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マリーシアの本当の意味!日本サッカーに今必要な理由とは?

投稿日:2019年5月10日 更新日:

日本に初めてマリーシアを伝えたのは、元ブラジル代表のキャプテンとして1995年に来日したドゥンガです。

それから20年以上も経つのに、いまだに日本ではマリーシアのことを「ずる賢い」とか「汚いプレー」と誤解されています。

こうしたプレーはブラジルではマランダラージと呼ばれていて、マリーシア本来の意味とは全く違います。

そこで今回は私がブラジルで体験した本当の意味のマリーシアを詳しく解説します。

1.マリーシアとは

(1)マリーシアの本当の意味

マリーシア(malicia)とは、ポルトガル語で「ずる賢い」という意味です。

でも、日本ではこの言葉の意味をとても狭く解釈しているかも知れません。
例えばリードしているチームが試合後半で時間稼ぎする、ファールを受けるためにわざと倒れて痛がったりする、審判の見ていないところでラフプレーをするなどを指すことが多いです。

そうすると汚いプレー、みっともない、ずるい…などと思われがちです。
だから正々堂々とやるべきだ!というように考えることが多いのでしょう。

これに対してブラジルにおけるマリーシアは、男女の恋愛の駆け引きでよく使われています。
例えば好きな女性に真正面から告白して失恋した友人に対し「お前はマリーシアが足りないな…」などと言う具合です。
これは「経験が少ない」とか「駆け引きが下手」という意味になるわけです。

ブラジルのサッカーもこれと同じで、経験が浅くて真正直なプレーをした選手に対し「マリーシアが足りない」というように使われます。

もちろん、日本で解釈されているようなルール違反のプレーを指すこともあるようです。
有名なところでは、ネイマールがペナルティーエリア内でPKを取ろうとしてわざと倒れるシーンはよくありますよね。
でも、こうした汚くてずるいプレーはマランダラージと呼ばれていて、ブラジル国内でも批判されています。

ネイマールがペナルティーエリア内でわざと倒れるシーン

むしろ本当の意味は、「試合経験が豊富」「駆け引きが上手い」「したたかな試合運び」「知的なプレー」などの言い方の方が正しいのです。

こうしたマリーシアの本来の意味を初めて日本に伝えたのは、元ブラジル代表でJリーグでも活躍したドゥンガです。

(2)ドゥンガと日本代表

ドゥンガはブラジル代表のキャプテンとして1995年8月に日本代表と対戦し、5対1で勝ちました。

ドゥンガは試合終了後のインタビューで日本代表の印象を質問され、次のように応えています。
「日本人は真面目にプレーしていたがマリーシアが足りない。」
「日本の選手たちはキックオフ直後からハイプレスを繰り返してきた。」
「だから今日の暑さを利用して前半はパスを回して相手の体力を消耗させた。」

たぶん日本選手に対する印象として、暑い中でブラジルのパス回しを必死で追いかける様子を見て「経験が足りないな…」と感じたのでしょう。

当時の日本代表は加茂監督で、主な戦術はハイプレスとショートカウンターです。

ハイプレスとは守備戦術の一つで、相手陣内の高い位置で相手を2~3人で囲んでプレスをかけてボールを奪うというものです。
ショートカウンターは、高い位置で奪ったボールを少ないパスで繋いで速くゴールに向かうという攻撃戦術です。

こうしたプレーを90分間続けると、やはり選手の体力は消耗します。

現在こうした戦術は海外ではよく使われますが、どのチームも試合途中でパスを回しながら休む時間を作っています。
つまり速い攻撃をする時と時間をかけるプレーを使い分けているのです。

でも日本人は真面目なのでこうした体力勝負のプレーでも、文句も言わずにひたすら頑張ったのだと思います。
当時の日本はワールドカップの出場経験もなく、アジアで勝つのが精いっぱいの状態でした。
そうした意味では海外の本物のサッカーを知らなかったのでしょう。

ドゥンガとしては、そうした日本の事情も全て分かっていたのかも知れません。

こうした日本のサッカーに対するマリーシアの足りなさは、日本代表の歴代外国人監督も指摘しています。

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2.日本代表の外国人監督とマリーシア

(1)オフト

オフトはサッカーの基本戦術を知らなかった日本人に対し、基礎基本から攻撃と守備を叩きこみました。
また規律と組織の大切さを重んじて、チームへの忠誠心を植え付けています。

