ブラジルでのコーチの経験を活かして、 サッカー未経験の方にも分かりやすく科学的で正しい理論をご紹介します

数的優位はサッカーの基本!戦術パターンを覚えよう

数的優位はサッカーの攻撃と守備の基本戦術です。
これはプロからジュニアまでの全てのカテゴリーで共通する考え方です。

この場合、ジュニア年代では攻撃での数的優位を重視する傾向がありますが、守備においても全く同じ考えが必要です。

そこで今回は数的優位の基本を詳しく分かりやすく解説します。

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1.数的優位とは

数的優位とは、相手側よりも1人以上多い状態で有利にプレーしようという基本戦術です。
こうした考えは攻撃でも守備でも全く同じです。

例えば攻撃の場合、一対一はドリブルで相手を抜くという選択肢しかありません。
もちろんそのままドリブルで相手を抜くことも出来ますが、突破する確率は成功か失敗の50%になります。

ところが味方のもう一人がサポートに入ると、2対1になってパスも出来るようになるため、攻撃方法がもう一つ増えることになります。
そうするとボールを奪われる可能性が低くなるので、試合を有利にコントロールできるのです。

これに対して、守備での一対一はドリブラーの方が有利です。
なぜなら攻撃側がボールを動かす方向を自由に決められるため、守備側は後手に回りやすいからです。

また攻撃側が突破に成功する確率は50%ですが、だからと言って抜かれる確率も50%です。
その場合、安易に飛び込んで抜かれるとピンチになって失点に直結する危険性もあります。

そこで守備側にもう一人加わって2対1になると、相手の攻撃を抑えることが出来るのです。

こうした場合、小学校低学年の試合では数的優位とは無関係に、ドリブルで何人も抜いてゴールを決めることもあるでしょう。
ところが高学年になってもこうしたプレーを続けると、単に孤立するだけでボールを奪われることが多くなります。
その理由は数的有利の考え方を理解していないことが最大の原因です。

そもそもサッカーは団体競技であって、一人でプレーするものではありません。
味方のサポートがあって初めて、攻撃と守備が成り立ちます。

そうした意味では、ジュニア年代の子供たちはなるべく早い時期から数的優位の考え方を理解しましょう。

そこで、次は数的優位を攻撃と守備の二つの局面に分けて順次解説します。

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2.攻撃の数的優位

(1)数的優位の基本戦術

① 数的優位を活かす

攻撃の数的優位の最小単位は2対1ですが、これだけではドリブルかパスだけになります。
その際、ドリブルよりもパスの方が安全なのでよく使われますが、パスコースは1つだけに限られます。

ところが、もう一人がサポートに入ると三角形(トライアングル)が出来るので、パスコースが2つに増えて攻撃が有利になります。

つまり2対1から3対1になることで、数的優位がさらに広がるわけですね。

② 数的同数から数的優位へ

攻撃と守備の人数が数的同数の2対2を想定すると、守備側のどちらか1人をターゲットにすれば2対1を作ることは出来ますが、3対1の数的優位のように相手を簡単に崩すのは難しくなります。
そうすると意外と膠着状態になって前進するのが難しくなります。

そうした場合、下図のCのように三人目の選手が加わって、Bがサポートとして移動すると三角形が出来ます。
そうすると数的同数から数的優位へ変わるのです。

また、新たに四人目のDがサポートに入る方法もあります。
その場合、Bは直接攻撃に関わらないので、次のプレーを予測して次のスペースを見付けて移動するなどの動きが必要です。
いわゆるオフザボールですね。

こうすることで、さらに次の局面でも数的優位を続けることが出来るわけです。

さらに、三人目のCとAでワンツーを使って突破する方法もあります。

この場合もBは直接攻撃に関わらないので、次の攻撃を予測して移動する必要があります。
また、CとAのワンツーが上手く行かない場合は、その場に止まるか左に少し寄ってCのバックパスを受けても良いでしょう。

このように数的同数の場合は周囲の選手がサポートしたり、ワンツーを使うことで数的優位に変わるわけです。

③ 3対2の数的優位

3対2は、数的優位の最小単位である2対1が2つ出来た状況と同じです。
そうした点では攻撃側にとって、かなり有利な状況です。

下図の場合であれば、AとBでXを狙うのか?BとCでYを狙うのか?というように、守備側の2人のどちらかをターゲットにすることで、比較的簡単に突破できます。

この場合の一例としては、B→A→CがXをターゲットに三角形を作ってパスを繋ぐことが出来ます。
その際、パスを出すBとAはそれぞれ次の局面での数的優位を予測してスペースに移動することで、さらに攻撃を続けることが可能になります。

