股抜きを成功させるコツは、2つのタイミングを覚えることです。
そのためには、ボールの通り道をイメージして、シンプルなテクニックを身に付けましょう。
特にバロンドールを何度も受賞したメッシの股抜きは、シンプルで分かりやすいので良いお手本になります。
そこで今回はメッシの股抜きを参考にして、タイミングの取り方とユニークな練習法を解説します。
※この記事は4つのページに分かれているので、順番に読んでも良いですし、直接それぞれのページを読んでいただいても結構です。
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【股抜きの2つのタイミング】
(1)相手が股を開いている時のタイミング
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(2)相手が足を出した時のタイミング
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【股抜きの上手・下手】
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【股抜きの練習法】
【まとめ】
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【股抜きの2つのタイミング】
股抜きのタイミングは2つしかありません。
(1)相手が股を開いている時
(2)相手が足を出した時
股抜きは相手との一対一の流れの中で、タイミングよく仕掛けるのが大切です。
そのためには、出来るだけシンプルでオーソドックスなテクニックを身に付けた方が良いでしょう。
そうした点では、やはりメッシのシンプルな股抜きを学んでいただきたいと思います。
そこでメッシのプレーを参考にして、次に股抜きの2つのタイミングを解説します。
(1)相手が股を開いている時
最初に、相手の股が開いている時の、自分との位置関係を考えてみましょう。
その時は、「真っ直ぐ」「右半身(はんみ)」「左半身」という違いはあるものの、相手のまた(両足)が開いた時のボールの通り道は、次の図のように必ず「T」字型になります。
つまりこの状態になるとボールの通り道が出来るので、後はインサイド、アウトサイド、つま先などで「ちょん…」と股を通すだけです。
だから、それほど難しいテクニックではありません。
さらに最も大切なことは、相手と自分の位置関係がT字型になるのはどのタイミグか?という予測です。
ちなみに、日本の選手たちは幼少期から両足練習をたくさんしているので、股の間にボールを置く癖が付いているため、ボールを持っていない時でも股を大きく開く癖があります。
だから股抜きの練習をする時は、チームメイトを実験台にしてしまいましょう(笑)。
ところで、相手が股を開くのはどのような時か?という点を考えると、さらに2つのパターンに分けられます。
①相手が向かって来る時。
②止まっている時。
そこで、次にこの2つのパターンを解説します。
①相手が向かって来る時
多くの方は「どうしてメッシは向かって来る相手に対して、簡単に股抜きが出来るのだろうか?」という疑問があると思います。
でもヒトの動作特性を考えれば実は簡単なことで、相手が向かって来る時の自分との位置関係は、やはり「T」字型になるからです。
たぶんメッシは、こうしたヒトの動作特性をきちんと理解しているかも知れません。
だから、簡単に成功させてしまうのでしょう。
そもそも向かって来る時の相手の股は、どうしても開きやすくなります。
そこで、次にこうした「ヒト」の股の開きやすさを考えてみましょう。
a.ヒトは股を開きやすい
ヒトは走ったり歩いたりする時、靴1~2足分だけ股を開きます。
そうしないと、左右のヒザの内側やくるぶしがぶつかってしまうからです。
だから、いつでも股が開きやすいというのです。
そうすると相手が向かって来る時は、走ったり歩いたりしているので、同じように股が開くわけです。
この反対に股を閉じる時は、いったん止まらなくてはいけません。
だから、走ったり歩いたりしている途中(向かって来る時も同じ)で、いきなり股を閉じることは出来ないのです。
そうすると、いくら股抜きを警戒していても、いったん止まらない限りは、急に股を閉じることが出来ないのです。
また、その時の相手と自分との位置関係は、必ずT字型になっています。
そうすると、後は自分の間合いに引き込んで、後は「ちょん」と股を抜くだけなのです。
ちなみに、速く走っている状態から急に止まる時も股を開きます。
これは感覚的にも分かると思いますが、全速力で走っている時に急に止まろうとして、もしも「気を付け!」の姿勢をして股を閉じだらどうなるでしょうか?
