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ドリブル

ターンを鋭く速くする二つのコツ!海外サッカーと日本の違い

投稿日:2019年5月21日 更新日:

ドリブルで相手を抜くロッペン

海外のプロサッカー選手たちは鋭くて速いターンをします。
この場合、たった二つのコツを覚えるだけで小学生でも同じように出来るようになります。

ところが、日本の選手たちはこうしたコツが分からないため、膝、足首、股関節を酷使した動きの遅いターンになっています。

そこで今回はターンを鋭く速くするコツ、実戦での使い方、練習法について解説します。

1.ターンを鋭く速くするコツ

ロッペンの方向転換

(1)スピーディで鋭いターンの必要性

サッカーのターンは、ドリブル⇒方向転換⇒ドリブルの再開…というプレーのスムーズな連続性が必要です。

その際、現代サッカーはコンパクトなため相手ディフェンスが次から次へとプレスに来ます。
そうすると連続したプレーを正確にするのはもちろんですが、スピーディで鋭いターンが必要なのです。

ところが日本ではドリブルとターンを個別のテクニックとして考えがちです。
しかも突破のドリブルやフェイントの方を重視するため、ターンは比較的簡単なテクニックとされているようです。
これは方向転換だけに使うもの…という極めて低レベルの指導が原因なのでしょう。
そうすると子供たちは重要性をあまり理解せずに成長してしまうのです。

そもそもターンは、その前後にある個別のテクニックをスムーズに繋げて初めてプレーが成り立ちます。
だからプレーの連続性を意識した素早いターンの技術を身に付ける必要があるのです。

(2)ロッペンのターン

海外のトップ選手の中で、特に参考にしてほしい選手は元オランダ代表のロッペンです。
ロッペンのターンには、誰でも簡単に覚えられるコツが見られます。
そこで、次にこの点について解説します。

① ロッペンの特徴

ロッペンは、次の動画の0:24からのシーンにあるとおり全速力からほぼ直角に方向転換しています。

日本人がこの動きを真似するとしたら、膝と足首を使って頑張ってやるだけでしょう。
でも、それは大きな間違いですね。
なぜなら膝、足首、股関節を酷使するだけであって、かえって動きが遅くなるからです。

この場合、ロッペンは利き足でボールを持つので体の開きがなく足の力にも頼っていません。
どちらかと言えばリラックスした状態でプレーしています。
だから、スピーディで鋭いターンが出来るのです。

実は、次の連続写真を見ると二つのコツが隠れています。

それは「空中動作」と「体幹ひねり」です。

ロッペンの空中動作と体幹ひねりの連続写真

この動きを真上から見たのが次のイメージ図です。
ロッペンは、大きく分けてAB、C、DEの3つの動作をしています。

ロッペンの方向転換を真上から見た説明画像

そこで次にそれぞれの動作を順に解説しましょう。

② ターン直前のブレーキ動作

先ずA~Cまでの動きです。

ロッペンのターン直前のブレーキ動作の説明画像

これはターンの直前でブレーキを掛けようとする動きです。
ブレーキをかけるとは言っても、日本の選手のように膝や足首を突っ張って止まるわけではありません。
その理由はAからBにかけての左腕の位置と背中の角度、C(空中動作)の両膝を曲げた姿勢に着目すると分かります。

Bの時点ではAに比べて腕が高く上がっていて、背中の角度もやや真っ直ぐになっています。
これは腕を持ち上げる反動を使うことで背骨が伸びて、Cの空中動作に移ろうとしているのです。

またBからCにかけては、へそ辺りの位置がほぼ同じで、Cでは両膝を曲げています。
これは何を意味するのかと言うと、Cが空中動作になっているということです。
つまりA~Cにかけて、体を空中に浮かせながらブレーキをかけているわけですね。

③ ターンと体幹ひねり

次にC~Eまでの動きです。

ロッペンの方向転換と体幹ひねりの説明画像

ここではCの空中動作の後にD~Eでターンしています。
特に注意していただきたいのが、C~Dの動きです。

それまでA~Bにかけて前方にドリブルした状態から、Cの時点でブレーキを掛けていました。
そしてDで着地して、Eでドリブルを再開しています。

ここでのDの動きを一見すると右膝と足首で地面を蹴っているように思えますが、実はそうではありません。
その理由はCからDにかけて左腕が下がっていること、DからEにかけて再び上がっていることと関係します。

