【練習法】
(1)軸足の強化
少ない助走でキックを蹴るため、特に重要なのが軸足を鍛えることです。
これまでバックスイングを大きくする必要性を解説しましたが、その理由は遠心力を大きく(パワーとスピードを大きくする)するためでしたよね。
その場合、キックの遠心力は軸足一本で支えるわけですが、バックスイングを大きくすればするほど、さらに遠心力も大きくなって軸足の負担も大きくなります。
こうしたバックスイングの大きさ(遠心力の大きさ)と軸足の負担は、いわば「両刃の剣(もろはのつるぎ)」ですね。
でも、強く遠くに蹴るためには、軸足の強化によって遠心力を克服しなくてはいけません。
特に、日本人は海外の選手と比べて軸足の強化が劣っています(日本代表のシュート練習を見ても明らかです)。
そこで、特におすすめなのが、ちょんちょんリフティングです。
最低でも、1000回は出来るようにしましょう。
ただし、小学校低学年の場合はなかなか難しいので、その場合は連続でなくとも構いません。
失敗を重ねても良いので、一日の通算で1000回を目指すようにしましょう(100回ずつ10セットのようなやり方でも良い)。
サッカーのキックと体幹・軸足の強化!効果的な練習法
ちょんちょんリフティングがサッカーに役立つ驚きの効果
次に、テニスボールやスーパーボールも使ってみましょう。
やはり目標は1000回です。
これも小学校低学年の場合は失敗を重ねても構いませんので、一日の通算の回数を目標にしてください。
なお、その他にも、筋肉の伸張反射、上半身のバネ作用、腸腰筋トレーニングなどが必要ですが、先ずは遠心力に負けないために軸足を強化しましょう。
(2)一歩の助走で蹴る
軸足を強化すると一歩の助走で蹴れるようになりますが、慣れないとタイミングの掴み方が難しいと思います。
そこで、小学校低学年向けと一般向けの練習法をご紹介します。
① 小学校低学年向け
次の動画は、「とも」が小三の頃に毎日やっていたインフロントキックの練習です。
動画では、バックスピンの感覚を掴むため…と解説していますが、「インパクト直前の最後の一歩」をきちんと意識して練習すると、しだいに一歩の助走で蹴れるようになります。
とても単純な練習ですが、キックの助走にとっては大切な基本ですし、幼少期から習慣づけることが重要です。
練習のポイントとしては、
・距離は3~5m程度。
・蹴るのはインフロントキック。
インフロントキックが一歩で蹴れるようになれば、インステップキックの助走は比較的簡単に覚えられるので、先ずはこの練習から始めてください。
② 一般向け
こちらは先ほどと同じような要領の練習ですが、距離が10~15m程度に伸びただけです。
自分のキック力に応じて、一歩で蹴れるようにしてください。
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【まとめ】
これまでキックの助走とバックスイングの関係について、解説しました。
特に助走の歩数や長さは、キックの飛距離や強さとはほとんど関係ありません。
大切なのは、助走の時にバックスイングを大きくする(遠心力を大きくする)ことと、少ない助走で蹴れるようになることです。
そのためには、軸足強化が必要です。
ぜひ、たくさん練習して上手くなりましょう。