たぶん、そのまま前に倒れてしまいますよね。
だから、腰を落として股を開いて止まろうとするわけです。
このように考えると、ヒトはいつでも股を開きやすいと言えるのです。
b.自分の間合いに引き込む
相手が向かって来る時は、意外とすぐに間合いが詰まってしまいます。
そうすると、股抜きをする前に相手にボールが奪われる…というケースも多いでしょう。
そうした場合は、2人1組で何度も繰り返してタイミングを掴む練習も必要です(後述の股抜きゲームを参考)。
こうした練習によって股抜きのタイミングに慣れて来ると、自分の間合いに引き込めるようになります。
つまり、相手を自在に操るようになれるわけです。
こうしたヒトの動作特性や自分の間合いに引き込むタイミングを掴めるようになると、後ろから向かって来る相手に対しても股抜きが出来るようになります。
そこで、次にこの点を考えてみましょう。
c.後ろから向って来る相手
次の動画では、メッシが後ろから来る相手に対して、股抜きをしています。
このプレ一は、かなり難しそうに思えますが、やはり基本の原理はこれまでと同じなので、相手と自分の位置関係がTの字型になるのを理解すれば、決して難しくはありません。
またこのシーンでは、後ろから向かって来る相手は、メッシにコンタクトする直前に両足を開いて止まろうとしています。
これは、先ほども解説したように、速く走っている状態から急に止まる時に股を開いてしまうということですね。
そうしないと止まることが出来ませんし、最悪の場合はメッシを突き飛ばしてファールになってしまいます。
だから、相手の股が開いてしまう…というわけなのです。
やはりメッシは、こうしたヒトの動作特性を熟知しているわけですね。
ところで、後ろから向かって来る相手を股抜きする時のタッチですが、これはメッシのようにいったん振り返ってインサイドを使っても良いですし、後ろ向きのままなら足裏やカカトを使っても良いでしょう。
ただし、後ろ向きのままで股を抜くと、すぐにマイボールに出来ないので、もしも味方が近くにいる時は、ヒールキックか足裏を使った股抜きで味方にパスすることも考えましょう。
その理由は、股抜き直後にルーズボールになって、いったん相手と競争しなくてはならないからです。
しかも股を抜かれた相手の方がボールに近いので、結果的にはボールを取られやすくなります。
そうすると、味方へのパスの方が安全なのです。
こうした点には注意しましょう。
さて、次は、股抜きをする時のボールタッチについて説明しておきます。
d.股抜きのタッチ
股抜きの代表的なタッチは、インサイド、アウトサイド、つま先という3通りの方法があります。
足裏やカカトを使えば、5通り以上にもなるでしょう。
でも、これは出来るだけシンプルに考えましょう。
それは、股抜きの後で自分が行きたい方向に応じてタッチを変えるということです。
メッシも、このようなシンプルな考え方をしています。
・軸足側ならインサイド、利き足側ならアウトサイドを使いましょう。
・つま先を使うと、軸足側でも利き足側でもどちらにも行けます。
・後ろ向きの場合は足裏やカカト。または先ほどのメッシのように、いったん振り返ってインかアウトでも良いでしょう。
以上が、相手が向かって来る時のパターンの解説でした。
次に、相手が止まっている時のパターンを考えてみましょう。
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②相手が止まっている時
相手が止まっている時の股抜きのタイミングは、結局は相手が動いているのか?止まっているのか?だけの違いです。
そうすると先ほども解説したように、
・相手と自分との位置関係がT字型のボールの通り道をイメージする。
・自分の間合いに入ったら抜く。
これだけを考えれば良いのです。
だから、難しく考えずに、シンプルに考えましょう。
ただし、相手が止まっている時は、簡単に股を閉じてしまうことがあります。
そのためにも、いつもよりも間合いを詰める(相手に出来るだけ接近する)ようにしましょう。
そもそも相手が止まっている時というのは、自分から相手に向かうということです。
こうした状況は、相手に対してフェイントを使って抜くのと同じです。
そうした場合に最も大切なのが、自分の間合いに入ったら直ぐに抜く!ということです。
ここで、いつまでもモタモタしていたらダメですし、躊躇してはいけません。
フェイントをする場合でも、躊躇していたら失敗しますよね。
要するに、相手が止まっている時の股抜きは、ふつうにフェイントを仕掛ける時のタイミングと全く同じなのです。
そうすると股抜きをするのか?フェイントで抜くのか?を選べるので、相手に対する主導権を握っているとも言えるでしょう。
つまり、相手と一対一になったら、このように考えると自分が優位になれるわけです。
以上のように、相手が股を開いている時のタイミングとして、相手が向かって来る時と止まっている時の2つのパターンに分けて解説しました。
これとは別に、相手が足を出した時の股抜きも覚えましょう。
そこで、次に相手が足を出した時の股抜きのタイミングを解説します。
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