ブラジルでのコーチの経験を活かして、 サッカー未経験の方にも分かりやすく科学的で正しい理論をご紹介します

一本歯下駄トレーニング!サッカー向け練習メニュー22選

一本歯下駄トレーニングが、身体能力をアップさせる理由は5つあります。
①バランス感覚が身に付く。
②全身のバネ作用が覚醒する。
③高重心になる。
④足のアーチと足指が鍛えられる。
⑤二軸動作が身に付く。

こうした能力は一本歯下駄を履いて歩くだけでも身に付きますが、サッカーへの応用という点では、より高度な練習メニューが必要です。

そこで、今回は一本歯下駄トレーニングのサッカー向けの練習メニューをご紹介します。

なお、一本歯下駄トレーニングが身体能力をアップさせる理由については、こちらの記事で詳しく解説しています。
一本歯下駄の効果!身体能力アップに役立つ5つの理由!

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目次

1.一本歯下駄トレーニングの注意点

ここでは、一本歯下駄トレーニングを始める前の注意点について解説します。

(1)一本歯下駄トレーニングの5種類の動き

一本歯下駄トレーニングは概ね次の5種類に別れます。

①準備運動
②ランニング系
③タッチ系
④ツイスト系
⑤体幹バネ系

具体的なトレーニングメニューは、後ほど詳しく解説します。

(2)一本歯下駄トレーニングの注意点

実際のトレーニングにあたっては、次の3つの点に注意してください。

・力を抜いてリラックスする。
・全身を大きく動かす。
・リズミカルで軽快に動く。

一本歯下駄トレーニングで特に大切なことは、全身を大きく動かしてバランスを取ることです。

その理由は、大きく動くことによって、一時的に崩れたバランスを、全身の骨格と筋肉を使って元に戻そうとする動きを身に付けるのが、一本歯下駄トレーニングの狙いだからです。

ヒトは誰でも、こうしたバランス感覚を持っており、そうした潜在能力を目覚めさせることで、サッカーのパフォーマンスがアップするわけです。

こうした潜在能力の覚醒は、病気やケガをした時の自然治癒力と似たようなものとお考えください。

(3)一本歯下駄トレーニングの動き

実際の一本歯下駄トレーニングは動画で実演していますが、この動きを厳密に真似する必要はなく、何となく真似をしてみた…、という程度でも十分です。

むしろ、遊び感覚で練習した方がリラックス出来るので、かえって良い効果が出ます。

また、あまり精細な動きまで取り入れようとすると、次のような問題が起きます。

・身体にムダな力が入ってリラックスできない。
・動きがぎこちなくなって、大きく動けない。
・リズミカルで軽やかな動きが出来ない。

一本歯下駄トレーニングは、身体能力をアップさせることが狙いであり、一つ一つの動きを正確に身に付けることが目的ではないので、ご注意ください。

(4)一本歯下駄トレーニングは毎日

トレーニングのメニューは、たくさんあるので、毎日全ての種類を練習するのは大変だと思いますが、だからと言って、週に1~2回まとめてトレーニングしてもあまり効果は出ません。

そもそも一本歯下駄は体にムリがないので、出来ることなら毎日続けてください。

朝起きて、顔を洗って、食事をして、歯を磨く…、というような日常生活の一環として、一本歯下駄トレーニングを習慣化した方が良いでしょう。

練習時間は1日に5~10分程度の短い時間で良く、また全てのメニューを一日で消化しなくても大丈夫です。

継続は力なり!なので、ぜひ毎日実践してみましょう。

それでは、次に具体的な練習メニューを紹介します。

2.一本歯下駄トレーニングの準備運動

このトレーニングは単なる準備運動ではありません。

一本歯下駄を履いて不安定になったバランスを、正常に戻す感覚を身に付けるための基本トレーニングとお考えください。

もちろん慣れてしまえれば、こうしたバランス感覚は当たり前になってしまいます。

(1)歩く、ジョギング、スキップ、ジャンピングラン(動画の最初~1:25)

歩く、ジョギング、スキップ、ジャンピングランの4種類のトレーニングは意外と大切なので、この程度の練習メニューでも、走る、飛ぶ、跳ねるの能力が格段にアップします。

また、二軸動作も身に付きます。

なぜなら、一本歯下駄を履いた状態が不安定であり、左右の軸を切り替えないと上手く歩けないため、自分の体が勝手に二軸動作になってしまうというわけですね。

(2)両腕回旋ステップ(動画の1:26~最後)

