ブラジルでのコーチの経験を活かして、 サッカー未経験の方にも分かりやすく科学的で正しい理論をご紹介します

ラダートレーニングでサッカーが上手くなる4つのポイント

 ラダートレーニングは、サッカー選手の身体能力を高めるうえで、とても効果的な練習法です。
 このトレーニングにはいろいろな種類のステップがありますが、いずれもスポーツ科学に基づいた大切な動作です。

 この練習をするうえで、特に見落としがちなポイントが4つあります。

 一方、最近はサッカーのいろいろな動作の習得に特化したタニラダーが普及しています。
 Jリーグのいろいろなクラブにも導入されていて、とても評価が高いです。

 そこで、今回はラダートレーニングを練習する時に見落としがちな4つのポイント、タニラダーが評価される理由について、詳しく解説します。

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1.ラダートレーニングの4つのポイント

 ラダートレーニングは、サッカー選手のSAQ(スピード、アジリティ、クイックネス)を高めるうえで比較的手軽に取り組める練習法です。

 このトレーニングをやる時に注意したいのが、次の4つです。

 (1)自分の基礎的な身体能力をあらかじめ理解する。
 (2)正しい動作で練習する。
 (3)上半身と下半身を連動させる。
 (4)サッカーのプレーに特化したメニューを練習する。

 そこで、この四つのポイントを順に解説します。

(1)自分の基礎的な身体能力をあらかじめ理解する

 ラダートレーニングをするうえで、ぜひご理解いただきたいことがあります。
 それはラダートレーニングに取り組んでも、サッカーに必要なSAQ(スピード、アジリティ、クイックネス)が直ちに身に付くというわけではないということです。
 これは何を意味するのか?というと、子供の現在の身体能力が適正なレベルにあるのか?ということと深く関係します。

 ラダートレーニングの「飛ぶ」「跳ねる」「走る」というステップは、高度で専門的な動作です。

 子供がラダートレーニングをするのにあたって、もしも基礎的な身体能力が低い状態で練習していたとしたら、そもそも練習メニューが高度過ぎて十分な効果が出せません。
 そればかりではなく正しい動作が身に付かない恐れがありますし、ケガの危険もあります。
 もっと言えば、単なる真似事のレベルで終わってしまうかも知れません。

 この場合、昔の子供は幼少期から追いかけっこや鬼ごっこなどの遊びを通じて身体能力を高めていたので、大人になってもすぐにいろいろなスポーツに適応できました。

 ところが最近の子供は外遊びをしないので、SAQの能力が低下しています。
 そうした状態でいくらトレーニングをしても、たいして効果は上がりません。

 つまり子供がラダートレーニングを始める前には、ある程度の身体能力を身に付けておく必要があるのです。

 そうした点では、ラダートレーニングを始める前に、例えば一本歯下駄トレーニングなどで身体能力をアップさせるなど、全身の骨格と筋肉がくまなく動かせる状態にしておくことが重要です。
 また、他のスポーツとして、陸上競技、水泳、バスケットボール、バレーボール、テニスなど、出来るだけ全身を動かす競技を経験する必要もあります。
 そうすることで、本当の意味でラダートレーニングの効果が高まるのです。

※一本歯下駄トレーニングをもっと詳しくお知りになりたい方は、次の2つの記事をお読みください。
 一本歯下駄の効果!身体能力アップに役立つ5つの理由!
 一本歯下駄トレーニング!サッカー向け練習メニュー22選

(2)正しい動作で練習する

 ラダートレーニングのステップは数十種類あり、一つ一つの動きはサッカーに必要なSAQを最大限に高めるためのスポーツ科学に基づいた動作です。
 この場合、単に動作を真似たり、速いステップを踏むだけではトレーニングの効果が半減します。
 そこでヒザを高く上げる、腰をひねる、腕を振るなどの正しい動作をきちんとマスターしたうえで練習することが大切です。

 どうしても正確な動きが覚えられない場合、最初はゆっくりで構いません。
 一つ一つのステップの意味を理解したうえで、徐々にスピードを上げれば良いのです。
 いずれにしても、先ずは正しいステップを覚えるようにしましょう。

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(3)上半身と下半身を連動させる

 ラダートレーニングでSAQの効果を発揮するためには、上半身と下半身の連動が必要です。
 これは単に足だけを動かすのではなく、全身のバネや筋肉を使うということです。
 そうすることでスピード、アジリティ、クイックネスがアップするのです。

 次の動画の0:36からのシーンで指導者が手本を見せていますが、いずれのステップも腕振りや体幹のひねりなどの動きが加わっています。

 ところが一部の子供は、腕振りなどの動作が小さいように見えます。
 これは速くステップしようとするあまり、どうしても足だけの動作になってしまうため、上半身を動かすことまで意識が働いていないのです。
 そうすると上半身と下半身が連動しないため、せっかくレーニングしたのに効果が落ちてしまいます。

