ブラジルでのコーチの経験を活かして、 サッカー未経験の方にも分かりやすく科学的で正しい理論をご紹介します

サッカーの一対一の守備で簡単に抜かれないで勝つ方法とは?

サッカーの一対一の守備で簡単に抜かれてしまう子供は、意外と多いですよね。

でも相手が抜く瞬間は、特徴的な「ある」動作が見られます。
この動きを見破れば、一対一のディフェンスは必ず勝てます。

そこで今回は、一対一の守備でボールを奪うための方法を解説します。

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1.攻撃と守備の動き

一対一の守備で簡単に抜かれるのは、攻撃側と守備側の動きの特性を理解していないからです。
そこで、先ずは両方の動きの特徴を理解しましょう。

(1)ドリブラーの抜き方

一対一の時のドリブラーの抜き方は、大きく分けると三種類です。
たぶん抜かれてばかりの子供は、相手がどのようにして抜くのか?さえも分からないことが多いです。
だから、先ずはドリブラーの抜き方をきちんと理解しましょう。

① ドリブラーが先に動いて抜く

相手が一対一でディフェンス側と正対した時に、先に動いて抜くのはかなり多いですよね。

特に小学生であれば、ボールを大きく蹴って抜くケースが多いです。

この場合はお互いの競争になるわけですが、ドリブラーの足が速いのが成功の条件です。
守備側にとっては相手が蹴る瞬間に抜く方向(追いかける方向)が分かるので、後はボールを追いかけるだけですね。
足の速いディフェンスであれば、かえって守備はやり易いでしょう。

もしも子供さんの足が遅いようであれば、次の記事を読んで練習すれば必ず速くなります。
ぜひお読みください。

足が速くなる練習方法!小学二年生が三ヶ月で学年トップ?
サッカーの走り方!正しいのはピッチ走法とナンバ走法の融合?

なお浮き技のシャペウは、ボールが落ちてくれば相手との競争になります。
そうした意味では、ボールを蹴って走る状況とほとんど変わりません。

ただしいつまでも一対一でこのような抜き方をしていては、やがて限界が来るのでフェイントなども覚えたいですね。

② 守備側が足を出したところを抜く

一対一で抜かれるパターンとして最も多いのが、お互いに向かい合った状態で守備側が足を出してしまうことです。
次の画像からも分かる通り、足を出すといったん動きが止まるので直ぐに反転して追いかけることが出来ません。

しかも守備側が足を出すのを意図的に狙って抜く場合も多いです。
例えば、次の動画は私と息子「とも」の一対一の様子です。
「とも」のほとんどの抜き方は、私が足を出した瞬間ですね。

「とも」の場合は相手を抜く時に、メッシのように向かって行くスタイルです。
そうすると自然と間合いが詰まって来るので、ディフェンス側はボールを奪おうとしてどうしても足を出したくなります。
その時に守備側のヒザの動きを見て、足を出す瞬間を見抜いて抜くわけです。
相手のヒザが先に動くのを見抜くのは、まるで後出しジャンケンですね。

実はこうしたドリブラーの特性には、守備側が一対一で勝つためのヒントが隠されています(詳しいことは後述します)。

③ フェイントで抜く

一対一でのフェイントの場合、小学生に意外と人気があるのがダブルタッチですね。
アウトサイドのフェイントだけで、簡単に相手を抜くことが出来ます。

またダブルタッチ以外にも、いろいろなフェイントがあります。

これらのフェイントはある点に注意すれば意外と簡単に見破ることが出来ますが、それも後述します。

ちなみに犬を飼っている方なら分かると思いますが、犬と一対一をするとフェイントは通用しません。
その理由は犬はボールしか見ないからです。
実は、これも一対一で勝つためのヒントですが、詳しいことは後述します。

