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身体能力開発

膝抜きでサッカーのプレーが劇的に改善!【練習法も解説】

投稿日:2019年4月6日 更新日:

ドリブルするキリアン・エムバペ

膝抜きは、サッカーのプレーにおいて体を素早く動かしたり、止めたり、方向転換する時などに使えるとても大切な技術です

特にサッカーの上手い選手は、必ずと言って良いほど身に付けている技術です。

そこで今回は膝抜きの練習法や、サッカーのプレーにどのように活かされているのか?という点について、詳しく解説します。

1.膝抜きとは何か?

(1)膝抜きとサッカーの関係

膝抜きは古武術に由来しますが、最近ではサッカー、バスケットボール、陸上競技など、走力を必要とするスポーツに広く普及しています。

ところが日本のサッカー指導者の多くは、未だに「サッカーは足でやるもの…」という考えが蔓延していることから、下半身の筋力に頼ったテクニックを教えるケースが多いです。

その場合、上半身と下半身の体重比は6対4なので上半身の方が重たいです。
そうするとサッカーで足だけを使うということは、重たい上半身をリュックサックのように背負って一生懸命プレーするようなものです。
これではサッカーのプレーのパフォーマンスは低下します。
また、腰、股関節、膝、足首などの負担が大きいのでケガの危険も大きいでしょう。

そもそもヒトの筋出力(自分の筋肉が持つパワー)を最大化させるためには、全身のリラックスが必要です。
そうすることで関節や筋肉の過度な負担も軽減できるのです。

そうした点で膝抜きは関節や筋肉の負担もなく、むしろサッカーのパワーフォーマンスが上がるので特に小中学生の育成年代の選手たちにはぜひ身に付けてほしい技術です。

(2)膝抜きのやり方

ここでは、サッカーの試合中に最も多い、立っている状態から走り出す時の膝抜きを例にして解説します。

次の動画は古武術の例ですが、基本的な動作はサッカーと同じなのでぜひご覧ください。

① 膝抜きをしない走り方

膝抜きをしない一般的な走り出しの動作は、後ろ足で地面を蹴ってスタートします。

膝抜きをしない走り方の説明画像

この走り方ではたしかに地面反力も得られるので、いちおう前に向かう推進力が出ます。
でも足腰の筋力に依存した走り方なので、スピードとパワーが筋肉量に左右されます。
そうすると筋力の乏しい子供たちは速く走ることが出来ません。
また先ほども解説したとおり上半身が重りのようになるため下半身の負担が大きくなり、かえってパフォーマンスが低下するのです。

② 膝抜きを使った走り方

膝抜きを使った走り方は、筋力とはほぼ関係なくスピードとパワーを発揮出来ます。

ところが意外と多くの方が勘違いされていることがあります。
それは単に膝の力を抜くだけ…と考えていることです。

効果的な動作をするためには、いくつかの関連動作も併用してください。
特に重要なことは3つあります。

膝抜きを使った走り方の説明画像

ア.膝抜きは股関節も同時に抜く

膝抜きは股関節も同時に抜きましょう。
その理由はヒトの膝は股関節と連動するからです。
その場合、股関節の脱力が不十分であると、いくら膝を抜いても上手く行きません。

イ.重力落下と重心移動

膝と股関節を同時に抜くと無意識かつ反射的にしゃがみ込もうとします。
こうした動作を重力落下と言います。
ちょうど「ひざかっくん」のような感じですね。

その時、体を前に倒すと同時に片方の足を前に出してください。
そうすると簡単に重心移動が出来るので自然な一歩が踏み出せます。
つまり重力落下で体が沈むエネルギーを重心移動によって前に向かう推進力に変えてしまうわけです。

これは膝抜きをしない一般的な走り出しの動作とは全く違い、足の筋肉に依存しません。
特に小中学生年代のサッカー選手にはおススメですね。

ウ.一歩目の着地でも膝抜き

走り出しで一歩目の足が着地する時は、もう一度膝抜きをしましょう。
この時に地面を蹴ろうとして膝を踏み込んでしまうと、体にブレーキが掛かってしまいます。
そうすると前に向かう推進力が落ちてしまうのです。
これは意外と起こりやすい間違いなので注意してください。

一歩目の着地でも膝抜きする画像

ちなみにこの膝抜きは走り出しの動作だけではなく、中間走でも使えます。
例として私の息子「とも」の走り方を見てみましょう。
次の動画は小学5年生の時のリレーの様子です。

「とも」の膝抜きを解析してみましょう。

① 左足が着地。
② 着地と同時に膝抜き。
③ 重力落下と重心移動によって体が前に進む。

膝抜きをしながら走る動作の解析画像

お気付きかも知れませんが、「とも」の走り方を見ると頭の上下動がありません。
これは重力落下と重心移動を利用しているからです。
地面を蹴って頑張って走るというのではなく、長距離走のようにリラックスしながら、まるでボールが弾むような弾力性のある走り方です。

ボールが弾むような弾力性のある走り方の説明画像

一方、よくありがちな頭の上下動が起きる原因は、着地と同時に地面を強く蹴り過ぎるからです。
たしかに地面反力は得られますが、過度に蹴り過ぎると体が上下動して前に向かう推進力をロスしてしまいます。