簡単に説明すると、CからEにかけて腕の反動を使って空中で体幹(上半身)をひねっているのです。
こうした空中動作の体幹ひねりは一種の無重力状態を利用しているので、地面に着地している時のような摩擦抵抗は一切ありません。
そうすると自分の体を素早く回転させることが出来るのです。

次の動画で私の息子「とも」が体幹ひねりの体操(スローモーション)を実演しています。

こうした空中動作の体幹ひねりを利用すると、その場でクルッと反転出来るので回転半径が小さくなります。
またこの動きを覚えると、試合中の狭い場所で2~3人の相手に囲まれても簡単にその場を切り抜けることが出来ます。
こうした動作を伴うプレーが、いわゆる「鋭いターン」なのです。

たぶんほとんどの日本の指導者は、Dの動きが右膝と足首で地面を蹴っているようにしか見えないのでしょう。
また、空中動作で体幹ひねりを使うことも分かっていません。
そうすると足の力を使ってひたすら頑張るように指導するわけです。

しかもブレーキを掛ける時と、ドリブルを再開する時の、二つの局面で膝と足首を酷使します。
こうしたプレーを長期間続けると故障の原因になりますし、そもそも地面を蹴るという動作が摩擦抵抗を受けるという動きの遅さに繋がるのです。

そこで、次に日本人の間違ったターンを考えてみましょう。

(2)間違ったターン

日本人のターンは間違いが多く、しかも次のような問題点が見られます。
① 両足を使う
② 足の力に頼った動き
これではロッペンのような空中動作と体幹ひねりを使った鋭くて速い方向転換は出来ません。

そこで、代表的な悪い例を考えてみましょう。

① 両足を使う

次の動画のように両足を使うと、一見して器用な選手になるように思えます。
でも、残念ながら5歳以下の幼児によく見られるドタバタした動きが身に付くだけです。
しかも空中動作は全く見られません。

実はロッペンの空中動作は利き足でボールを持つからこそ、可能なテクニックなのです。
その理由は、利き足でボールを持ってドリブル練習をすると軸が強くなるからです。

ちなみに空中動作の体幹ひねりは、フィギュアスケートのスピンやジャンプに似ています。
この動作は体に強い遠心力がかかるので、体幹と軸の強さで支える必要があります。

フィギュアスケートのスピン

ところが、幼少期から過度な両足練習を繰り返すと軸が鍛えられません。
なぜなら両足練習は、歩く動作を練習しているようなものだからです。
だから、両足練習を続けた子供たちは空中動作がほとんど出来ないのです。

また、両足練習を続けると体が開くのでスピーディな動きも出来ません。
もしも鋭く速いターンをするとしたら、膝と足首を使って頑張るしかないのです。

参考記事:体が開くとは?サッカー指導者が気付かない両足練習の弊害

② 足の力に頼った動き

日本人のターンのやり方は足の力に頼った動きが多いです。
足の力に頼るということは上半身をほとんど使っていないことですね。

そうすると上半身が重たい荷物のようになって、体重移動で頑張ってターンをすることになります。
特に次の動画の0:14~0:50までのインサイドとアウトサイドの方向転換を見ると、動きが重たく感じますね。

こうした動きの悪さの原因は、やはりロッペンのような空中動作が身に付いていないことと関係します。
またターンの回転半径が大きくなっていますが、これは体幹ひねりが使えていないということですね。

足の力に頼ったアウトとインの方向転換の連続写真

③ 間違いと問題点のまとめ

両足を使ったり足の力に頼ったターンは、自分ではスムーズに出来たように感じるかも知れません。
その場合、日本人どうしの試合であれば通用するでしょうが、海外を目指すのであればあまり役に立ちません。
その理由は両足を使うにしても足の力に頼るとしても、そうした発想自体がかえって動きを遅くしているからです。
つまり日本の常識は海外の非常識なのです。

先ずは利き足を使ったターンを覚えること、足の力に頼らないスピーディーな動きを身に付けることが大切です。

さて、次は空中動作と体幹ひねりに基づいた実戦的なターンを解説します。

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2.ターンの実践例4選

ここでは、ロッペンの空中動作と体幹ひねりを参考にしたターンのやり方として、アウトサイド、インサイド、クライフターン、カットインの4種類の基本テクニックを解説します。
実際の試合でも良く使いますし、基本の使い方を覚えればあとはいくらでも応用が効きます。
そこで、小中学生にはぜひ覚えてほしいですね。

