ブラジルでのコーチの経験を活かして、 サッカー未経験の方にも分かりやすく科学的で正しい理論をご紹介します

サッカーのドリブル練習法!小学校低学年向け基本8選

小学校低学年のサッカーのドリブル練習にとって、最も大切な基本は何だと思いますか?
いろいろなテクニック、抜き方、フェイントなどを覚えることでしょうか?

たしかにそれもあるでしょうが、その前に大切なことを忘れています。

そこで今回は、小学校低学年のドリブルにとって、今だからこそ覚えるべき基礎と基本や練習法などを詳しく解説します。

なお足裏のドリブル練習法については次の記事を参考にしてください。
足裏ドリブル練習メニュー!小学校低学年向け10選

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1.ドリブルの基礎基本と足の指の感覚

小学校低学年の子供がドリブルを練習する時は、何よりも先に足の指の繊細な感覚を身に付けることが大切です。
そこで次に、こうした点について解説します。

(1)なぜ足の指の感覚が大切なのか?

① 足指の感覚の習得は最優先

サッカーのドリブルにとって、足の指の感覚を繊細にすることはとても大切です。
なぜなら、指は「触覚」という5つの感覚器官(その他に視覚、聴覚、嗅覚、味覚)の一つだからです。
特に繊細なボールタッチは、足の指の感覚を磨くことで身に付くものです。
だからこそ、子供たちはこの感覚の習得が最優先なのです。

足の指

こうした場合、裸足でサッカーをするだけでも効果的ですが、日本の子供たちは裸足で過ごす時間が少ないので足の指の感覚が劣っています。
裸足でサッカーすることが多いサッカー大国ブラジルの子供たちと比べると、なおさらその違いがハッキリします。

※ブラジルの子供たちとサッカーの関係を詳しくお知りになりたい方は、次の記事をお読みください。
サッカーは裸足で上手くなる!ブラジルと日本の子供達の違い

また大人は子供に対して、幼少期からいろいろなドリブルテクニック、抜き方、フェイントなどを覚えさせようとします。
でも覚えさせるべき順番を間違っています。
例えば、ドリブルのフェイントを習得するとしたら、タッチのやり方、動作、スピードなどの練習が必要です。
でもフェイントを覚える以前の問題として、タッチの強弱の程度やタッチの質などという点は足の指の感覚と密接に関係します。
つまり、指の感覚が未熟な状態で、いくらテクニックなどを覚えても中途半端にマスターするだけであって、実際の試合で使いこなせるのか?という点ではほとんど意味を持ちません。

たしかにゴールデンエイジが間近に迫っていることや、運動神経の早期発達のためには、いろいろな練習が必要かも知れません。
ところが、ゴールデンエイジの理論は科学的に解明されたものではなく、ましてや運動神経という名前の神経組織は存在しません(単なる通称)。
そうすると難易度の高いテクニックの習得は、いつになっても間に合うものですし、そもそも小学生の低学年から始める必要もありません。
またこうしたテクニックの類は、サッカーに必要な動作を習得するだけであって、足の指の感覚を繊細にすることは、ほとんど期待できないのです。

要するに、子供たちは足指の感覚を繊細にすることが最優先なのです。

※ゴールデンエイジの真実を詳しくお知りになりたい方は、次の記事をお読みください。
ゴールデンエイジは正しい?日本サッカー協会の問題点

② 足指の感覚を繊細にする最適期

子供の皮膚は大人よりも薄く、特に小学生の低学年はドリブルやキックをするだけでも刺激があります。
例えば、蹴る時の痛み、タッチの密着感や強弱などは、簡単に言えば全て肌への刺激です。
こうした刺激こそが、足の指の感覚の習得に繋がるのです。

これはピアノのレッスンと似ています。

ピアノを弾く小学生

例えば、ドの音を指先のタッチで音色を変えたとします。
その時に刺激されるのが、指先の感覚と聴覚としての音感です。
このようなことを繰り返しながら、曲を覚えてピアノが上手くなっていくのです。

こうしたヒトの感覚器官は、生まれ付き発達しているかどうかという個人差はありますが、後天的に身に付けることも可能です。
でもサッカーの場合は、成長とともに皮膚が厚くなるので足の指の感覚も鈍くなってしまうのです。

そうした意味では、小学生の低学年までのドリブルは、足の指の感覚を鍛えるメニューに特化して練習するべき時期なのです。

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(2)ドリブル練習に最適なシューズとは?