そうした中でドーハの悲劇を迎えるわけですが、試合後のインタビューで次のように言っています。
「ゲームの作り方は細かいところまで教えたが、試合の終わらせ方は教えられなかった」

さらに、この試合の後半でも「キープ・ザ・ボール」を連呼していましたが、日本の選手たちには監督の真意が理解できなかったのでしょう。

こうした試合運びの巧さは経験によって身に付くものです。
ところが、サッカー創生期の日本にとっては基本戦術を学んでいる途中です。
そうするとマリーシアを覚えるまでには至らなかったのでしょう。

ドーハの悲劇の直後のオフト

(2)ファルカン

ファルカンの在任期間は短かったですが、長期的な選手の育成と言う点で面白いエピソードがあります。

代表合宿のミーティングで守備の方法を説明したところ、ある若手選手が済まなそうに「分かりません」と言うと、理解出来るまで丁寧に教えたそうです。
また次の日のミーティングでも同じことがあり、やはり易しく説明したそうです。

これはブラジルの指導者であれば当然のことなのですが、チームの内の一人でも分からないままにすると戦術が成り立たないことを承知しているのです。
だから選手全員を理解させるのは、監督として当然のことと考えられています。

これは、ブラジルの選手たちにマリーシアが根付く理由の一つともされているようです。

そもそもブラジルは多民族国家で貧富の差も大きいことから、学力レべルの高い選手もいれば学校に通えない選手もいます。
そうするとサッカーのテクニックは上手でも、戦術や試合運びが理解できない選手が大勢いるのです。
だから、サッカーの駆け引き、したたかな試合運び、知的なプレーを分かりやすく教えなくてはいけません。

そうすることで本当のマリーシアが身に付くというわけですね。

(3)トルシエ

トルシエは2002年日韓ワールドカップで日本代表をベスト16に導いたことで知られています。

その際、就任直後に視察したJリーグの試合を見て「試合後半で1対0で勝っているのに、まだ点を取ろうとするのは理解できない」と言っていました。
また別の機会では「日本人は真面目すぎる。どんなに車が来ないような横断歩道でも信号無視をしない」とも言っています。

これはずる賢さやルール違反を推奨しているのではありません。
特に問題がないのならばバカ正直に考える必要はない、もっと自立的なプレーをしてほしい!という意味です。

海外での試合経験の乏しい日本人に対する、一種の警鐘なのでしょう。

(4)ジーコ

ジーコは2006年ドイツWカップまで日本代表を率いました。

代表チームでは大まかな指示はするものの、細かいことは選手同士の話し合いで戦い方を決めるという自主性を重んじました。

その理由は日本人が決まりごとに固執するあまり、創造的で多様性のあるプレーが出来ないという欠点を見抜いていたからです。
そうした中で選手としての成長を促しながら、サッカーの本質(本当の意味のマリーシア)を理解させようとしたのでしょう。

(5)オシム

オシムが目指したものはサッカーの「日本化」です。

それまでの日本は南米やヨーロッパのサッカーを取り入れましたが、これは戦術を真似しただけに過ぎません。
そこで日本人の特徴であるアジリティや走力を活かして、日本人に合ったサッカーの形を作り出そうとしました。

つまり、日本独自のサッカー文化を生み出し、それを国内に広めようとしたわけです。
もちろんそうした過程で、日本人に合うマリーシアの考えを根付かせようとしたのでしょう。

(6)ザッケローニ

ザッケローニは就任直後のアジアカップで優勝後、順調にブラジルワールドカップアジア予選を通過しました。

そうした中で迎えた2013年のブラジルコンフェデレーションズカップのイタリア戦では、前半で2点リードしたものの後半に逆転され3対4で敗れています。
試合後の会見では「イタリアは経験豊富でマリッツィア(マリーシアのイタリア版)を持っている。でも日本にはこれが足りない。」と話していました。

