ブラジルでのコーチの経験を活かして、 サッカー未経験の方にも分かりやすく科学的で正しい理論をご紹介します

サッカーでやる気のない子供を変えるたった一つの方法!

うちの子はやる気がない…。練習もしない…。試合に出ても今一つ…。やる気を出すにはどうしたら良いのだろうと、お悩みの親御さんは多いでしょう。

でも、たった一つの方法で子供さんは変わります!

そこで今回は、子供をやる気にさせる方法、私が息子をやる気にさせた体験談などを解説します。

※この記事は2つのページに分かれているので、順番に読んでも良いですし、直接それぞれのページを読んでいただいても結構です。

1ページ目(このページに書いてあります)
【やる気とは何なのか】
【行動を習慣化するためには?】

2ページ目(←クリック!)
【息子をやる気にさせた体験談】
【まとめ】

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【やる気とは何なのか】

先ず「やる気」とは何なのか?その正体を明らかにして、そのうえでやる気にさせるためにはどうしたら良いのかを考えましょう。

ステップアップ方式で順を追って解説するので、ぜひ参考にしてください。

(1)やる気は単なる幻想

やる気を出すにはどうしたら良いのだろう?と思ってネットで調べると、いろいろな情報が出て来ますよね。

例えばよくありがちなのが、ポジティブに…、目標を立てる…、思考を変える…など、他にもいろいろあると思いますが、なかなか上手い解決法なんて見付からないと思います。

それもそのはずです

やる気があるとかないとかは、ヒトが作り出した単なる幻想的な感情でしかないのです。

もしかしてあなたは、やる気がないから何も行動しないのではないか…と思い込んでいませんか?

東京大学の池谷裕二教授によれば、脳科学や心理学で考えると「ヒトは行動することによって、やる気が出る生き物」とされています。

つまり発想が逆で、やる気がないから行動しないのではなく、行動しないからやる気が出ないということですね。

例えば、あなたが「今日の仕事はいろいろと大変そうだし、会社に行くのは嫌だなあ…。」と思っていたとしましょう。

ところが実際に仕事を始めてしまうと、何とか最後まで片付けてしまいますよね。

またお母さんが「今日も食事の用意をしたり、掃除や洗濯をするのは面倒だなあ…。」と思っても、結局、始めれば最後まで終わらせますよね。

この場合、会社に行って仕事をするのも食事の支度や掃除洗濯をするのも、一つの「行動」です。

そしてこうした行動を最後まで続けるのは、後からやる気という感情が無意識のうちに湧いて出てきたからなのです。

つまり、やる気という感情は最初に出すものではなく、後から出て来るもの…というわけですね。

そもそもヒトは何らかの行動をしないと感情は生れません。

だから、行動が先、感情が後というのは、とても自然なことなのです。

例えばヒトの感情は、楽しいから笑う、悲しいから泣くと思われがちですが、これは反対です。

そもそも楽しいや悲しいは感情ですよね。

そうすると笑うのは口を開けてお腹を揺するという行動ですし、泣くのも同じで目から涙を流すという行動です。

だから売れないお笑い芸人のギャグがすべって笑わなかったら、楽しくないでしょ(つまり笑うから楽しい)?

それに感動の名場面を期待してドラマや映画を見て泣かなかったら、悲しくないでしょ(つまり泣くから悲しい)?

これと同じことなのです。

こうして考えるとやる気を出すためにはどうしたら良いのか?というと、答えは簡単で、最初のステップは「行動する」なのです。

(2)行動の習慣化

先ほど、行動すればやる気という感情が後から出て来ると言いましたが、それでもなかなか難しい…とお考えになる方は多いでしょう。

なぜなら、自分のやる気の問題であったらそのまま解決の糸口になるでしょうが、子供さんという自分以外の人間に対することですからね。

それに子供さんが小学校低学年なら言うことを聞くでしょうが、高学年や中学生になると反抗的になって聞かなくなる場合もあるでしょう。

そうすると頭ごなしに「もっとやる気を出せ!」と叱って自主練を始めたとしても、それは嫌々やっているだけなので長続きはしないのです。

こうした勘違いは、子供のサッカーに対して熱い気持ちを持っているお父さんやお母さんが陥りがちなことだと思います。

そうすると放っておくだけ…になるのかも知れません。

でも、それでは全く解決しません!