(1)アウトサイドのターン

① ボールを止める

ここではアウトでボールを止めるだけの単純な方向転換のように思えますが、③~⑤にかけて体幹ひねりをしながらボールを中心に反転しています。
また、この時にほんの僅かですが空中動作をして体を回転させています。
アウトでターンをするのは利き足でボールを持つということで、ブラジルでも基本とされています。

ボールを止める動作の説明画像

② ターンで大回り

ここでもアウトで反転していますが、基本的な動きは先ほどのボールを止めるターンと同じです。
日本ではこの程度の回転が小回りとされているようですが、私としてはこれでも大回りだと考えています。

方向転換で大回りする動作の説明画像

③ ターンで小回り

ここでは二段階の動作でターンしています。
先ず①~③は空中動作を使って、下半身をひねってアウトでタッチしています。
「とも」の胸が正面を向いたままの様子を見るとよく分かると思います。
次に④~⑥も空中動作を使っていますが、ここでは上半身をひねってターンをしています。
このテクニックは試合中の狭い場所で2~3人の相手に囲まれた時に極めて有効です。
とてもシンプルなプレーなので、育成年代の子供たちにはぜひ覚えてほしいですね。

方向転換で小回りする動作の説明画像

ちなみに足の力に頼っている場合は、こうした空中動作が使えません。
だから、同じアウトのターンでも大回りになってしまいます。
そうすると試合中に相手に囲まれると、局面を打開することが出来ないのです。

足の力に頼ったアウトの方向転換の説明画像

④ ターンからの抜き技

ここではアウトのターンを応用した実戦向けのシンプルな抜き技を解説します。

ア.アウトのターン~股抜き

①~③までの動きは直角に方向転換しているので、ロッペンのターンと全く同じですね。
④~⑤にかけて股抜きをしていますが、これはアウトで抜いても良いですし、他の抜き技を使っても構いません。

アウトの方向転換から股抜きまでの説明画像

この場合、特に大切なのはロッペンと同じ動作が出来るか?どうか?ということです。
将来は海外を目指すというのであれば、小学生年代のうちにこうしたシンプルなテクニックを覚えましょう。

イ.アウトと足裏のターン~インサイド

ここでは①~③までアウトのターン、④~⑤が足裏のターン、⑥~⑧がインサイドを使うという一見して複雑なプレーに見えます。
でも、基本的には空中動作と体幹ひねりを駆使しているだけです。
だから三つのプレーが連続してスムーズに出来るのです。
これもシンプルなテクニックですが試合では十分に使えます。

アウトと足裏の方向転換からインサイドで抜くまでの説明画像

(2)インサイドのターン

① ターンで大回り

①~③まで大回りしているように見えますが、④では空中動作と体幹ひねりを使っています。
だから、その場でくるっと方向転換出来るのです。

インサイドの大回りの方向転換の説明画像

② ターンで小回り

ここでも先ほどの大回りと同じような体の使い方をしていますね。
やはり鋭く速いターンが出来るのです。

インサイドの小回りの方向転換の説明画像

ちなみに足の力に頼っている場合は、どうしても回転半径が大きくなります。
これでは、せいぜい運ぶドリブルの時か相手のプレスが全くない状況でしか使えないでしょう。
つまり足の力に頼っていては鋭く速いターンが出来ないのです。

③ ターンからの抜き技

ここではインサイドのターンを応用した実戦向けのシンプルな抜き技を解説します。

ア.インサイドのターン~股抜き

(ア)追いかけて来る相手

①~②まで相手が追いかけて来ましたが、③で方向転換して股抜きをしています。
もちろん股抜き以外の抜き技を使っても構いません。
ちなみに連続写真なので分かり難いですが、ここでは180度近く反転しています。
体幹ひねりを使わない限り、こうした動きは出来ないでしょう。

追いかけて来る相手にインサイドの方向転換から股抜きをするまでの説明画像

(イ)一対一

①~⑤まで、体幹ひねりと空中動作を駆使したターンをしています。
⑥ではそれまでと反対方向に体幹ひねりをしていますが、これは「とも」のインサイドキックの動作と同じです。

一対一でのインサイドの方向転換から股抜きまでの説明画像

⑥の蹴り方は試合中の狭い場所でも使えるので、ぜひ覚えてください。

参考記事:インサイドキックの正しい蹴り方と練習法!