これはドーハの悲劇と似ています。

サッカーの試合でリードをして優位に立ったら、次は試合の終わらせ方を考えるのですが、当時の日本にはこの発想がなかったのです。

これは時間稼ぎのような汚いプレーを意味するのではありません。
相手に点を取られないような、試合運びの巧さを身に付けることの大切さを説いているわけです。

ちなみにブラジルでは「棺桶のフタを閉めろ」という格言があり、これもマリーシアの考えから来ています。
例えば、2対0のリードをすると気持ちの緩みが生じて逆転される恐れがあるため、3点目を取って相手をあきらめさせろ!と言う意味です。

先ほどの日本対イタリアの試合は正にその通りでしたし、2018ロシアワールドカップの対ベルギー戦も同じ結果になっています。

やはりマリーシアと無縁な日本にとっては、起こるべくして起こった出来事なのでしょう。

(7)アギーレ

アギーレは就任当初の記者会見で、「ピカルディア(スペイン語でマリーシアと同義語)」を訴えています。

ピカルディアはずる賢いとか汚いプレーとは違い、ルールの中で出来る最大限可能な試合のコントロール(試合運び)である…と説明しています。

またアギーレも他の外国人監督と同様に、日本選手の真面目すぎる特性を理解していたのだと思います。
その証拠にアジアカップ期間中のインタビューでは「日本人は言うことを聞き過ぎる」「もっと自由な発想が必要だ」とも話していました。
これはジーコの考え方によく似ています。

やはり個々の選手の成長によって、マリーシアの本質を身に付けて欲しいと考えたのでしょう。

(8)ハリルホジッチ

ハリルホジッチはデュエル(一対一での格闘)が有名したが、もう一つの言葉として「インテリジェンス」を提唱しています。
これは日本選手がペナルティーエリアに侵入しても、なかなかシュートを決めきれないことに対する問題への対処法とされていました。

この場合のインテリジェンスとは知的なプレーを指し、例えばペナルティーエリア内で相手DFにファールをさせるようようなポジション取ることを指します。
つまり、相手が足を引っ掛ける、手で押す、フォールディングするなどのファウルを誘うわけです。

ただしこうしたプレーはあくまでも誘っているだけであって、実際に反則をするのは相手だからマランダラージのような汚いプレーというわけではありません。
その他にもリードしている試合の終わらせ方も経験させようとしましたが、結局はロシアワールドカップ直前に解任されています。

(9)外国人監督の共通点

これまでの8人の監督の中で共通しているのは、日本代表にはマリーシアの真意はほとんど伝わっていないということです。
これは4年に1回のワールドカップに合わせて監督を人選するため、任期が短いという点も影響しています。

また代表選手に伝わらなければ、当然育成年代にも広まりません。

ブラジルの場合はサッカーが国の文化の中心にあることから、すでに育成年代からマリーシアを理解しています。
こうした点が日本と海外の大きな違いなのでしょう

ところが、日本では意外とサッカー以外のスポーツでマリーシアが身に付いているケースが多いようです。
そこで、次にサッカー以外の競技の状況について解説します。

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3.サッカー以外の競技とマリーシア

(1)野球

日本に野球とサッカーが伝わったのは1800年代後半のほぼ同時期です。
ところが野球はサッカーと違って独自に進化して、戦前から広く国民の人気スポーツとして定着しました。

そうした日本の野球の特徴は、心理的な駆け引きを多用することです。

特にピッチャーとバッターの駆け引きは、ジュニア世代からふつうに教えられます。
・速球を投げてバッターに速い球に警戒させた後で、変化球でタイミングを外す。
・遅い球を投げた後に速いボールで打ち取る。
・バッターがバットを短く握っているのを見て直球狙いと判断し、変化球を投げて打ち取る。
・当たっているバッターは敬遠して勝負を避ける。

この他にもいろいろありますが、こうした駆け引きは将棋や囲碁と似ています。
なぜなら野球は一回ずつ攻撃と守備が入れ替わるからです。
またピッチャーが一球投げ終えるごとに中断し、そして再開する…というプレーを繰り返します。

ピッチャーとバッターの対戦の様子

そうすると選手たちは時間をかけてじっくり考えてプレー出来るのです。
しかも、試合中は投手と打者という一対一の関係がほとんどなので、まさに将棋や囲碁と同じ感覚でプレーできるわけです。

