストリングス、ふくらはぎを意識する。

このトレーニングは日常生活で姿勢の悪い子に「背筋を伸ばしなさい!」と注意することと同じで、サッカーに必要な前傾姿勢を維持するための筋肉を鍛えるものです。

その結果、ふくらはぎに自然な筋トレ効果が現れるので、足首周りの筋肉の補強になります。

ちょんちょんリフティング

このリフティングは体幹と軸足を鍛えるメニューですが、蹴り足の足首周りの筋力補強にも効果があります。

その理由は足首を曲げた状態でリフティングを続けるので、いわば自然な筋トレになるからです。

このトレーニングはとても地味ですが、効果はかなりあります。

裸足で過ごす

ブラジルの子供たちは一年中裸足で過ごすことが多いですが、日本では冬の寒さもあるのでそうも行かないでしょう。
でも家の中で裸足で過ごすだけで、自然と足首周りの筋力補強になります。

その理由は裸足になると足の指がよく動くので、自然とグリップ力が強くなるからです。

そもそも戦前の日本人は家の中では裸足で過ごし、外出する時は素足に下駄や草履を履いていました。
これは日常生活の中で自然と足回りの筋肉を鍛えていたようなものです。
つまり、先ほどの足指グーパーや足指すりすりを自然にやっていた…と言うことと同じですね。

最近はいろいろな幼稚園や保育園で、幼児に裸足で遊ばせることが多くなりました。
ところが、小学校に入学するとそうした機会がなくなります。
そうした点でも、サッカーの育成年代の子供たちには裸足の生活を実践してほしいと思います。

(3)足首の強化後の効果

① 足首回りの筋肉の発達

私の息子「とも」は、先ほどのトレーニングを小学校二年生の頃から続けています。
その結果、次のような効果がありました。

・足首周りの筋肉が発達し、くるぶしを覆うような太さになった。
・足の甲が盛り上がって土踏まずが深くなった。
・指の間が広がって筋が浮き上がり、グリップ力が強くなった。

・ふくらはぎが太くなり、アキレス腱が発達した。
・足首を内側や外側に急激に捻っても捻挫をするようなことが全くない。

これによって、ブラジルの子供たちとほぼ同じような足首の強さを得たと言っても良いでしょう。

そのため、キックの時は足首を無意識のうちに固定するようになり、インパクトの時の衝撃があっても何の問題もありません。

そればかりではなく、別の効果もありました。

② 足のアーチの復元によるバネ作用

先ほどの「足の甲が盛り上がって土踏まずが深くなった」ことと関係しますが、キックの時に足のアーチのバネ作用を使えるようになりました。

これはキックをする時に、足のアーチを板バネのように使うということです。
これによってキック力がかなりアップしました。

キック力をアップする方法はいろいろありますが、足首のトレーニングによる足のアーチの強化は意外と見落とされがちです。
ぜひ参考にしてください。

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4.まとめ

サッカーのキックでボールを蹴ることは、そもそも子供にとって非日常的な動作です。
そのため、足首には日常生活では想像も付かないような衝撃力が加わります。

しかも日本の指導では、足首が強い子も弱い子も一律に「固定しろ!」と教えられます。
たしかにキックにとっては大切なことでしょう。
でも、そうした指導をする前にインパクトの衝撃に耐えられるだけの足首の強化を優先するべきです。

一方、ブラジルの指導でキックの時に足首を固定するように教えないのは、子供たちが日常生活において裸足で過ごすことにより自然と足回りの筋力が強化されているからです。

そうした生活習慣のない日本の子供たちは、足回りの筋肉が貧弱です。
だからこそ、キックの衝撃に耐えられるだけの筋力の強化が必要なのです。

私としては、日本中のサッカー少年が「キックの時に足首を固定しろ!」と言われなくても、自然と固定できるだけの筋力を身に付けてほしいと願っています。

【画像引用:Youtube.com

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