両腕回旋ステップは肩甲骨を脱力して腕をぐるぐる回し、腕の重さと遠心力を体感しましょう。

動画の中ではその場に立ったままでトレーニングしていますが、慣れてきたら、歩きながら腕をぐるぐる回してください。

このトレーニングは、2つのポイントがあります。

① 腕や頭がバランサーになる

サッカーで素早い動きをする時、足を先に動かすというのではなく、腕や頭(頭や腕から始動する)を使う…という動作が習得出来ます。

動画の中では、腕をぐるぐる回しているので、先ほどの、歩く、ジョギング、スキップ、ジャンピングランよりも不安定な状態を作り出します。

そうすると、この状態を解消するために、骨格と筋肉が連動して素早くバランスを取ろうとするわけです。

次の動画は「とも」が三年生の時のサッカーの練習の様子です。

ターンをする時に、やじろべいのように腕をバランサーとして使っています。

また肩甲骨を脱力しているので腕が不自然なまでに動いていますが、これもバランスを取っている証拠です。

もしも、腕が使えなかったら転倒していたと思います。

また、振り子のように、頭を支点としたバランス感覚も身に付きます。

② 走る時の疲労が軽減する

普通の人が走る時は力を入れて腕を振りますが、これでは筋肉が硬直してパワーの浪費に繋がります。

そうした場合、肩甲骨を脱力して自然な腕振りが出来ると、走る際の疲労の軽減に繋がります。

ナンバ走法の一つなので、ぜひ練習してください。

※ナンバ走法を詳しくお知りになりたい方は、次の記事をお読みください。
サッカーの走り方!正しいのはピッチ走法とナンバ走法の融合?

さて、次はランニング系の練習メニューを解説します。

3.ランニング系

このトレーニングは、走る際の骨格と筋肉の連動を促します。

走る時の基本は体力の消耗を防ぎつつ、自分のパワーを100%出し切ることです。

そうすることで、短距離でも長距離でもスタミナ切れを起こさなくなります。

体力の消耗を避けることと、パワーを出し切るということは一見して相反するように思えますが、リラックスした感覚を身に付ければ、筋出力は最大化(自分の持てるパワーを出し切る)します。

その結果、相反すると思われることも両立できるわけです。

(1)ランニングステップ(動画の最初~0:25)

走る動きをイメージしながら、肩甲骨と股関節をリラックスしてください。

ツーステップで二度踏みすると、リズム感がとてもよくなります。

このトレーニングは、走る際のリラックス感覚を身に付けるものなので、決して筋肉に力を入れるのは避けてください。

(2)ナンバステップ(動画の0:26~0:34)

左手と左足、右手と右足を同時に動かしてください。

先ほどのランニングステップは、走る時のリラックス感を身に付けるものですが、合わせてナンバステップを練習すると自然とナンバ走法が身に付きます。

そうすると、体力の消耗を防ぎ自分のパワーを100%出し切ることが出来ます。

また、サッカーの試合ではピッチ走法を使いますが、ナンバ走法が身に付けばスタミナ切れを起こらなくなります。

(3)肩甲骨回旋ステップ(動画の0:35~0:59)

肩甲骨をぐるぐる回しながら、ジョギング程度のスピードで走ってください。

ヒジを意識すると肩甲骨の回転がスムーズになります。

このトレーニングは、ドリブルの際の左右のスムーズな動きに役立ちます。

次のジグザグドリブルのような左右の移動は、足から動くのではなく、頭や肩甲骨あたりを支点にして始動しましょう。

その際、肩甲骨回旋ステップを練習することで、頭や肩甲骨がバランサーとして働き、左右の重心移動がスムーズになります。

(4)肩甲骨スライドステップ(動画の1:00~最後まで)

