ブラジルでのコーチの経験を活かして、 サッカー未経験の方にも分かりやすく科学的で正しい理論をご紹介します

ジュニア向けサッカーシューズの選び方!大切な2つのこと

あなたは、ジュニア世代の子供にどんなサッカーシューズを買っていますか?

メッシ、クリスチアーノ・ロナウド、ネイマールなどの有名選手が履いているモデルだから?カッコいいから?耐久性があるから?

たしかに親としては、可愛い子供のためにカッコいいサッカーシューズを選びたいですし、長持ちすれば経済的でしょう。

でも、そうした選び方が本当に子どものためになるのでしょうか?

私は、30年前にブラジルでジュニアのアシスタントコーチをしていましたが、その当時の選手たちが履いていたシューズは日本の子供たちのものとは全く違います。

そうした点では、ジュニア向けのサッカーシューズの選び方で日本人のほとんどの方が知らない大切なことが2つあります。

そこで、今回は正しいジュニア向けのサッカーシューズの選び方について解説します。

※この記事は2つのページに分かれているので、順番に読んでも良いですし、直接それぞれのページを読んでいただいても結構です。

1ページ目(このページに書いてあります)
【ボールコントロールとグリップ力】

2ページ目(←クリック!)
【素足感覚のシューズ】
【まとめ】

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1.ボールコントロールとグリップ力

ジュニア向けのサッカーシューズの選び方で最も大切な2つの点は、ボールコントロールとグリップ力です。

そのためには、どのようなシューズを選ぶのか?そこで次に、この2つの点について順に詳しく解説します。

(1)ボールコントロール

①シューズメーカーと親の考えの違い

ジュニア向けのサッカーシューズをお店で選ぶ時は、いろいろな広告が目に付くので迷いますよね。

また、楽天やアマゾンを見ても、思わず買いたくなるような謳い文句もたくさんあります(笑)。

これは、アディダス、ナイキ、プーマ、アシックスなどが、お互いに売り上げを上げようとして、しのぎを削っているわけですね。

その中でも特に多く見られるのが、各社のサッカーシューズに対するボールコントロールの宣伝で、特に多いのが、抜群の!、絶妙な!、新次元の!などですね。

実は、こうした宣伝広告はキャッチコピーと言って、消費者心理を知り尽くした専門のコピーライターが、誰でも思わず買いたくなるようなタイトルを付けているのです。

やはり、各社とも売り上げを伸ばしたいのでしょう。

その一方で、消費者であるお父さんやお母さんがジュニア向けのサッカーシューズを選ぶ時、どのように考えているのでしょうか?

たぶん、次の3つを考えているはずです。

ア.良いモノを安く。
イ.長持ちするという点でコスパが良いモノ。
ウ.成長期なので一サイズ大きめ。

これに対してメーカー側は次のように考えています。

ア.子供のためなら親は高くてもお金を出すはず。
イ.シューズの寿命は3~6ヶ月くらい。
ウ.サイズはピッタリが望ましい。

でも、親としては、せっかく高いサッカーシューズを選んだのだから長持ちしてほしい…と考えますよね。

ところがスポーツメーカーとしては、サッカーシューズは消耗品なので買い替えを前提に考えています。

つまり、親とメーカーの考え方は全く違うのです。

そうなるとメーカーとしては長持ちさせるために、スパイクやトレーニングシューズの靴底を改良したり、アッパー(靴底以外の表面の皮の部分)を厚めにして耐久性を高めるしかないのです。

なにしろ、メーカーとしては消費者の意向を汲み取らないと売れませんし、このシューズは長持ちしない!などという評判が起きると困りますからね。

この場合、特に注意していただきたいのが、アッパーが厚めになりやすいという点です。

実は、サッカーシューズのアッパーが厚めになると耐久性は高くなりますが、ボールコントロールの感覚が身に付き難くなるのです。

②ボールコントロールの感覚の本当の意味

ボールコントロールの感覚とは、足の触覚や痛覚を刺激するという意味です。

簡単に言えば、ボールが足に触れたときの軽い痛みの感覚ですね。

もちろん、ジュニア世代の子供に対して、神経をシャープに刺激するような痛みではありませんよ(笑)。

でも、アッパーが厚めのサッカーシューズを履いていたらどうなると思いますか?

実は、ジュニア世代の子供にとっては、革靴を履いて練習するようなものなので、いつまで経っても繊細なボールコントロールは身に付きません。

そうするとアッパーが厚めよりも薄いサッカーシューズの方が、ボールコントロールの感覚が身に付くのです。

私は30年前にブラジルサンパウロの某サッカークラブで、アシスタントコーチ(ジュニアとジュニアユース)をしていました。

当時の私は、最初の頃にトップチーム(プロチーム)の用具係のお手伝いをしたことがあります。

その際、プロの選手たちのサッカーシューズの靴磨きをしたことがありますが、各選手とも薄くて柔らかいのが印象的でした。

いわゆる、カンガルー皮を使っていたのです。

まるで、バレーシューズのような薄さと柔らかさがありました。

用具係のスタッフに、「選手たちは、どうしてこんなに薄くて柔らかいサッカーシューズを選ぶのか?」と聞いたことがあります。

その時の答えはこうでした。

「選手たちは、本当は裸足でサッカーをしたいんだよ。」「だってボールコントロールがしやすいからね。」「でも試合では、シューズを履かないとダメだろう?」「だから、出来るだけ素足に近いシューズを選ぶんだよ。」

