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サッカーのキック力をつける7つの練習方法!

投稿日:2019年6月11日 更新日:

キック力をつけるためには、ネットや書籍などで紹介される小手先のテクニックをいくら覚えても効果はありません。
本当に大切なことは、全身のパワーを使った正しい蹴り方を覚えることです。

そこで、今回はキック力をつけるための効果的な練習方法について解説します。

1.キック力と全身運動

(1)キック力とは?

キック力をつける方法は、ネットや書籍等で調べるといろいろ出て来ます。
筋トレ、足首を固定、勢いよく助走、膝から下を強く振る、フォロースルーを大きく、蹴った後に上体をかぶせる、あごを引く…など、たくさんあるみたいですね(笑)。

でも、こうしたものは所詮小手先のテクニックでしかありません。

実はキック力を強化するためには、自分の持っているパワーの全てを使ってボールを蹴ることが大切です。

例えば「あの子は体が小さいのになぜ遠くに蹴れるのだろう…」なんて感じたことはありませんか?
実はそうした子供たちの場合、自分が持っているキック力の全てを効果的に引き出しているだけなのです。

つまり、サッカーのキックは全身運動によって大きなパワーを生み出すわけですね。

こうしたことはサッカー以外のスポーツでも同じです。

例えば野球のピッチャーが速い球を投げられるのは、腕のパワーだけを使っているのではありません。
テークバックからフォロースルーにかけて下半身のパワーを上半身に伝えることで、速球を投げているのです。

また、バレーボールやバスケットボールなどのあらゆる競技でスポーツ科学の最先端の理論を取り入れ、いかに全身のパワーを引き出すのか?を課題としています。
もはや筋トレや根性論だけでパワーを発揮するのは、過去の遺物と言っても良いでしょう。

要するにサッカーも野球もスポーツの種目が違うだけであって、パワーの源は全身運動にあるというわけです。

そうした場合、日本のサッカー指導でよくありがちな、足のパワーだけに頼ってボールを蹴るのは間違いです。
なぜなら、上半身に備わっている力をムダにしているからです。

そもそも幼少期の子供は非力なので、無意識のうちに全身を使ってボールを蹴ろうとします。
ところが、いつの間にかフォームを矯正されてしまい、足のパワーに頼ったキックを覚えることが多くなるのです。
むしろ、子供の主体性を活かしつつ過度に教え過ぎない方が良いのかも知れません。

いずれにしても、キック力は全身運動によって身に付くものとご理解ください。

(2)キック力とボールコントロール

キック力がつくとボールを速く遠くに蹴ることが出来ますが、それだけではテクニックとして不十分です。
なぜなら、サッカーのキックは狙ったところにピンポイントで蹴れないと、試合では役に立たないからです。
つまり、正確なボールコントロールが必要と言うことですね。

この場合、あなたが15m先の目標にフルパワーで蹴った場合と、力を抜いて軽く蹴った場合を想像してみてください。
どちらがマトに当たりやすいですか?
軽く蹴った方がコントロールしやすいですよね。

そうすると一つの疑問が出て来ます。

それは、キック力がついてボールを速く遠くに蹴れるようになったとしても、正確なコントロールが出来るのだろうか?という点です。

野球の投手で言えば、球は速くてもコントロールが悪くてストライクが入らないノーコンピッチャーと同じですね(笑)。

でも、そうしたことはありません。

キック力がアップすることと正確なボールコントロールは両立します。

その理由は、キック力がつけばフルパワーの半分で蹴っても速く遠くに飛ばすことが出来るからです。
そうすると力を抜いているので、コントロールも正確になるのです。

例えば、次の動画でインフロントキックを実演している私の息子「とも」は、中学一年生当時にフルパワーの半分の力で蹴っても30~50mの飛距離が出ていました。
しかも、今では狙ったところにコントロールできます。