このトレーニングは、先ほどの肩甲骨回旋ステップとは違って、肩甲骨を自動車のワイパーのように左右にスライドさせます。

この体操も、ヒジを意識することで肩甲骨がスムーズに動きます。

また、この練習は先ほどの肩甲骨回旋ステップの動作を補うものです。

スムーズな重心移動はもちろんですが、シザースやステップオーバーなど、上半身と下半身を連動させたドリブルの動きも身に付きます。

次の動画で、タイツ先生がロビーニョの動作解析をしていますが、3:50あたりからのシーンでは、肩甲骨を使ったドリブルの動きを説明しているので、参考にしてください。

さて、次はタッチ系の練習メニューを解説します。

4.タッチ系

タッチの練習メニューは、少年団やクラブチームでもよく行われますが、サッカーシューズを履いて練習するため足だけを使った練習になりやすいです。

ところが一本歯下駄を履くと不安定な状態になるので、全身の骨格と筋肉を連動させたバランス感覚が身に付きます。

そうすると、全身をくまなく使うようになるので、一つ一つのプレーのパフォーマンスがアップするのです。

(1)フロントタッチ、サイドタッチ、かかとタッチ(動画の最初~0:45)

この3つのトレーニングは、足だけを使うのではなく、体幹(胴体)の反動を使って足を動かしてください。

この反動を使う動作が全身を使うという意味です。

これにより、体幹部から始動する⇒全身を使う…という動作が身に付きます。

(2)バックタッチ(動画の0:46~最後まで)

このトレーニングは、左手と右足、右手と左足というように身体をひねりながらタッチします。

先ほどの(1)の3つの練習と同様に体幹部の反動を使いますが、これに合わせて背筋も意識してください。

バックタッチは回転動作に近いので、背筋を意識することにより直線のドリブルからターンへの切り替え動作がスムーズになります。

ただし背筋に力を入れると、トレーニングの効果が落ちるので、くれぐれもリラックスしながら練習してください。

さて、次はツイスト系の練習メニューを解説します。

5.ツイスト系

このトレーニングは、体幹の柔軟な動作を身に付けるためのもので、体幹をクネクネと自在に動かしながらバランスを取るようにしましょう。

だいたい3ヶ月程度で、女子のようなしなやかな動きになるので、そうなるとバランス感覚がかなり上達したものとお考えください。

(1)首下回し(動画の最初~0:16)

頭を固定して首から下をゆっくりと左右に回転してください。

これにより頭と体幹を別々のパーツとして使う動作が身に付きます。

例えば、突破のドリブルなどの際に頭と体幹を別々に使えるので、頭の重さを使う(頭から飛び出す)という動きに役立ちます。

そうすると突破の動きが格段にスピードアップするのです。

次の動画のマシューズフェイントでも、0:18~0:19のシーンで頭の重さを使って突破しているのが分かります。

(2)頭回し、胸回し、腰回し(動画の0:17~1:24)

この3つのトレーニングは最もやり難く、思い通りに動かすのも大変だと思います。

でも、「とも」の動きを真似しようとしなくても大丈夫です。

なぜなら、一本歯下駄を履いた不安定な状態で、頭、胸、腰を動かすことが大切だからです。

だから、多少おかしな動作になっても全く問題はありません。

ちなみに、この動きを身に付けるとボディーバランスが安定するので、フィジカルコンタクトを受けても倒れなくなります。

その理由は、相手からの衝撃をまともに受けるのではなく、まるでコンニャクのようにかわしてしまうからです。

もちろんケガの危険もなくなります。

こうしたバランスの安定は、ヘッドストールが出来るか?どうか?も、一つの目安です。

動画の後半のシーンで、「とも」が頭に菓子皿を乗せて体をくねくねさせていますよね(笑)。

これは、頭回し、胸回し、腰回しと全く同じ動作です。

(3)体幹ひねり(動画の1:25~1:36)

このトレーニングは、上半身と下半身を単に逆ひねりしているわけではなく、上半身に連れて下半身を動かす…というイメージでトレーニングしてください。

上半身を先行して動かすことで、ナンバ走法のようにムダな筋肉を使わないので疲労が軽減しますし、とても素早い動きが身に付きます。

参考までに、こちらの動画(0:50からのシーン)もご覧ください。

(4)サンバ(動画の1:37~最後まで)