先ほど、ドリブルは足の指の感覚を鍛える練習メニューが必要であると解説しましたが、その際はシューズ選びも大切です。
ふつうシューズメーカーは耐久性を考慮するので、アッパー(皮)が厚めに作られています。
そうすると革靴を履いてドリブル練習をするのと同じなので、足指の感覚は繊細になりません。

なるべくなら裸足で練習するのが良いのですが、そうでない場合は出来るだけ素足感覚の靴を選びましょう。
特にサッカーシューズでなくても良く、薄手のスニーカーやアップシューズなどでも大丈夫です。

私が最もおススメするのは、小学校の上履きです。

小学校の上履き(アッパー)
小学校の上履き(ソール)

上履きのメリットは、
・皮(アッパー)が薄いので、素足感覚になる。
・靴底が薄く滑りやすいので、グリップ力が強化されバランス感覚が身に付く。

ふつうに考えたら、このような靴でドリブルの練習をすると、滑ったり転んだりして危ない!と思います。
だから、トレシューやスパイクが必要…、などと思ったら間違いです。
練習だからこそ、こうした靴を履くべきなのです。

私が30年前に過ごしたブラジルのサンパウロの子供たちは、よく裸足でストリートサッカーをしていました。
裸足でサッカーをするメリットは、足の指の感覚が鍛えられてタッチが繊細になることです。

一方、裸足が危険…というのであれば、せめて薄手のシューズを履いてドリブル練習をしてほしいと思います。

※サッカーシューズの選び方を詳しくお知りになりたい方は、次の記事をお読みください。
サッカーシューズの選び方!意外と知らない大切な2つのこと

(3)足指の強化

サッカーのドリブルは、ボールをタッチしながら走る、歩く、止まるという動作の繰り返しです。
そうした場合、特に大切なのが土踏まずのアーチ構造と足回りの筋肉群の強化です。

特に日本の子供たちは偏平足が多く、土踏まずの未熟な偏平足予備軍が多いです。
また近年では、大人に多いはずの外反母趾の子供も増えつつあるようです。

一方、サッカーの場合は土踏まずや足回りの筋肉群に大きな負荷をかけるので、特に足指の強化は大切です。

そこでぜひおススメしたいのが、次の動画のような足指グーパーと足指スリスリです。

その際は、必ずリスフラン関節を動かすように意識してください。

指先からリスフラン関節までを動かす

そうすることで足回りの筋肉群が連動して、効果的な補強が出来ます。

※足指と足回りの強化法を詳しくお知りになりたい方は、次の記事をお読みください。
土踏まずのアーチを作る方法!【痛みの原因は偏平足】

この練習は、毎日1分ずつでも続ければすぐに効果が現れます。
効果の目安は1~2週間程度で足の甲が盛り上がり、指と指の間が広がります。
3ヶ月~半年程度で、足首周り、ふくらはぎ、アキレス腱などの筋肉群が太くなります。
ぜひ試してください。

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2.足の指を意識したドリブルの練習法

ここからは、いよいよ個別の練習メニューを紹介します。
どの練習も一見して地味に思えますが、先ほども解説したとおり足指の感覚を繊細にするのは小学生の低学年までが最適期です。
いずれのメニューも、足の指を意識することで練習効果がアップします。
また、全て子供一人だけで出来る練習法です。
一セットあたりの回数やセット数などの目安は特にありませんが、子供が疲れ切ってしまうまで練習すると効果は半減します。
そうした点はご注意ください。

(1)走るドリブル

ここでは、走る動作とドリブルを一体化させる練習です。
特に後述の「②良い例」のドリブルが出来ているのであれば、この練習は必要ありません。

① 悪い例

小学校低学年でよくありがちなのが、ボールを蹴って追いかけるドリブルです。

これでは、ボールを支配して自分のモノにしているとは言えません。
試合中に広いスペースがあるのであれば良いですが、密集状態では相手に簡単に奪われてしまいます。
単に蹴っているだけのドリブルは、なるべく早い時期に止めさせましょう。