 こうした足だけを動かす練習は、日本の少年団やクラブチームでも意外と多く見られます。

 次の動画のラダートレーニングも、よくありがちな間違った練習法です。
 特に最初に実演している少年は上半身を全く動かさずに、足だけでステップしています。

 これは何が問題なのかというと、足だけを動かすので上半身と下半身の連動性が全くないのです。
 この場合、上半身と下半身の体重比は6対4です。
 そうすると足の力だけで、重たい上半身を背負って一生懸命ステップしているようなものです。
 また実演した少年のステップは一見して素早く感じますが、股関節、ヒザ、足首などにかなりの負担をかけています。
 これではSAQの効果が乏しく、ケガの危険も高い、全く意味のないラダートレーニングです。

 一方、次の動画の4:08からのシーンでは、タイツ先生がメッシの高重心の動作を解説しています。

 海外のトップ選手たちは高重心なので、背骨のバネ作用が使えます。
 そうすると飛ぶ、跳ねる、走るというサッカーに必要な能力が高いのです。

 これに対して日本人の体型は古来から胴長短足であること、家庭内では畳や床に座って生活していることなどから、どうしても低重心になります。
 サッカーにおいても低重心でプレーするため、どうしても足だけを使った動作になりやすいです。
 そうするとメッシのような上半身のバネ作用がほとんど使えません。

 そうした場合、先ほどの子供たちのような足だけを使ったラダートレーニングを繰り返すと、低重心でバネ作用が使えない…という状態を習慣化させてしまいます。
 特に育成年代でいったん習慣化してしまうと、大人になっても悪い状態が続きます。
 そうした意味では、こうした間違った指導は直ちに改善するべきです。

 ※体のバネ作用を詳しくお知りになりたい方は、次の記事をお読みください。
 体のバネでサッカーがレベルアップ!ドリブルやキックに効果抜群

(4)サッカーのプレーに特化したメニュー

 サッカー選手がラダートレーニングをする場合、ドリブル、パス、オフザボールなど、実際のプレーの動作に特化した練習メニューを組むことが大切です。

 この場合、ラダーのステップは多種多様であり、数十種類ものメニューがあります。
 そうすると、あれも…、これも…となって、いろいろなメニューが増えてしまいます。
 これは良さそうなステップだ!と思って取り入れてみたら、実は野球用のメニューだった…ということにもなりかねません。

 特に子供の練習に熱心なお父さんやお母さんたちは、Youtubeなどで調べたステップを何の疑問も感じずに取り入れていることもあり得るでしょう。
 つまり、単なる自己流ということです。
 ラダートレーニングはきちんとしたスポーツ科学に基づいていますし、それほど簡単なものではありません。
 これは笑い話のように思えますが、地方の少年団やクラブチームではよくありがちなことです。

 その結果、サッカーにはそれほど必要のないステップまでも練習し、ラダートレーニングが終わったら単に疲れただけ…というケースも多いでしょう。

 その反対に取りあえず速く走れれば良いということで、2~3種類のメニューに限定して練習するケースもあります。
 そうすると、それだけのステップでは明らかに練習不足になります。
 例えば体を瞬時にひねったり、方向転換したり、ジャンプしたりなどのサッカー特有の動作のステップも必要だということですね。

 このように、ラダートレーニングのメニューが多すぎたり少なすぎたりということは、実際の指導現場でも良く見られます。

 なぜこのような状況になるのかといえば、それはひとえにサッカー指導者の不勉強が原因です。
こ うした指導者は過去から現在まで受け継がれたメニューを、何の疑問も持たず何の考えもなしにひたすら子供たちに教えているだけなのです。

 そうした意味ではラダートレーニングのステップは、サッカーの動作に特化した練習メニューに厳選することが大切です。

 また、一つ一つのラダーステップの意味をきちんと子供たちに理解させることも必要です。
 例えば、クイックランは、素早い走り出しのためのステップです。

 このステップは、単に速く走ればSAQの効果が上がるというものではありません。

 サッカーの試合中は50mや100mの距離を走るわけではなく、5~10mの瞬間的なダッシュ力が必要です。
 その際、陸上競技の短距離走のように加速→中間走→フィニシュという三段階の走法は使いません。
 むしろ立ち止まっている状態から加速して、一気にトップスピードになることが必要なのです。
 そうした加速を伴う走り方は大股ではなく、小刻みなステップをしないと瞬発力が発揮できません。

 そうすると、クイックランは太ももを高く上げて腕をきちんと振るなど、小刻みなステップを意識することで初めて効果が上がるのです。

 ところが、こうした大切な考え方をきちんと子供に教えられる指導者は少ないでしょう。

 そうした点では、指導者自身が成長することも必要です。

 いずれにしてもラダートレーニングは、次の4つのポイント意識して練習しましょう。
 (1)自分の基礎的な身体能力をあらかじめ理解すること。
 (2)正しい動作で練習すること。
 (3)上半身と下半身を連動させる。
 (4)サッカーのプレーに特化したメニューを練習する。

 さて、最近はサッカーのいろいろな動きを高めることに特化した、タニラダーが普及しています。
 これは先ほども解説した「サッカーのプレーに特化したメニュー」という点で、とても高い効果を発揮します。

 そこで次に、タニラダーにはどのような特徴や効果があるのか?と言う点を解説します。
 大切な内容なので、ぜひお読みください!

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