また試合運びと言う点で、現在のプロ野球には長い歴史を経たノウハウが確立しています。
例えば投手には先発、中継ぎ、抑えの分業(先発完投もある)があり、攻撃では先行、中押し、ダメ押しという先行逃げ切りという試合運びが代表的です。
もちろんチャンスをものにして大逆転というのもあります。

そうした意味で野球には駆け引き、したたかな試合運び、知的なプレーという本当の意味のマリーシアが根付いていると言えるでしょう。

(2)格闘技

格闘技の基本は一対一で正々堂々と試合をするのでマリーシアは関係ないと思われがちです。
でも、実はそうでもありません。
やはり勝負ごとなので、野球と同じような駆け引きがあります。

① 柔道

柔道は自分の得意技を掛けやすい組手があります。
例えば引手と釣り手をきちんと持てば、たいていの技をかけることが出来るのです。
ところが相手も同じような組手の場合は、逆に技をかけられてしまう恐れがあります。
そこで、相手の引手を切って技を掛ける…などの組み手争いをするのです。
これがいわゆる駆け引きになります。

また相手を崩して技を掛ける場合も同じです。
例えば足技で相手の重心を後ろに下げさせてから背負い投げをする…、などというパターンもよく使われています。

② 剣道

剣道は間合いの取り方によって勝負が決まります。
そうすると相手が得意とする間合いを避けながら、自分の間合いに引き込んで勝負するのです。

例えば試合中に竹刀の剣先をカチャカチャと合わせている様子がよく見られますが、これが駆け引きになります。
そうして相手の隙を見付けて技を出し、一本を取って勝つわけです。

③ 相撲

相撲は国技なので駆け引きを良しとしませんが、実際にはかなり多いです。
特に立会いの時によく見られますね。

これは柔道と同じように力士によって右四つや左四つなどの得意な組手があり、これを立会いの時に組み手争いをするわけです。
相撲は一瞬で勝負が付くので何があったのか分かり難いですが、立会いで駆け引きがあることは確かです。

(3)陸上競技

陸上競技は主に記録を争う競技なので駆け引きとは無縁と思われますが、一部の種目では見られます。
例えば、マラソンなどの長距離走でラストスパートする時に、相手選手の一瞬の隙を付く…などということがよくあります。

その他には、走り高跳びでパスをして相手にプレッシャーをかける…ということもあります。

以上のようにサッカー以外の競技では、勝負の駆け引きと言う点でのマリーシアが根付いています。

それではどうして日本サッカーにはマリーシアが定着しないのでしょうか?
そこで、この点を次に考えてみましょう。

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4.マリーシアは日本サッカーに根付くのか?

(1)マリーシアが根付かない理由

日本のサッカーにマリーシアが普及しない理由はいろいろあります。
そうした点は、先ほど解説した他の競技との比較を考えると分かりやすでしょう。

サッカー以外の競技におけるマリーシアは主に選手同士の駆け引きで使われますが、そうした際に特徴的なことが二つあります。

一つ目は個人競技に多いという点です。

個人競技は勝負を争うという点で、一対一の駆け引きが必要なことは分かりやすいと思います。

また野球の試合ではピッチャーとバッターという一対一の関係がほとんどなので、どちらかと言えば個人競技に近いです。
そうすると、やはり試合中の駆け引きが勝負の分かれ目になるというわけです。

ところがサッカーは一対一の局面よりも、多対多というプレーが多いです。
しかも試合の展開が早いので、瞬時の状況判断が必要です。

そうすると野球のようにじっくり考えることが出来ません。

また日本人の大人しくて穏やかな気質からすると、とても速い動きの中で物事を考えるのは苦手です。
だから、マリーシアのような駆け引きが身に付かないのでしょう。

二つ目はかなり古くから日本で普及した競技に多いという点です。

先ほどの野球、格闘技、陸上競技などは歴史も古いことから、個々の競技が一つの文化として国民に根付いています。
そのため、駆け引きが当たり前のようになったのでしょう。

ところが、サッカーの場合はここ30年ほどで急激に人気スポーツになったものの、一つの文化としては定着していません。
そうすると日本では未だにマリーシアが根付かないのは、当然なのだと思います。