またBとAのワンツーも可能です。
その際、パスを出すAと攻撃に関わらないCは、次の攻撃を予測して移動する必要があります。

こうした3対2の数的優位は試合中でもよく起きるので、チーム練習の頻度を高くすると良いでしょう。

(2)数的不利から数的優位へ

① 2対1で局面を打開する

守備側と攻撃側が2対3のような数的不利でも、工夫しだいで数的優位を作り出すことが出来ます。

この局面では、パスの出し手のAと受け手のBが、守備側の三人(X、Y、Z)のうちのいずれか一人をターゲットにして突破しています。
つまり、AとBが連動して2対1を作っているわけです。

このような数的不利の状況でも、ピンポイントで数的優位を作れば突破出来てしまうわけですね。

実際の試合でも、こうしたプレーはゴール前でよく見られます。
特にストライカーはこうした動きが得意ですよね。

もちろん中盤でボールを奪い合う状況でも、こうしたプレーを覚えると局面を打開することが出来るようになります。

② サイドチェンジを使う

現代サッカーはコンパクトな守備をするので、すぐに相手に囲まれるなど、プレーのエリアが極端に狭くなっています。
こうした状況では数的不利になりやすいですが、その分だけ他のエリアでは相手が少ないはずです。
そこで、他のエリアにボールを運んで数的優位を作りましょう。

そうした場合、特に有効なのがサイドチェンジです。

この場合、ドリブルで相手を引き付けて数的不利になってから、サイドチェンジをすると効果的です。

特にオシムジャパンの頃によく使われた戦術ですが、逆サイドを走る日本人選手のスピードとアジリティーを活かしたプレーですね。

こうしたサイドチェンジと似たプレーとして、ドリブルで守備側を引き付けてからパスを出すのも効果的です。
サイドチェンジに必要なキック力が乏しいジュニアの子供たちでも、こうしたプレーは出来ると思います。

ちなみに、FCバルセロナのメッシはドリブルでバイタルエリアに侵入してからラストパスを出すのが得意ですね。

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(3)数的優位の注意点

① パスの受け手と出し手の関係

パスの受け手は、数的優位を作るためのサポートが重要です。
その際に大切なことは、出し手の判断を迷わせないように動くことです。
そのためには、頭を働かせて次のプレーを素早く予測するなど、常に考え続けることが大切です。

またパスの出し手は、受け手の動きを活かすことを考えましょう。
そうすることで、パスの受け手と出し手の意思疎通が深まります。

② プレーのスピード

数的優位を続けるためには、プレーのスピードアップが求められます。
特にパスの速さは、相手の判断スピードを上回るという点で大切です。

これはFCバルセロナのチキタカを見れば分かる通り、相手に考える暇を与えないということです。
そうした意味では、強いパスや正確なワンタッチプレーを覚えましょう。

そもそも数的優位はチャンスなので、こうした局面では速い攻撃が鉄則です。
これにより数的優位が継続しますし、さらに攻撃を続けることが出来るのです。

③ カウンターを積極的に使う

日本ではパスを繋げることだけが数的優位と考える傾向があります。
そうすると、どうしてもゴールに向かうスピードが遅くなりがちです。

例えばザックジャパンの頃は、相手からボールを奪ってカウンターのチャンスが来たのにも関わらず、横パスやバックパスを使うことがよくありました。
つまり攻撃が遅いわけですね。

たぶんFCバルセロナのプレーを真似したつもりなのでしょうが、そもそもカウンターが狙える局面は数的優位を簡単に作り出せますし、絶好の得点チャンスです。

またFCバルセロナはチキタカだけではなく、カウンターもよく狙います。

そうした点ではカウンターも数的優位の有効な戦術の一つとして、きちんと理解するべきでしょう。

④ ドリブルを使う

パスだけでは、数的優位は続いても、意外とこう着状態になりやすいです。
そうした局面を打開するためには、ドリブルを使った攻撃も必要です。

特にドリブルで相手を引き付けて、意図的に数的不利を作ってからパスを出すことを考えましょう。
そうすることでパス受けた味方選手は、数的優位の状況でボールを持つことが出来ます。

もちろん相手陣内において、仮に失敗したとしても直ぐにピンチにならないのであれば、ドリブル突破にチャレンジしても良いでしょう。

そうした意味では、試合中は数的優位にとらわれないという判断も必要です。

さて次は、守備の数的優位について解説します。
ぜひお読みください!

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