こうしたキック力の秘密は、先ほど説明した全身運動と深い関係がありますが、詳しいことは後ほど解説します。

ちなみにかなり前のことですが、メジャーリーグの田中将大は試合終盤に速球のスピードが落ちてしまうのが悩みだったそうです。
そのため、筋トレなどで全身のパワーを付けようとしていました。
これに対して、ダルビッシュ有から「ボールは軽く握ってリラックしたフォームで投げた方が球が速くなる…」とアドバイスされたそうです。
その結果、試合終盤になっても球威が落ちることなく投げ切れるようになったとのことです。

こうしたテクニックは、筋肉の伸張反射という全身運動と深く関わってきます(詳細は後述)が、サッカーでも野球でもスポーツ理論の原則は共通だと言えるでしょう。

いずれにしても、キック力が付くとフルパワーの半分の力で蹴っても速く遠くに飛ぶようになりますし、ボールコントロールも正確になるのです。

さて、次からはキック力を付けるための7つの練習方法について解説します。

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2.キック力をつけるための7つの練習方法

育成年代の子供たちがキック力を付けるためには、正しい体の使い方を覚えることが大切です。
そうした意味では、これから紹介する練習法はネットや書籍で蔓延している小手先のテクニックではありません。

そもそも短期間でキック力を強化することは不可能ですし、時間をかけた地道な練習が必要です。

そこで次に7つの練習法を解説するので、ぜひ試してみてください。

(1)軸足と体幹の強化

キックでボールを蹴る時は、全身に強い遠心力がかかります。
そのため、軸足と体幹を強化して遠心力を克服しないとキック力がつきません。

この場合、日本では体幹トレーニングをすることが多いですが、軸足を鍛えるという発想がほとんどないのでプロになっても軸が弱い選手が多いです。
こうした問題はキック力だけでなく、ボールコントロールが身に付かない原因にもなっています。

そこで、次の動画のように「ちょんちょんリフティング」を練習しましょう。
このリフティングはキック力をつけるうえでは、単なる筋トレよりも極めて効果的です。

参考記事
ちょんちょんリフティングがサッカーに役立つ驚きの効果
キックは軸足を鍛えれば上手くなる!トレーニング法も解説

(2)筋肉の伸張反射と体のバネ作用

キックをする時に筋肉の伸張反射と体のバネ作用を使うと、足だけでボールを蹴るよりもはるかに高いパワーとスピードを発揮します。

筋肉の伸張反射とは、バックスイング~フォロースルーにかけて筋肉をゴムのように伸び縮みさせる反射運動です。
これは筋肉の伸張(伸びる)と収縮(縮む)の急激な巻き戻しという、全身運動になります。
またこの作用は熱いものを触った時にすぐに手を離す…という通常の反射神経と同じで、無意識のうちに起こるものです。

体のバネ作用とは、バックスイング~フォロースルーにかけて背骨のS字カーブを板バネのように伸び縮みさせる作用(バネの変形と復元)です。
また、この作用は練習をすることによって、筋肉の伸張反射と同様に無意識で使えるようになります。

こうした筋肉の伸張反射と体のバネ作用は、とても密接な関係があります。

バックスイングの時は、
① 筋肉の伸張反射として、上腕二頭筋、三角筋、大胸筋、腹直筋、外腹斜筋、腸腰筋、大腿四頭筋、前脛骨筋などが急激に伸ばされます。
② 体のバネ作用として、背骨のS字カーブが急激に伸ばされます。

インパクト~フォロースルーにかけては、伸ばした筋肉が急激に縮み、背骨のS字カーブも同じように縮もうとします。

つまり、両方の作用が連動して強力なパワーとスピードを発揮するわけです。

参考記事
伸張反射はサッカーのプレーを劇的に改善!最新理論で解明
体のバネ作用でサッカーがレベルアップ!【最新理論で解明】

こうした作用は生まれ付き全てのヒトに備わっている身体能力なので、練習によって誰でも引き出すことが出来ます。

特に効果的な練習法は、一本歯下駄トレーニングです。
なお、一本歯下駄を持っていない場合は動画の動きを真似するだけでも良いので、ぜひ練習してみてください。

参考記事
一本歯下駄トレーニング!サッカー向け練習メニュー22選
一本歯下駄の効果!身体能力アップに役立つ5つの理由!