イ.インサイドのターン~足裏

ここではインサイドと足裏のターンということで、一見して複雑なプレーに見えますが、基本的には空中動作と体幹ひねりを駆使しているだけです。
それほど難しくはないので、ぜひ覚えましょう。
ちなみにネイマールもよく使うテクニックですね。

インサイドと足裏の方向転換の動作の説明画像

(3)クライフターン

クライフターンも空中動作を使うと素早いターンが出来ます。

動画の0:15からのスローモーションを見ると、体が浮いた状態でボールにタッチしています。

体が浮いた状態の動作の説明画像

また着地で自然なヒザ抜きが出来るので、膝や足首をブレーキに使うようなことがありません。
そうするとスピーディな動きが出来るのです。

着地の自然なヒザ抜き動作の説明画像

こちらの動画の実演者は、ドタバタしていて空中動作が全くありません。
これでは素早い動きは出来ませんね。

(4)カットイン

先ほど解説したロッペンのターンは、彼のカットインのプレーの一部を切り取って説明したものです。
そこで、どうせならこの際にカットインも覚えてしまいましょう。

① ブレーキのかけ方

基本的には空中動作を使ってブレーキを掛けます。

カットインのブレーキ動作の説明画像

② ターンのやり方

やり方としては、
①アウトサイドのタッチ
②みぞおち抜き:反射(またはワップアップ)
③体幹ひねり(ロッペンと同様)
これらの動きを合わせて行います。

カットインの方向転換動作の説明画像

詳細は次の参考記事をご覧ください。

参考:カットインのコツ!海外と日本のサッカー選手の違いとは?

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3.ターンの練習法

ここではロッペンのような鋭く速い動きを身に付けるための練習法を解説します。

(1)体幹ひねりと軸足強化

ロッペンのターンに見られる空中動作と体幹ひねりは体に強い遠心力がかかります。
そこで体幹と軸足を鍛える必要があります。

① 体幹ひねり

体幹ひねりは一本歯下駄を履いて練習すると効果的ですが、特にお持ちでない場合は使わなくても結構です。

ア.一本歯下駄を使う場合

次の動画の1:25からのシーンをご覧ください。

参考記事:一本歯下駄トレーニング!サッカー向け練習メニュー22選

イ.一本歯下駄を使わない場合

② ちょんちょんリフティング

ちょんちょんリフティングは、軸足だけではなく体幹も鍛えられます。
特にサッカーのボールプレーは片足立ちでやるので、ターンのテクニックを安定させるためにもぜひ練習しましょう。

参考記事:ちょんちょんリフティングがサッカーに役立つ驚きの効果

(3)膝抜き

空中動作のターンから着地して次のプレーに移る時は、膝抜きを使うと動きがスムーズになります。

そこで、次の2つの動画を参考にして練習しましょう。

参考記事:膝抜きでサッカーのプレーが劇的に改善!【練習法も解説】

(4)ターンのドリブル

① カットドリブル

実戦を想定した突破のドリブルで、アウトとインのカットドリブルを練習しましょう。
試合中のほとんどのターンはアウトサイドかインサイドを使います。
特に、重心移動を意識すると動きがスムーズになります。

参考記事:重心移動でサッカーが100倍上手くなる!

② アウトインのドリブル

この練習の目的は、アウトとインサイドのタッチの感覚をターンの動きの中で正確に覚えることです。
特に親指と小指のタッチに集中してください。

参考記事:サッカーのドリブル練習法!小学校低学年向け基本8選

③ 足裏ドリブル

足裏を使ったターンを覚えるために、ボールタッチや足裏ドリブルを練習しましょう。

参考記事:足裏ドリブル練習法!小学校低学年向け基本10選

(5)ターンの実戦練習

次の動画のような実戦を想定した一対一の練習をしましょう。
この二つの練習ではターンをたくさん使います。
また、ターンとその前後のプレーも連続するので、いろいろなテクニックがスムーズに出来るようになります。

① 一対一ゲーム

② 足裏ゲーム

参考記事:ドリブルが本当に上手くなる練習法とは?即効・対人メニュー!

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4.まとめ

これまで、ターンの使い方について、ロッペンの動きを参考に実践的な使い方や練習法を解説しました。
特に参考にしていだきたいのが空中動作と体幹ひねりです。

実は海外のトップ選手たちは意外とシンプルなドリブルをしていますし、特に難しいことをしているわけではありません。
その場合、日本人との違いは体の使い方だけです。

特に育成年代の子供たちは、ぜひ海外のトップ選手たちのシンプルなターンを身に付けてほしいと願っています。

【画像引用:Youtube.com

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