ブラジルでのコーチの経験を活かして、 サッカー未経験の方にも分かりやすく科学的で正しい理論をご紹介します

オスグッドに悩むサッカー少年を救え!3つの改善法とは?

2.オスグッドの3つの改善法(予防法)

ここでは、オスグッドの改善法について、次の3つを解説します。

(1)ストレッチ
(2)大腿四頭筋の負担を減らす
(3)身体操作の改善

特にオスグッドを再発する場合の多くは、「(1)ストレッチ(マッサージも含む)」だけで治療を終えてしまうからです。

これに対して、「(2)大腿四頭筋の負担を減らす」のを覚えることで、海外の子供たちと同じような体の動きが身に付くので、再発のリスクも少なくなり、小学生年代にとっては予防の効果もあります。

さらに、「(3)身体操作の改善」を身に付けることで、将来的には海外の選手たちと同様な身体能力の高い選手へ成長するわけですね。

そうした意味でも、オスグッドで悩むのではなく、これをきっかけとして優秀な選手になる良い機会であるとポジティブに考えましょう。

(1)ストレッチ

① オスグッドを発症した時

この場合、ふつうは大腿四頭筋のストレッチだけを考えがちですが、マッサージと併用することで早い回復が見込めます。

そこで、ストレッチとマッサージのやり方について解説します。

A. ストレッチ

オスグッドを発症した時は緊急性が高いので、次の動画を参考に、先ずは大腿四頭筋と腸腰筋をしっかりストレッチしましょう(病院や接骨院等でアドバイスされているのであれば、そちらを優先してください)。

特に、この二つの筋肉は連動性が高く体を動かすうえで密接な関係があります。

ところが、日本人はふだん腸腰筋を使っていないため、硬くなりやすいことから、特に注意してください。

ストレッチの際は、入浴後の筋肉が暖かい状態の時が効果的です。

また、痛くない方の足は、痛い方の足をかばうため、筋肉が硬くなっている(無意識に力が入って緊張している)はずなので、必ず左右両方の足をやりましょう。

ただし、両足ともオスグッドを発症している場合は、先ずは安静と後述のマッサージをして、痛みを取ることから始めてください。

B.マッサージ

マッサージは、患部の血行を良くしたり、筋肉の緊張をほぐすという効果があります。

また痛みの早期改善も含めて、次の動画を参考にぜひお父さんやお母さんがやってあげてください。

もちろんストレッチとの併用が効果的です。

② 筋肉の伸張反射に活かす

ここでのストレッチは、オスグッドが治った後の再発防止や予防という目的がありますが、それ以外にも筋肉の伸張反射やバネ作用を促すという意味もあります。

特にサッカーのプレーでは、体の前後の筋肉を使った伸張反射(詳細は後述します)が効果的なので、この部分を集中的に伸ばすようにしてください。

また、次のストレッチは必要最低限のメニューなので毎日やるようにしましょう。

A.腸腰筋、大腿四頭筋、前脛骨筋

B.大胸筋、腸腰筋、大腿四頭筋、前脛骨筋

C.背筋、お尻、ハムストリングス、ふくらはぎ

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(2)大腿四頭筋の負担を減らす

これまでオスグッドの原因の一つして大腿四頭筋が硬くなってしまうこと、また日本人の身体的な特徴からもその部位の負担が大きいことを解説しました。

そこで、大腿四頭筋の負担を減らすために、ハムストリング、体幹、足首と足指、腸腰筋などを鍛え、サッカーのプレーで効果的に使えるようにすることが大切です。

そこで、次の5つの練習メニューを実践しましょう。

① 骨盤前傾トレーニング
② ハムストリング強化トレーニング
③ ちょんちょんリフティング
④ 足首と足指の強化
⑤ 腸腰筋トレーニング

① 骨盤前傾トレーニング

A.目的

日本人は骨盤直立で、ハムストリングス(太ももの後ろ側の筋肉)が発達しないため、どうしても大腿四頭筋に頼りがちです。そこで、海外の子供たちのように骨盤前傾に改善しましょう。

また骨盤前傾になると、背骨のS字カーブが発達するため、バネ作用が発揮出来るようになります。

B.改善法

トレーニングのやり方は、とても簡単です。

・カカトを浮かして、つま先立ちになる。
・背筋を伸ばして胸を張り、お尻を突き出す。
・一日あたり30秒~1分くらい。

動画では玄関を使っていますが、カカトを浮かせるのであれば、どこでも良いですし、その場でつま先立ちをしても良いと思います。

特に重要な点は、背筋を伸ばして胸を張り、お尻を突き出す姿勢を取ることです。

これによって骨盤が前傾することで、ハムストリングスが緊張状態になるため、少し時間はかかりますが自然に発達します(間接的なハムストリングスの強化法と考えてください)。

ただし、子供がすでに骨盤前傾の場合は、背骨の発達に支障をきたすので、このトレーニングはやらないでください。

※骨盤前傾トレーニングを詳しくお知りになりたい方は次の記事をお読みください。
骨盤前傾トレーニングで身体能力アップ!一流アスリートの特徴とは?

