ブラジルでのコーチの経験を活かして、 サッカー未経験の方にも分かりやすく科学的で正しい理論をご紹介します

サッカーシューズの選び方!意外と知らない大切な2つのこと

あなたは、サッカーシューズを選ぶ時、子供にどんなシューズを買っていますか?
メッシ、クリスチアーノ・ロナウド、ネイマールなどの有名選手が履いているモデルだから?カッコいいから?耐久性があるから?
 たしかに親の気持ちとしては、可愛い子供のためにカッコいいサッカーシューズを選びたいですし、長持ちすれば経済的でしょう。

 でも、そうした選び方が本当に子どものためになるのでしょうか?

 実は、サッカーシューズの選び方で、ほとんどの方が気が付いていない大切な点が2つあります。

 そこで、今回は正しいサッカーシューズの選び方について解説します。

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1.サッカーシューズのボールコントロールとグリップ力

 サッカーシューズの選び方で最も大切な2つの点は、ボールコントロールとグリップ力の意味をきちんと理解することです。
 そこで次に、この2つの点について順に詳しく解説します。

(1)サッカーシューズのボールコントロール

① シューズメーカーと親の考えの違い

 サッカーシューズをお店で選ぶ時は、いろいろな広告が目に付きます。
 楽天やアマゾンのネットショップを見ても、思わず買いたくなるような謳い文句もたくさんあります。
 これはシューズメーカーの、アディダス、ナイキ、プーマ、アシックスなどがお互いにしのぎを削っているのです。

 その中でも多く見られるのが、各社のサッカーシューズに対するボールコントロールの宣伝です。
 特に多いのが、抜群の!、絶妙な!、新次元の!などですね。

 実は、こうした宣伝広告はキャッチコピーと言って、消費者心理を知り尽くした専門のコピーライターが誰でも思わず買いたくなるようなタイトルを考えているのです。
 やはり、各社とも売り上げを伸ばしたいのでしょう。

 一方、消費者であるお父さんやお母さんが子どものサッカーシューズを選ぶ時、どのように考えているのでしょうか?
 たぶん、次の3つを考えているはずです。
 ア.良いモノを安く。
 イ.長持ちするという点でコスパが良いモノ。
 ウ.成長期なので一サイズ大きめ。

考え込む若夫婦

 これに対してメーカー側は次のように考えています。
 ア.子供のためなら親は高くてもお金を出すはず。
 イ.シューズの寿命は3~6ヶ月くらい。
 ウ.サイズはピッタリが望ましい。

 また親としては、せっかく高いサッカーシューズを選んだのだから長持ちしてほしい…と考えます。
 長持ちとは、耐久性のことですね。
 ところがスポーツメーカーとしては、サッカーシューズは消耗品なので買い替えを前提に考えています。

 つまり、親とメーカーの考え方は全く違うのです。

 そうなるとメーカーとしては、スパイクやトレーニングシューズの靴底を改良したり、アッパー(靴底以外の表面の皮の部分)を厚めにして耐久性を高めるしかないのです。
 なにしろ、メーカーとしては消費者の意向を汲み取らないと売れませんし、このシューズは長持ちしない!などという評判が起きると困りますからね。

 この場合、特に注意していただきたいのが、アッパーが厚めになりやすいという点です。

 実は、サッカーシューズのアッパーが厚めになると耐久性は高くなりますが、ボールコントロールの感覚が身に付き難くなるのです。

② ボールコントロールの感覚の本当の意味

 ボールコントロールの感覚とは、足の触覚や痛覚を刺激するという意味です。
 簡単に言えば、ボールが足に触れたときの軽い痛みの感覚です。
 もちろん、神経をシャープに刺激するような痛みではありません。

 その場合、アッパーが厚めのサッカーシューズを履いていたらどうなると思いますか?
 たぶん、いつまで経っても繊細なボールコントロールは身に付きません。

 そうするとアッパーが厚めよりも薄いサッカーシューズの方が、ボールコントロールの感覚が身に付くのです。

 私は30年前にブラジルサンパウロの某サッカークラブで、アシスタントコーチ(ジュニアとジュニアユース)をしていました。
 当時の私は、最初の頃にトップチーム(プロチーム)の用具係のお手伝いをしたことがあります。
 その際、プロの選手たちのサッカーシューズの靴磨きをしたことがありますが、各選手とも薄くて柔らかいのが印象的でした。
 いわゆる、カンガルー皮を使っていたのです。
 まるで、バレーシューズのような薄さと柔らかさがありました。