なるほど、やはり本場のブラジル人は違うのだなあ…と感じました。

たしかに当時のサンパウロの街中では、小学生くらいの子供たちが、あちらこちらで裸足でストリートサッカーをしている様子をよく見かけました。

やはり、子供は裸足が好きみたいですね(笑)。

そうした中で選手たちが成長していくわけですが、やはり文化の違いなのだろうと思いました。

いずれにしても、ジュニア世代の子供にとっては、アッパーが薄くて素足感覚のサッカーシューズの方が、ボールコントロールが身に付くのです。

でも、アッパーが薄いシューズは、どうしても耐久性が低くなりますよね。

たしかに親の立場としては、経済的にも長持ちしてほしいのはよく分かります。

でも、子供が上手くなるためには、やはりアッパーが薄めのシューズを選んだ方が良いのは間違いありません。

ちなみに、薄い靴でボールを蹴ったら足が痛い…なんて言ってたら、その時点で子供の成長は止まります。

もしも、ジュニアユースとかユース世代になっても、厚い皮の靴を履いていたとしましょう。

そして、「ボール感覚が絶妙だ!」などと自己満足していたとしたら、それは単なる勘違いであって、その子供とっての将来の成長は期待できないのです。

さて、それでは次に、ジュニア向けのサッカーシューズのグリップ力についてご紹介します。

(2)グリップ力

サッカーシューズのグリップ力とは、簡単に言えば走ったり飛んだり跳ねたりする時の地面を掴む性能です。

小学生の場合、すでに低学年のうちからスパイクやトレーニングシューズなどを履かせるクラブや少年団が多いですよね。

その意図は、滑ったり転んだりというケガを少なくするためのようです。

たしかに、スパイクやトレシューの靴底は特殊な形状をしているので、土のグラウンドが多い日本では効果的なように思えますよね。

また、シューズメーカーとしても、グリップ性能の改良を重ねながら新製品を毎年のように発売しています。

メーカー側の意向としては、ジュニア世代の子供の土踏まずが未熟なことが分かっているので、足を包み込むようにサポートするという考え方があるようです。

でも、それでジュニア世代の子どもの足に、本当にグリップ力が身に付くのでしょうか?

実はグリップ力そのものは、いくら性能の良いサッカーシューズを履いたとしても改善するわけではありません。

グリップ力は土踏まずを鍛えないとダメなのです。

日本人は、もともと江戸から明治時代にかけて、裸足で草履や下駄を履いて過ごしていました。

裸足で過ごすということは、自然と足指の力や土踏まずのアーチが発達するので、足の形は甲高幅広になり、地面を掴もうとする力が発達します。

つまり、昔の日本人はみんなグリップ力があったということですね。

ところが戦後になってクツを履くようになり、足の指や土踏まずの機能が衰えたためグリップ力が低下したのです。

そうした中で、現在は多くの子供たちがサッカーをやるようになった結果、シーバー病や足底筋膜炎など足首や膝の痛みに悩む子供たちが増えています。

こうして考えると、どう考えてもサッカーシューズにグリップ力を求めるのは、私としてはナンセンスだと思いますね。

そもそもグリップ力というのは、次の動画のように足裏の足底筋膜を鍛えて指と指の間が広がることによって身に付くものなのです。

だから、メーカーの広告によく見られる「抜群のグリップ力!」などという謳い文句には、あまり意味がない事実をきちんと理解してください。

以上のように、ボールコントロールとグリップ力は、ジュニア向けのサッカーシューズを選ぶうえではとても大切です。

また、どんなに良いシューズを履いたとしても、自分が本来持っているレベル以上のパフォーマンスは出せません。

スポーツは道具が大事と言いますが、サッカーシューズに頼っているようでは、全然上手くならないでしょう。

私が思うに、子供は小学3年生くらいまで、体育館や芝生などで裸足でサッカーをやらせた方が良いと思います。

そうすることで、ボールコントロールやグリップ力を改善することが出来ます。

先ほども解説しましたが、私が30年前に過ごしたブラジルの子どもたちは、子供たちが裸足でストリートサッカーをすることが多かったです。

また、クラブのジュニアチームでも、時々、裸足で練習させることがありました。

やはり、ボールコントロールやグリップ力は、裸足(または素足感覚のシューズ)だからこそ身に付くのではないでしょうか?

こうしたことは、ぜひ日本中のサッカー指導者に声高に言いたいですね。

※ブラジルと日本の子供たちの違いを詳しくお知りになりたい方は、次の記事をお読みください。
サッカーは裸足で上手くなる!ブラジルと日本の子供達の違い

さて、それでは次に、私の息子が小学生時代に履いていたサッカーシューズについてご紹介します。

たぶん「えっ?そんなの履いて練習したの?」と思う方が多いかも知れませんが、ぜひ参考にしてください。

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