② ハムストリング強化トレーニング

A.目的

このトレーニングは、先ほどの骨盤前傾トレーニングとは違い、ハムストリングスを直接強化するものです。

B.改善法

サッカーのドリブルの時や歩いたり走ったりする時に、次の姿勢を保つように意識してください。

・軽くヒザを曲げて腰を落とす。
・足の指でグリップする(カカトは上げない)。
・背骨、背筋、お尻、ハムストリングス、ふくらはぎの部位を意識する。

この場合、2006年発表の英国心理学会会議の報告によれば「筋トレは、その部位に意識を向けるだけで効果が高くなる…」という研究結果があります。

そこで、この姿勢を取る時は、背骨、背筋、お尻、ハムストリングス、ふくらはぎの各部位を必ず意識してください。

また、このトレーニングは姿勢の悪い子に「背筋を伸ばしなさい!」と注意するのと同じで、自然な緊張状態を作り出して筋トレと同じ効果を得るのが狙いです。

つまり、この姿勢を習慣化するだけで、いつの間にかハムストリングスが強化されて大腿四頭筋に頼らなくなるというわけですね。

もしも小学校低学年の場合は、子供が忘れないように、お父さんやお母さんが「ハムストリングスを意識して!」などと声掛けをすると良いでしょう。

ちなみに、なぜハムストリングス以外の背骨、背筋、お尻、ふくらはぎなども意識するのか?というと、これらの部位がハムストリングスと連動するからです。

つまり、ハムストリングスを強化するためにはその部分だけで良い…というのではなく、周辺の筋肉も鍛えることで効果が高くなるのです。その点は特に注意してください。

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③ ちょんちょんリフティング

このトレーニングは、次の動画のように、もともとは体幹と軸足を鍛えるために行うものです。

ところが、このリフティングをする時も、先ほどのハムストリング強化トレーニングと同様に、背骨、背筋、お尻、ハムストリングス、ふくらはぎの部位を意識することで同じ効果が得られます。

そこで、このリフティングをする時は、これらの部位を必ず意識してください。

このリフティングをやってみて、ハムストリング、背筋、お尻、ふくらはぎに筋肉痛が出て来るようになれば、その部分の筋肉が使えるようになった…と考えてください。

その反対に、もしも大腿四頭筋、内転筋(太ももの内側)、鼠蹊部(足の付け根あたり)が筋肉痛になるとしたら、オスグッドになりやすいタイプです。

その理由は簡単で、体の前側の筋肉(特に大腿四頭筋)に頼って体を動かしているからです。

そうした意味では、むしろ危険信号なのでぜひ改善しましょう。

※ちょんちょんリフティングと体幹・軸足の強化の関係を詳しくお知りになりたい方は、次の記事をお読みください。
ちょんちょんリフティングがサッカーに役立つ驚きの効果
キックは軸足を鍛えれば上手くなる!トレーニング法も解説

④ 足首と足指の強化法

A.目的

足首と足指の強化は土踏まずのアーチ構造を強靭にすることを意味し、それによって大腿四頭筋が足首と足指の弱さをかばうのを防ぐ目的があります。

またこの部分が発達してアーチが高くなると、強度が増して板バネの機能も高くなります。

そうすると、自分の体重をムリなく支え、姿勢を維持し、飛び跳ねた後の衝撃を吸収するというスプリングの作用が身に付くのです。

B.改善法

次の動画のように、足指グーパーと足指スリスリで鍛えましょう。

また、指と一緒にリスフラン関節など足全体を動かすことで、スネ、ふくらはぎ、指のグリップ、土踏まずなどを広範囲に強化出来ます。

先ほどの「②ハムストリング強化トレーニング」でも解説しましたが、特定の部位だけではなく周囲の部分も一緒に鍛えることで強化法の効果が高くなるという考え方は忘れないでください。

※足首と足指の強化法を詳しくお知りになりたい方は次の記事をお読みください。
キックで足首を固定するのは間違い?意外と知らない大切なこと
土踏まずのアーチを作る方法!【痛みの原因は偏平足】

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⑤ 腸腰筋トレーニング

A.目的

腸腰筋トレーニングは、海外の子供たちのように大腿四頭筋と腸腰筋を連動させるようにするのが目的です。

これによって、下半身だけでなく上半身も使ってプレー出来るようになるため、全身のスピードとパワーを発揮出来るようになります(もちろん大腿四頭筋の負担も軽減できます)。

B.改善法

トレーニングの方法は、次の動画のとおり3種類です。

・前方ジャンプ
・片足ジャンプ
・立ち腹筋

このメニューは体への負荷が大きいので、一日あたり5~6回から始めることとし、対象年齢は10歳以上か小学校3年生になってからにしてください。

小学校低学年(小学二年生以下)は、次の動画のような動的ストレッチをすると良いでしょう。

もしも低学年の子供が、いきなり腸腰筋トレーニングをすると、肉離れなどを起こす可能性があるので注意してください。

※腸腰筋トレーニングを詳しくお知りになりたい方は次の記事をお読みください。
腸腰筋トレーニングでサッカーがレベルアップ!基本メニュー3選

さて次は、(3)身体操作の改善について解説します。

日本ではあまり知られていない改善法もあるので、ぜひお読みください。

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