 用具係のスタッフに、「選手たちは、どうしてこんなに薄くて柔らかいサッカーシューズを選ぶのか?」と聞いたことがあります。
 その時の答えはこうでした。
 「選手たちは、本当は裸足でサッカーをしたいんだよ。」
 「だってボールコントロールがしやすいからね。」
 「でも試合のルールでは、シューズを履かないとダメだろう?」
 「だから、出来るだけ素足に近いサッカーシューズを選ぶんだよ。」

 なるほど、やはり本場のブラジル人は違うのだなあ…と感じました。

 たしかに当時のサンパウロの街中では、あちらこちらで裸足でストリートサッカーをしている様子をよく見かけました。
 そうした中で選手たちが成長していくわけですが、やはり文化の違いなのだろうと思いました。

 いずれにしても、アッパーが薄くて素足感覚のサッカーシューズの方が、ボールコントロールが身に付くのです。

 でも、アッパーが薄いシューズは、どうしても耐久性が低くなります。
 たしかに親の立場としては、経済的にも長持ちしてほしいでしょう。

 でも、子供が上手くなるためには、やはりアッパーが薄めのシューズを選んだ方が良いのは間違いありません。

 ちなみに、薄い靴でボールを蹴ったら足が痛い…なんて言ってたら、その時点で子供の成長は止まります。

 もしも、ジュニアユースとかユース世代になっても、厚い皮の靴を履いていたとしましょう。
 そして、「ボール感覚が絶妙だ!」などと自己満足していたとしたら、それは単なる勘違いであって、その子供とっての将来の成長は見込めません。

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(2)サッカーシューズのグリップ力とサポート

 サッカーシューズのグリップ力とは、簡単に言えば走ったり飛んだり跳ねたりする時の地面を掴む性能です。

 少年サッカーの場合は、低学年のうちからスパイクやトレシューなどを履かせるクラブチームや少年団が多いです。
 その意図は、滑ったり転んだりというケガを少なくするためでしょう。
 たしかに、スパイクやトレシューの靴底は特殊な形状をしているので、土のグラウンドが多い日本では効果的なように思えます。

 また、シューズメーカーとしても、グリップ性能の改良を重ねながら新製品を毎年のように発売します。
 メーカー側の意向としては、子供の土踏まずが未熟であることは分かっているので、足を包み込むようにサポートするという考え方があるようです。

サッカーの練習をする小学生

 でも、それで子どもの足にグリップ力が身に付くのでしょうか?

 実はグリップ力そのものは、いくら性能の良いサッカーシューズを履いたとしても改善するわけではありません。

 グリップ力は土踏まずを鍛えないとダメなのです。

 日本人は、もともと江戸から明治時代にかけて裸足で草履や下駄を履いて過ごしていました。
 裸足で過ごすということは、自然と足指の力や土踏まずのアーチが発達するので、足の形は甲高幅広でした。
 つまり、昔の日本人はみんなグリップ力があったということです。

 ところが戦後になってクツを履くようになり、足の指や土踏まずの機能が衰えたためグリップ力が低下したのです。
 そうした中で、現在は多くの子供たちがサッカーをやるようになりました。
 その結果、シーバー病や足底筋膜炎など足首や膝の痛みに悩む子供たちが増えたのです。

 こうして考えると、どう考えてもサッカーシューズにグリップ力を求めるのは、私としてはナンセンスです。

 そもそもグリップ力というのは、次の動画のように足裏の足底筋膜を鍛えて指と指の間が広がることによって身に付くものなのです。

 だから、サッカーシューズメーカーの広告によく見られる「抜群のグリップ力!」などという謳い文句には、あまり意味がないということをきちんとご理解ください。

参考記事:土踏まずのアーチの鍛え方!サッカー選手必見の強化法とは?

 以上のように、ボールコントロールとグリップ力は、サッカーシューズを選ぶうえではとても大切なです。

 どんなに良いシューズを履いたとしても、自分が本来持っているレベル以上のパフォーマンスは出せません。
 またスポーツは道具が大事と言いますが、サッカーシューズに頼っているようではダメなのです。

 私が思うに小学3年生くらいまでは、体育館や芝生などで裸足でサッカーをやらせた方が良いと思います。

 そうすることで、ボールコントロールやグリップ力を改善することが出来ます。

 先ほども解説しましたが、私が30年前に過ごしたブラジルの子どもたちは、裸足でストリートサッカーをすることが多かったです。
 クラブのジュニアチームでも、時々、裸足で練習させることがありました。

 やはり、ボールコントロールやグリップ力は、裸足(または素足感覚のシューズ)だからこそ身に付くのではないでしょうか?

