ブラジルでのコーチの経験を活かして、 サッカー未経験の方にも分かりやすく科学的で正しい理論をご紹介します

キックの蹴り分けの意味と正しい使い方とは?

【キックの蹴り分けと軸足】

キックの蹴り分けは、相手にパスコースやシュートコースを見破られない…という意味で、インパクト直前のボールと軸足の位置関係も大切です。

そこで次に、キックの蹴り分けと軸足の位置関係について解説します。

(1)軸足とボールの位置関係(ストイコビッチの例)

ここではテレビ朝日のやべっちFCに出演した、元名古屋グランパスのストイコビッチのフリーキックを例に、軸足とボールの位置関係を詳しく解説します。

ストイコビッチが実演したフリーキックは、ペナルティーエリアの右サイドから蹴った3種類のキックです。

パターン①:ゴール右隅を狙ったニアサイドへの小さく曲がるカーブ。
パターン②:ゴール左隅を狙ったファーサイドへの大きく曲がるカーブ。
パターン③:ゴール左隅を狙ったファーサイドへの低いインステップキック。

実は、ストイコビッチのフリーキックの特徴は、3種類のキックとも軸足がボールの真横に位置するという点です。

こうした軸足とボールの位置関係について、筑波大学の浅井武教授は「全てのキックが同じ軸足で踏み込まれると、ゴールキーパーはどのようなボールが飛んでくるのか判断しにくい」と解説しています。

つまり、ゴールキーパーに対して、球種やシュートコースを見破られないということですね。

これは何を意味するのか?というと、ゴールキーパーはキッカーのシュートモーションとは別に、軸足の位置関係などを見てどのような球種なのか?を予測しているということです。

ところがゴールキーパーから見ると、全てのキックが同じ軸足の位置なので、実際に蹴らないと球筋が分からないわけですね。

こうした場合、日本ではボールを高く蹴るときの軸足はボールの手前に置くことが多いです。

そのため、軸足の位置関係だけで相手に球筋が読まれてしまいます。

また、インステップキックを蹴るときの軸足は、ほとんどの選手はボールの真横に置くことが多いですし、カーブを蹴る時は少し離しますよね。

そうすると、ゴールキーパーは軸足の位置関係によって真っ直ぐ蹴るのか?カーブなのか?という違いが簡単に分かってしまうのです。

そこで次に、キックの蹴り分けと軸足の関係について、もっと深く考えてみましょう。

(2)軸足とボールの位置関係(息子の例)

私の息子「とも」のキックの軸足は、インステップ、インフロント、カーブなど、ほとんどのキックがボールの真横に位置しています。

しかも、バックスイング~インパクトまでのキックモーションも、ほぼ同じです。

これは先ほど解説したストイコビッチと同様に、パスにしてもシュートにしても、相手にとっては実際に蹴るまで球種が判らないということですね。

私はキックにとって最も大切なことは、狙ったところに思い通りに蹴れるのであれば、どのような蹴り方でも構わないと考えています。

ただし、蹴り終えるまでは相手に対してパスやシュートの球筋が見破られてはいけない!という条件付きです。

そうした点で、ボールと軸足の位置関係は同じ方が良いのです。

「とも」は小学校1年生からサッカーを始めましたが、キックを蹴る時のボールと軸足の位置関係は教えたことがありません。

唯一、教えたのは「蹴る時にあまり窮屈にならないように…」ということだけです。

そのため、ほとんどのキックの軸足をボールの真横に置くようになったことから、パスにしてもシュートにしても相手に球種が見破られなくなりました。

ところが、実はもう一つの利点が生まれました。

それはキックの蹴り分けの感覚が上達したということです。

(3)軸足が一定するとキックの蹴り分けが上手くなる

先ほど解説したように全てのキックの軸足をボールの真横に置くのは、とても窮屈に思いますよね。

特にバックスイング~インパクトまでが全て同じなので、尚更そのように感じるでしょう。

ところがこうした窮屈さは、かえってキックの精度を高めることに繋がります。

これは何を意味するのか?というと、次のように蹴り足のピンポイントの感覚が身に付くということです。

①インステップキックはボールの中心をインパクトして水平に押し出す。
②インフロントキックではボールの中心からやや下を擦り下げる。
③カーブはボールの中心から1㎝程度横を擦り上げる。

これらは蹴り足の感覚を研ぎ澄ましたり、フォロースルーを工夫しない限り、蹴り分けることが出来ません。

これは、真っ暗な場所にいる時に五感を研ぎ澄まして歩くのと同じで、ヒトは不自由な環境に置かれると適応するわけですね。

だから、蹴る時の不自由さを解消するために、否が応でも蹴り足の感覚に頼るので、必然的に繊細な感覚が身に付くのです。

ただし、それ以前の課題もあり、それは軸足を強固に鍛えるという点です。

私のブログでは、機会あるごとに軸足の強化を提唱していますが、次の動画のような「ちょんちょんリフティング」は、いつでも1000回連続で出来る必要があります。

ところが、正確な蹴り分けが出来るためには、最低でも3000回以上は続けられるようにしたいところですね。

その理由は、キックを蹴る時は体に縦方向の遠心力が掛かるからですが、さらにカーブを蹴る時は横回転も加わります。

そのため、軸足を強くして遠心力を克服しなくてはダメですし、強くて速いキックを蹴る時は、なおさら必要です(蹴った後に体がぐら付くようではダメ)。

また、今回の記事を読んで全てのキックの軸足をボールの真横に置いたとしても、軸足を強化しない限り、単なる真似事にしかなりません。

次の画像は「とも」のインフロントキックのバックスイングとフォロースルーですが、軸足の位置が全く動いていませんよね。

これは体幹と軸足を鍛えたことによって、キックの遠心力を克服している証拠です。

以上のようにボールと軸足の位置関係はとても大切ですが、同時に軸足の強化も必要というわけですね。

こうした点にはくれぐれもご注意ください。

※体幹と軸足を鍛えることや、ちょんちょんリフティングの効果を詳しくお知りになりたい方は、次の記事をお読みください。
キックは軸足を鍛えて上手くなる!トレーニング法も解説
ちょんちょんリフティングがサッカーに役立つ驚きの効果
利き足リフティングの効果は3つ!両足練習は役立たず?

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さて、それでは次にキックの蹴り分けの具体例を詳しく解説します。

試合で使えるテクニックを厳選したので、ぜひお読みください!

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