【プロのボレーシュートの蹴り方】
プロのボレーシュートの蹴り方を参考にするためには、本物のテクニックを理解するという点で、日本と海外の選手を比較することが大切です。
(1)日本人選手のボレーシュートの例
日本人は、育成年代からボレーシュートはインステップで蹴る…と教わるので、バックスピンが掛かって浮いてしまうことが多いです。
次の動画は、2011アジアカップ決勝の李 忠成のボレーシュートですが、一見すると素晴らしいシュートに思えるものの、バックスピンが掛かっていますよね。
そうすると、ふつうならボールが浮き上がって、クロスバーを越えることが多くなります。
この場合、ボレーシュートは足を高く上げてから振り下ろすため、どうしてもダウンスイングになってしまいます。
そうすると、インフロントキックのようにボールを擦り下げることになるので、バックスピンが掛かりやすくなるのです。
ところが、李 忠成が蹴った地点はペナルティーマークの辺りなので、クロスバーを越える前にゴールしています。
もしも、蹴る場所が10mほど後ろだったら、ゴールを越えていたかも知れませんね。
国の代表チームは、その国の育成の結果を反映するものですが、たぶん彼も「ボレーシュートはインステップで蹴る…」という教えを忠実に守って成長したのでしょう。
ちなみに、李 忠成のボレーシュートは当時の日本では好評価でしたが、海外ではほとんど取り上げられていません。
私が思うに海外のメディアの見る目は確かだと思います。
それでは海外のプロたちは、どのような蹴り方をしていると思いますか?
そこで次に、海外の選手たちのボレーシュートを解説してみましょう。
(2)海外の選手のボレーシュートの例
海外の選手たちのボレーシュートは、インステップをほとんど使いません。
その理由はボールにバックスピンをかけず…、クロスバーを越えず…、「枠」を狙うという発想があるからです。
つまり、ボレーシュートの目的は得点することにある!という考え方があるわけですね。
だから、得点さえ出来れば何でもありなのです。
また、ボールに回転をかけると言っても多種多様で、例えばカーブ、アウト、ドライブ回転、グラウンダーなど、相手DFやGKの位置関係や局面に応じていろいろな蹴り方をします。
①カーブ回転
次の画像は、元フランス代表のジダンのボレーシュートで、カーブ回転をかけています。
カーブ回転をかけると空気抵抗の関係で失速してゴール手前でボールが落ちるため、クロスバーを越えることはほとんどありません。
またタイミング、ミート、体幹をひねるという3つのコツも見られます。
ちなみにカーブ回転のかけ方は、ボールの中心をインステップのやや内側かインフロントでミートすると良いでしょう。
ミートする程度なので大きく曲がることはありませんが、カーブ回転が掛かってゴール手前でボールが失速するので、ボールが大きく浮くことはありません。
さて次は、アウト回転のボレーシュートの蹴り方を詳しく解説します。
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