ブラジルでのコーチの経験を活かして、 サッカー未経験の方にも分かりやすく科学的で正しい理論をご紹介します

サッカーで周りを見るための意外な練習法とは?小学生におススメ!

2.周りを見るための練習法

 サッカーの試合で周りを見ることは大切ですが、そもそもこうした感覚は子供にとって非日常的です。
 そこで、サッカーとは関係のない日常生活の中から周りを見る習慣を付けさせましょう。
 そうすることで非日常的な感覚が日常化する…というように考えてください。

(1)オフザボールで周りを見る習慣付の練習

 次の動画のように近所の街中を散歩して、いろいろな景色を観察してください。
 子供の学校の登下校で、いろいろな景色を観察させても良いでしょう。

 大切なことは、近くの景色と遠くの景色を周辺視野を活かして一緒に見たりすることです。
 また近くと遠くを切り替えて見たり、ときどき後ろを振り返ってみると360度の視野になるので、子供にとっては非日常的な体験になります。

 この練習の狙いはサッカーの試合中のオフザボールの時に、落ち着いて周りを見ようという意識付けにあります。
 試合中の状況をイメージするとしたら、例えば近くの人と遠くの人(味方と相手)の位置関係、人がいない場所(スペース)といる場所を分けて見る…などいろいろ工夫してみてください。

 たぶんお気づきでしょうが、ヒトは近くの景色はよく見ますが遠くはほとんど見ていません。
 なぜなら、遠くを見るのは非日常的な行動だからです。

近くと遠くの景色の比較

 ても意外と簡単な練習ですし、サッカーの試合中に周りを見ることに活かせます。
 遊び感覚でやってみても良いでしょう。

 その他にも駅の改札に行って、首を振りながら近くの人や遠くの人をキョロキョロと見てください。
 人の往来が激しいので、周りを見るだけでも大変です。
 でも、その分だけサッカーの試合中では大したことはないな…と感じるはずです。

駅の改札口

 ショッピングセンターやスーパーなどの人が多い場所も効果的です。

ショッピングセンター

 とにかく、人が動いていてたくさん行き来する場所ならどこでも良いのです。
 こんな程度のことでも周りを見る練習になります。

(2)速読の練習

 周りを見るという点で、動体視力と周辺視野を鍛えましょう。
 特におススメは速読です。

 速読は脳神経が活性化するので、サッカー以外のスポーツはもちろんですが勉強にも役立ちます。

 ホンマでっかTVでおなじみの脳科学者の澤口先生によれば、サッカー、勉強、英語など多方面の効果を解説しています。

 速読は市販の教材がいろいろと安価で販売されていますが、DVD付であれば子供に飽きが来ないと思います。
 通販などのレビューを参考にして購入すると良いでしょう。

 このように動体視力と周辺視野を鍛えると眼球が速く動くようになるため、自然と視野が広くなります。
 そうすると、サッカーの試合中は自然とボールから目を離して周りを見るようになります。
 ぜひ試してみてください。、

参考記事:動体視力と周辺視野がアップ!速読でサッカーが上手くなる?

(3)試合の動画を使って周りを見る

次の動画はFCバルセロナとレアルマドリードの試合の様子です。

 サッカーの試合で周りを見れない子供が試合中継を見る時は、ほとんどボールばかり見ているはずです。
 そうすると本人が試合する時も、やはりボールばかり見るだけになってしまいます。
 つまり悪い癖を助長するだけになるのです。

 そこで試合中継を見る時は、必ず守備側の目線で見るようにしてください。

 例えばバルサの攻撃であれば、レアルの守備陣形はどうなっているのか?スペースはどこにあるのか?という点に注意して見てください。
 そうすると自然とボールから目が離れ、スペースを探すようになります。

 特にスペースはどこか?という視点を持つと状況判断の養成にもなります。

守備側の目線で見る意味の説明

 また、攻守の切り替えは頻繁に起きるので、切り替わった時点でお父さんやお母さんが「守備側を見て!」などと声掛けをしてみてください。

 ちなみにサッカー中継はYoutubeなどで「FC Barcelona vs Real Madrid Full Match」などと検索すると、過去の試合ですが一試合分を見ることが出来ます。
 バルサの試合は参考になるので子供と観戦するのも良いでしょう。
 ただし、ダイジェスト版は得点シーンだけなので参考になりません。

