ブラジルでのコーチの経験を活かして、 サッカー未経験の方にも分かりやすく科学的で正しい理論をご紹介します

サッカーのキック力をつける練習法!全身を使う蹴り方とは?

【キック力をアップする練習法】

次の練習法は、私が「とも」に教えたメニューですが、実際に効果が出たものです。

特に、縦回転の遠心力をいかに大きく速くしてスイングスピードをアップさせるのか?そのためにはどのように全身を使うのか?という点を大切にしています。

この練習を大きく三つに分けると「(1)スイングスピードを速くする」「(2)筋トレ」「(3)ストレッチ」になりますが、この三つを並行して練習すれば、子供の成長に応じてキック力がアップするはずです。

また、一つ一つのメニューには「練習方法」「練習の目的」「注意点」などを詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

(1)スイングスピードを速くする

この練習メニューはステップアップ方式なので、①~④まで順番に練習するようにしてください。

またこの練習に慣れて来たら、練習頻度を少なくしても構いません。

①足の重さと遠心力を使う

練習方法

先ずは正しいスイングの感覚を覚えるため、股関節から足全体を脱力して振り子のように素振りをしながら、足の重さと遠心力を体感しましょう。

コツとしては、足全体をハンマー投げの重りのようなイメージで素振りすることです。

また、足首に軽いウエイト(濡れた手ぬぐいでも良い)を巻くと感覚が掴みやすいと思います。

足の重さと遠心力を使うとは?

足の重さを使うとは、ヒトの片足あたりの重さが体重の約18%なので、例えば体重60㎏の人であれば約10㎏分をハンマーの重りのように利用して叩くという意味です。

また、遠心力とは足の縦回転のスイングでしたよね。

足の重さと遠心力を使う感覚に慣れると、むしろ力を入れない方が楽に蹴れるようになりますが、その理由は筋肉の伸張反射と関係します(詳細は後述します)。

ちなみに日本では、膝から下を強く!速く!振るように指導されますが、これはじん帯の負担が大きく、ケガの原因になりやすいので注意してください。

足の重さと遠心力を使うための練習法をもっと詳しくお知りになりたい方は、次の記事をお読みください。

②バックスイングを大きくする

練習方法

次にスイングの遠心力アップのため、バックスイングを大きくしましょう。

コツとしては、助走の時に、全身をリラックス(筋肉の伸張反射を使うため)しながら、蹴る直前の一歩を大きくすることです。

蹴り足から踏み切って、幅跳びのように高くジャンプしながら、蹴り足のカカトがお尻に当たるくらいまでの大きなバックスイングを意識して、ボールの横に軸足を着地させてください。

その場合、助走は必ず一歩にしてください。

注意点

この練習はあくまでもバックスイングを大きくするのが目的なので、正確にボールが蹴れるかどうかは関係ありません。バックスイングの大きさだけを意識してください。

また、時々ビデオで撮影して、自分のフォームが正しいのかどうかもチェックすると良いでしょう。

③キックの素振り

練習方法

①と②の練習に慣れたら、次の動画のようにインステップキックとインフロントキックの素振りをしてください。

この練習の時も、全身をリラックスして、「①足の重さと遠心力」を体感しつつ、「②バックスイングを大きくする」ことを意識してください。

そうすることで、全身を使ったキックの感覚が身に付きます。

インステップキックの場合は、ボールを押し出すようなイメージでスイングしてください。

※インステップキックの素振りのフォームは無回転シュートのスイングとほぼ同じなので、そのまま無回転シュートの練習にも利用できます。

インフロントキックの場合は、上から下に蹴るイメージでダウンスイングをしてください。

注意点

先ほど、ゴルフスイングの例を解説しましたが、非力な女子プロの選手たちは、アマチュア時代から素振りの練習をたくさんしてスイングスピードを速くしています(ボールを打ってスイングスピードを上げたわけではない)。

だから、いくらボールを蹴っても、それだけではキック力はアップしないわけですね。

これは足を速くするためには、走れば走るほど速くなるという誤った考え方と同じなので注意しましょう(正しい走り方を覚えないと速くならない)。

インステップキックやインフロントキックが上手く蹴れない方は、次の記事を読んで正しい蹴り方を覚えてください。
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④筋肉の伸張反射と体のバネ作用

①~③までの練習に慣れたら、次はスイングスピードを飛躍的にアップさせるため、筋肉の伸張反射と体のバネ作用を覚えましょう。

こうした作用は生まれ付き全てのヒトに備わっている身体能力なので、練習によって誰でも使いこなせるようになります。

ところが、日本ではこうした指導はほとんどなく、足の力に頼った蹴り方を教えますよね。

でも、そうではなく上半身も含めた全身を使えるようにしないとキック力はアップしません(全身を使った蹴り方に活かす)。

また、「とも」のキック力がアップした最大の要因は、後述の「ちょんちょんリフティング」と並んで、筋肉の伸張反射と体のバネ作用が覚醒したからです。ぜひ参考にしてください。

筋肉の伸張反射とは?

筋肉の伸張反射とは、バックスイング~フォロースルーにかけて筋肉をゴムのように伸び縮みさせる反射運動です。

これは筋肉の伸張(伸びる)と収縮(縮む)という、全身運動になります。

この作用は熱いものを触った時にすぐに手を離す…という通常の反射神経と同じで、とても素早く反応します。

体のバネ作用とは?

体のバネ作用とは、バックスイング~フォロースルーにかけて背骨のS字カーブを板バネのように伸び縮みさせる作用(バネの変形と復元)です。

この作用も練習することで、筋肉の伸張反射と同様に素早く使えるようになります。

筋肉の伸張反射と体のバネ作用は、とても密接な関係があります。

バックスイングの時は、筋肉の伸張反射として、体の前側の筋肉が急激に伸ばされます。また体のバネ作用としては、背骨のS字カーブが急激に伸ばされます。

これに対して、インパクト~フォロースルーにかけては、伸ばした筋肉と背骨のS字カーブが合わせて縮もうとします。

つまり、両方の伸び縮みの作用が同時に働いて、強力なスイングスピードを発揮するわけですね。

練習方法

筋肉の伸張反射と体のバネ作用を身に付ける練習法は、一本歯下駄トレーニングが最適です。

なお一本歯下駄をお持ちでない方は次の動画の動きを真似するだけでも良いので、ぜひ練習してみてください。

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さて次は、(2)筋トレの練習メニューについて解説します。

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