 こうしたことは、ぜひ日本中のサッカー指導者に声高に言いたいですね。

 ※ブラジルと日本の子供たちの違いを詳しくお知りになりたい方は、次の記事をお読みください。
 サッカーは裸足で上手くなる!ブラジルと日本の子供達の違い

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2.私の息子のサッカーシューズ

 私の息子「とも」は、小学校1年の2学期からサッカーを続けています。
 そこで、小学生時代にどのようなサッカーシューズを履いて練習や試合をしていたのか?をご紹介します。

(1)普段の自主練用のシューズ

 クラブや少年団などの練習とは別に、学校から帰宅して自主練をする時は専ら小学校の上履きを履いていました。

小学校の上履きのアッパーの部分

小学校の上履きの靴底の部分

 これは先ほど解説したように、私がブラジルで経験したプロ選手のサッカーシューズからヒントを得ています。
 バレーシューズのように薄くて柔らかい…ということですね。
 実際に練習する時は、靴下を履かずに裸足で履いて練習しました。
 この上履きは、サッカーシューズの代わりとしてはとても安価ですし重宝しました。

 このシューズのメリットは、
 ① 皮(アッパー)が薄く素足感覚になるのでボールコントロールが身に付く。
 ② 靴底が薄く滑りやすいのでグリップ力が強化する。
 ③ 滑りやすいのでバランス感覚が身に付く。

 このシューズは主にリフティング、ドリブル、トラップの練習で使いました。

 ふつうに考えたら、こんな靴でサッカーやると滑ったり転んだりして危ないのではないか?と思われるでしょう。
 でも、練習だからこそ、こうしたシューズを履くべきなのです。

 グリップ力が強くなると、足の指と指の間が開いて来るので、すぐ分かります。
 私がブラジルにいたころは、子供たちの足はゴツゴツしていて指が長くてしっかりしていた記憶があります。

 このシューズは靴底が薄いことでグリップ力が強化されますが、これとは別にバランス感覚も必要です。
 サッカーのバランス感覚は飛んだり跳ねたり走ったりする時に、足だけではなく全身の骨格と筋肉を使うことでパフォーマンスがアップします。
 そうした点で、次の動画のように小学校低学年から取り組んだ一本歯下駄トレーニングの効果も高かったです。

 ※一本歯下駄トレーニングをもっと詳しくお知りになりたい方は、次の2つの記事をお読みください。
 一本歯下駄の効果!身体能力アップに役立つ5つの理由!
 一本歯下駄トレーニング!サッカー向け練習メニュー22選

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(2)スパイク

 「とも」は小学校低学年の頃から自主練用として、サッカーシューズ代わりに小学校の上履きを使っていたので、皮が薄く素足感覚で履けるクツが好みになりました。

 その頃に使っていたスパイクは、NIKEハイパーヴェノムファタルHGです。
 残念ながら、すでに廃番なので入手困難です。
 そこでAmazonや楽天で品切れ前にまとめ買いしてあります。

サッカースパイク

 このスパイクは、主にキックの練習で使いました。
 もちろん試合でも使っています。

 このスパイクの特徴は、アッパーがカンガライトを使っていることです。
 カンガライトは人工皮革ですが、カンガルー皮のような柔らかさと薄さを兼ね備えています。
 だから、素足感覚が好みの「とも」にはピッタリのサッカーシューズです。

 私がブラジルにいたころのトップチームの選手たちのシューズは、本物のカンガルー皮でしたが、それに勝るとも劣りません。

 ちなみにこのスパイクは靴底がすり減るまで使いましたが、小学校の上履きを履いて練習したり、足指グーパーとスリスリ、一本歯下駄トレーニングで身に付けたグリップ力とバランス感覚があるので、転んだり滑ったりということは滅多にありません。

スパイクの靴底

 このスパイクは、だいたい3ヶ月くらいで履きつぶします。

(3)トレーニングシューズ

 今でも愛用しているのが、PUMA evo SPEED 5.4TTです。
 このサッカーシューズは、やや小さ目に作られています。
 この靴はカンガライトではないですが、先ほどのNIKEのスパイクに近い皮の薄さです。
 やはりボールコントロールの養成には、とても効果がありました。

トレーニングシューズ

3.まとめ

 サッカーシューズの選び方で最も大切な2つの点は、ボールコントロールとグリップ力の意味をきちんと理解することです。
 アッパーが薄い素足感覚のサッカーシューズを選んだ方が、ボールコントロールの感覚が身に付きます。
 また、サッカーシューズにグリップ力を求めるのは、ナンセンスであることもお考えください。

 一方、メッシ、クリスチアーノ・ロナウド、ネイマールなどの有名選手のカッコいいサッカーシューズを履いても、決してサッカーが上手くなるわけではありません。

 本当に上手くなるためのサッカーシューズの選び方は何か?
 こうした点を、多くの方にお考えいただきたいと思います。

【画像引用:Youtube.com