ブラジルでのコーチの経験を活かして、 サッカー未経験の方にも分かりやすく科学的で正しい理論をご紹介します

サッカーのドリブル練習法!小学校低学年向け基本8選

【ドリブルの練習法】

ここからは、いよいよ個別の練習メニューを紹介します。

どの練習も地味に思えますが、先ほど解説したように、足指の感覚を繊細にするのは小学生の低学年までが最適期です。

いずれのメニューも、足の指を意識することで練習効果がアップしますし、全て一人で出来る練習法です。

一セットあたりの回数やセット数などの目安は特にありませんが、疲れるまで練習すると効果が低下するので、ご注意ください。

(1)走るドリブル

この練習は、走る動作とドリブルを一体化させるメニューです。

特に後述の「②良い例」のドリブルが出来ているのであれば、この練習は必要ありません。

①悪い例

小学校低学年でよくありがちなのが、ボールを蹴って追いかけるドリブルです。

これでは、試合中に広いスペースがあるのなら別ですが、密集状態では相手に簡単に奪われてしまいます。

単に蹴って走るだけのドリブルは、なるべく早い時期に止めさせましょう。

②良い例

サッカーのドリブルは走る動作と同じですが、ただ一点だけ違うのはボールにタッチするかどうかだけです。

ドリブルの時は、走る動作に合わせて、利き足を前に出した時にボールをタッチしましょう。

その時にタッチするのは足の小指です。

日本ではアウトサイド(足の横)とかインステップ(足の甲)でタッチするように指導するケースがありますが、これは間違いです。

そうした意味で小指の正しいタッチを覚えましょう。

ボールにタッチするのは、自分のモノとして支配することですし、ドリブルの基本なので必ず幼少期のうちに身に付けてください。

(2)アウトのドリブル

①タッチの感覚を身に付ける

アウトのドリブルは、試合中に最も多く使うタッチです。

先ずは、このタッチをきちんと身に付けましょう。

もちろん小指を意識してください。

練習方法としては足の小指に全神経を集中させて、ボールの中心からやや下をタッチしながら直線ドリブルを繰り返してください。

また自分の走るスピードに合わせて、タッチの強弱を変えても良いでしょう。

こうした練習を繰り返すことで、足指のタッチの感覚が繊細になります。

なお、ドリブルのスピードはジョギング程度で良く、決してスピードアップしないでください。

もしも必要以上に速くするとタッチが雑になってしまい、繊細な感覚が身に付かないので注意してください。

②足首の脱力と筋肉の伸張反射

アウトのドリブルでタッチする際は、必ず足首を脱力してください。

その理由は、足首とスネの筋肉の伸長収縮を起こすためです。

そうすることで足からボールが離れなくなり、いわゆる「柔らかいタッチ」が身に付きます。

※筋肉の伸張反射の仕組みを詳しくお知りになりたい方は次の記事をお読みください。
伸張反射はサッカーのプレーを劇的に改善!最新理論を紹介

ちなみに海外のトッププレーヤーのドリブルも、ほとんどこのようなスタイルになります。

この場合、市販のサッカー教材やネットなどの情報では小指でボールを押す…などと掲載していることがよくあります。酷いのになるとインステップで押す…というのもあります。

これをまともに受け入れると足首に余計な力が入ってしまうので、柔らかいタッチが身に付かないので、ご注意ください。

(3)ヒザ下ボールタッチ

このドリブルは密集状態でボールを奪われないため、ヒザ下にボールを置いて小刻みなタッチを繰り返す練習です。

また、アウトのドリブルとヒザ下のボールタッチを適宜切り替えながらの練習も効果的です。

タッチする時の足首の脱力は、先ほどのアウトのドリブルと同じ要領です。

足首とスネの筋肉の伸長収縮を活かしながら、足指の感覚を繊細にしてください。

さて次は、もう少し難易度の上がった練習メニューを解説します。

日本ではあまり紹介されていない練習法もたくさんあるので、ぜひお読みください。

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(4)つま先タッチ

①タッチの感覚を身に付ける

このタッチを覚えると、先ほどのアウトのドリブルとは違って、タッチした足のカカトが地面に着地出来るので、ドリブルスピードがアップします。

足のつま先(親指、人差し指、小指)に全神経を集中させて、ボールの中心からやや下をタッチしながら直線ドリブルを繰り返してください。

つま先タッチの特徴はドリブルスピードが速くなることですが、ハッキリ言いますとこのタッチはかなり難しいです。

なぜなら、ほんのわずかでもタッチが強いとボールが加速してしまい、足からボールが離れてしまうからです。

そうすると、先ほどのアウトのドリブル以上の繊細なタッチが必要になります。

でも、こうした練習を繰り返すことで、足指の感覚がさらに敏感になります。

子供がサッカーを始めたころは、誰でもつま先でボールを蹴っていたはずです。

ところが、いつの間にかドリブルやキックのやり方を矯正されて、つま先の感覚が鈍ってしまいます。

つま先とは指先の感覚であって、とても重要な感覚器官です。

日本では、こうした指導はほとんどありません。

だから日本のドリブラーは、プロアマ問わずドリブルが下手なのです。

ちなみに世界的なドリブラーであるメッシやロッペンも、つま先タッチをよく使います。

②足首の脱力と筋肉の伸張反射

タッチする時の足首の脱力は、先ほどの(2)アウトのドリブルと同じ要領で足首とスネの筋肉の伸長収縮を活かすため、足首を脱力してタッチしてください。

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