スポンサーリンク

(4)サッカーの試合で周りを見る意識付け

① 振り向き遊び

 家の中でも外でも良いですが、子供さんの横に立って(1~2m程度離れる)後ろに回り込んで振り向かせてください。
 これは、試合中に無防備になりやすい自分の後ろの相手を見る習慣付になります。

振り向き遊びの説明

 このように後ろを見るのは、同時に左右の横方向も見ることになります。

 先ほど「遠くのモノより、目の前にあるものを優先する…だから視野が狭く身近なものしか見なくなる…」と解説しました。

 そこで、例えば試合中にパスを受ける時は「振り向き遊びのように左右と後ろは必ず見ようね…」「後ろには鬼がいるよ…」などとアドバイスすると良いでしょう。

② 対面パス

 FCバルセロナの選手たちは、相手に囲まれた状態でもパスを受けることが多いです。

 そこで次の画像のように目印(マーカー、コーンなど)を置いて、パスを受ける時は左右と後ろを見てから安全なスペースでトラップするように練習してください。

 最初は親御さんがパスの出し手になり、子供さんを受け手にさせてください。
 この動きに慣れて来たら、この役割を反対にしてください。
 そうすると、子供はパスの出し手と受け手を交互に繰り返すことになるので、試合中に周りを見ることの大切さが理解できます。

対面パスの説明

 また目印は、なるべくなら子供さんと同じ目線の方がリアル感があります。
 その場合、子供の身長と同じ長さの棒などを地面に刺して使っても良いでしょう。
 もちろんそうしたものがなければ、地面に落ちている小石など目印になるものであれば何でも良いと思います。

③ ドリブルと間接視野

 次の動画のようにマーカーなどで四角形のスペースを作って、運ぶドリブルと突破のドリブルを切り替えながら練習させてください。
 ドリブルをする時は常に間接視野を使うように意識付けさせましょう。

 運ぶドリブルの時は、顔を上げてボールから目を離して周りを見るようにさせてください。
 その時に近くに人が歩いていたら「あの人の洋服の色は何色?」「身長はどのくらい?」「あれ?犬が散歩しているけど何色?」などと質問を投げかけてみましょう。

 その他にも、お父さんやお母さんが四角形のスペースの周りを歩きながら、時々、ジャンケンのグー、パー、チョキを適当に出しながら「今の何だった?」と質問してみましょう。
 このようにすると、自然とボールから目を離して周りを見ることに注意が向いてきます。

 またボールから目を離すとボールコントロール出来なくなることが多いので、そうした時に間接視野でボールと周りを見るよう意識付けさせてください。

 一方、突破のドリブルの時はボールに集中して構いません。
 なぜなら突破のドリブルは周りを見ることよりも、相手を抜くことの方が大切だからです。
 つまりドリブルは使い分けるということですね。

 なお、ドリブルの際は常にヒザ下にボールを置くように意識させてください。
 そうするとボールの置き場が安定するので、顔を上げて周りを見ることにも繋がります。

ヒザ下にボールを置くドリブル

 この練習は、ボールから目を離して周りを見るようにするのはもちろんですが、間接視野を覚えるのにも繋がります。
 ぜひ試してください。

3.まとめ

 これまでサッカーの試合で周りを見る意味として、子供が周りを見ない理由や試合中はいつ何を見れば良いのかなどについて解説しました。
 また、私の息子が小学校低学年のころに実践した、周りを見るための練習法もご紹介しました。

 今回の記事で私が最も言いたかったことは、子供がサッカーの試合中に周りを見ないでボールばかり見るのは本能的なことだから、いくら口で言ってもなかなか改善できないということです。

 だから、少年団やクラブチームの練習に任せても、いつまでも周りを見ない癖が治らない子供が出て来てしまうのです

 そうした意味ではお父さんとお母さんには、子供さんのために一肌脱いでいただいて、ぜひ先ほどご紹介した練習相手になってほしいと思います。

 このような練習を通じて、一人でも多くの子供たちがサッカーの試合中に周りを見ることが出来るようになって、正しい状況判断が出来るよう願っています。

【画像引用:Youtube.com