② 良い例

サッカーのドリブルは、基本的に走る動作と同じです。
唯一の違いは、ボールにタッチするかどうかだけです。

ドリブルの時は、利き足を前に出した時に必ずボールをタッチするようにしましょう。

利き足を前に出した時にボールをタッチする

ボールにタッチするのは、自分のモノとして支配することです。
これは基本中の基本なので、幼少期のうちに身に付けましょう。

※ボールを蹴って追いかけるドリブルがなぜ悪いのか?という理由を詳しくお知りになりたい方は、次の記事をお読みください。
サッカーのドリブルで「運ぶ」ということの本当の意味とは?

(2)アウトのドリブル

① タッチの感覚を身に付ける

アウトのドリブルは、試合中に最も多く使うタッチです。
先ずは、このタッチをきちんと身に付けましょう。

足の小指に全神経を集中させて、ボールの中心からやや下をタッチしながら直線ドリブルを繰り返してください。
特に一つ一つのタッチを指先で感じながら、正確にボールに触ってください。
また自分の走るスピードに合わせて、タッチの強弱を変えることも必要です。
こうした練習を繰り返すことで、足指のタッチの感覚が身に付きます。

なお、ドリブルのスピードはジョギング程度で良いので、決してスピードアップしないでください。
必要以上に速くすると、タッチが雑になってしまうので注意してください。

② 足首の脱力と筋肉の伸張反射

アウトのドリブルでタッチする際は、必ず足首を脱力してください。
その理由は、足首とスネの筋肉の伸長収縮を起こすためです。
そうすることで足からボールが離れなくなり、いわゆる「柔らかいタッチ」が身に付きます。

足首を脱力しながらタッチするドリブル

※伸張反射を詳しくお知りになりたい方は、次の記事をお読みください。
伸張反射はサッカーのプレーを劇的に改善!最新理論を紹介

ちなみに海外のトッププレーヤーのドリブルも、ほとんどこのようなスタイルになります。

ネイマールのドリブル

この場合、市販のサッカー教材やネットなどの情報では小指でボールを押す…などと掲載されていることがあります(酷いのになるとインステップで押す…というのもあります)。
これをまともに受け入れると足首に余計な力が入ってしまうので、柔らかいタッチが身に付きません。
くれくれもご注意ください。

(3)ヒザ下ボールタッチ

このドリブルは試合中の密集状態で、ヒザ下にボールを置いて小刻みなタッチを繰り返すことを想定した練習です。
また、アウトのドリブルとヒザ下のボールタッチを適宜切り替えながらの練習も効果的です。

ドリブルでタッチする時の足首の脱力は、先ほどのアウトのドリブルと同じ要領です。
足首とスネの筋肉の伸長収縮を活かしながら、足指の感覚を繊細にしてください。

(4)つま先タッチ

① タッチの感覚を身に付ける

このタッチを覚えると、先ほどのアウトのドリブルとは違って、タッチした足のカカトが地面に着地出来ます。
そうするとドリブルがスピードアップします。

足のつま先に全神経を集中させて、ボールの中心からやや下をタッチしながら直線ドリブルを繰り返してください。

つま先タッチの特徴はドリブルスピードが速くなることですが、ハッキリ言いますとこのタッチはかなり難しいです。
なぜなら先ほどのアウトのドリブルと比べて、ほんのわずかでもタッチが強いとボールが加速してしまい、足からボールが離れやすくなるからです。
そうすると、アウトのドリブル以上の繊細なタッチが必要になります。
でも、こうした練習を繰り返すことで、足指のタッチの感覚がさらに敏感になります。

つま先タッチで足指の感覚が敏感になる

子供がサッカーを始めたころは、誰でもつま先でボールを蹴っていたはずです。
ところが、いつの間にかドリブルやキックのやり方を矯正されて、つま先の感覚が鈍ってしまいます。
つま先とは指先の感覚であって、とても重要な感覚器官です。