(3)足の重さと遠心力を使う

日本ではキックの時に膝から下を強く!速く!振るのが常識とされていますが、これでは子供たちが膝関節を酷使して故障の原因になるだけです。

この場合、全身をリラックスして足の重さと遠心力を使うと自然に膝が振れるので、キック力がアップしますしケガの危険もなくなります。

キックで足の重さを使うとは、ヒトの片足あたりの重さが体重の約18%なので、例えば体重60㎏の人であれば約10㎏分をハンマー投げのように利用するという意味です。
遠心力を使うとは、足の縦回転の運動エネルギーを利用してキックするという意味です。

練習方法は、股関節から足全体を脱力して振り子のように素振りをしてください。
そうすると足の重さと遠心力が実感できます。
足首に軽いウエイト(濡れた手ぬぐいでも良い)を巻くと効果的です。
その後、この感覚を活かして実際にボールを蹴ってみてください。

この感覚に慣れると力を入れない方が楽に蹴れます。
また、先ほど解説した筋肉の伸張反射も活かせるので、さらにキック力がアップします。

実はこれが科学的に正しい蹴り方であり、日本でよく言われる膝から下を強く!速く!振るのは間違いなのです。

参考記事:サッカーの蹴り方のコツ!膝を強く振るのは間違い?

(4)足首の強化

日本ではキックの時に足首を固定するようによく言われます。
この場合、足首の強い子なら別ですが、ほとんどの子供は足首が弱いので素直に固定して蹴っていたら捻挫を起こしやすいです。

むしろ無理に足首を固定して蹴るのではなく、自然と固定できるだけの筋力強化の方を優先するべきです。

そこで次の動画で実演しているように、足指グーパーと足指スリスリで足回りの強化をしましょう。

この練習で大切なことは、指と一緒にリスフラン関節を動かすことです。
この部分を鍛えることで、スネ、ふくらはぎ、指のグリップ、土踏まずなどを広範囲に強化することが出来ます。

また、この練習によって足の甲が盛り上がって土踏まずが深くなります。
そうすると、土踏まずのアーチ構造が板バネのように使えるようになるので、キック力がさらにアップします。

キック力を付けるうえで、足首の強化は意外と見落とされがちです。
ぜひ練習してください。

参考記事:キックで足首を固定するのは間違い?意外と知らない大切なこと

(5)バックスイングを大きくする

キックの時にフォロースルーを大きくするように言われることがありますが、これは間違いです。

実は、この反対にバックスイングを大きくした方が効果的です。

その理由は振り子の原理によって説明できます。

例えば、下図のAとBを比べると、最下点Cを通過する時の速度はAの方が速いです。
これをキックに例えると、最下点Cにボールがあり、AとBはバックスイングの大きさの違いと考えてください。

そうすると、Aのようにバックスイングを大きくした方が、インパクトのスピードとパワーも比例して大きくなります。
そうすると、ボールを速く遠くに飛ばすことが出来るのです。

日本ではフォロースルーもしっかり取るようにと指導されますが、それほど過剰に意識する必要はありません。
むしろ、フォロースルーはバックスイング~インパクトまでの反動でしかないのです(ループキックは除きます)。

一方、フォロースルーを大きくする選手はバックスイングが小さくなる傾向があります。

その反対にフォロースルーが小さい選手はバックスイングが大きいです。

この二人の選手のバックスイングを比べるとその違いが明らかであって、キック力にも大きな差が出て来ます。
つまり、フォロースルーを大きくするのは、振り子の原理という物理学の法則に反した蹴り方なのです。

要するにキック力をつけるためには、バックスイングを大きくすることが必要だということですね。
下図のメッシの蹴り方を見ても明らかです。

そこでバックスイングを大きくする方法ですが、これはとても簡単です。
それは助走の時に、蹴る直前の一歩を出来るだけ大きくすることです。
そうすると、私の息子「とも」のように一歩の助走で蹴ることも出来ます。

参考記事:サッカーのキックの助走は何歩で?正しい蹴り方を解説!