なおこの他に股抜きなどもありますが、守備側は半身になれば防げるので詳しいことは割愛します。

以上が大まかな抜き方ですが、次はドリブラーが抜く時の動作の特徴を詳しく解説します。

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(2)抜く時の特徴

① ドリブルで抜く時のスピード

守備側は一対一で抜かれると相手を追いかけますが、ドリブラーはそれほど速くドリブル出来ません。
その理由はドリブルのタッチを見ると良く分かります。

次の画像のドリブルは、走る途中でボールタッチしています。
実はタッチをする瞬間にボールの動きに合わせるため、どうしても走るスピードが落ちてしまうのです。
なぜなら、いったんタッチしたボールは徐々にスピードが遅くなるからです。
そうすると次にタッチする時に、走るスピードを加減しなくてはならないのです。
だからドリブルをしている時は、ふつうに走るスピードよりもどうしても遅くなってしまいます。

そうするとドリブラーと並走した場合はディフェンスの方が有利なので、僅かな差であれば追い付くことが可能です。
実際にも海外の優秀なセンターバックである、ジェラールピケ、セルヒオ・ラモス、ファンダイクなどは相手に走り負けることがほとんどありません。

実はこうした特性は、どのようなドリブラーでも見られます。
そうした意味では、走るよりもドリブルの方が速い…というのはあり得ないのです。

もちろんメッシやロッペンのような選手が相手であれば簡単に追いつくのは無理でしょう。
でも現実的に考えれば、育成年代の子供たちがそうした選手と一対一をするケースはありません。

そうは言っても、ほとんどの子供は相手に抜かれると「もうダメだ…」とあきらめてしまいますよね。

でも、相手は守備側との間合いの分(1m程度)だけ長い距離を走って抜かなくてならない…という、不利な条件もあるのです。
そうした点にも、ディフェンス側のアドバンテージは残されているのです。

したがって、守備側は相手が抜く瞬間の動きをいち早く察知できれば、直ぐに振り返って並走してボールを奪うチャンスがあるわけです。

そこでドリブラーが抜く瞬間の動きについて、その動作特性を次に解説します。

② 抜く時の動作特性

一対一の時に、ドリブラーが守備側に対して有利な状況なのは、次の画像のようにお互いに正対した時だけです。
その理由は自分で行きたい方向を自由に決められるからです。
この時、守備側は相手が動き出さない限りどちらに抜いて来るのか分かりません。
そうしたディフェンス側の不利な状況で足を出してしまうというのは、相手の思うつぼですね。

実は一対一で正対している時、守備側はあえて動かずにドリブラーの「ある動き」に着目すれば、どのように抜いて来るのか?が簡単に予測出来ます。

次の画像は「とも」のマシューズフェイント(インとアウトのフェイント)で突破するまでの動きです。

①はインサイドのフェイントの後の空中動作から右足が着地する直前です。

②は右足が着地した後の切り返しです。
この時の右足(後ろ足)に着目すると、ヒザが抜く方向を向いています。

その理由は、突破する時に右足(後ろ足)で地面を蹴ってドリブルを開始するからです。

当たり前のことですが、前足でボールを蹴ってから走り出すと動き出しが遅くなりますよね。
しかも、そのようにして走り出すとぎこちないです。
※実際に試してみるとよく分かりますよ。

また地面反力を得るためにも、進行方向にヒザを向ける必要があります(実際には無意識に行っている)。

だから、地面を蹴る方の後ろ足が先に動くわけです。
この動作特性は、どのような高速ドリブラーでも変わりません。

また、この動作は短距離走のスタートと同じです。
例えば、ウサイン・ボルトは左足(後ろ足)でスターティングブロックを蹴っています。
その時、一歩踏み出す前足と比べると、どちらが先に動くと思いますか?