日本では、こうした指導はほとんどありません。
だから日本のドリブラーは、プロアマ問わずドリブルが下手なのです。

ちなみに世界的なドリブラーであるメッシやロッペンも、時々つま先タッチを使います。

② 足首の脱力と筋肉の伸張反射

ドリブルでタッチする時の足首の脱力は、先ほどのアウトのドリブルと同じ要領です。
足首とスネの筋肉の伸長収縮を活かしながら、柔らかくタッチしてください。

足首の脱力と筋肉の伸張反射

(5)アウト、インのターンドリブル

この練習の目的は二つあります。

一つ目はアウトサイドとインサイドのタッチの感覚を、体を回転させるターンの動きの中で正確に覚えること。
二つ目はアウトサイドとインサイドを使ったターンの感覚を覚えること。

練習方法はアウトサイド⇒小指、インサイド⇒親指に全神経を集中して小刻みなタッチを繰り返すことだけです。
そうすると親指と小指の感覚が繊細になりますし、ターンの感覚が自然と身に付きます。

特に試合中の密集状態では、アウトとインのタッチを頻繁に使います。
そうした場合はいちいちボールを見るのではなく、足指の感覚だけでボールを動かせるよう繰り返し練習してください。

また試合中でのターンの回転半径は、小さければ小さいほど有効です。
そこで、小さな回転を心がけるようにしましょう。

なおこの練習は、マーカーではなくても目印(小石、木切れなど)があれば、それを使っても良いでしょう。

※ターンのテクニックを詳しくお知りになりたい方は、次の記事をお読みください。
ターンを鋭く速くする二つのコツ!海外サッカーと日本の違い

(6)アウト、インのマーカードリブル

この練習は、マーカーを使ってアウトサイドとインサイドでタッチするという、単純ですがとても大切な練習メニューです。

① アウトとインのタッチ

先ほどの(1)~(5)までの練習を活かしながら、突破のドリブルを想定して親指と小指を使ったカットドリブルを繰り返してください。

② 重心移動

次の動画は先ほどのスローver.ですが、重心移動を意識したカットドリブルも繰り返してください。
ただし、小学校低学年の子供には、こうしたスムーズな動きは難しいかも知れません。
なぜなら軸足が弱く、体が棒立ちになってドタバタしたドリブルになりやすいからです。

そうした時は、次のような重心移動体操も並行して練習してください。
ただし三半規管の発達が未熟な場合もあるので、めまいがしたり気分が悪くなったら止めてください。

※重心移動とサッカーの関係を詳しくお知りになりたい方は、次の記事をお読みください。
重心移動でサッカーが100倍上手くなる!【中学生でも分かる】

(7)コーディネーションドリブル

この練習は足指の感覚とともに、コーディネーション能力を養成するための練習です。
特に変換能力と定位能力が養成されます。

やり方としては、前に蹴ったボールを追いかけて、出来るだけ少ないタッチ回数で通常のドリブル状態に移るというものです。
またボールに触らないことで、どのようにボールのスピードか落ちて行くのか?ということも自然に覚えられます(後述の「触らないドリブル」のこと)。

最初のうちはボールを追いかけることだけに集中してしまい、足指のタッチの感覚が疎かになりがちです。
でも、足指を使っていかにタッチするのか?という点も大切なので、そうした点もご注意ください。

(8)タッチ切り替えドリブル

この練習は、これまでの足指の感覚を繊細にするというテーマの総決算です。

具体的な練習方法としては、ドリブルのタッチは自由ですが、3m以上同じタッチをしないという条件付きです。
つまり、タッチをいろいろと切り替えるということです。
イン・アウト、アウト、つま先、ヒザ下ドリブル、スピードの強弱、触らないドリブルなどを繰り返します。
触らないドリブルとは、足から離れたボールをすぐに触るのではなく、触らないことで自然にボールスピードを落としてからタッチすることです。

注意点としては、
・1セット1分間。
・インターバルは3~5分間。
・一日3セットくらいまで。
※心身ともにリフレッシュした状態で練習しましょう。ムリは禁物です。

ちなみに、こちらの動画は私の息子「とも」が小二の時の練習の様子です。
大切なことは、いろいろなタッチを繰り返すことです。
スピードよりも正確さを大切にしましょう。

さて次は、これまでに紹介した練習メニューを補強するためのトレーニングを紹介します。
大切な内容なので、ぜひお読みください!

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