ブラジルでのコーチの経験を活かして、 サッカー未経験の方にも分かりやすく科学的で正しい理論をご紹介します

サッカーで声を出す方法!子供の自立を考えよう

子供がサッカーの試合で声を出せないのは、メンタルが弱いから…、というわけではありません。

いつ?何を?どのように?声を出せば良いのか分からないのです。

そこで今回は試合中に声を出す方法を解説します。

※この記事は2つのページに分かれているので、順番に読んでも良いですし、直接それぞれのページを読んでいただいても結構です。

1ページ目(このページに書いてあります)
【声を出すとはどういうこと?】

2ページ目(←クリック!)
【声を出す方法】
【まとめ】

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声を出すとはどういうこと?

(1)子供が声を出せない理由

最近は試合中に声を出せない子供が多くなりました。

むしろ親の声援の方が大きいかも知れません(笑)。

そればかりではなく、
「なんで点を取られても黙っているの!」
「もっと声を出して!」
「元気がないよ!」
なんて、歯がゆい思いをする親御さんも多いと思います。

「いつもはしゃいでいるのに、試合になると急に大人しくなるのはどうして?」
「声ぐらい簡単に出せるはずなのに…」
と考える方も多いでしょう。

でも、こうした発想は、親の勝手な思い込みでしかありません。

実は、子供が声を出せない理由は、いつ?何を?どのように?言えば良いのか分からないからです。

その一方で、チームの監督やコーチたちが「もっと声を出せ!」と言っても、肝心の声の出し方までは教えません。

だから子供たちは、何も分からないのです。

実に無責任なことですが、これが日本の少年サッカーの現状だと思います。

つまり子供にとって分からないことを要求されても、何も出来ないのは当然のことなのです。

そうすると、子供たちは誰にも教わらず、周りの雰囲気を見ながら声の出し方を覚えるしかありません。

ちなみに、あなたが英語を全く話せないとして、いきなり一人でアメリカに行って生活できますか?

子供にとって試合中に声が出ないというのは、こうした状況と全く同じですよ。

もちろん物怖じしない子であれば、誰にでもハッキリと物事を言えるので、声を出すのは何ともないでしょう。

でも、声を出せない子にとっては、ものすごく勇気が必要なことです。

だから、黙って何も言わない姿を見た親御さんたちは、「うちの子はメンタルが弱い…」などと決めつけてしまうことが多いと思いかも知れません。

このように声が出せない子は、ずっとそのままなのでしょうか?

実はこうした状態は、選手同士のコミュニケーションと深い関係があります。

そこで、次に子供たちのコミュニケーションについて考えてみましょう。

(2)コミュニケーションの重要性

サッカーで声を出すのは、会話と同じで、選手同士のコミュニケーションです。

もちろん発した言葉が「そこマークしろ!」などの一方通行なので、日常会話とは少し違います。

でも、試合中は長々と言い合うだけの時間がないので、「もっと動き出しを速く!」などの短い言葉になるわけです。

要するに、日常会話と違うのは言葉が長いか?短いか?だけであって、言葉の本質としてのコミュニケーションには変わりません。

この場合、よく声を出しあうチームは選手同士のコミュニケーションが活発で、練習中でもそうですし、それ以外の時間でも言葉のやり取りが多いです。

特に目立つのは、思ったことをハッキリと口に出すことですね。

その際、声が出せない子がそうしたチームに所属したら、どうなると思いますか?

実は大人しい子であっても、不思議と声を出すようになります。

なぜなら、いつ?何を?どのように?言えば良いのかという声の出し方を覚えますし、チームの雰囲気に影響されるからです。

それでも声が出せない子はいるでしょうが、そうした状況は時間とともに解決するので親が心配する必要はありません。

なぜなら子供は親が知らないうちに、いつの間にか成長するからです。

ところで、こうした声出しは練習の時から実践していないと試合では出せません。

これは練習の時に上手く行かないテクニックやプレーは、実際の試合では使えないのと同じことです。

こうした場合、コミュニケーションが活発なチームは練習前後や練習中の空いた時間で、お互いに話し合いをしています。

これは自主練と同じで、自分たちが自主的に行っていることです。

つまり、選手同士で声を出しやすい環境が自然と出来ているわけですね。

またチームの選手たちは、そうすることで大人への自立を辿っていくのです。

実は、こうした環境作りは監督やコーチなどの意向にかかっています。

そこで、次に指導者の役割について考えてみましょう。

(3)指導者の役割

子供たちが声を出しやすくなるためには、ひとえに指導者の環境づくりが大切です。

ところが、日本のサッカー指導でよくありがちなのは一から十まで口出しすることです。

日本サッカー協会が提唱する子供の自立や主体性の尊重を無視して、練習でも試合でも大声を張り上げて指示を出し続けます。

そうすると子供たちは、監督やコーチたちの操り人形になるだけです。

そうした状況の中で、子供たちは自立できるのでしょうか?

単なる操り人形では、選手同士のコミュニケーションもありませんし、練習や試合でも指導者の顔色を見ているだけです。

そうなると子供たちは声を出さなくなります。

いわば「黙して語らず」ということですね。

それでも、試合中に声を出すチームはあるでしょう。

でも、監督やコーチから「声を出せ!」と言われるから、やっているだけのことです。

さらに親が追い討ちをかけるように「声を出せ!」と言えば、子供としては仕方なくやります。

これは、あくまでも子供にとって嫌々やっているだけであって、主体的に起こした行動ではありません。

そもそも子供が声を出せるのは、選手同士のコミュニケーションが日ごろから活発だからです。

またコミュニケーションが活発なのは、一人一人の選手が自立しているからです。

つまり子供に声出しをさせたいのなら、大人はむしろ黙っていた方が良いのです。

そうしないといつまで経っても自立しませんし、本当の意味で声を出すようにはなりません。

そもそも、子供にとって声を出すのは勇気がいることです。

また、そうしたことは「声を出せ!」などと、強制するべきではありません。

単なる脅迫と同じですし、恐怖に基づいた行動は長続きしないのです。

そうした場合の監督やコーチたちの役割は、選手同士のコミュニケーションを活発にするための雰囲気作りです。

お互いに意見を言い合って物事を決めて行くというような、自立を促すことですね。

子供は小学校高学年になると、授業中に少人数のグループ単位で活動する機会が増えます。

例えば、研究発表や社会科見学などです。

その際、子供たちだけでルールを作って自主的に学習しています。

そもそも文部科学省の学習指導要領は、いつの時代でも子どもの自立を促しています。

そうした意味では、子供はいつでも自立できるだけの下地があるのです。

やはり子供たちに「声を出せ!」というのは、単なる強制でしかありません。

先ず考えるべきことは、如何にして自立を促すのかと言うことです。

そうすることで、初めて自主的に声を出し合うようになるのです。

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さて次は、声を出す方法について解説します。

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