ただし、バックスイングを大きくすると、先ほどの振り子のようにキックの遠心力も比例して大きくなります。
この場合、体幹や軸足が弱いとバランスを崩して上手く蹴ることが出来ません。

そこで、先ほどのちょんちょんリフティングで体幹と軸足を強化したり、足指グーパーとスリスリで足回りを強化することも並行して練習してください。

(6)キック力を強化するための筋トレ

キックはボールを前に蹴る動作です。
そのためには、背筋、お尻、ハムストリングス、ふくらはぎなどの体の後ろ側にある筋肉を使います。
特にハムストリングスは、蹴り足を前に押し出すために必要な筋肉なので、重点的に強化する必要があります。

日本では、大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)、腹筋、大胸筋などを強化することが多いですが、こうした指導は間違っています。
その理由は、体の前にある筋肉は身体にブレーキを掛けるため、蹴り足を前に出すというキック力の強化には役に立たないからです。

そこで、背筋、お尻、ハムストリングス、ふくらはぎなどの強化法ですが、これはバーベルやウエイトなどを使った筋トレは必要ありません。

ドリブル練習の時に次の画像のように前傾姿勢を取るだけで十分です。
また小学校低学年から始めても問題ありません。

その時のポイントは3つあります。

・軽くヒザを曲げて腰を落とす。
・足の指でグリップする(カカトは上げない)。
・背骨、背筋、お尻、ハムストリングス、ふくらはぎを意識する。

このトレーニングは日常生活で姿勢の悪い子に「背筋を伸ばしなさい!」と注意するのと同じで、筋肉に自然な緊張状態を作り出して、筋トレと同様の効果を得るものです。

つまり、ドリブルの時にこの姿勢を習慣化するだけで、背筋、お尻、ハムストリングス、ふくらはぎが、いつの間にか強化出来るというわけです。

実際のところ、これだけで筋トレ効果が出るのだろうか?という疑問があると思います。

こうした場合、2006年に発表された英国心理学会会議の研究報告によれば「筋トレはその部分に意識を向けるだけでトレーニング効果が高くなる…」と発表されています。

またフィットネスクラブなどでも、こうした理論を取れ入れながら筋トレ効果を高めています。
つまり、筋トレに対する世の中の常識は変化しているのです。

そうした意味では、子供にとって辛く苦しいだけの筋トレは必要ありません。
科学的に立証された理論に基づいた効果的な筋トレによって、最大限の効果を高めるべきでしょう。

(7)キックの素振り

キック力をつけるためには、いくらボールを蹴ってもそれだけでは効果は出ません。
そこで、野球のバッティングの素振りやシャドーピッチングのように、素振りをしましょう。

この練習をする時は全身をリラックすることによって、次の2つが身につくのでキック力が格段にアップします。
・筋肉の伸張反射と体のバネ作用
・足の重さと遠心力を使う

例として、次の動画のようにインステップキックとインフロントキックの素振りを参考にしてください。
くれぐれも筋肉に力を入れてはダメです。
必ずリラックスして練習してください。

① インステップキックの場合

ボールを押し出すようなイメージでスイングしてください。

参考記事:インステップキックの蹴り方のコツと正しい練習方法!【動画解説】

② インフロントキックの場合

上から下に蹴るイメージでダウンスイングをしてください。

参考記事:インフロントキックの正しい蹴リ方と練習法!【動画解説付き】

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3.まとめ

これまで、サッカーのキック力をつけるための練習方法を解説しました。
特に大切なことはキックは全身運動であるという点です。

これによって、フルパワーの半分で蹴っても速く遠くに飛ばすことが出来ます。
また、力を抜いているのでコントロールも身に付きます。

一方、日本では足だけを使った蹴り方をするケースが多いですが、これではいつまで経ってもキック力がつきません。
また科学的に無意味な筋トレも蔓延しています。

そうした意味では、日本中の多くの子供たちがぜひ正しい練習をして、キック力をつけていただきたいと願っています。

【画像引用:Youtube.com

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