このトレーニングは先ほどの体幹ひねりの動作をアレンジしただけですが、リズム感の養成に役立ちます。

足元のステップはどのようなものでも構いませんが、先ほどの上半身を先行して動かす…という点は意識してください。

さて、次はバネ系の練習メニューを解説します。

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6.バネ系

このトレーニングはこれまでと違い、身体のバネ作用を存分に発揮するための、とても大切な練習メニューです。

またヒトの体のバネは体幹に集中しているので、特に上半身を動かす…という意識でトレーニングしてください。

(1)体幹割れ(動画の最初~0:19)

このトレーニングは身体の左右の体幹を縦に割って、どちらか一方を前に押し出すイメージで練習してください。

この動作は、ヘディングシュートに役立ちます。

一般的にヘディングは額の生え際で…と言われていますが、この場所はトラップやボールをはね返す時に使います。

ヘディングシュートをする時は半身の姿勢になって、「額」や「こめかみ」あたりでインパクトします。

いずれのヘディングも半身の姿勢が大切ですが、体幹割れの練習を続けることで、素早くこの姿勢が取れるようになります。

(2)みぞおち抜き(動画の0:20~0:32)

このトレーニングはみぞおちを意識しながら、息を吐いて脱力してください。

息を履いて力を抜くと重力落下運動が働きやすくなるので、素早くこの姿勢が取れるようになります。

この動きは、走る時やドリブルなどで急ブレーキをかける時に使います。

(3)みぞおち抜き・反射(動画の0:33~0:44)

このトレーニングも、みぞおちを意識して息を吐いて脱力してください。

そして息を吸って、いったん抜いたみぞおちを反射的に戻します。

この動作は、みぞおち抜き⇒反射までを一連の動きと考えてください。

この動きは、例えばターンで急ブレーキをかけた後の速い動き出しなど、素早い動きの切り替えに役立ちます。

(4)ヒザ抜きブレーキ(動画の0:45~0:57)

このトレーニングはジョギング程度の動きから、みぞおち抜き、股関節の脱力、ヒザ抜き(ヒザを脱力すれば良い)をしてください。

この3つの動きは、慣れないうちは難しそうに感じると思いますが、身体にブレーキを掛ける直前に、みぞおち、股関節、ヒザの力を脱力するようにしてください。

決してヒザに力をいれてはダメです。

慣れないうちは、歩く程度のスピードから始めてください。

この3つの動きに、体幹ひねりを加えるとドリブルからターンまでの一連の動きがスムーズになります。

こちらのカットインのような動きが身に付きます。

(5)ワップダウン、ワップワップ(動画の0:58~1:20)

この2つのトレーニングは、一連のバネ作用の動きとしてとらえてください。

・身体を伸ばした状態から脱力して一気に縮める。
・縮めた状態からバネの復元作用を使って元に戻す(伸ばす)。

この2つのトレーニングを合わせて練習しても良いですし、ワップダウンとワップアップを別々にトレーニングしても構いません。

この動作は、ドリブル突破やキック動作に役立ちます。

① ワップダウン(動画の0:58~1:09)

身体を伸ばした状態から脱力して一気に縮めます。

体を縮める時に脱力することで重力落下運動が働いて、素早く体を縮める動作が身に付きます。

② ワップアップ(動画の1:10~1:20)

体を縮めた状態から一気に伸ばします。

そうすると、背骨のS字カーブを使ったバネの反発作用が身に付きます。

(7)肋骨バネステップ(動画の1:21~最後まで)

胸に手を当てて胸辺りに重心があるのを意識しながら、小刻みに上下動したり、前後左右にステップしてください。

この動きは、メッシのような高重心の感覚を身に付けるもので、まるで操り人形のように、空中に浮くような「浮身」の動作が自然と身に付きます。

次の動画では、メッシが高重心でプレーする仕組みを解説しているので、ぜひご覧ください。

7.まとめ

一本歯下駄トレーニングは、子供から大人まで誰でも出来る簡単な練習法です。

私もやってみましたが、いったん慣れると不思議なくらいに足が前に出ますが、まるで誰かに背中を押されているかのようでした。

バランス感覚とは、こういうものなのか?と実感できます。

クツを履いて生活しているだけでは、こうした感覚は身に付きません。

また、今の子供たちは体力が低下して運動能力も落ちています。

ぜひ、多くの子供たちが実践し、サッカーのプレーに活かしてほしいと思います。

【画像引用:Youtube.com