ブラジルでのコーチの経験を活かして、 サッカー未経験の方にも分かりやすく科学的で正しい理論をご紹介します

サッカーの一対一の守備で抜かれない方法!

【ボールの奪い方】

(1)間合いを保持

お互いに正対した時は、下図の①のように、必ず一定の間合いを保持しましょう。

その理由は、距離を詰め過ぎるとドリブラーの動き出し(蹴る方の後ろ足のヒザの向き)が分からなくなるからです。

また、この時に相手が向かってきた時は、半身の姿勢で間合いを維持しながら少しずつ下がり、抜く瞬間の動き出し(後ろ足のヒザの向き)を待ちましょう。

この時、ドリブラーが抜く時の後ろ足のヒザに着目して、ボディフェイントなどに騙されないようにしてください。もちろん安易に足を出してはいけません。

先ほど、犬にはフェイントが効かないと解説しましたが、これと同じで相手の上半身の動きは無視するくらいがちょうど良いのです。

また相手がアウトのフェイントとダブルタッチを組み合わせるような、複雑な抜き方をしようとする場合もあります。

その場合でも、次の画像では地面を蹴る方の足のヒザ(右足)に着目すると、アウトで突破する方向(左側)には向いていませんよね。

この状態をきちんと見極めれば、フェイントに惑わされることはなくなります。

また同じようなフェイントで、メッシが抜こうとするシーンを見ても、やはり地面を蹴る方の足(右足のヒザ)は、フェイントする方向(左側)にはハッキリと向いていませんよね。

だから、左側には突破しないということで、単なるフェイントでしかないのです。

この他にも、いろいろと複雑なフェイントもありますが、基本的な考え方は変わらないので、地面を蹴る方の足のヒザの向きに集中してください。

ところが、頭では分かっていても、実際に相手と正対すると、どうしても足を出す癖が直らない子供も多いでしょう。

その場合は、次の要領で「後出しジャンケンゲーム」の守備側を体験させてください(下の画像であれば私がいる方)。

練習の手順は次のとおりです。

(ア)相手と向き合う。
(イ)相手の膝の動きを確認する。
(ウ)ボールを動かす。
※お父さんかお母さんがドリブラーになって、子供さんを守備側にさせてください。


この練習は、本来であれば子供さんがドリブラー役になりますが、一対一の守備側を体験させることで、足を出すと簡単に抜かれてしまう!という意識を持たせる狙いがあります。

やはり、いくら「足を出すな!」と言っても、実際の試合では簡単には直りませんし、プロでも簡単に足を出して抜かれることが多いです。

そうした意味でも、やはり経験させるのがいちばんだと思います。

また、次の動画の一対一ゲームを練習する時に、お父さんがドリブラーで子供が守備側になるのも良いでしょう。

その時は、抜く瞬間の動き出しの特性(地面を蹴る方の後ろ足のヒザの向き)を覚えさせましょう。

※後出しじゃんけんゲームや一対一ゲームを詳しくお知りになりたい方は、次の記事をお読みください。
ドリブルが本当に上手くなる練習方法とは?即効・対人メニュー!

さて、次は相手が抜いた時の対応方法として、(2)体幹ひねり(反転)について解説します。

(2)体幹ひねり(反転)

相手が抜く時の動き出しを確認したら、下図の②のように体幹ひねりで反転しながら追いかけましょう。

実は、この反転動作をいかに速くするのか?という点も重要です。

この時、足の力で踏ん張って反転すると動きが遅くなります。なぜなら、上半身と下半身の体重比は6対4なので、足の力だけを使うと上半身が重りのようになって動きが遅くなるからです。

そこで、次の動画の要領で、体幹ひねりの動きを覚えてください。

ただし、筋肉の伸張反射を活かすためにも、次の画像のように、①・A1(上半身をひねる)と②・A2(下半身をひねる)というように、上半身が先行して下半身が連動するというイメージを持ちましょう。

そうすると、体を反転させる時に、上半身の重さが遠心力のように働いて素早い動作が出来るので、ドリブラーが抜く時の動き出しに対する反応が速くなります。

もちろん、あまり意識し過ぎるとぎこちなくなるので、最初のうちは上半身と下半身を交互にひねるだけでも結構です(慣れて来たら上半身先行→下半身連動のイメージを持つ)。

こうした体幹ひねりと合わせて、ぜひ膝抜きも覚えてください。

膝抜きを覚えると、重心移動や重力落下を利用できるので、足の筋力とはほぼ関係なくスピードとパワーを十分に発揮出来ます。

だから、試合中にどんなに疲れていても、走り出しがとても速くなるのです。

※膝抜きのやり方については、次の記事をお読みになると良く分かります。
膝抜きでサッカーのプレーが劇的に改善!【練習法も解説

さらに、もう一つ重要な点があります。

それは守備の姿勢を低くしないということです。

その理由は、ディフェンスの時に姿勢を高くして高重心にするとスピーディーな重心移動が出来るからです。

日本ではディフェンスの時に腰を落として低くするように言われますが、これでは反転動作が遅くなります。

だから、守備の時は絶対に姿勢を低くしないでください!

※重心移動やディフェンスの姿勢については、次の記事をお読みになると良く分かります。特にいろいろなプレーのパフォーマンスが劇的に改善するので、ぜひ覚えましょう。
重心移動でサッカーが100倍上手くなる!【中学生でも分かる】
ディフェンスの低い姿勢は間違い!【海外サッカーとの比較】

(3)ショルダータックル~体を入れる

ドリブラーの動き出しを捉えてタイミングよく反転して追い付いたら、ショルダータックルをして相手とボールの間に体を入れましょう。

特に、次の画像では、相手が抜く時のタッチ(下図の①)~次のタッチ(下図の③)までの間はボールが無防備になります。だから、このタイミングがボールを奪う最高のチャンスですね。

このタイミングで強めにショルダータックルをすると、相手はバランスを崩して次のタッチがやりにくくなりますし、上手くいけば相手の足元からボールが離れてしまうはずです。

その隙を狙って、相手とボールの間に体を入れるようにしてください。

もちろん相手が粘って直ぐにボールが奪えないこともありますが、並走している限りは守備側の走るスピードの方が速いので、しつこく追いかけましょう。

もしもこの時点でボールが奪えなかったとしても、結果的には相手チームの攻撃を遅らせることになります。

また相手が突破をあきらめてバックパスや横パスで逃げたとしたら、守備側は一対一で勝ったのと同じです。

そうした点では一対一で簡単に抜かれてしまうよりも、チームの守備戦術としては合格と考えましょう。

以上ですが、ドリブラーが抜く仕組みと、抜こうとする時の特徴(後ろ足のヒザの向き)を見抜けば、必ず一対一で勝てるようになるので、ぜひ覚えてください。

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【まとめ】

これまで一対一の守備で、ドリブラーの抜き方の特徴を踏まえたボールの奪い方を解説しました。

特に注意したいのは、お互いに正対した状態で足を出さずに、相手の動き出しを待つことです。

さらにドリブラーが抜く瞬間に地面を蹴る方の後ろ足のヒザは、必ず抜く方向に向くので、この動きをいち早く察知するのも大切です。

日本では「足を出すな!」とか「飛び込むな!」という大ざっぱな指導が多いので、これではボールを奪うテクニックは身に付きません。

だから日本では、優秀なセンターバックやアンカーが育たないのです。

ぜひ、多く子どもたちが一対一の守備に強くなって、ボールが奪えるようになるよう願っています。

【画像引用:Youtube.com