(2)日本人のサッカー観とマリーシア

2018ロシアワールドカップで敗戦した直後の日本代表

① 日本人の誤解とフェアプレー

ブラジルではマリーシアが当たり前ですが、だからと言ってラフプレーはほとんどありません。

もちろん近年のネイマールのようなマランダラージはありますが、それは例外と考えた方が良いでしょう。
むしろ実際のプレーを見る限り、他の国よりもフェアプレーが多いのです。

その理由はサッカー王国として変な小細工は必要ないという、一種の風格のようなものがあるのでしょう。

一方、日本でもフェアプレーは推奨されており、ジュニア世代から広く指導されています。

その際、日本ではフェアプレーとマリーシアは両立しないと考えられています。
その理由は、マリーシアのずるいプレーは悪であるという誤解があるからです。

そもそもマリーシアの本当の意味は試合経験が豊富、駆け引きが上手い、したたかな試合運び、知的なプレーなどです。
ところが、日本ではどうしてもずる賢さを強調することが多いです。

やはり、ずるさと言うのはマランダラージであって、本当のマリーシアではありません。
そうした点はきちんと区別するべきでしょう。

② 日本人はマリーシアが下手

日本代表は、ロシアワールドカップ・グループリーグの対ポーランド戦で試合終了間際でパス回しを続けたため、賛否両論が巻き起こりました。

でもこのプレーはルール内で行われたものであって、決して反則ではありません。
だからマランダラージではなく、むしろマリーシアなのです。

先ほど解説したように、日本人はマリーシアとマランダラージを混同しています。
またフェアプレーとは両立しないとも考えています。
しかも国民のほとんどにサッカーが一つの文化として根付いていません。

そうすると選手たちにもマリーシアが定着していないので、一部の海外組を除いて正しい使い方が分かっていないのです。

私が思うに、あれほどまでに批判された原因はマリーシアの使い方が下手だったということです。

もしもブラジル代表が同じ局面だったらどうしていたと思いますか?
もっと上手くプレーしていたはずです。

そうした点では、日本がマリーシアを理解していないことの弊害が生じているのかも知れません。

(3)マリーシアが日本に根付くために

日本代表はこれまで8人の外国人監督が就任して、そのたびにマリーシアを教えようとしました。
でもこうしたものは、教えられて身に付くものではありません。

なぜならマリーシアは一つの文化であって、そうしたものが根付くまでには長い年月が必要だからです。
しかもフェアプレーとの両立という大きなハードルもあります。

そうした意味で、日本の選手が本当の意味でマリーシアを理解するまでには長い時間がかかるでしょう。

私はマリーシアのことを、サッカーのテクニックや戦術を超えた次元にある大局的なものと考えています。

だからいくらサッカーの練習をしても、そう簡単には身に付かないものだとも思います。

また2018年のロシアワールドカップの対ベルギー戦では、2対0から棺桶の蓋も閉められずに逆転負けしました。
さらにグループリーグのポーランド戦では試合終了間際のパス回しで批判を受けています。

こうした経験はサッカーに必要な試合運びや駆け引きという点で、マリーシアを覚えるための絶好の機会ととらえるべきではないかと思います。

そのためには多くの日本人が海外でプレーして経験を積むこと、代表チームの本当の強化試合を増やすこと(勝てそうな国を呼んで親善試合をするのは無意味)、Jリーグのさらなるレベルアップなどが必要なのではないでしょうか?

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5.まとめ

マリーシアは汚く卑劣なプレーを指すマランダラージとは違います。
正しい意味は、「試合経験が豊富」「駆け引きが上手い」「したたかな試合運び」「知的なプレー」などを指すのです。

そうした意味のマリーシアですが、ドゥンガが来日してから20年以上も経つのに日本は全く進歩していません。
しかも大切な試合では、いつも同じように勝ちを逃しています。

こうしたことは、いくら練習しても身に付くものではありません。
長い年月とともに一つの文化として根付くのです。

そうした意味で、日本のサッカーはまだ発展途上にあると言えるでしょう。

私としてはぜひ多くの子供たちに正しいマリーシアを学んで、日本のサッカーの礎を築いてほしいと願っています。

【画像引用:Youtube.com

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