また地面を強く蹴るという点では、一時期流行った「ポン・ピュン走法」も地面反力を利用した走り方です。
これも良い面はあるでしょうが、基本的には大腿四頭筋に依存した走り方です。
たしかに速くなるでしょうが、私としては筋力に頼った走り方はおススメ出来ません。

サッカーの試合中は短距離ダッシュを繰り返すようなものです。
そうすると過度に筋力に依存した走法では試合の後半に足が止まる原因になります。

そうした点では、ぜひ膝抜きを身に付けましょう。

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2.膝抜きの練習法

ここでは、小学校低学年でも覚えられる膝抜きの練習法について解説します。

(1)膝抜き歩き

先ずは膝と股関節を抜く感覚を覚えましょう。
膝と股関節を脱力しながらゆっくり歩いてください。

慣れて来たら同じようにして階段も降りてみてください。
ただし、慣れないと危険なので最初のうちは必ず誰かが補助するようにしてください。

(2)重力落下

次は膝と股関節の脱力に加えて、重力落下の感覚を覚えましょう。
膝と股関節を脱力して立った状態から、ボールを落としてもらってキャッチします。
この時は特にキャッチ出来なくても構いませんし、尻もちを付いても良いです(ただしケガには注意)。
大切なことは体の力を抜いて、ストーンと一気にしゃがみ込むことです。
何度も繰り返して、無意識のうちに重力落下が出来るようにしましょう。

(3)重心移動体操

この体操は、サッカーの方向転換で必要な重心移動の練習です。
小学校低学年や幼児など、三半規管が未熟な子供もいると思います。
もしも気分が悪くなったりしたら、無理をしないで休んでください。

(4)膝抜きボールタッチ

この膝抜きは、これまで解説した立った状態から膝と股関節を脱力する動きとは全く正反対の動作です。
やり方としては、膝と股関節を曲げた状態から一気に脱力して伸ばします。
慣れて来るとシャペウやチップキックに使えます。

シャペウ

チップキック

(5)一本歯下駄トレーニング

私のブログで紹介した一本歯下駄トレーニングをしているのであれば、特に何もしなくて結構です。
このトレーニングを続ければ自然と膝抜きが出来るようになるからです。

参考記事
一本歯下駄の効果!身体能力アップに役立つ5つの理由!
一本歯下駄トレーニング!サッカー向け練習メニュー22選

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3.膝抜きをサッカーに活かす

ここでは膝抜きの技術がサッカーのプレーにどのように活かされるのか?という点について、いくつか解説します。

(1)ドリブルの切り返しと方向転換

カットドリブル

膝抜きが出来ると、カットドリブルでの切り返し動作がスムーズになります。、
次の動画はスローモーションですが、自分の動作を定期的に撮影するなどしてチェックしてみてください。

カットドリブルは左右の方向転換を繰り返すので、膝抜きの一連の動作を何度も使います。
特に切り返しの時に膝抜きを使いますが、この時に膝を踏み込むと力が入ってしまうので意味がありません。
絶対に膝を踏み込まないようにしてください。
また、一連の動きが上手になると空中動作が大きくなります。

膝抜きとカットドリブルの関係を説明する画像

カットイン

膝抜きを使った方向転換で代表的な動作はカットインです。

カットインは止まる動きと方向転換の二つの動作が必要です。

止まる時は、①膝と股関節抜き(空中動作)。
方向転換を開始する時に、②重力落下と重心移動。
方向転換が終わる時に ③一歩目の膝抜き。

膝抜きとカットインの関係を説明する画像

(2)フェイント動作

フェイントの時に膝抜きをすると切り返しからの素早い動作が出来ます。

マシューズフェイント

膝抜き動作は次の順に行います。

①膝と股関節抜き。
②重力落下と重心移動。
③一歩目の膝抜き。

膝抜きとマシューズフェイントの関係を説明する画像

ダブルタッチ

ダブルタッチは先ほどのマシューズフェイントとは少し違います。

①膝と股関節抜き。
②重力落下と重心移動。
この2つの動作を一気にやります。
その後、③一歩目の膝抜きになります。
こうすることで、ボールを横にスライドする動きが速くなります。
膝抜きとダブルタッチの関係を説明する画像

このように、2つの動作を一緒に行う動きはイニエスタにも見られます。
体の小さな選手にはよく見られる特徴的な動きですね。

イニエスタのダブルタッチ

(3)ジャンプ動作

ジャンプ動作の場合は、しゃがみ込む時に、
①膝と股関節抜き。
②重力落下。

その後は体が沈み込んだ反動を利用して一気にジャンプしてください。
バスケットボールやバレーボールでもよく使われる膝抜きです。

膝抜きとジャンプ動作の関係を説明する画像

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4.まとめ

これまで膝抜きとサッカーの関係、練習法、サッカーのプレーにどのように活かされているのか?という点について解説しました。

一方、日本のサッカー指導者は、未だに膝抜きを理解していない人が多いです。
そもそも膝抜きは古武術由来の技術なので、他の競技に無関心で不勉強なサッカー関係者が分からないのも無理はないでしょう。

でもサッカーのプレーにとっては基本的でとても大切な技術です。

そこで今回の解説を参考にして、たくさんの子供たちが膝抜きを習得し、サッカーのプレーのパフォーマンスが改善されるよう願っています。

【画像引用:Youtube.com

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