ブラジルでのコーチの経験を活かして、 サッカー未経験の方にも分かりやすく科学的で正しい理論をご紹介します

サッカーのキックの助走は何歩で?正しい蹴り方を解説!

【バックスイングを大きくする】

(1)バックスイングと遠心力

先ほど助走は、開始⇒軸足、一歩目⇒蹴り足、二歩目⇒軸足という二歩の蹴り方が大切と解説しましたよね。

これは、一歩目(蹴り足)から二歩目(軸足)までがバックスイングとして、キックモーションの一部になっているからです。

(キックモーションとは、バックスイング→インパクト→フォロースルーまでの一連の流れ)

これに対して、開始⇒軸足、一歩目⇒蹴り足というのは、キックモーションに入る前なので、それほど重要ではなく、せいぜい足を合わせる程度の意味しかありません。

そうすると、先ほどのロベルト・カルロスの長い助走と同じなので、タイミングさえ合っていれば、やってもやらなくても良いのです(つまり一歩の助走でも良い)。

それでは、なぜバックスイングを大きく(最後の一歩を大きく)する必要があるのでしょう?

それは、下図のように、バックスイングの大きさ(蹴り足の振り幅)が遠心力の大きさに比例するからです。

またバックスイングの大きさは振り子と同じで、例えば上図のAとBを比べると、Aの方が遠心力が大きくなります。

さらに遠心力が大きいということは、振り子の運動エネルギー(キックの場合は蹴り足のスピードとパワー)も比例して大きくなるということです。

つまり、ボールを強く遠くに飛ばすためには、バックスイングを大きくして、蹴り足の運動エネルギーをボールに伝えれば良いということです(助走の歩数とは関係ない)。

したがって、最初にご覧になった親子のように同じ歩幅の助走だったり、バックスイングが小さかったりすると、強く遠くに蹴ることは出来ないわけですね。

ちなみに、巷では「強いインステップキックは助走を利用して蹴る…」というおかしな意見もありますが、これはあまり参考にしない方が良いでしょう。

なぜなら助走の運動エネルギーは微々たるもので、蹴り足の遠心力の方がはるかにパワーが大きいからです。

さて、これまでの解説の中で、助走を長くするよりも、バックスイング(蹴る前の最後の一歩)を大きくした方が良いことは、お分かりになったと思います。

そこで、次にバックスイングを大きくする方法について解説します。

(2)バックスイングを大きくする方法

バックスイングを大きくすると、最終的には一歩の助走で蹴ることが出来ます。

でもその前に、先ずは順番に練習しましょう。

① 走り幅飛びの要領で

バックスイングを大きくするためには、助走のタイミングをきちんと合わせるのが大切です。

そこで「とも」のキックの動画のように、一歩目⇒蹴り足、二歩目⇒軸足の順でタイミングを合わせることから始めましょう。

その時のやり方ですが、走り幅跳びの要領で、蹴り足で踏み切って高くジャンプすると、自然とバックスイングが大きくなります。

この時に大切なのは、あくまでもタイミングを掴むことなので、大げさにやるくらいの方がちょうど良いです。

また、最初に1~2歩ゆっくり歩いてから、蹴り足で踏み切ると簡単にタイミングを合わせられます(先ほどの「とも」の動画でもこのようにしています)。

このように、高くジャンプしてバックスイングを大きくすると、蹴り足の遠心力をさらに大きくするという点で、効果的で重要な2つのテクニックが身に付きます。

A.体のバネ作用と筋肉の伸張反射

上の画像で「とも」が高くジャンプしている時に、左手を水平に上げて胸の筋肉を伸ばすとともに、軸足が着地した時点で体を少し反らしています。

これは、体のバネ作用や筋肉の伸張反射を使って蹴っていることを意味します。

そうすると、さらに蹴り足の遠心力が大きくなります。

※体のバネ作用と筋肉の伸張反射を詳しくお知りになりたい方は次の記事をお読みください。
バネ作用でサッカーがレベルアップ!ドリブルやキックに効果抜群
伸張反射はサッカーのプレーを劇的に改善!最新理論を紹介
B.蹴り足の重さを使う

高くジャンプしながら蹴ろうとすると、足を振り回すような蹴り方になります。

そうすると、足が振り子の重りのようになって、いわば足の重さを使って蹴れるようになります。

実は、これも蹴り足の遠心力を大きくさせます。

※足の重さを使う蹴り方を詳しくお知りになりたい方は次の記事をお読みください。
サッカーの正しい蹴り方!ヒザを強く速く振るのは間違い?

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② 助走を長くする場合(フリーキックなど)

今度は、フリーキックなどで助走を長くする場合のバックスイングです。

先ほどのように、一歩目⇒蹴り足、二歩目⇒軸足で助走が出来るようになったら、一歩目⇒蹴り足の前に、軸足のスタートを加えると助走が長くなります。

結論から言えば、これだけの違いです。

次の画像のやり方が分かりやすいので、参考にしてください。

最初に蹴り足を前に出し、次に蹴り足を下げると軸足が前に来るので、必然的に軸足からスタートすることになります。

その後は、蹴り足、軸足の順に助走をするだけですが、この時に蹴り足で大きくジャンプ(先ほどの小1の頃の「とも」の動画のように)するように踏み切れば、バックスイングが大きくなります。

ただし、助走を長くする場合は、必ずボールの軸足を真横に正確に踏み込んでください。

これは長い助走からバックスイングを大きくすると、軸足がぶれやすくなるからです。

もしも、軸足がボールの真横から前後左右に1㎝でもズレると、正確にインパクト出来ません。

もちろん人それぞれなので、ボールの真横ではなく少し後ろとか…自分なりの決まった位置関係があるでしょう。

でも、キックが正確な人は、何度蹴ってもボールと軸足の位置関係が、同じ場所で決まっています。

そのためには軸足の強化が必要ですが、この点に関しては後ほど解説します。

さて、以上のようなバックスイングとは別に、次は短い助走で確実に蹴る方法について解説します。

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