やはりどんな時でも、行動が先で、やる気が後、という基本の考え方は持ち続けましょう。

その際、大切なのが「行動を習慣化する!」ということです。

数年前のことですが、やる気スイッチ!というキャッチフレーズの塾が流行りましたよね。

これは、子供に「勉強する…」という行動を習慣化することで成績を上げるのが狙いです。

そのノウハウとしては塾の講師が子供に問題解決のヒントをたくさん出したりして、あの手この手で問題を解かせ、それにより達成感を持たせることで楽しくなり、やがて勉強が習慣化するというものです。

こうした行動の習慣化の手法は、引きこもりを社会復帰させる時にも利用されています。

例えば大人で引きこもりが続いた場合、先ずは近所に外出させる。その次はグループホームみたいなところに来させて仲間とコミュニケーションを取らせる。そして短時間のアルバイトをさせてみる。そのうえで就職させる…というようにステップアップしながら、その都度やる気という感情を生み出すのです。

こうした一連の流れは、全て行動を習慣化して社会復帰させるためのものです。

そうした意味では、行動を習慣化するのがやる気を出すための次のステップなのです。

ここでいったん流れを整理すると「行動を習慣化する⇒行動する⇒やる気が出る」となります。

そうすると次のステップは、行動を習慣化するためにはどうしたら良いのか?になりますが、ここから先は親御さんの出番になります。

そこで次に、この点を詳しく解説します。

【行動を習慣化するためには?】

(1)努力を褒める

過去の記事で、米スタンフォード大学教授で心理学者のキャロル・ドゥェック博士の成長思考の考え方についてご紹介しましたよね。

ドゥェック博士の20年間の研究によれば、ヒトの思考パターンは固定思考と成長思考という2つに分かれていると提唱しています。

特に、行動の習慣化にとって大切な点を過去記事から引用しますと次のとおりです。

成長思考を持つように育てられた人は「才能は努力しだいで変わるもの、だから積極的にチャレンジしよう」という発想が身に付きます。

そうすると「あきらめる」とか「失敗を恐れる」とかの考え方はないので、授業中の難しい問題でも積極的に取り組むので成績が上がるのです。

これは運動でも同じですよね。

さらにドゥェック博士は、こうした成長思考の持ち方は学校教育や子育てによって備わるものであり、また人を成長させるためには「努力した…」という過程を評価すべきと提唱しています。

例えば、子供のテストの成績が良かったことに対して「やっぱり頭が良いからね」という能力や才能を褒めるのではなく、「よく頑張ったね、一生懸命勉強したからだよ」というように努力そのものを評価するのが大切だということです。

それによって「次も頑張ってみよう…」というチャレンジの気持ちと、何があっても負けない…という強い心が身に付くのです。

この中で最も大切な点は「努力そのものを評価する…」というもので、子供が頑張ったという過程を褒めることです。

そうすると試合の勝敗や出場したかどうかなどは「結果」になるので、ハッキリ言えばどうでも良いわけですね。

例えば「一生懸命練習したから勝てたんだよ!」とか、試合で活躍できなかったとしても「前よりもすごく上手くなっているよ!いつも頑張っているんだからそのうち活躍出来るよ!」という褒め方で良いのです。

その他にも「練習で頑張っている姿を見るのが嬉しい…」のように、歯の浮くような言い方をしても構いません。

最初のうち子供は怪訝そうな顔をするでしょうが、褒められれば内心はとても嬉しいはずです。

そうした些細なことが積み重なって、もっと練習をしよう!頑張ってみよう!ということで、行動が習慣化するのです。

(2)結果を求めない意味

先ほど、ドゥェック博士の成長思考を解説しましたが、この成果は『マインドセット「やればできる! 」の研究 』というタイトルで出版され、全米でミリオンセラーの大ヒットになっています。

なぜこれほどまでに売れたのかというと、それまでのアメリカの結果主義に対する反省にあると思います。

アメリカは自由の国とされていますが、実際には資本主義で常に結果を求めるため、結果を出した者だけが生き残り、そうでない者は敗者になるという厳しい社会なのです。

これは子供の勉強でもスポーツでも同じで、幼いころから競争を求められるわけですね。

こうした現実に対してドゥェック博士が「結果ではなく努力の過程を評価しましょう…」と提唱して全米でヒットしたのです。

これに対して日本の社会はどうでしょう?

私は昭和生まれで古いタイプの人間かも知れませんが、日本人は努力した現実をきちんと評価する民族だと思います。

例えば高校サッカーの場合は試合の勝ち負けの結果ではなく、選手たちが頑張った姿を称えますよね。

しかも後半の残り時間わずかで負けていたとしても、選手たちは最後まであきらめずにボールを追いかけるわけです。

だからこそ、多くの人が感動するのではないでしょうか?

これは結果ではなく、日本人が努力の過程を評価している証拠です。

あなただって、子供さんの試合を観戦した時に最後まで頑張っている姿を見ればそう感じるはずです。

そうした意味で、ドゥェック博士の提唱する「努力の評価」は日本人に合っているのです。

ここで、これまでの流れを改めて整理すると「子供の努力を誉める⇒行動を習慣化する⇒行動する⇒やる気が出る」となります。

もちろん「子供の努力を誉める⇒やる気が出る」、「行動を習慣化する⇒やる気が出る」、「行動する⇒やる気が出る」というように、その都度やる気が出るという解釈も出来ます。

でも、そんな順序的なものはどうでも良いことです。

なぜなら子供にやる気を出させるのが大切なので、いつそれが出ようが構わないからです。

要するに、やる気が出れば良いだけでしょ?

こうして考えると、子供をやる気にさせるためには「努力を誉める!」という親の行動から始めるのが最適だと思います。

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さて次は、私が息子にやる気を出させた体験談をご紹介します。

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