ブラジルでのコーチの経験を活かして、 サッカー未経験の方にも分かりやすく科学的で正しい理論をご紹介します

サッカーのキック力をつける練習法!全身を使う蹴り方とは?

「あの選手はなぜあんなにキック力があるのだろう…」なんて、うらやましく思ったことはありませんか?

実はそうした選手には、ある秘密が隠されているのです。

そこで今回はキック力の科学的な仕組み、私の息子が実際にトレーニングした練習法と成果について詳しく解説します。

※この記事は6つのページに分かれているので、順番に読んでも良いですし、直接それぞれのページを読んでいただいても結構です。

1ページ目(このページに書いてあります)
【キック力の仕組みを理解する】

2ページ目(←クリック!)
【全身を使った蹴り方とは?】
【キックの仕組みと全身運動のまとめ】

3ページ目(←クリック!)
【キック力をアップする練習法】
(1)スイングスピードを速くする

4ページ目(←クリック!)
(2)筋トレ
①ハムストリングスの強化
②骨盤前傾トレーニング

5ページ目(←クリック!)
③腸腰筋トレーニング
④軸足と体幹の強化
⑤足首と足指の強化
(3)ストレッチ

6ページ目(←クリック!)
【練習の成果】
【まとめ】

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【キック力の仕組みを理解する】

(1)本当に目指すべき蹴り方とは?

スポーツ科学では、どのような競技でも、自分のパワーとスピードを最大限に引き出す!という全身運動の考え方が常識とされています。

そのため、サッカーのキックにおいても、全身運動によってパワー(筋力)とスピード(スイングスピード)を生み出す!と考えましょう。

つまり、パワー×スピード=キック力というわけですね。

そこで、育成年代の子供たちがキック力をアップするためには、まず最初に全身を使った蹴り方を覚えてください。

その次に、キックフォームの細かい点を微調整すれば良いのです。

これに対してネットや書籍等の情報では、キック力をアップする方法がいろいろと載っているので、果たして何が本当に正しいのか?と迷っている方は多いでしょう。

例えば、足首の固定、勢いよく助走、膝から下を強く振る、フォロースルーを大きく、蹴った後に上体をかぶせる、あごを引く、筋トレ、などというものですね。

ところが、こうしたテクニックは単なるキックフォームの微調整でしかないので、例えば飛距離を2~3m程度アップするくらいの効果しかありません。

つまり、子供たちにとっては覚えるべき順番が逆であって、「木を見て森を見ず」でしかないのです。

本当に目指すべきことは、例えば、今まで10m程度しか蹴れなかった子供が、20~30mまで蹴れるようなスキルを覚えることではないでしょうか?

でも、そうしたスキルを身に付けるためには、いろいろな練習が必要なのでたくさんの時間が必要だと思います。

また、こうした考え方は一見して遠回りのように思えますが、そもそもキック力をアップするための即効性のある方法は、この世に存在しません。

だから多少時間がかかったとしても、先ずは全身を使った蹴り方を覚えるべきなのです。

そこで、全身を使った蹴り方を正しく覚えるために、先ずはキックの科学的な仕組みや全身運動の考え方をきちんと理解しましょう。

そのうえで、私の息子「とも」が実際にトレーニングした練習法とその成果を参考にしてください。

そうすることが、キック力をアップするための最短最速の近道なのです。

(2)キックのパワーとスピードの仕組み

①インパクトとパワー

サッカーのキックとは、地面にあるボールを水平に叩く(インパクト)ことです。

また、ボールを強く遠くに飛ばすためには、インパクトのパワーを最大にするのが重要で、これはボレーシュートのように浮いたボールを蹴る時でも変わりません。

この仕組みは、かなづちで釘を水平に叩くのと同じで、サッカーのキックに見立てれば、かなづちが蹴り足、釘がボール、抑える手が軸足になるわけですね。

また、かなづちのインパクトを強くするのであれば、大ハンマーを使って叩くのが効果的です。

これをサッカーのキック力に見立てると、足の重さを利用したり筋力を付けて…強く遠くに蹴るということになります。

でも、これだけではインパクトは最大にはならないため、キック力はアップしません。

なぜなら、もう一つの要素としてのスピードが必要になるからです。

そこで、そのために利用するのが次に解説する遠心力です。

②遠心力とスピード

サッカーのキックは遠心力を使ってスイングをしますが、その時のバックスイングからインパクトまでが縦回転で、フォロースルーからフィニッシュまでは横回転になります。

その際、ボールを叩くという点で、スピードを最大化させるためには、バックスイングからインパクトまでの縦回転の遠心力をいかに大きく速くするのかが課題です。

またフォロースルーからフィニッシュまでの横回転は、インパクトの反動でしかないので、フォロースルーを大きくしてもあまり意味はありません。

むしろ大切なことは、縦回転の大きな遠心力を軸足(片足)と体幹できちんと支えることが出来るのかどうか?ということです。

この仕組みは風車と同じで、羽根の縦回転の遠心力を支えるためには、強力な軸が必要になるのと同じことですね。

ちなみにサッカーのキックとよく似た動作特性として、ゴルフのスイングがありますが、これも縦回転の遠心力をいかに大きく速くするのかが重要です。

これによってヘッドスピードが上がり、ボールが遠くに飛ぶわけですね。

この場合、ゴルフのスイングが、サッカーのキックと比べて大きく違うのは、縦回転の遠心力を両足で支えているということです。

だから非力な女性でも軸が安定するので、ボールを遠くに飛ばせるわけですね。

これに対してサッカーのキックは、縦回転の大きな遠心力を片足(軸足)だけで支えるため、軸足と体幹の強化が必要になるのです(軸足強化の練習法は後述します)。

以上ですが、キックの基本の仕組みとしてインパクトを強くするためには、次の二つの点が重要です。

(1)パワーを生み出すのは、足の重さや筋力。
(2)スピードを引き出すためには、縦回転の遠心力を大きく速くする。

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さて、以上の基本の仕組みを踏まえて、さらにキックのパワーとスピードを最大化させるため、次に全身を使った蹴り方の仕組みを解説します。

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