世界レベルのアスリートであれば前足と後ろ足が両方同時に動く…と思われがちですが、実はそうではありません。
ほんのわずか(コンマ数秒)に、スターティングブロックを蹴る方の後ろ足が先に動くのです。
なぜなら、スタートする時に地面反力を得るためです。

こうした地面を蹴る方の後ろ足が先に動くというのは、ドリブルの時は顕著に見られます。

この場合、日本では、相手が抜く瞬間に前足でボールを動かしたのを確認してから動き出せ…と言われることがよくあります。
ところが、相手が前足でボールを動かしてから守備側がアクションしても、もう遅いのです。

いずれにしても、相手がいろいろなフェイントを使って揺さぶりをかけたとしても、最終的にはこのような動作(地面を蹴る方の後ろ足が先に動く)が見られるのです。

次の動画を見ても子供たちが突破しようとする瞬間の地面を蹴る方の後ろ足は、抜く方向を向いていますし、先に動いていますよね。
何度もくどいようですが、ボールを動かすためには、後ろ足で地面を蹴らないと前に走り出すことは出来ません。

特に足の速い選手は地面を蹴る後ろ足だけではなく、上半身もそろって突破する方向に向きます。
そうすると、意外と簡単に抜く方向が分かってしまうわけです。

したがって守備側は、②のような動きをいち早く察知して、直ぐに振り返って並走すれば高確率で一対一に勝つことが出来るのです。

ここで、先ほどの1-(1)ドリブラーの抜き方の②守備側が足を出したところを抜く、の解説を思い出してください。
そこでは「守備側のヒザの動きを見て足を出す瞬間を見抜いて抜く…、」と説明しました。
これはドリブラーがディフェンス側の動きを見抜くという意味で、後出しジャンケンのことですよね。

これに対して守備側が、ドリブラーのヒザが抜く方向を向いた瞬間を察知するのも、実はこれも後出しジャンケンなのです。
そうすると相手のフェイントにも、惑わされることがなくなります。

要するに攻撃側としてドリブルで抜く時も、守備側としてボールを奪う時も、相手の動き出し(どちらも後出しじゃんけん)を待てば良いのです!

例えば次の画像の高校生の一対一を見ると、13番のディフェンスは足を出さずにドリブラーの動き出しを待ってからボールを奪っています。

先ほど解説した、ジェラールピケ、セルヒオ・ラモス、ファンダイクなどは、こうしたドリブラーの抜く時の動きを読む能力がとても高いです。
だから優秀なセンターバックとして称えられるわけですね。

特にリバプールFCのファンダイクは、2018-2019シーズンのプレミアリーグの試合中の一対一で、一度も抜かれていません。
チャンピオンズリーグではFCバルセロナのメッシも抑え込みましたし、センターバックとしては珍しくMVPを獲得した理由がよく分かりますね。

ところで先ほど抜く瞬間の地面を蹴る方の足は進行方向を向く…と解説しましたが、これは高速ドリブラーの特徴でもあります。
例えばロッペンの右足のヒザと爪先はキレイに前を向いています。

ロッペン

ところが、日本代表の原口のドリブルを見ると両ヒザと爪先は、ほんのわずかに外側を向いています(がに股)。
そうすると守備側は、ヒザと爪先がそろって抜く方向を向くわけではないので、抜く瞬間の動きが察知し難いのではないか?と思えますよね。

原口

でも、がに股の選手はそれほど速く走れません。
なぜなら、地面を蹴る時の地面反力を十分に得られないからです。
つまり、がに股では、走り出す時にパワーロスを起こすわけですね。

だから守備側が相手の動き出しに多少遅れたとしても、ドリブラーに追い付くことは十分に可能なのです。

特に日本人は姿勢が悪く、骨盤が後傾気味で開いています。
だからサッカーに限らずほとんどのスポーツで、がに股の人が意外と多いのです。

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(3)守備側が抜かれないために注意すること

ここで、一対一で守備側が簡単に抜かれないための注意点をまとめておきましょう。

・一対一でのドリブラーの抜き方は、大きく分けると三種類しかない。
・ドリブルは走るスピードよりも遅くなるので、ドリブラーと並走した場合はディフェンスの方が有利である。
・お互いに正対した状態ではドリブラーが有利なので、守備側は足を出さないで相手の動き出しを待つ。
・ドリブラーが抜く瞬間に地面を蹴る方の足のヒザが、突破する方向に向いて動き出すのをいち早く察知する(後出しじゃんけん)。

以上の点を踏まえて、次に一対一でのボールの奪い方を解説します。

大切な内容なので、ぜひお読みください!

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